---イッセー---
学校の帰り道、突然見知らぬ女子に声をかけられた。手紙を渡されて、顔を赤らめて去って行く彼女。家に帰って自室で手紙を読むと…これって、産まれて初めてのラヴレターじゃないかぁ。彼女の名前は「天野夕麻」で、俺とは違う高校の女子だそうだ。毎日、学校の帰りに見かけていて、俺に恋をしたそうだ。明日の夕方に公園で逢って、返事をくださいって。もちろん『OK』です。…『公園で告白の返事をした後』を妄想しまくる。
---レイナーレ---
ついに作戦を実行した。堕天使組織『グリゴリ』の上層部から兵藤一誠の神器は危険だから消せって指示が来たので実行した。そんなに危険な神器なら、アザゼル様は喜んでくれるかな♪今の私は、アザゼル様の事しか考えていなかった。あの彼の存在を忘れていたことに、後悔することになるとは…
---イッセー---
翌日、クリス先輩に自慢をした。先輩はそっけなく、「そっか、良かったな」って。もっと喜んで下さいよ。クリス先輩は、生徒会会長の支取先輩の膝枕で横になり、耳掃除をしてもらっている。一応、ここは生徒会室だ。人目をはばからずに、支取先輩は床に直に座っている。一人を除いて、気にもとめていない。匙という支取先輩に恋する男子を除いてね。
「会長、生徒会室でそういうのは、いかがなものかと」
匙は必死に、やめさせようとしている。
「匙、私に注意ですか?」
支取先輩は冷たい目で、匙を睨んでいる。クリス先輩は…
「ソーたん、集中してね。痛いからさぁ」
匙に対しての表情から一変して、顔を赤らめた優しい目でクリス先輩を見て
「ごめんなさい。つい、力が入っちゃいました」
匙は浮かばれないなぁ。支取先輩とクリス先輩のやり取り、を匙以外は微笑ましく見ている。きっと、クリス先輩、この部屋の女性を、全員堕としたんだな。そんなような視線が、クリス先輩に集まっている。
「で、イッセー。その女は信用が出来るのか?」
耳掃除が終わって、立ち上がったクリス先輩。
「信用って?」
「どこの学校だって?」
そういえば、この辺では見かけない制服だった。あの制服は都心の有名校の物かな。
「この辺の学校では無いんだろ?」
だから、なんだ?この辺りに住んでいるのだろう。
「何が言いたいんですか?」
俺はクリス先輩の言いたい事が分からなかった。この時点ではねぇ。
「いや、今のイッセーに、話しても信じてもらえないと思う。でも、気をつけろよ。イッセーの身体の中には宝が眠っているんだから。それを狙う勢力が、有るってことだ。何を言っているか、分からないよね?」
俺の身体の中に、宝が眠っている?ソレを狙う勢力?何の事だろうか?
「考えても無理だよ。普通の人にはねぇ」
何か意味深な事を言われているけど、今の俺には、検討も付かない。
「イッセー!僕達でガードするけど、一応注意してくれよ。至近距離からだと、間に合わないからね」
なんかイヤ予感がする。至近距離だと間に合わない?死亡フラグが立つんですか?
「クリス、あと誰がガードするの?」
支取先輩がクリス先輩に尋ねた。
「ソーたんの憧れの人!」
「え?いらっしゃるの?私も行こうかな♪」
表情が思いっきり崩れる支取先輩。こんなにかわいい人だったのかぁ。そんな支取先輩を後ろから副会長の真羅先輩が羽交い締めにしている。
「会長。仕事をして下さいね」
「椿姫のイヂワル!」
支取先輩の拗ねた顔もかわいいなぁ。匙の気持ちもわからないでもない。でも、支取先輩の憧れの人って?クリス先輩では無いんだ。
「イッセー、死んでも生き返らせるから、安心していろよ!」
笑顔のクリス先輩…なんか突然、衝撃な言葉をサラっと言いましたよね?死亡フラグ…既に、立っているのかな…って、もう部屋から出ていってしまった。どこに行ったんだ、クリス先輩は…
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俺は、夕暮れの公園に向かった。この町では割と大きな公園だ。公園を囲むように樹が植えられていて、公園の中心辺りには噴水がある。その噴水の前に、彼女、天野夕麻ちゃんがいた。
「ごめん、待たしちゃったかな?」
「そんなこと無いよ。あっ、あのぅ…手紙のお返事は…」
彼女がモジモジしている。かわいいなぁ。
「OKです。おつきあいします」
俺は彼女の瞳を見ながら、返事をした…次の瞬間、痛い…ものすごく痛いぞ…
「地獄まで、おつきあいをお願いしますね」
目の前の彼女の背中には黒い翼が展開していた。俺の腹には、槍が刺さっている。いつの間に…彼女の手にはもう一本の槍が…俺は死んじゃうのかな。そんな俺の目の前に白い翼が展開した。
「僕の大事な後輩に、なんてことをしやがる。地獄?てめぇ一人で、行ってこい!」
え?クリス先輩…意識が…
---レイナーレ---
兵藤一誠の息の根を止めようと、もう一本光の槍を出現させた瞬間、目の前に…突然、寒気のするオーラを纏う者が現れた。彼の…クリスの?私と二人で逢っていた時とは、違う目つき、違う言葉遣い、違うオーラ…マズい。殺される。私は空に逃げた。突然、翼に激痛が走る。振り返ると悪魔の羽を展開した笑顔の少女がいた。笑顔なのに、冥府の最下層のコキュートスを思わせる氷つくような寒いオーラが感じられる。翼をなくした私は地面に叩きつけられた。
「ここは、私がどうにかする。逃げろ!」
部下のドーナシークが盾になってくれた。私は転移魔法陣でその場から転移した。
---イッセー---
朝目覚めると、自分の部屋のベッドの上だった。え?死んだんじゃ…頬を引っ張ってみる。痛い!夢ではない。では、死んだのが夢だったのか?腹に刺さった槍…腹にそのような傷はない。夕麻ちゃんも夢?彼女からもらった手紙を探すが見つからない。え?夢だったのかぁ。
落ち込みまくっていた俺を、呼ぶ声がした。
「兵藤一誠君だよね?ちょっと、一緒に来てくれるかな?リアス様がお呼びなんだ」
リアスお姉様がお呼び?もちろん、行きます。落ち込んでいた俺に、救いの神が現れた瞬間だ。
「イケメン木場か?」
「兵藤君、ひどいなぁ。僕は木場祐斗って名前だよ」
俺に微笑みかけてくるイケメン木場。男に微笑まれてもなぁ。そんな俺を、呼ぶ声がまたした。
「イッセー、元気か?」
クリス先輩だ。夢の中で俺を助けてくれた白い翼?本当に夢なのか?何かの記憶だろうか…
「木場、お姉様の使いかな?」
「クリス様、その通りです」
「イッセー、話があるんだ。とっても大事なね。イッセー、悪いけど拒否権は無いからね」
クリス先輩?拒否権が無いって?大事な話って?よく分からないけど、クリス先輩達について行く。クリス先輩から、酷い目に遭わされることはないだろうから。逆に守ってくれる気がするし。
旧校舎に連れて行かれた。ここって、何が有るんだろう?夏場は肝試しにちょうどいいらしいけど。目指す場所、一番奥の部屋に着いた。大きな扉の隣に『オカルト研究部』って看板がある。肝試しのメッカだものね、オカルトの研究には、もってこいだよね、なんて考えていたら、木場が扉をノックした。
「兵藤一誠君をお連れしました」
扉が開き、室内に入ると、目の前の椅子に二大お姉様の一人、リアスお姉様がいらした。胸が大きい…目が釘付け状態だ。
「うん?クリスも来たの?」
「大事な後輩に無茶されたら困るからね。無茶をするようなら、実の姉と言えでも」
「ふ~ん、やり合うか。まぁ、最悪そうなるでしょうね」
この姉弟は、何の会話をしているのか?無茶って…部屋の中に目を向けると、後輩の塔城小猫ちゃんと二大お姉様の片割れ、姫島朱乃お姉様がいらっしゃるではないですか。
「まず、事実確認よ。兵藤君、君は昨晩、堕天使に襲撃されて死んだのよ」
死んだ?え?夢でしょ?
「死んだ?でも、僕はこうして生きていますが」
「それは、シュウさんが生き返りの術を使ったから」
俺は、クリス先輩を見る。
「イッセー、お姉様の言うことは本当だよ。君は死んだんだ。警告しただろう?至近距離だと間に合わないって」
確かに至近距離から槍を突然刺されてました。え?
「僕のチームを、展開させていたんだけど、あの至近距離は、やっぱり無理だった。すまない」
クリス先輩のチーム?なんで先輩が謝っているんだ?
「クリスのチームじゃ、その程度ってことよ!」
リアスお姉様の言葉で、クリス先輩の何かが変わった。なんだ、この恐怖感は…
「姉さん、あなたのチームでは、全滅だったでしょうね」
「クリス!」
リアスお姉様の目が泳いでいるみたいだ。突然、リアス先輩が血煙を上げて消えた。いや、光る玉が漂っている。あれって、魂?消えたんじゃなくて、そこら中に肉片や骨片が散らばっている。
「魂になった気分はどう?姉さん♪あぁ、しゃべれないのか。静かでいい」
「クリス、リアスを元に戻してください。お願いします」
朱乃お姉様が、クリス先輩に頼んでいる。朱乃お姉様はクリス先輩を、隣の部屋に連れて行った。話し合っているのかな。でも、普通の人間でこんなことって、出来ないよね?逃げようと扉の方を見ると、小学生くらいの子供が4人立っていた。その4人に対して、警戒をしているイケメン木場と小猫ちゃん。30分くらいして、クリス先輩が戻ってきた。
「対価はもらったから、願いを叶えよう、姉さん」
リアス先輩の身体がとつぜん現れた。身体だけだ。なにも着ていない。全裸だ!脳内保存しなきゃ。ガン見していた俺の横を、魂が通り過ぎて、身体に吸い込まれていった。
「ったく。シュウさん、子供に安全装置を、付けておいてくださいね」
僕の隣に男性が現れた。近づいたきたのでなくて、現れた!え?
「悪いなぁ。僕の子供は機械で無いので、そういう物は付かないんだ。」
隣の男性は、笑みである。
「チームを連れてきたのね、クリス」
「いや、僕が勝手に来ただけだ、リアス。クリスには責任は無い。で、イッセー君に選ばしてあげるよ。君の中にある宝を、抱えて共に生きるのと、宝を抜いて人間として生きるのと、どちらを選ぶかな?」
「宝ってなんですか?宝と共に生きると、人間では無くなるのですか?」
「イッセー君、君の中にある宝だけど、神滅具と呼ばれているものだ。神を滅ぼすことができる武器を、君は宿しているんだ。それを持っていれば、また襲われるよ。で、襲われない為に、人間を止めて他の種族になって、誰かのチームに入る必要がある」
「チーム?他の種族?ここにいる人達って?」
「ここには純粋な人間はいない。イッセー君は一応、人間ではあるが」
え?人間でないって?クリス先輩…
「僕と姉さんんは、純血悪魔だ、イッセー」
え?クリス先輩とリアスお姉様って、悪魔だったのか?クリス先輩は白い翼を展開した。
「僕は純血悪魔なんだけど、イレギュラーで天使の翼を持っているんだ」
昨日、見た白い翼。僕を守ってくれた白い翼…クリス先輩だったんだ。
「姉さんのチームはみんな、転生悪魔だ。木場は元人間、朱乃は元ハーフ堕天使、小猫ちゃんは元猫又だよ」
身近に悪魔がいたなんて…
「僕のチームで悪魔は僕だけ。ガイアとシルキーはハーフ悪魔、シュウさんは魔物、アポとオーフィスはドラゴン」
ドラゴン?魔物?おぃおぃ、身近に…
「まぁ、神滅具を抜かないのであれば、誰かのチームに入れば、取り合えず安全だよ。抜くのであれば、人間として静かに生活が送れる。ただ、ここでの記憶は消させてもらうけど」
え?脳内保存したのに、記憶を消すのはどうかと思うぞ!
「なるほど、リアスの全裸を、すみずみまで脳内保存したのか、それは記憶が消せないな。あっ、ごめん。僕は相手の心が読めるんだよ」
このシュウさんって人?は侮れない気がする。
「では、誰のチームに入る?」
誰?学園のアイドルが、たくさんいる方は捨てがたいなぁ。
「そんなので選ぶの?死ぬかもしれないけどいい?」
あっ、心が読めるんでしたね…
「リアスと朱乃と白音が目当てみたいだけど…あっ、思い出した。イッセー君の筆下ろしの相手は、クリスのチームにいるけど、いいの?」
えぇぇぇぇ、あの巨乳で和服の乱れお姉様がいらっしゃるんですか?
「シュウさん、どういうこと?」
「イッセーくんの初体験の相手は黒歌だよ♪」
「もう、食べられたの?」
いや、そんな目でみないでください、リアス先輩…あぁ、悩むなぁ。クリス先輩には恩義があるしなぁ。