※この作品はR-18です。

神器なき男 (再編集版)   作:もっち~!

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護るということ

 

 

---クリス---

 

初めて賢者様の戦いを、仮想フィールドでの戦闘を見られるモニタで、見た時は驚いた。最強の魔王と言われているサー兄さんと眷属の方を、あっという間に倒してしまったのだから。あ、賢者様っていう呼び方は、死んだ者を生き返らせてしまう力を持っているから。サー兄さんを倒されたのを見て、この方を眷属に欲しいって思った。僕の傍にいて、アレコレと色々教えて貰えたらいいなぁって、思ったんだ。

 

戦闘が終わって、僕達の前に戻られて、僕の眷属になってくれた時は嬉しかった。ティアさんもなってくれたし。その後、賢者様のお子様、ガイアとシルキーも眷属になってくれたし、僕の眷属集めは順調である。そのはずだったが…

 

 

賢者様から、衝撃な発言。

 

「僕もそうだったけど、クリスはレーティングゲームは、出られないと思うよ」

 

「何故ですか?」

 

「天使の力を持つ者が、悪魔のゲームに出たら、無敵だろ?そんな化け物と、誰が相手をすると思う。僕の価値は13。サイコロマッチ(サイコロを2個振って出た目の合計の価値の者が参戦できるゲーム)に、『王』として出られないハンデだったもの。たぶん、ここの世界でクリスも、同じ待遇になると思う。悪魔の上層部の頭が柔軟でない限りはね」

 

「では、僕は何の為に強くなるんですか?」

 

涙が出てきた。死んでは、生き返りの繰り返しの鍛錬。とってもつらいのに、ゲームで戦って勝つ為に、がんばってきたのだ。

 

「大事な人を護る為だよ」

 

賢者様は遠くを見つめていた。

 

「大事な人?」

 

「僕の大事な人は僕の家族だよ。あと、一緒に戦う仲間とか…」

 

アウロスの家のサンデッキからの景色を、懐かしそうに見ている賢者様。

 

「クリスを初めて見た時、僕達と同じオーラを感じたんだ。天使の持つオーラをね」

 

「オーラで、そういうことが、わかるのですか?」

 

「クリスも、もっと強くなって、色々な経験を積めば、わかるようになれるよ。だから、ゲームに出られない状況になっても、腐らずに鍛錬をしていって欲しい」

 

僕にも、出来るようになる。僕も賢者になれるのかな?

 

「でも、ゲームに出られないんじゃ…」

 

「大事な人を護れるように強く…うん?クリスは大事な人が、いないのか?」

 

「う~むぅ、大事な人、大事な人…」

 

「リアスは大事でないの?」

 

リアスお姉様が、僕を睨んでいる。

 

「大事です」

 

「サーゼクスさんとか、ご両親は?」

 

「大事です」

 

「クリスにも大事な人が、いるじゃないか」

 

「いますねぇ…」

 

「その大事な人達よりも、強くなれ!」

 

「……」

 

「クリス、僕もガイアもシルキーも、いつまでこの世界に、いられるかわからないんだ。僕達がいなくなったら、クリスにしか、止められないと思うぞ」

 

「止める?何をですか?」

 

「ラスボスをさぁ」

 

「ラスボス?」

 

「いつか、あれの封印を解く者が現れるかもしれない。その時に対峙できるのは、クリスだけだと思う」

 

「どうして、僕なんですか?」

 

「訊いた話では、ラスボスは聖なる身体に、闇のオーラを纏う者。普通の悪魔では、簡単に屠られると思う。イレギュラーなお前なら、戦えると思う。だから、お前を鍛えあげる」

 

僕達の会話を聞いて、お姉様が近寄ってきていた。

 

「クリス、私を護りなさいよ!」

 

お姉様が僕の顔を、覗きこんでいる。

 

「私達を鍛えあげているのも、それがあるからですか?」

 

小猫ちゃんが賢者様に問う。お姉様の眷属を見渡した賢者様。

 

「リアスの眷属は転生悪魔だ。そのままでは簡単に屠られてしまう。いずれ、僕の駒を入れて、元の種族にもなれるようにするよ。いいかな?リアス」

 

「お願いします。クリスだけでは不安です」

 

僕だけでは不安なのね。まだ、護れるくらい強くないってことかな。

 

「実際に戦っていないから、確実ではないけど、クリスとギャスパーが攻撃、白音、黒歌は、仲間を回復しながら、仙術で相手の身体の中にダメージを与える、そんな作戦が有効かな」

 

「僕は?」

 

「木場は元々人間だから、前線は無理だな。リアスを護れ。『騎士』なんだからな。朱乃も前線は無理…いや、遠隔での攻撃ならいけるかもしれない」

 

「ドラゴンは全員、前衛だな。封印した時に、二天龍が協力したというから、ドラゴンの力は有効かもしれない」

 

 

 

---シュウ---

 

夜空をサンデッキから見ている。みんな元気かな。ソーナ(もちろん、あちらの世界です)とプレイしたいなぁ…そんな不埒な考えをしていたら、後ろからグレイフィアさんが抱きついてきた。

 

「何を考えていたの?」

 

「いや、そのぉ…」

 

いかん、グレイフィアさんの胸に視線が…

 

「耳まで真っ赤よ。ふ~ん、そういうことを考えていたんだ」

 

グレイフィアさんが悪魔っぽい笑みをこぼす。いや、彼女は悪魔なんだけど。

 

「今夜は好きにしていいよ。いじめられる方はうまくないかもしれないけどね」

 

心の中を読まれている…僕は、グレイフィアさんと寝室に向かった。

 

 

 

 

 

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