---朱乃---
意識が戻ると、見慣れた部屋にいた。ここはリアスの部屋?上半身を起こして、周囲を見回す。リアスの部屋で間違え無い。どうして、ここに?アイツの奴隷になったはず…なのに…
「あっ、朱乃、おはよう」
部屋に入って来て、私に気づいたリアスが、声をかけてきた。
「どういうこと?何で、ここに私はいるの?」
「ごめんね。今部屋に空きが無いんだ。新居を建設中だから、もう少し待ってね♪」
見慣れたリアスの笑顔。私はソーナの眷属に、なったはずだけど…あれは夢だったのかな?
「リアス…どういう事?なんで、私はここにいるの?」
「うん?あぁ、朱乃の意識が飛んでいる時のことを、話さないとダメだわね。朱乃は私の眷属に戻した。亘が協力してくれたのよ。後でお礼を言っておいてね。今は…当分、起きて来ないと思うから…」
一瞬、寂しげな表情をして、笑顔に戻った彼女。
「私はアイツの下僕なのに?どうして、そんな笑顔でいられるの?」
「女の愛人とかペットとか下僕なら、しょうがないって感じかな」
何?その言い方は…
「彼の能力のせいか、わからないけど、祐斗とかの野郎共からも、愛人希望を訴える輩が多いんだよ。はぁ~、恋のライバルは女性がいいよな…」
溜息を吐いたリアス。祐斗君がアイツの愛人候補?どうして、そうなったんだ?
「まぁ、あれだよ。惚れた弱みって感じかな。彼が私の元を去らないように…今は、そんな事ばかりを考えているわ。彼に出逢う前の私からは、信じられない心境だよ。まったく、もう♪」
「ねぇ、私はリアスの『女王』に戻れたの?」
「『兵士』1つ分だよ、朱乃は…現状の私の眷属では、朱乃は最低戦力だからね」
私が最低?グレモリー眷属の『女王』だったのに…少し前まで…私のいなかった間に、底上げが為されていたようだった。
「グレモリー眷属は、ゲームに出られないと思う。その位の強さよ」
「ソーナの処よりも強いの?」
「問題外よ…まぁ、亘を眷属にした時に、既にあきらめていたけどね」
どんだけ強くなったんだ?
「ねぇ、『女王』はどんな人なの?」
自分のいた地位に、私に代わり新しく成った者が気になった。
「私の駒の値の合計値の2~3倍以上みたい…デタラメでしょう?通常じゃ、眷属に出来ない者が眷属に出来ちゃうなんて」
言葉が出ない。何で、そんなデタラメのような事が出来るんだ?
「亘のせい…いや、おかげかな?彼の能力の恩恵だよ。ソーナの処もそうだし」
「彼は何者なの?」
一番の疑問を、リアスにぶつけてみた。
「うん?私にとっては…いやいや違うな。私とソーナの想い人…それ以上でも、それ以下でも無いわ。今はねぇ」
「今は?」
言い周しが気になり、更に訊いてみた。
「亘は、感情を封印してしまっているの。だから、無表情な彼が本来の彼。感情的に成っているときは、封印が緩んでいるから、彼以外の者の性格が浸み出すらしい」
感情を封印?感情に左右されることは…喜び、怒り、哀しみ、楽しみ…それらを糧にしている者…それは…
「アイツは…まさか…人札?」
風の噂で聞いたことがある。最強の陰陽師が作成したお札が、ある魔物に通じなかったらしい。その窮地を救ったのは、自らを器にして、その魔物を取り込み、感情を封印することで、その魔物が余計な事をしないようにさせた一人の陰陽師がいた…その者は『人札』と呼ばれ、陰陽師を生業と出来なくなり引退したとか。まさか…
「うん?人札って?それは良く分からない。私よりも、椿姫とか巡の方が詳しいと思う。亘を尊敬しているらしいから」
退魔を生業としている彼女達の実家。それなりに、詳しい情報が入ってきている可能性はある。
リアスの部屋を出て、アイツの部屋に向かう。アイツの部屋には、小猫ちゃんと知らない女の子が、アイツを心配そうに見ていた。
「あっ、朱乃先輩。もう、良いのですか?」
「まだ、身体に力があまり入らないけど、頭は大丈夫よ」
「そうですか…で、亘先輩に何か、ご用ですか?」
二人から、私に対して、警戒をしている気配を感じる。
「リアスがお礼を言って来いって…」
「あと、2,3日は起きないと思います。なので、お引き取りください」
「何で起きな…」
背後から胸を掴まれて、乳首を刺激されて…
「ほぉ~、もう湿地帯みたいねぇ…亘に虐めて貰いたかったのかにゃ?」
気配を感じることができなかった。こんなに簡単に背後を取られるとは…
「うっ…ダメ…止めて…あっ…」
背後にいる女性の指技を股間に受けて、達した私は、その場に崩れるようにして倒れた。
「ふ~ん、エスの女王様なのに、防御が弱いのね」
床から立ち上がろうと思うが、下半身に力がまるで入らない。
「亘に遊んでもらおうと思ったけど、まだ起きていないにゃ?」
「まだ、無理です。だいぶ、精神的に疲れておいでですので、無理に起こすのは良くないですよ、黒歌お姉様」
えっ…まさか、小猫ちゃんのお姉さん?リアスよりも、価値の高い『王』の眷属で、『僧侶』2個だったけど、小猫ちゃんを乱暴されそうになり、彼女を助けようとして『王』を殺して、逃亡していたはず…
「にゃ?私はもう逃亡犯で無いにゃ♪亘が、リアスの駒を入れてくれてにゃ、あの忌まわしい駒は、もう抜けたにゃん♪」
小猫ちゃんに抱きつき、頬を合わせる彼女。
「もう、黒歌お姉様、人前でそういうことは、しないでください。恥ずかしいです」
耳を真っ赤にした小猫ちゃんが彼女を窘めた。
「いいにゃん♪ルフェイ以外は亘の下僕だし♪」
え…黒歌さんも小猫ちゃんも、アイツの下僕?あんな調教を受けたの?なのに、何でアイツに優しく出来るの?
「ちょっと、黒歌さん、それは言わないでください!あと、2年もすれば、私とも出来るようになると思います!」
ルフェイと呼ばれた少女は、まだそういう行為が出来ない年齢のようだ。でも、彼女はアイツとすることを心待ちにしている。何で?
「朱乃先輩、亘先輩の良さを知らない限り、亘先輩を理解出来ないですよ」
小猫ちゃんが私を見ずに言った。
「亘君!あれ?まだ、目が醒めないの?」
祐斗君がやって来た。彼は暖かい視線をアイツに送っている。
「祐斗先輩、まだ起きないです。後、目覚めても、迫らないでくださいね。その行為が亘先輩にダメージを与えているんですから!」
「ははは、そうだけど…まぁ、自重できる分はそうするよ」
小猫ちゃんに怒られて、苦笑い気味の祐斗君。
立ち上がれるようになり、アイツの部屋を出た。誰もいない廊下に、一人いる私。なのに、アイツの感触が身体の様々な部位に残っている。胸を揉まれ、秘部を舐められる、そんな感触が今も感じている。私を…虐めて…亘…身体が欲している、アイツの事を。アイツ以外、受け入れないかもしれない。そんな感じさえもある。
モヤモヤした頭を整理して、祐斗君の部屋へ行く。そこには、知らない女性と祐斗君がいた。
「あぁ、朱乃さん。まだ、紹介してませんでしたね。彼女はトスカといいます。昔、リアス様と出会う前、同じ施設で暮らしてました。亘君が彼女と再会させてくれたんですよ~♪」
「私達にとって、恩人みたいな方です。ですから、そんな敵対した視線は、送らないでくださいね♪」
彼女から聖なるオーラが放たれている。彼女は聖戦士なのか?
「えっ、誰?」
突然、私の背中に、指を突きつけて来た者がいた。
「指が剣だったら、お前は灰になっていたぞ。亘を良く思わない者は、私にとっては敵だ。覚えて置けよ」
気配がまるで感じなかった。戦闘から離れていたブランクのせいか?
「ゼノヴィアさん、脅しはダメですよ。躾の対象になりますからね」
トスカが私の背後にいる者に、声をかけた。こいつも聖戦士か?指先の当たっている部分がピリピリと痛い。
「はぁ?私は躾の対象にならないんだよ、トスカ!まったくもって、悔しいが」
「好き好んで躾をされたいなんて、君はマゾかい?」
苦笑い気味の祐斗君も、彼女に声を掛けている。
「マゾかな?エスだと思っていたんだけど…亘と知り合ってから…う~ん、どうなんだろう?」
背中の刺激が消えたので振り返ると、すでにゼノヴィアって者はいなかった。
「あなた達は聖戦士なの?」
「そうです。イザイヤ…今は祐斗だっけ?」
頷く祐斗君。
「祐斗と私とゼノヴィアは、同じ系列の聖戦士の施設の出身です。亘さんは別系列の聖戦士の学校にいたそうですよ」
え…祐斗君も?じゃ、聖戦士は4名いることに…そこに、元はぐれ悪魔と白龍皇…あと、ギャスパー君…それだけでも、対悪魔に関しては無敵に近い。
「朱乃先輩は、出来る事をすれば良いんですよ。難しいことは考えてはダメですよ」
入院前の祐斗君とは別人のように、肩の荷が降りたような楽な表情をしている。
「亘君は、朱乃さんの処にも、お見舞いに行きましたか?」
お見舞い?来る訳無いでしょ?
「僕の処へは、割と頻繁に来てくれてましたけど」
祐斗君の処にお見舞い?じゃ、同じ医療施設にいた私の処にも来ていたはず…
「あれ?行かなかったんですか?そうか、わざわざ、僕の為だけに来てくれていたのか」
とても嬉しそうな祐斗君。なんで、そこまでアイツを…
「朱乃先輩は亘君の波動を感じたこと無いんですね。感じることが出来れば、彼に対して、そんな感情は湧かないと思いますよ」
波動?何の波動だ?
夜…寝る前に、リアスに命じられた。今夜は私がアイツと添い寝をする順番だと…
「何で?何で、添い寝をしないといけないの?」
「亘に、こっちの世界に帰ってきてもらう為よ。毎日、女性限定の順番で添い寝をしているのよ。私の眷属になった以上、このルールには従ってもらうわよ、朱乃!」
そして、アイツの部屋へ。部屋に入り、着ている物を総て脱ぎ、全裸になった。そして、彼の隣に横になった。彼の肌と触れると、あの時の感触が甦ってきた。あ、濡れてきた…こんなに敏感で無かったのに。私の細胞は、コイツによって調教されてしまったようだ。
ただ、意識の無い相手の隣にいるだけなのに、悶々としてきた。肌を合わせてしまえば、この悶々さとは別れられるのかな?
「あぅ…あぁぁ~気持ち良い…」
身体が勝手に彼と交わっていた。彼の肉体の一部を自分の中に取り込んでいた。彼の腕を自分の背中に回す。ただ、それだけの事なのに、とても気持ちが良い。
「あっ…」
絶頂地獄に自ら足を踏み入れた私。意識の無い彼に抱かれている。それだけなのに、身体の内部が熱い。肌が彼の肌と一体化していく。彼の胸板に、自分の胸を押し当てる。乳首が、乳房にめり込む。こんな刺激なんだ…秘部がひくついている。もっと彼に押し当ててみる。ひくつきは引き、彼の下腹部に口づけをしている。
「いい…もっと…」
彼の耳タブを舐める。それだけの行為でも、あの時の刺激がぶり返し、達してしまう。彼の身体の上で、全身が痙攣している私。それでも、刺激を求める。私は飢えた女豹かもしれない。彼の身体は私の体液で塗れていく。ただそれだけの事なのに、とっても嬉しい。この幸せ感は何だろうか?幸せ…いつ以来だろうか、こんなにも心が穏やかになったのは…
彼の唇が目に入った。自分の唇を舌で舐める。そして…彼の唇を舌で潤しながら、彼の味を味わう。彼の舌が口から出て来た。すかさず、私の口に咥えて、舌も味わう。こんなにも私は飢えていたのか?
「うっ…」
ビクっと身体が跳ねた私は、彼の身体の上に覆い被さった。身体が限界のようだ。全身に力がまったく入らない。彼の上にいることしかできない。あの時のリアスのように…あの時と違うのは、彼にダメージを与えないように、口づけはしていない。なんだ、彼の心配をしているんだろうか。あんなに敵対心を保っていたのに…
動けない私は、彼の上で絶えていた。そんな時、静かな室内に、私の呼吸音以外に何かの音がすることに気が付いた。微弱な音は、振動を伴っているようで肌を通して感じられた。その振動、いや波動か?心地良いリズムと刺激を私に与えてくれる…これって、何の波動だ?神経を研ぎ澄ましていく。右の乳首が一番感じるようだ。そこにある物と言ったら…
祐斗君の言っていたことが、脳裏を掠めた。そうだ…彼の波動…いや心拍だ。何か懐かしい感じがする、この波動は…どこだっけ?どこで感じていたのかな?
そして、思い出した。入院中の医療施設だ。この波動を感じると痛みが柔らんでいった。何かの医療方法かと、意識が戻った時に看護師さんに、訊いてみたのだが、わからなかった。そうだ、この波動だ。
彼は…祐斗君だけで無く、私のお見舞いにも、来ていてくれたんだ。動けないはずなのに、私の涙腺は涙をコンコンと湧き出させていく。
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「で、何で交わっているの?朱乃!」
翌朝、リアスの怒声で起こされた。私に刺さったまま寝ている彼。私は彼を包み込む様にして寝ていた。彼の腕は私の背中を大事そうに抱えているようだ。
「交わらなくてもいいのよ!ねぇ、何でよ~。私の時は萎えていたのに…」
もう少し、ここにいよう。狸寝入りをして、リアスをスルーした私。てへっ♪