※この作品はR-18です。

神器なき男 (再編集版)   作:もっち~!

145 / 260
コカビエルの思惑

 

 

 

---ファルビウム---

 

「バアル家とフェニックス家が、何やらキナ臭いぞ」

 

もう一人の魔王のアジュカに、俺は報告した。

 

「サイラオーグとコカビエルかぁ?」

 

「アジュカの耳にも入っていたか。なんだか、サーゼクスの二の舞いになりそうだ」

 

「二家を抑えることは出来ないのか?」

 

「大公アガレス殿に頼んではみたのだが、人間に舐められているのが許せないと、譲らないそうだ」

 

「サイラオーグは、コカビエルの口車に乗せられているようだ…へたに戦闘になれば、三大勢力戦争以上になるぞ」

 

「あぁ、避けられない。くそっ!」

 

 

 

---アザゼル---

 

「コカビエルが、悪魔の名門2家を、丸め込んで仲間にして、ボウズにケンカを売るみたいだぞ」

 

ボウズの父親のバラキエルに伝えた。

 

「俺も援軍に行ってもいいだろ?」

 

戦う気満々のバラキエル。

 

「ダメだ。グリゴリは参加しない。規模がデカくなるだけだ」

 

「しかし、娘と息子が戦うんだぞ!」

 

俺に闘気をぶつけてくるバラキエル。熱くなる気は、わかるが…

 

「おまえは、本当の三大勢力戦争を起こす気か?」

 

「なぁ、俺一人だけでも…頼む。なぁ、アザゼル…」

 

俺に丁重に頭を下げてくるが…無理なもんは無理だ。俺だって、出来るなら…くそっ!

 

「ダメだ。おまえはグリゴリの上層部だからな!」

 

 

 

---ヤマト---

 

アジュカ先生と父さんから、連絡があった。悪魔と堕天使が僕達を討伐に来るらしい。どうも、サイラオーグが、悪魔サイドと堕天使サイドの橋渡しをしたみたいだ。対策を練る?ここは結界が張ってある。では、どこを攻めるのだろうか?駒王町全域か?それだと守りきれない…どうしよう。

 

頭を抱えている僕を、優しく抱きしめてくれるグレイフィアさん。

 

「あなたは一人じゃない。私はあなたの為なら、命を捧げられるわ」

 

「そういうことを、僕は望みません。グレイフィアさんには、生きていて欲しい」

 

朱乃姉ちゃん、ヴァーリ、白音、黒歌…みんなが傍に来た。

 

「今度こそ、姉である私が守る」

 

「いつでも、隣で戦うからね」

 

「黒歌姉さんと闘います」

 

「白音と共に離れないで戦うにゃん♪」

 

みんな、僕と一緒に戦う気があるみたいだ。でも、対策を立てないと、闇雲に戦うのは、無駄死を招く恐れがある。僕は相談をする為、那魅さんの元に転移した。

 

 

 

---那魅---

 

ヤマトが相談に来た。敵の数がわからない。敵の狙う場所もわからない。どう、準備すれば良いか、普通に生活している人々をどう守るか…

 

戦域が広域になると守りようがない。もし、駒王町全域に攻撃を掛けられたら、私でも守りきれない。広域の守備体勢だと、ある程度の犠牲が出てしまう。ヤマトは、それが嫌みたいだ。ヤマト達のせいで、関係ない人を巻き込むのを、避けたいみたいだが。

 

今回のことで、ヤマトの中の闇が広がっている気がする。私はそちらの方が心配だ。ヤマトが闇に飲み込まれれば、世界が終末を迎えるだろう。シヴァは愛すべきヤマトが倒されれば、きっと世界をリセットすると思う。それを防ぐには、ヤマトの悩みを減らすことだけ。

 

しかし、ヤマトの問いに、私も答えは出せなかった。ヤマトが立ち去ると、すぐに香津美さんへ連絡をして、相談をした。

 

 

 

---イッセー---

 

神社での修行を終えて家に帰る途中、男の悲鳴を聞いた。俺は声のする方へ走り寄ると、学校の知り合いの匙が襲われていた。

 

「兵藤、たすけてくれ~」

 

俺は、念で神社へ緊急信号を送り、匙と敵の間に入った。

 

「ほぉ、お前も神器持ちか。それをよこせ!」

 

「おまえは木場、あと、誰だ、その大男は?」

 

「人間に名乗る必要はない!」

 

豪快のパンチが俺を襲ってきた。が、白い鎧を着た者が受け止めてくれた。

 

「イッセー、怪我人を守れ!アーシア、怪我人を回復して」

 

頼れるアイツの指示が飛ぶ。俺達は指示通り動く。

 

「アーサーさんは、木場をお願いします。サイラオーグは僕とヴァーリで征く」

 

アイツは輪郭が漆黒で紅色の鎧を纏っていた。

 

「ヴァーリ、サイラオーグに『ハーフディメンション』だ」

 

あの白い鎧…ヴァーリだった。彼女は頷いてヤマトの指示通りに動く。アイツはあの大男、サイラオーグという者と殴り合いをしている。

 

俺の傍に、黒歌さんと小猫ちゃんが来てくれた。辺りを警戒している。ルフェイちゃんは匙とアーシアに防御結界を張っていた。

 

プチッ!

 

サイラオーグの身体は除々に小さくなり米粒位なったところで、アイツが指で潰した。木場は、アーサーにより首をはねられた。

 

周りの索敵して気配がないことを確認して、俺達は匙を連れて神社に転移した。

 

 

 

---ヤマト---

 

匙に神器の説明をして、それを取り除いた。これで襲われる確率は減るだろう。

 

「兵藤が悪魔払いの修行をしているって、本当だったんだ」

 

匙はイッセーの悪魔に怯まない態度を褒めていた。僕は教会に向い、リアス、ソーナ、シーグヴァイラを呼び出し、彼女達に神器をプレゼントした。リアスにはドライグを、ソーナには椿姫から奪った追憶の鏡と、追憶の鏡を利用したミラーフルアーマーを、シーグヴァイラにはサイラオーグから奪った獅子王の戦斧を贈った。

 

「三人共心を入れ替えくれたし、これからは一緒に戦ってほしい。神器は相性が悪いと思ったら交換するから」

 

あと、ソーナの能力を返して上げた。これからの闘いで必要になるだろうから。

 

「あのぅ、私も戦います」

 

レイヴェルが僕に訴えかけてきた。

 

「レイヴェルには、施設の運営を頼みたい。僕らが戦うことは、彼らには何にも関係ないことなんだ。施設を通常通り運営することは、戦うのと同じくらい重要なことだよ。わかってくれるよね?」

 

レイヴェルは頷いてくれた。僕は彼女の頭を撫でてあげる。

 

「レイヴェル、施設のみんなが怖がらないように頼むね」

 

「わかりました。私にまかせてください」

 

 

 

---イリナ---

 

バチカンから極秘任務で、故郷の駒王町に帰ってきた。私は紫藤イリナ。プロテスタント教会所属の人工聖剣使いである。相棒はゼノヴィア・クァルタ。カトリック教会所属の天然の聖剣使いである。久しぶりに帰って来たので、道を何回か間違えながらも、目的の鷲尾教会へ辿り着いた。

 

教会に併設された施設の会議室に通されて、今は神父様をされている「教会最強のエクソシスト」のデュリオさんに、極秘任務の内容を伝えた。

 

「奪われた聖剣を取り戻すか、破壊するのか?で、この町に聖剣は集まっているの?」

 

「バチカンからの密偵が、この町で何人も消えています」

 

「う~。僕だけでは何とも言えないから、他にもメンバーを入れてもいいかな?教会には戦力がいないくてね」

 

デュリオさんだけでも、強大な戦力だと思うんだけど。ゼノヴィアと相談して、デュリオさんが信用されている方なら、OKってことにした。教会を出て道を挟んだ隣の区画に移動する。そこには、小さな神社があった。私達は、その神社の社務所に入っていった。社務所の中には、巫女姿の女性が数名いる。みんなかわいい♪

 

「ここの巫女達は、全員悪魔祓いなんだよ」

 

って、デュリオさん。

 

「朱乃さん、ヤマト君を呼んでくれるかな?」

 

「はい。あらあら、かわいいお嬢さんを二人も。両手に花ですね、デュリオ神父♪」

 

「そういう関係では無いですよ」

 

奥から一人の少年が出てきた。デュリオさんによると、教会と神社の主のヤマト君だそうだ。え?私達と同い年位だけど、神父であり神主なの??デュリオさんがヤマト君に、事情を説明してくれている。

 

「今の処、あいつら以外に目立った動きは無いみたいだよ。密偵の消えた件は、把握していない。たぶん、監視の死角で行っているのだろう」

 

「あのぅ、あいつらって?」

 

小耳に挟んだ単語の意味を尋ねてみる。

 

「元グリゴリのはぐれ堕天使コカビエルと、その仲間になった悪魔の名門バアル家とフェニックス家だ」

 

「なんか、強大な敵ですね」

 

「もし、あいつらに聖剣が集まったらどうなるんだろうか?アーサーさん、何かわかりますか?」

 

アーサーと呼ばれた優しそうな男の人。腰に帯同しているのは、まさか?

 

「それって、エクスカリバーですか?」

 

ゼノヴィアが質問する

 

「さすが、聖剣使いだね。これは支配の聖剣だ」

 

「行方不明とされているエクスカリバーだ!もう一本もエクスカリバーですか?」

 

「こちらは違うよ。聖王剣コールブランドだ。あぁ、話が逸れたね。ヤマト君の質問の答えだが、聖剣を纏めた力で、ここの結界を破る気かもしれないなぁ。聖剣1本でも聖なるオーラは、図りしれないくらい膨大だからね」

 

「うん?聖なるオーラを浴びたら悪魔って死んじゃうよね?」

 

「そうなるよね」

 

「コカビエルは、なんで悪魔を大勢仲間にしたんだ??」

 

結界のことを説明してもらった。ここ、駒王町を仕切っている鷲尾神社周辺のエリアは、強固な結界で護られているだそうだ。色々な様式の魔術で幾重にも結界が掛かっているそうだ。その結界を破るのに、聖剣が数本必要なんだろうと結論が出た。他に理由が思い至らないし。

 

とりあえず、彼らと行動を共にしようと思う。デュリオさんが信用されている勢力なので心強いし。

 

後で、デュリオさんに教えてもらったのだが、ここの教会ってバチカンと考え方が違うけど、バチカンの認定がなされた教会だそうだ。なので、異教徒認定されている者でも、参拝は可能であるという。

 

教会を追放された元聖女のアーシアさんが、この教会に所属されていることに驚き、元悪魔だというシスターに驚き、私とゼノヴィアはカルチャーショック状態だ。

 

何故、バチカンがこういう教会を認定したかというと、バチカンのエクソシストでは、祓いきれない物を祓える能力を、ここの主のヤマト君が持っている為だそうだ。ここの教会の施設には、バチカンではお手上げの子供達を救い、社会復帰出来るようにお手伝いをしていて、そんな功績が認定理由だそうだ。他にもあるみたいだけど、今は教えて貰えないみたいだ。

 

 

 

---ヤマト---

 

イリナさん達から仕入れた情報と、アーサーさんが導き出した結論を、アジュカ先生に連絡した。腑に落ちないからだ。

 

「確かに、その結論はあっている可能性は大だ。でも、そうだよね、それしちゃったら、仲間にした悪魔は残留している聖のオーラで全滅しちゃうよな」

 

「コカビエルのやろうとしていることが見えなくて、不安です」

 

ヤマトの不安を取り除きたくても、他に理由がわからない。いや、理由は有る…けど

 

「他にあるとすれば、三大勢力戦争の再開の口火だ」

 

「三大勢力戦争って?」

 

「昔、悪魔と堕天使と天使が勢力争いをした戦争だよ。このときに悪魔王が死に、神様も死んだのだ」

 

「神様?まだ、生きているけど?シヴァさんがいうには、死んだのは神の子だって」

 

「え?」

 

「シヴァさんはその時、封印をされていて直接は見ていないけど、封印を解除されてから、神様に会ったって、言っていますよ」

 

「それだと歴史が変わるぞ!」

 

「変わるとどうなるの?」

 

「神様と悪魔王が死んで、堕天使の提督は生き残ったので、堕天使が勝利したことになっているが、神様が生きているとなると…コカビエルはそれを知っていて、続きをする気なのかもな」

 

「僕らを攻撃しても神様の軍勢は来ないよ。悪魔にやられた時だって、来てくれなかったもん!」

 

ヤマト君の表情は、不安でしかたないみたいだ。でも、彼の言葉で、謎は解けてきた。

 

「あいつは、とにかく戦争を再開したいんだよ。ヤマト君達を攻撃をすれば、闇雲家への、日本の神格への攻撃になるからな」

 

「あ、戦う神様を違う神様に変更するってこと?」

 

「そういうことだ。悪魔があの神社の周辺で大量に死ねば、冥界も動かざる負えない。たとえ悪魔に非があってもだ。そして、その原因が堕天使の策略であっても、そこの主、ヤマト君のせいになる」

 

「そんなの理不尽だよ」

 

「すまない。悪魔って理不尽な生き物なんだよ。本当にごめんな。一応、こちらでも動いて進軍しないように抑えてみる。敵の目的がわかったからね」

 

「お願いします」

 

悪魔の理不尽さで、ヤマト君の心の闇が増殖しているかもしれない。俺は彼をラスボスにはしたくない。この戦いはなんとしても止めないと…

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。