---イッセー---
悩んだ結果、リアスお姉様のチームには入ることにした。クリス先輩のチームは妖艶な和服のお姉様と子供しか女がいないけど、リアスお姉様のチームは…考えただけで鼻血が出まくりそうであったから。必然的に、オカルト研究部にも入部することになった。リアスお姉様のことは、リアス部長と呼ぶことと指導もされた。
クリス先輩を選ばなかったけど、『イッセーの考え抜いた結果だ、がんばれよ!』って、励ましの言葉をもらった。シュウさんって人は、やることがあるとかで、どこに転移していった。いいなぁ、その転移って機能、便利そうだ。
その後、リアス部長と、クリス先輩から、基礎知識を教えられた。この学園は種族を問わない共学であること。理事長は魔王様で、リアス部長とクリス先輩のお兄様であること。この町はリアス部長の管轄地で、多種族共存していることなど。この町に長く住んでいたけど、知らないことが、いっぱいあるみたいだ。
リアス部長から悪魔の駒というものを、俺の身体の中に入れてもらった。『兵士』の駒が8個入ったことに、みんな驚愕している。なんで?クリス先輩は胸をなで下ろしているし。リアス部長は固まっているし。
「そうか!シュウさんは、イッセーの価値を知っていたから、私を選んだことで、どこかに行ったのね」
リアス部長が涙目になっている。朱乃先輩はそんな部長を宥めているみたいだ。あとで、聞いた話だけど、シュウさんって駒の価値を変動できる能力が有るそうで、その恩恵を受けているクリス先輩は、割安でチームメンバー(眷属というらしい)を増やしているそうだ。
---レイナーレ---
無くした翼が痛い。私を逃がしてくれたドーナシークは、戻って来なかった。狩られてたのかも。クリスには、私ってバレていないだろうけど、この翼を見たらバレちゃうよな。もう逢えないわね。根城にしている古びた教会の地下室で、治療薬を塗ってみたもの、痛みは減るけど、翼は戻らない。選択を誤ったかもしれない。アザゼル様よりクリスを取れば、こんな目に遭わなかったはずだもん。ぐっすん…
階段から誰かが、降りてくる音がした。
「レイナーレ様、お客様です」
私の部下で、金色のツインテールで青い瞳を持つミッテルトだった。うん?言葉遣いが、いつもと違う。顔は紅潮しているし。
「どうしたの?いつもと言葉遣いが違うけど?」
彼女は困ったように、モジモジしている。
「あのですね…上で言葉遣いと女としての魅力を、しごかれてきました」
「はい?」
彼女の後ろから、彼が現れた。忘れていた人物。彼の顔を見て、自分の身に起きたことに納得をした。そして、恐怖から全身に鳥肌がたっている。
「久しぶりだな。レイナーレ。まさか、クリスの彼女が、お前とはなぁ」
メイドとして派遣された家の主人、並行世界からの客人のシュウだ。
「天野夕麻がお前だと知ったら、クリスはどうするかな?」
いや、それはバラさないで欲しいけど…
「バラしても、クリスの為にならない」
そうだ、この人は心が読めるんだ。
「そうだよ。心の中が読めるんだよ、レイナーレ。同一人物ってことは、黙っていてあげるよ。その代わり、クリスを支えるようになれ。いいな?二度目は無いからな」
シュウは私の失った翼を再生してくれた。
「翼は再生しておく。クリスが気づくとまずいから。その代わり、わかっているな?」
土下座をしている私。
「はい、二度とクリスの嫌がることはしません」
「あと、なにかヤバそうな情報を掴んだら、僕に回して。そうそう、レイナーレの手下の2名は僕が餌付けしたからね。裏切ったら、分かるからな!」
餌付けって、何よ?どうせ…
「そうだよ。二人ともおいしくいただきました♪」
あっ、心に思っている事が、ダダ漏れ状態だった。
---アザゼル---
突然、殺気だって俺の目の前に転移してきたシュウ。また、ちびったぞ。
「びっくりさせるなよ。なんで、そんなに殺気だっているんだ?」
「お前の部下、レイナーレが、クリスの後輩を殺したんだけど、どういうこと?」
え?なんてことしたんだ、あの暴走娘は。
「あいつは、はぐれ堕天使で、うちの組織では無い」
「はぐれ?末端だろ?嘘は良く無いよ。ブレイザー・シャイニング・オア・ダークネス・ブレード総督」
なんで、過去の汚点を…並行世界の俺は、同じことをレポートにしたのか。
「そうだよ。並行世界だから、イレギュラー周り以外は、たいてい同じみたいだよ」
心が読めるんだったな、コイツは。
「コイツ呼ばわりですか?ブレイザー・シャイニング・オア・ダークネス・ブレード提督」
アイツの手には天界時代に書いた俺のレポートが…なんてことを。
「本当のことを言わないと、これをグリゴリで大量配布しますよ」
「や、やめろ~!本当のことだ。末端とはいうものの、アイツははぐれに近い。グリゴリの命令に従わない場合が多い」
「天界で配布の方がいいかな?」
「だから、本当だ!クリスの知り合いを殺せなんて、命令は出していない」
「アザゼルさんは出していなくても、シェムハザさんはどうなんだ?」
あっ、俺以外の命令かぁ。俺は、シェムハザに用件を伝えて返答を受けた。
「すまない。シェムハザが命令したみたいだ。危険な神器を持っているみたいだから、驚異になる前に消せと」
「あれは神滅具だよ。赤龍帝ドライグ。兵士8個分だ」
「あんだとぉ~。ドライグだと?兵士8個で誰の眷属に?」
「リアス・グレモリーだ」
「あのお嬢ちゃん、強力なのを手に入れたのか」
「そうだけど。それよりクリスには、何か無いのか?」
うっ…
「無いのか。じゃ貸しにしておく。あと、レイナーレの組織は僕がもらったからね」
はぁ?
「はぁじゃないよ。非合法の『教会』っていう悪魔払い組織のボスらしいじゃない。今後、僕の諜報機関になってもらったからね」
文句を言ったら…
「文句あるの?貸しあるのに?ぜいたくでしょ?さっきのレポートはアザゼルさんの背中に永久転写にしてあげようか?」
それだけはいやだぁぁぁ。渋々土下座をした俺。
「文句ありません。このたびは部下がご迷惑をおかけしました。総督として謝罪します」
謝罪した途端、シュウの殺気だったオーラは、いつもの暖かいオーラに変わった。怖かったぁ。
---レイナーレ---
アザゼル様より直接命令が届いた。今後、シュウの諜報機関となって働けと。あの鬼は私だけで無く、アザゼル様も脅したのねぇ。あんなに怖い表情のアザゼル様は初めてだ。想像を絶する目にあったにちがいない。あの心を読む能力の前では、ウソは首をしめかねないものな。
「レイナーレ!」
って、街中をうろついていたら、愛しの人の声で呼ばれた。振り返ると満面の笑みのクリスがいた。
「クリス!」
私は彼の元に走り寄って、彼の胸で泣いた。困惑しているクリス。理由は言えない私。あの翼では、もう逢えないって思っていたから。再会が出来て…私の髪の毛に、頬ずりするクリス。今後はもう裏切りません。一生、支えてみせます。鬼に言われることなくね。
その後、いつものホテルで、翼のケアをしてもらってから交わった。
---クリス---
家に帰ると、リビングルームで揉めていた。
「リアス!あなたが『王』なんだから、好きなようにすればいいけど、クリスはどうするの?」
朱乃の声だ。
「ただいま。朱乃どうしたの?」
朱乃が振り返って、僕を見た。
「リアスがイッセー君と一緒に住みたいって」
イッセーは両親と一緒に住んでいるけど。
「ここにイッセーを呼ぶの?」
「違うのよ。リアスはイッセー君の家に住むんだって」
え?それって、お姉様の目を気にしないで、生活が出来るのかな?
「別にいいよ、僕は。朱乃と小猫ちゃんがいれば、イッセーに色仕掛けしようとする姉とは一緒には住めないから」
お姉様の顔は真っ赤だった。図星だな。うぶなイッセーを、自分の色に染める作戦だな。
「し、失礼な。そんな色仕掛けなんて…」
「お姉様は、全裸で抱き枕ないと、寝られませんよね?」
「普通、そうでしょ?」
朱乃と小猫ちゃんの同意を得ようと見渡すが、同意は得られず。
「普通は、寝間着を着て、寝るんですよ」
「そんなのもの着たことないもん!」
頬を膨らませて怒っているお姉様。そうだね、見たことないもの。全裸の実の姉に抱き枕にされてきた僕は…毎朝、おしっこでは無い物のおねしょ状態だったんだからね。それから解放されるのかぁ。
「今夜からイッセーの家に行っていいよ!朱乃と小猫ちゃんの3人で生活していくからね」
僕はお姉様を、イッセーの部屋に強制転移させた。
---イッセー---
風呂から上がって自分の部屋に行くと…なんで?部長がここに?夢かぁ?頬を抓ってみると痛い。夢では無いぞ。
「部長どうしたんですか?」
「今日から、イッセーと一緒に暮らすことにしました♪」
意味がよくわからないけど、笑顔がまぶしい部長。
「意味がよくわからないんですけど…」
俺の目の前で、全裸になる部長…これは夢?頬を叩いてみると痛い。
「なんで全裸に?」
「私は全裸でないと、寝られないのよ」
どこに寝るんだ?俺のベッドしかないけど…
「さぁ、イッセーも脱ぎなさい!」
え?服が手際よく脱がされている。どこのだれと練習を…弟さんのクリス先輩が浮かんだ。
「あのぅ、一緒に寝るのですか?」
「そうよ。私は抱き枕が無いと寝られないのよ」
笑顔で俺のベッドにインしている部長。え?全裸での添い寝?クリス先輩のお姉様だぞ。無理無理…
「眷属とのスキンシップって、大事なのよ」
え?イケメン木場ともそういう関係なのか??俺は意を決した。女性に恥をかかせてはいけない。クリス先輩ごめんなさい。リアス部長の隣で寝ることにした。
柔らかいものがいろいろ触れてくる…いままで妄想上だけだったものが目の前に。俺の脳みそは暴走気味だ。夢か現実かの区別が出来なくなって来ている。
頭脳も身体も休まることなく、倦怠感と共に朝を迎えた。
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「イッセー、起きなさい!」
母が布団をめくると、全裸の俺とリアス部長が交わっていた…母は部屋のドアを勢いよくしめて、階段を豪快に降りている音が聞こえた。
「お父さん、大変よ!イッセーが女の人と…」
「イッセーだって、そういう年頃なんだよ、お母さん」
両親の声が階下から聞こえてくる。リアス先輩はなにやら呪文を唱えて魔法を使っているみたいだ。
「これで、あなたの両親の記憶を塗り替えたわ。私達は恋人で同棲しているってことにしたわ」
なんて、すばらしいシチュエーションなんだ。これって、リアス先輩の眷属悪魔になった恩恵なんですね。幸せをかみしめる俺。