※この作品はR-18です。

神器なき男 (再編集版)   作:もっち~!

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紅髪の少女の決断*

 

 

---グレイフィア---

 

リアスが、思いつめた表情をしていた。

 

「どうしたの?」

 

こんな彼女は珍しいので、思わず声を掛けた。

 

「ヤマトに、好きにしていいって…」

 

「あぁ、リアスには恨みが無くなったのだろう。原因がわかったからね」

 

しばらく間を置いて、意を決した表情をした彼女が声を掛けて来た。

 

「グレイフィア、レビアさんに、会いたいのだけど」

 

「会ってどうするの」

 

何かを決したようなリアス。そんな風に見えた。グレモリー家が、ヤマト達にしたことの責任を取りたいのだろう。でも、なぜレビアなんだ?

 

「私の考えを伝えて、実現が出来るかを訊きたいの」

 

リアスの表情は思い詰めたままだ。あのリアスが、ヤマトの為に何かを決意したようだ。

 

「わかった。手配してみる。くれぐれも、無茶はしないで」

 

 

 

---レビア---

 

リアスの口から出た彼女の考え。愛しい者に、身を捧げるような想い。それも痛々しいまでの想いだ。実現は出来ると思うが、それは、彼女が生き物を辞めると言うことになる。そこまでして、ヤマトの傍で尽くしたいのか。

 

私の一存で決められる事では無いので、ヤマトに彼女の考えを伝えた。ヤマトはすぐにここに転移してきた。

 

「リアス、そこまでする必要はない。純血の悪魔として生きていけよ」

 

リアスの両肩を手で掴んで、説得し始めたヤマト。

 

「もう、悪魔でいることが辛いのよ。私には、忌まわしいグレモリー家の血が流れている。ヤマトだけでなく、他の人達にも迷惑を掛けてしまっている。悪魔としては、恥じることではないけど、でもねぇ…あの家で生活していると、恥じなくてはいけないことって思えるのよ」

 

リアスの想いはわかる…が、それを実行したら、もう戻れなくなるんだよ。いいのか?リアス。

 

リアスの考え…キディのようなサイボーグ化。感情と考え方、夜の営みに必要な部分以外のサイボーグ化だ。たしかに、これなら悪魔では無くなるけど。

 

「リアスはリアスのまま、生きて欲しい」

 

ヤマトの言葉に、首を振るリアス。

 

「それじゃダメなの!グレモリーの血が、身体中を巡っていると思うと、苦しいんだよ」

 

説得が出来ないと判断したのか、力なく腕を下ろすヤマト。

 

「そう…リアスの人生だ。リアスのしたいようにすればいい。でも、今のリアスがリアスなんだよ」

 

ヤマトは寂しそうに、転移していった。

 

「いいのか?リアス」

 

私はもう一度、彼女に確認する。彼女は頷く。彼女の決意は揺るぎないようだ。私も覚悟を決めよう。今日の今日は無理なので、今日は帰ってもらい、明日、ヤマトのAIと共に来てもらうことにした。

 

 

 

---リアス---

 

ヤマトの部屋に行った。部屋に入るや、身に付けている物をすべて脱ぎ捨て、彼の前に立った。

 

「悪魔としての、最後の私の身体を、堪能してください」

 

たぶん、次に会うときは新しい身体になるだろう。彼は、目を閉じて考えているみたいだ。しょうがない、私から攻めるか。彼を押し倒して、彼の耳を舐める。彼は私の行動に驚いたように、目を見開いた。私は、彼の唇を舐めた。口全体を使って、唇を攻めていく。彼は、私を抱えたまま、起き上がると、身に着けている物を脱いだ。それから、ゆっくりと彼は口を合わせてきた。舌が口の中で絡み合う。お互い名残惜しそうに、互いの舌の感触を覚え込むかのごとく、時間をかけて堪能していく。彼の両手が私の胸を包み込む。私の乳房の感触、乳首の反応を確かめるようにゆっくりと…彼の口は私の顎、首筋を舐めている。形を記憶するように、何度も輪郭をなぞっているようだ。彼の口が胸に達すると、彼の手は私の秘部を優しくなぞる。形を確認するかのごとく、輪郭から徐々に内側をなぞってきている。

 

「あっ…」

 

つい、言葉をもらしてしまった。お互いの物を確認するために69に体勢を移動する。私は口一杯に、彼のモノを頬張り、彼は私のモノを舐めまわしていく。口に頬張りきれなくって、太ももを叩いて合図をする。彼の頭が私の頭の方に戻ってきた。そして、彼のモノが私のモノにゆっくりと挿入していく。彼の手の指は私の左胸の突起と、下腹部の突起に刺激を与えている。彼の腰がゆっくりと動き出した。

 

そして、最後の夜の営みは、明け方まで続いた。果てた後、彼は私の耳元で囁いた。

 

「リアス…」

 

 

 

---ヴァーリ---

 

ヤマトは落ち込んでいた。食事の時間なのに、まったく部屋から出てこない。私は、部屋に入った。部屋では、ヤマトがベッドに腰掛けて、目が虚ろだった。

 

「どうしたの?」

 

こんなヤマトは初めてかもしれない。声を掛けても、反応が無い。身体を揺すっても、反応しない。でも、脈はある。呼吸はしている。死んではいない。しかし、心配である。

 

「どうしたの?」

 

彼の目を見て、声を掛けた。

 

「あ?ヴァーリかぁ、大丈夫だよ。ちょっと、那魅さんのところに、行ってくれるね」

 

ヤマトは転移して行ってしまった。どうしたんだよ?ヤマト…

 

 

 

---那魅---

 

ヤマトが久しぶりに来た。でも、何かがおかしい。

 

「どうしましたか?」

 

「予知夢を見ました」

 

原因はそれなのね

 

「どんな予知夢ですか?」

 

「僕はこの世界から、いなくなります。みんなと別れる日が近づいています」

 

「いなくなるって?この世界は無くなるの?」

 

ヤマトの闇の力が暴走するのか?そんな最悪な事態が頭をよぎる。

 

「無くならないと思います。ただ、僕がいた記憶が無くなるようです」

 

淡々と話すヤマト。彼の言葉には、感情が感じられない。

 

「ど、どういうこと?」

 

「わからないです。僕が生まれなかった世界になるみたいです。では、僕は一体どうなるんでしょうか?」

 

ヤマトの無気力な感じはソレか?存在を否定された未来…

 

「シヴァさん、どういうこと?」

 

ヤマトの中からシヴァさんが出てきた。

 

「わからない。私には、そんな中途半端な戻し方をする能力は無い。有るとすれば、我々より上の者、絶対神様のなさることかと思います」

 

「何の為に?」

 

「それもわかりません。絶対神様のなさることは、我々、下々の神には、わかりません」

 

予知夢による不安を恐れているようなヤマト。

 

「ヤマト、いついなくなるの?」

 

「わかりません。でも、そう遠い未来では無いと思います」

 

最高神でも手が出せない事象では、人間の私の力なんか無力に等しい。いつなんだろうか?彼の未来は変えられるのだろうか?

 

 

ヤマトの予知夢。最高神の一人のシヴァさんでも、どうにもならない事象。ヴァーリは、どうなってしまうのか?幼い頃から連れ添ったきた、血が繋がらない兄妹。ヴァーリにとっての家族は、もうヤマトだけである。

 

私はヴァーリを呼んで、ヤマトの見た予知夢の話をした。話を聞き終わると、無言で泣きじゃくる彼女。誰にも手が出せない未来。私は彼女を、優しく抱きしめることしか出来ない。あまりにも無力すぎる。

 

しばらくすると、ヴァーリは何かに気づいたようだ。何だろうか?

 

「ヴァーリ、何かに気づいたの?」

 

恐る恐る彼女に問うた。

 

「もしかすると、イレギュラーな存在になれば、一緒に付いて行けるかもしれないですよね」

 

ヤマトはいなくなると言っていた。死ぬとは言っていない。それの意味するところは、違う世界へ放り出される。同じ存在は1つの世界に重複して存在が出来ないって、以前聞いた事がある。イレギュラーな存在になれば、同じ存在がいない可能性が大である。イレギュラーな存在って…リアスのやっていることかぁ。

 

「那魅さん、レビアさんに連絡を取ってください。私もリアスのように成りたいと」

 

彼女は澄んだ瞳で私に言ってきた。

 

 

 

---グレイフィア---

 

北の主神、オーディン様が、日本の神格と友好を深めたいと、来日するようである。会談場所は、防御の固さから地下にある姫島神社になった。ガード役にはヤマト達のエクソシスト軍団が受け持つことに。お傍に置くSPは、アザゼルとバラキエルが勤める事になった。

 

来日予定の日になり、グリゴリが中心になって日本までガードしてきた。でも、あのエロ神様は芸者遊びがしたいと、予定を変更して京都に、宿を取られたようだ。急遽、私とヤマト、マグレガー、黒歌、白音が京都の宿に向かった。

 

「すまない。突然、エロじじぃが芸者遊びがしたいって、京都に泊まるって、ダダこねちゃってな」

 

アザゼルが、本当にすまなそうにいう。まぁ、女好きの神として有名な方だから、多少はそういうこともあるかと予測はしていたけど、初日からとは。急遽すぎて、宿のガードが弱い。防御結界が弱いので、大火力組は連れて来られなかったし。不安だわ。

 

宴中には、隣の部屋に待機していた。那魅さんの手配で、京都の神社仏閣を使った結界網は機能できているようだ。少し安心。

 

宴が終わって、ヤマトが呼ばれた。彼に話があるらしい。

 

 

 

---シヴァ---

 

宴が終わって、ヤマトだけが呼ばれた。あのエロ神は、次兄と仲が良いだけに、口を滑らしそうで怖い。

 

「おぉ、お前か、ヤマトというのは。なるほど、父親のヴィシュヌの面影が有るなぁ」

 

おぃおぃ、いきなり滑らしているぞ。コイツは。ヤマトは何を言われているのか、困惑をしている。

 

「僕の父親はバラキエルです。誰かと勘違いされていませんか?」

 

「お前は本当の事を知らされていないのか?維持神ヴィシュヌとエヴァとの間の子だぞ。神は嘘を吐かないんだよ♪」

 

徐々にヤマトは、涙目になってきて、その目でバラキエルを見ている。バラキエルも…コイツ許さない。我慢の限界が来た私は、ヤマトの身体から出た。

 

「おい、エロじじぃ!誰にも言うなって、言われていただろう?」

 

突然の私の出現で、エロじじぃのオーディンが固まった。

 

「お前は、次兄と同じで禄でもない神だな!」

 

オーディンは逃げようとしたが、アザゼルに阻止された。

 

「オーディン様、やって良い事、やっちゃダメな事くらい、わからないのか?」

 

この場にいる者達、ヤマトとバラキエル以外は、オーディンに怒りのオーラを注いでいた。

 

「真実を言っただけだぞ。なんで、皆で怒っているのだ?」

 

事の重大さがわからぬエロじじぃは、首を傾げて考えていろようだ。そんなの考えないでもわかれよ!

 

「これが、北の主神の日本の神格への土産か?明らかなテロ行為だな」

 

私は殺意の籠もったオーラを、言葉にのせて放った。オーディンは腰くだけ状態になった。

 

「何故、真実を教えてやらんだのだ?」

 

「そういう教育方針だったのを、お前が壊したんだよ!」

 

私は、はっとした。破壊神である、この私ですら怯むオーラが、ヤマトから出ていた。私が彼の身体の外に出てしまっているので、抑える効果が緩んだのか。私は急いでヤマトの身体に戻ろうとしたが、弾かれた。マズい…

 

グレイフィアが、オーディンに詰め寄っている。

 

「どうして、ヤマトをそっとしてあげなかったんですか?」

 

エロじじぃは、笑っている。イタズラ心が炸裂か?そんな疑念が浮かんだとき、宿の屋根に、カミナリが落ちて砕けた。天空には…あれはたしか、悪神ロキか。

 

「北の主神たる者が、こんなちっぽけな国の神格と友好を結ぶっていうから、来てみたら、なかなかいい闇の力を放っているじゃないか。俺と組んで、オーディンを倒してみないか?そこのボウズよ!」

 

確かにロキですら、かすむような闇のオーラが、ヤマトの周りに渦巻いている。私は咄嗟に、ヤマトを優しく抱きしめた。

 

「ヤマト、落ち着いて」

 

「なんで、みんなでウソを点いていたの?僕は、本当は誰の子供なの?父さん、教えて!」

 

バラキエルはヤマトに近づこうとするが、ヤマトが発する闇のオーラに、恐怖を感じてしまって、近づけない。

 

「ねぇ、父さん。僕の父さんじゃないの?」

 

ヤマトの目から、涙がポロポロと、零れ落ちる。零れ落ちた涙は、畳に落ちると爆発した。涙が落ちる度に、爆発を繰り返した。誰の目から見ても、ヤマトは危険な状態であった。

 

「逃げろ!」

 

誰かが発した声を合図に逃げ惑う、オーディンと堕天使達。しかし、バラキエルだけは逃げなかった

 

「ヤマトは、俺と朱璃の子供だ。お前は俺達の家族なんだ!」

 

遠くで、ロキの声がする。

 

「フェンリルとその子供たちよ!オーディンと日本の神々を食べ尽くしてやれ!」

 

フェンリルの気配を感じ取ったのか、闇のオーラが濃くなってきたヤマトの身体から、サマエルとムゲンが逃げ出してきた。。

 

「シヴァ…ごめん…僕の無限の力でも、抑えられない闇のパワーだよ」

 

ムゲンが悔しそうである。

 

「僕よりも闇が濃い。シヴァ、君もここにいたら危ないよ」

 

闇に耐性のあるサマエルでさえも、危険な状況みたいだ。でも、ヤマトを置いて、どこにもいけないよ。

 

「ブラフマー、助けてぇ~!」

 

渾身の力で、長兄に助けを求めるように叫ぶ私。その私の叫びに呼応するかのごとく、ヤマトが突然いなくなった。私が抱きしめていたはずなのに。どこ?混乱している私の上、天から声が響いた。

 

「私は最高神の一人、創造神ブラフマー。このままでは、この世界が滅ぶので、原因を別次元に飛ばして、結界で動きを封じている。24時間以内に再始動するかもしれない。対処を考えてくれ。別次元に飛ばしたのはロキ、ヤマト、フェンリル親子だ」

 

何で?ヤマトまで?私は天界へ、急いで転移した。

 

----

 

「何故?ヤマトまで?」

 

私は長兄に問うた。

 

「シヴァ。お前にも分かっているはずだ。ヤマトを抱きしめていたお前の身体が、闇のオーラで切り刻まれているじゃないか。お前は職務を放棄して、死ぬつもりか?」

 

長兄に言われて初めて気が付いた。私の身体は傷だらけであった。そこら中から血が滴っていた。ヤマトを守ろうと必死だったので、気づかなかった。確かにあのままでは、私は死んでいただろう。

 

「絶対神様から、伝言でなぁ。ヤマトの闇を取り除ける者に、早く会わせた方が良いと。この世界が崩壊したら、並行世界全域に影響が出るとおっしゃっている。もう、私達、最高神ですら手の出せない領域になっているのだ」

 

長兄の悔しそうな顔を、初めて見た。最高神ですら、手の出せない領域を前にして、無念な気持ちで一杯なのだろう。

 

「あの別次元は宇宙神様が、ご用意してくださったのですか?」

 

「あぁ」

 

「次兄は?」

 

「オーディンに、文句を言いに行っている」

 

長兄は次兄に対して、呆れているみたいだ。いや、私もだ。

 

「今更、文句を言っても解決にならないのが、アイツには分からないようだ」

 

「兄さん、私に出来る事はもう無いんですか?」

 

「ヤマト達がいなくなったら、いなくなった者は、初めからいなかったように、記憶を操作する。私とシヴァの能力で為し得ないといけないことだ。お前の気持ちは良くわかるが、つらい作業になるけど、淡々とこなして欲しい」

 

そんな…ヤマトの予知夢通りじゃない。私には出来ない。うん?ヤマト達?

 

「ヤマト以外にも、いなくなる者はいるのですか?」

 

「いる。イレギュラーと言われている存在だ。ヤマトがいなければ、存在すらしなかった者達。ムゲンとサイボーグ化したリアスとヴァーリだ」

 

ヴァーリは一緒に行けるのね。せめてもの、救いだ。那魅さんも心配していたし。

 

「時間になったら、その者達だけを別次元に飛ばす。あとは宇宙神様に、おまかせだ」

 

 

 

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