※この作品はR-18です。

神器なき男 (再編集版)   作:もっち~!

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初代悪魔王

 

 

---シュウ---

 

朝起きると、グレイフィアさんが隣にいた。僕は彼女を起こさないように、ベッドから抜け出して、服を着て、サンデッキに向かう。サンデッキから見える景色、あちらの世界でも、彼女は見ているだろうか?リアスとケンカしていないかな?ソーナは学校の準備を進めているだろうか?色々と考えていると目頭が熱い。そんな僕を後ろから優しく抱きしめてくれる者がいた。後ろを振り向くと、グレイフィアさんだった。僕の口に、優しく口づけをし、

 

「おはようございます。ご主人様、朝ご飯の支度ができましたら、お呼びします」

 

彼女はおじぎをして、家の中に入って行った。ご主人様かっ。シュウって呼んでもらおう。

 

----

 

食事を終えると、アザゼルさんが転移してきた。

 

「ミカエルと会えるように手配をしておいた。お前さんの事情も、話してある。天界はどう出るかな?お前さんのいた世界のような関係に、なれば良いのだが…」

 

僕のいた世界とは違うのかな?そんな含みのある言い方に思える。

 

「堕天使と天界は、どんな関係なんですか?」

 

「まず、サマエルという天使はいなかった。知恵の実を与えた蛇は、その場で処刑されて、コキュートスにも保存されていない。」

 

サマエルの剣を、持ち込んだ反動だよね。

 

「堕天使との関係は、良好…まぁ、あれだ。お互いに我関せずな状態だ。俺とミカエル以外の接触は無い。後、大事な事だが、この世界では、お前の言うような三大戦争は起きていない」

 

「起きていない?」

 

そんな並行世界もあるんだ。

 

「悪魔、堕天使、天界の三勢力は他の勢力と関わりを持たないんだ。お前の言っていた悪魔の系譜の始めの理由が違うんだ」

 

 

違う?アザゼルさんの口は重い。しばらく、考え込んでいたけど、口は開いた。

 

「復活した神の子は闇に飲み込まれていた。神はお付きの者をつけて冥界送りにしたんだ。元天使の悪魔はその時のお付きの者だ」

 

なんかラスボスっぽい雰囲気だ。

 

「冥界に落とされた後、元々いた悪魔達を力でねじ伏せて初代悪魔王になった。さらに領土を広げようと、俺達の堕天使領にまで触手を伸ばして来たんだが、あまりの闇のオーラで、地上にも天界にも影響が出始めたので、側近の4人の初代魔王と天界より遣わされた二天龍により封印されたんだ」

 

「封印を解こうとする輩はいなかったの?」

 

「もちろんいたさぁ。でも、封印は破れなかった。封印を破ろうとしていた者は、コキュートスに永久保存されている」

 

そんなバカなマネするのは…

 

「まさかとは思うけど、リゼヴィム・リヴァン・ルシファーとか?」

 

「なんでわかるんだ?」

 

あぁ、やっぱり…はぁ…

 

「僕のいた世界にも、いたバカ野郎です」

 

「そうなのか。う~む、厳重に管理させよう。ルシファーの血を引く者が、カギになるらしいから」

 

「ヴァーリ・ルシファーは把握していますか?リゼヴィムの孫なんですけど」

 

「あぁ、既に俺達の組織に入れてある。監視下にあるから、安全だと思う」

 

そうこう話していると、転移陣が出現してミカエル様がいらした。

 

「やぁ、アザゼル。元気だったかい」

 

「あぁ、どうにかな。このボウズだ。天界で話を聞きたいって言う、並行世界から来た者は」

 

ミカエル様に、僕を紹介してくれた。

 

「さてと、アザゼルとグレイフィアさんも一緒に来てくださいね」

 

「おい、俺もか?」

 

「はい、神様がお待ちですよ♪」

 

僕達は天界に転移した。

 

 

----

 

 

転移した場所は、第六天。天界の中枢機関「ゼブル」がある場所だった。

 

「おぃ、こんな場所に、俺なんか来て良かったのか?」

 

アザゼルさんは慌てている。たぶん、天使だった時に働いていた場所なんだろう。そこら中から「アザゼルが来た」とか「あのアザゼルだ」とか、結構有名人みたいだ。当のアザゼルさんは顔が蒼いけどね。

 

「アザゼル、よく来たな。久しぶりだなぁ」

 

ミカエル様とアザゼルさんが跪いた。それを見て、僕とグレイフィアさんも跪く。

 

「ヤハウェ様、お連れしました」

 

「アザゼル、いまだに人間の女の乳首を、押しているのか?」

 

アザゼルさんの顔は今度は赤くなっていく。

 

「ヤハウェ様、もうカンベンしてください」

 

「一人、二人なら、好奇心とか出来心で堕天などしないのだが、二桁はいかんだろう」

 

え?それが堕天した理由??おぃおぃ…

 

「バラさなくても、いいではないですかぁ。これでも堕天使の総督なんですからね」

 

アザゼルさんは涙目だ…

 

「これはすまなかった。ブレイザー・シャイニング・オア・ダークネス・ブレード総督」

 

アザゼルさんは目が点になって、固まってしまった。ここの世界の神様って、お茶目なのか?精神的なダメージを、与えるのがうまいなぁ。勉強になる。

 

「さて、シュウだったかな、そこの者よ。私にどのような用件かな?」

 

「初めまして。並行世界から飛ばされてきました。シュウ・ヨハネです」

 

「知っている。君のいた世界から連絡が来ている。連絡は出来るのだが、行き来は、まだできない。」

 

「ブラフマーが動いてくれているんですね」

 

「そうだ。君の世界のブラフマーが心配しておる。戻る方法を探しているようだ。来られたのだから、いつかは帰れるとは思うが、何千年先になるかはわからない」

 

「僕の世界のブラフマーに伝えて頂けませんか?ブラックホールが関係しているかもと」

 

「ブラックホール?なるほど、君は吸い込まれたのか。吐き出される間に、いる空間を移動できれば、並行移動が出来るなぁ。伝えておこう。見い出せれば、我々最高神にも必要な技術だからな。」

 

「ありがとうございます。あと、確認なんですが、この世界の三大勢力の関係はどうなっていますか?」

 

「我々天界とアザゼルは良好だよ。他の堕天使とは友好かどうか別にしてだ。堕天使にされて、恨んでいる者も中にはおるからな。そういう者はアザゼルの組織にはおらず、はぐれ者になっていると思う。冥界と天界は、アザゼルから聞いたと思うが、復活した神の子を封印した関係で、安全保障条約は結んでいる。封印を解くもが現れたら、共に戦うということだ。友好かはわからない。我々を良く思わない、力でねじ伏せた元々の悪魔もいると思う」

 

「均衡が壊れたときが、怖いですね?」

 

「壊れないように、見張っている。『神の子を見張る者』通称グリゴリがなぁ。そうだろう、アザゼル」

 

「はい、その通りです」

 

アザゼルさんは涙声で返事をした。

 

「天界の下部組織なんですか?グリゴリって?」

 

アザゼルさんと天界だけが繋がっていたり…

 

「天使だった者が行く子会社みたいなものだよ。そうだろ。アザゼル!」

 

「その通りです」

 

この辺りも僕のいた世界と違うんだな。

 

「何かあれば、ミカエルかアザゼルから、君へ連絡をするので、手助けをお願いしたい」

 

「わかりました。また、ここへ来たい時は、アザゼルさんを通せば良いのですか?」

 

「いいや。君には一度来た場所に移動できる能力があるだろう?それを使って来なさい。ここの者には、君のことを話してあるので、問題は起きないからね」

 

「ありがとうございます」

 

「こちらこそ、私の管轄する世界へ来てくれて、ありがとう。初めて他の世界の最高神と話をする機会が出来たよ。君の世界で起きたことは、多少の違いはあるかもしれないけど、この世界でも起きる可能性がある。事前にわかれば、対処もしやすいし。今度からは気軽に訪ねてみなさい。では、またね!」

 

僕とグレイフィアさんは僕の家に転移していた。さてと、クリス達を鍛えるかな。グレモリー邸へ転移した。

 

 

 

---クリス---

 

賢者様がお見えになった。また、あの鍛錬かな?賢者様はみんなの状態を確認している。疲れが残っていないか?怪我を隠していないか?鍛錬のメニューは状態を確認してから決めているようだ。

 

「あの空間は嫌!怖くて何も出来ないよ!」

 

リアスお姉様が泣きべそをかいて訴える。賢者様はお姉様を抱きかかえて、だだっ子をあやすように優しく宥めていく。

 

「リアスでも、戦える敵ならいいのかな?」

 

「それなら、いいけど。あの空間はイヤ!」

 

「あの空間以外ならいいかな?」

 

「そういう空間ってあるの?」

 

お姉様の興味が芽生えたようだ。

 

「あるよ。魔物がいる世界だ。説明するより、実際に見た方がわかるかな。クリスと白音は一緒に来て。朱乃は黒歌から仙術を習ってね。じゃ、行こうか」

 

僕達は転移した。

 

 

----

 

転移した先は見た事の無い場所だった。

 

「ここは、どこ?」

 

僕は恐る恐る賢者様に聞いてみる。

 

「異世界のレベル1だよ」

 

まず宿屋を探さないと、ってことで、村を見つけて宿屋と連泊の契約をした。

 

「この世界での1日は、元の世界では1分だから、1時間鍛錬すると2ヶ月分の鍛錬が出来るんだよ」

 

え?賢者様、それってチートじゃないですか?だから、あんなに強いのかな?僕達は今日の狩り場に案内される。

 

「ここで、魔物と戦ってごらん。リアスでも油断しなければ、倒せるレベルだからね」

 

そう言い残すと、賢者様はどこかに行ってしまった。え?3人だけで戦闘ですか?魔物に僕らの攻撃って効くんですか?疑問に答えてるくれる賢者様は、ここにはいない。

 

 

 

---シュウ---

 

航路の神を呼び出した。

 

「どうしたのじゃ、シュウ?」

 

「向こうの世界が気になっていて。ガイアとシルキーは大丈夫かな?世界が滅んでいないかなって」

 

「あぁ、そのことかぁ。お前しか、あいつらのコントロール出来ないからなぁ。はっきりいって危ないぞ」

 

「やっぱりなぁ。あいつらだけを引き取りたいんだけど、出来るかな?」

 

「移動手段が無いのにかぁ?」

 

「物として移動出来ないかな?昔よくやったじゃない。不思議な袋に朱璃さんを入れて移動したり」

 

「あっ!目から鱗じゃ。あいつらはイレギュラーだから、そちらの世界にいても、問題は起きない。お前に帰属しているし、物として送れるな。倉庫に入れてもらえば、お前に帰属している物は、不思議な袋に入る」

 

「ヴァイラに頼んでもらえるかな?」

 

「ヴァイラじゃ、危険だと思うぞ」

 

「グレイフィアさんは?」

 

「頼んでみる」

 

「レベル1に1時間いる予定だから」

 

「今から動いて見るが、1時間じゃ難しいと思うぞ」

 

「まぁ、袋に異変を感じたらすぐに出すようにするよ」

 

「それがいい。袋が破れたらまずいからな」

 

航路の神と別れて、クリス達の場所に戻る。

 

 

 

---クリス---

 

賢者様が戻られた。妙にうきうきされている。僕達はヘロヘロだよ。次から次に湧き出てくるプヨプヨした魔物。接近戦で、僕と小猫ちゃんは対抗している。でも、お姉様は既に…そんなお姉様を生き返らせた賢者様。

 

「リアス。がんばれよ!」

 

賢者様は、お姉様に短剣を渡した。お姉様は、短剣の持ち方、扱い方を手ほどきを受けている。あんなに素直に、人から教わるお姉様を、初めて見た気がする。

 

 

 

---リアス---

 

いきなり、短剣を渡されても…あっ、持ち方が違うのか。いきなり、持ち方が違うって指摘をされて、私の後ろに立ち、私の手を持ち、どう動けば良いか教えてくれるシュウ様。これなら、もう少しがんばれそうだよ。

 

1匹倒す。

 

「リアス、やれば出来るんじゃん」

 

シュウ様のお言葉。少し照れる。今度は連続で1,2,3匹までいけたけど、4匹目にガードをくぐられて…あっ、生き返っている。また、連続で…何度目かの死で、盾を渡された。

 

「最初からくれれば良いのに!」

 

ちょっとキレかかる私の頭を、優しく撫でてくれて

 

「最初からだと、盾と短剣の両方を使う体力が無かっただろ?あの空間で、ずっと固まっていたから、全然成長出来なかったんだ。鍛錬での死は、無駄じゃないんだよ。生き返るたびに、少しずつ成長しているんだからね」

 

そういえば、以前はこんな重い盾を自分の意思通りに使えなかったなぁ。なんか軽く感じるし。笑顔で私を見つめてくれているシュウ様。今度は盾の使い方の手ほどきを受ける。

 

10匹連続で倒せた。シュウ様の言う通り、私は少しずつ成長しているみたいだ。

 

 

 

---シュウ---

 

鍛錬を終えて、クリス達をグレモリー邸に連れ帰り、自分の家に転移した。グレイフィアが夕食の支度を始めた。夕食が出来るまで、自分の部屋でまったりとしていると…来た!

不思議な袋から、二人を取り出す。久しぶりだ。僕に抱きつくガイアとシルキー。ガイアがポシェットから手紙を出して、僕に渡した。

 

『この手紙が着いたら、返事をください ヴァイラ』

 

そうか!文通が出来るってことか。僕も目から鱗でした。そこまで気づかなかった。グレイフィアさんの元に向かう。

 

「手紙を書きたいんですが、便せんとペンってありますか?」

 

振り向いたグレイフィアさんが驚いた顔している。うん?なんで?あ…

 

「この子達、僕の子供です。イレギュラーなんで、この世界に来られました」

 

「え?子供??誰との?」

 

「男の子はガイア、リアスとの子供です。女の子はシルキー、ソーナとの子供です。僕がいなくなったんで、向こうの世界を破壊し尽くす前に、僕のところに転送してもらいました」

 

「破壊し尽くす?」

 

「基本的に、僕以外はみんな敵だと思っているので…あ、ガイア、シルキー、このグレイフィアさんは、攻撃しちゃダメだからな」

 

僕はしつけ用のオーラを出す。冷や汗をかいて学習をするガイアとシルキー。

 

「これで、グレイフィアさんは安全のはずです」

 

グレイフィアさんは恐怖に飲み込まれていた。僕は気にならないけど、この二人のオーラに飲み込まれているみたい。まだ、オーラを隠す事が出来ないからなぁ。産まれて半年かな?

 

子供達を子供部屋に放牧?する。この部屋の強度はたぶん、ガイアでも大丈夫なはずだ。あれから成長しているはずだから、絶対は無いけどね。一応、防御結界をもう二段硬くする。

 

グレイフィアさんの元に戻った。

 

「すみません。離乳食を二人分、お願いします」

 

「離乳食?」

 

平静に戻っていたグレイフィアさんを、再び驚かしてしまった。

 

「まだ、生後半年くらいなもので…」

 

「あれで、生後半年…成長したらどうなるのやら…悪魔でも生後半年で離乳食は早すぎるわよ」

 

「そうなんだ…生後4ヶ月で離乳食を食べていたけど…イレギュラーって怖いですねぇ」

 

これで、元いた世界は安全だな。ここの世界は…考えるのはやめよう。クリスの練習相手が出来たから良しにしようかな。

 

ふと、グレイフィアさんを見ると、固まっている彼女がいた。

 

 

 

 

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