※この作品はR-18です。

神器なき男 (再編集版)   作:もっち~!

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2-2 クリスの章~銀髪のグレモリー
規格外誕生


 

 

---ヴェネラナ・グレモリー---

 

「双子かぁ、ヴェネラナ。よくがんばったな」

 

出産した後、亭主から声を掛けられた。紅髪の姉と銀髪の弟。弟の方は、父親が違う。それは私しか知らない事実。ある夜、亭主とケンカして家を出て、飲み屋で意気投合した男と気の迷いで交わってしまった。そして、上機嫌で家に帰って、亭主と仲直りしてまた交わった。その結果、父親の違う双子が生まれて来てしまった。

 

姉の名前はリアス、弟の名前はクリスになった。姉は滅びの力を受け継いだ。弟は、滅びの力と、あの男の能力の神器無効化を受け継いだ。このような状況になっても、亭主は気付かない。この子達の兄サーゼクスも、気付いていない。このまま、出生の秘密を忘れてしまおう。

 

少し大きくなり、子供達に物心が付く頃、羽が生えてきたのだが、リアスは悪魔の羽、クリスは天使の翼だった…この後に及んで、ついに問題化した。

 

「双子なのに??突然変異なのかな?」

 

亭主は種が違うって、考えないみたいだ。まぁ、普通に考えて双子でもって、種違いはありえない。相手の男が『超越者』だったので、双子が可能だったのかもしれない。

 

「クリスの翼は綺麗だな。いいなぁ」

 

弟の場違いな翼に憧れる兄。この兄も『超越者』の一人だ。私はクリスが怖い。どんな子になるのやら。規格外になるのは目に見えている。

 

問題なのは、兄サーゼクスは魔王であること。魔王の実の弟が天使の翼って、少し都合が悪いみたいだ。後、兄は魔王なので家を出た身なので、弟が次期当主になる。これも都合がよろしくない。そこで、亭主と相談した。里子に出すことを検討したのだが、純血悪魔を里子に出すなんてダメと、大公殿に怒られてしまった。なので、このまま育てることになった。

 

小学生くらいまで成長すると、悪魔の駒が配られた。もちろん、クリスにもだ。クリスの戦闘力は、悪魔相手だと反則級に高い。拳を叩き込むとインパクトの瞬間に聖なる矢が放たれる。たいていの上級悪魔でも、瀕死に近い状況である。堕天使相手だと、堕天使の光の槍が効かない。なので幹部クラスにも勝てる時がある。それ故、クリスは将来の魔王候補らしい。はぁ…まぁ、実の父親は、初代魔王の子供だし…望まれた魔王には、なれると思うが…だが、しかし…

 

双子なのに性格が違う姉と弟。リアスは強情で独占欲が強い。クリスは素直で優しいが、あの男の血なのだろうか、性欲が…この歳でか言うくらい…。リアスのお友達は軒並みやられているらしいが、素直で優しいので、相手も大して問題にすることはない。役得に近いクリスだ。姉もクリスが大好きで、クリスには優しい。

 

「ねぇ、母上。クリスは私のお友達と交わっているのに、なんで私とはダメなの?」

 

って…血が繋がっているから、ダメなのよって言っても、まだ幼いので意味がわからずに癇癪を起こす。その度に、クリスがリアスを宥めるのだ。はぁ…

 

クリスの親友はソーナとシーグヴァイラだ。ソーナはリアスの親友でもあり、シトリー家の次期当主で、姉のセラフォルーは魔王の一人である。シーグヴァイラは大公家の次期当主だ。万が一、恋愛に発展しても、純血同志なので問題も無いかな。

 

クリスは年上も、狙っているように見える。メイドのグレイフィアとソーナの姉のセラフォルーに、甘えていることが多い。クリス、お願いだから人妻は止めてねって、あの男は私を人妻と知っていて、交わっていたからなぁ。血は争えないって言うか。はぁ…

 

リアスは、兄サーゼクスの眷属の者と、色々なお話をするのが好きである。一方のクリスは、サーゼクスの眷属と鍛錬をすることが好きである。理由を訊いた事があるのだけど

 

「『王』が強ければ、より強い者を眷属に出来る」

 

って。向上心旺盛である。

 

ある時、リアスがハーフ堕天使の娘さんを眷属にしてきた。心を閉ざしていたが、クリスが口説き落としたみたいで、クリスには心を開くようになった。リアスは怒るどころか、眷属の心を開いてくれたことに、弟を褒めた。

 

クリスも眷属を探して来ると言って、しばらく旅に出た。帰ってきた時に連れていたのは、ゴシックロリータ風の衣装を着用した、なんのオーラも感じられない、普通の黒髪の少女だった。はぁ…戦闘が出来ないんじゃないの?

 

 

 

---クリス---

 

僕の一番最初にした眷属のオーフィス。出会いは、僕が眷属捜しをしている時に、ひょっこり出逢った。

 

「ね、君!僕の眷属にならない?」

 

「我の願いを叶えてくれる?」

 

「どんな願い?」

 

「我と一緒にグレートレッドを倒してくれる?」

 

「いいよ。僕はクリスだ。よろしくね」

 

「我はオーフィス。よろしく」

 

僕はオーフィスへ駒を入れようとするが入らない。この子は、僕より強いんだ。どうしようかな?

 

「オーフィス、お願いだから、オーラを抑えてくれるかな?出来れば、能力値も下げてくれるかな?」

 

「わかった」

 

オーフィスの厚意も有り、やっと『女王』の駒が入った。一安心だ。一旦、家に帰って、栄養を取って、熟睡。

 

次の日、グレートレッド退治に向かう。次元の狭間ったいう場所にいるらしくて、オーフィスに連れて行ってもらった。万華鏡の中に居るみたいで、すごく綺麗な場所だった。

 

しばらくすると、全長が100メートル位有る真っ赤なドラゴンがやってきた。

 

「あれが、グレートレッド」

 

って、オーフィスが言う。こんなに大きいの…少し、ビビる僕。グレートって、偉大ってことではなくて、デカイってことなのか…

 

そうだな、これは眷属にしたいよ。絶対に倒そうね、オーフィス。って、彼女の方を見て、目を見張った。彼女の身体が龍化していく。オーフィスって、ドラゴンだったのか…

 

グレートレッドに比べて、オーフィスの大きさは小さい。しかし、機動性、耐久性はあるようで、グレートレッドの攻撃を避けまくり、ヒットアンドウェイしている。たまに、攻撃を貰っても、意に返していないみたいだし。

 

二人?いや二匹の戦闘を見ていたけど、僕も天使の翼を展開して、臨戦態勢になる。まともには戦わない。相手がドラゴンなら、弱点を撃てば勝てる。僕はドラゴンの弱点を、タンニーンのおじさんに聞いていた。

 

グレートレッドとオーフィスが戦っている隙に、僕は身体の大きいグレートレッドの弱点に簡単に辿りつけた。空中戦だったのも幸いしたけど。で、弱点を拳でポンと叩いたら…グレートレッドは意識を失った。

 

ドラゴンの唯一の弱点…それはお尻の穴。ここだけは内臓に直結している上、排泄行為をする為、柔らかく、痛点があるらしい。普段は、尻尾で隠れているので、中々攻撃できないけど、潰されるのを覚悟で、右足と左足の間に滑り込めば、、狙えるって、タンニーンのおじさんが言っていた。

 

グレートレッドが意識を失っている間に、駒を入れないと。意識を失わせた者は、意識を失った者よりも強者と、駒が判断してくれるそうだ。あとは、駒の所有者の基本ステイタス次第だけど、駒の価値で補える場合が多々有るらしい。

 

持っている駒で、一番価値の高い『戦車』を入れて見る。入らない。価値が低いのか…では、ダブルで…え?2個でもダメ?あとは…そうだ、変異の駒を加えてみよう。おぉ、入っていった。

 

グレートレッドを倒した、いや正確には意識を失わせたことで、オーフィスも満足みたいだ。暫くすると、グレートレッドが目を覚ましたので、眷属にしたことを告げて、自己紹介をした。

 

「グレモリー家の次期当主のクリスです」

 

「我 『無限の龍神』のオーフィス」

 

「俺は『真なる赤龍神帝』のグレートレッドと呼ばれている。本名はアポだ。よろしくな!俺の意識を飛ばすとはなぁ…よし、クリスに力を貸してやるよ。初めて負けたぞ!」

 

アポは紅髪の少女になった。まぁ、確かにあの大きさでは連れ回せないし、グレートレッドって呼び名は、長すぎるものな…

 

「小さくなっても戦闘力は一緒かぁ、クリスと一緒に行動するには便利だな」

 

「我もそう思う」

 

 

 

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