---リアス---
私は…イッセーを危険な目に遭わせてしまった。イッセーは私の手で育てあげようと思っていたのに…当然、眷属の先輩である朱乃達が、基本を教えてくれていると思っていたのだけど、そうじゃなかった。そうだ、今まで私が好き勝手に眷属を動かせたのは、裏でシュウさんやクリスが動いてくれていたのかもしれない。
私は姉としてクリスに負ける訳にいかなかった。でも、クリスに勝てない気がする自分がいる。次期当主は私、クリスは次期魔王候補、器の大きさの違いなのかな?
私はアウロスの家に転移した。
「グレイフィア、シュウさんは?」
シュウさんの家のメイドのグレイフィアに、シュウさんの所在を聞いた。
「新しいガールフレンドと、サンデッキにいると思うわ。明日から二人でバチカンに行くみたいだし」
え?新しいガールフレンド?なんだ、それは?で、明日から旅行?私はサンデッキに向かった。
「シュウさん、その子はどなた?ご紹介してくれませんか?」
サンデッキにいた二人の後ろから声を掛けた。二人は私の方を振り向いた。
「グレモリー家の次期当主様ですか?何か用でか?彼女が誰であろうと、あなた様には関係が無い事ですよ」
シュウさんの言い方が気にいらない。何を今更、他人行儀みたいな言い回しをしているの?
「その言い方は何よ?他人行儀すぎませんか?」
「グレモリー家の次期当主様、私達は他人ですよ?お間違えのないように」
あぁぁぁぁぁ、その言い回しは頭に来るなぁ。
「器の小さい男だねぇ。あれくらいのことで怒るとは」
「そうですよ。私は器の小さい男です。グレモリー家の次期当主様のような器の大きさはございません。私の隣にいますのは、聖女アーシア様です。あなた様のような悪魔の次期当主様なんか簡単に浄化できますよ。試されますか?」
え?何を言っているの?浄化?私はゾンビでは無いし。
「シュウさん、この方は悪魔なんですか?」
「そうですよ。見た目は巨乳バカっぽいけど、凶悪な悪魔です」
うっ…
「だれが、巨乳バカですって?!」
「私はお褒めしたんだですよ。あなた様は、巨乳とバカは褒められるレベルですからね」
「バカを褒められて、嬉しい訳が無いだろ!!」
「そもそも、お前はここへ、何をしに来たんだ?クソ悪魔のリアス・グレモリーよ!」
「先程の件を謝りに来たんだよ!」
「それが、謝る態度か?おい、魔王サーゼクスよ、どういうことだ?」
え?何で、お兄様の名前を?サンデッキの端から、お兄様が現れた。
「リーアよ!俺はお前に失望したよ。お前は新しく眷属になったばかりの子を、エクソシストの待つ家に送り込んだそうだな。クリスが苦情を言ってきたぞ。たまたま、シュウ君がエクソシストの動きをマークして、すぐに助けに行けたから良かったものの、最悪消滅していたぞ。訊けば、その子は、クリスの大切な高校の後輩だそうじゃ無いか!」
え?そんな状況だったの?シュウさんがマークする程のエクソシストが、私の管轄地に入って来ていたの?
「悪魔のお仕事が大事なのは分かるが、眷属に見回りさせていないって、どういうこと?ねぇ、サーゼクスさん」
「シュウ君、すまない」
「あの提案は通して、もらえますか?」
「あの提案って?」
何の提案をしたのかしら?
「管轄を分割して、半分はクリスの管轄にするってことだ。リアスの能力じゃ広すぎるってことだよ。学校周辺のエリアはリアスで、学校から遠い場所、姫島神社周辺はクリスの管轄ってことで」
うっ、読めたよ。その計画の裏…朱乃の実家である姫島神社にクリス達が住む気でしょう。
「そんなのは認めないわ」
拒否だ!そんなのは拒否だよ!
「サーゼクスさん、どうなんですか?」
「お兄様、私の管轄に口は出さないで頂けますか?」
「う~、シュウ君の言うことは、もっともなんだけど、管轄に関しては魔王でも口が出せないんだ」
「魔王って、お飾り職ですか?権限が無いんじゃ」
「平和になった今は、お飾り職だよ」
「平和?平和ボケですか?魔王様」
「そうかもなぁ。リアスの管轄で、そんなことが起きているなんて。シュウ君から聞くまで知らなかったもん」
「で、サーゼクスさんの妹さんは、謝る気が無いのに、何でここにいるんですか?」
え?あっ、当初の目的を忘れていたわ。
「明日、バチカンに行かなといけないので、今日のところは帰って貰えますか?」
シュウさんと聖女は家の中に入っていった。私を見る、お兄様の刺すような視線が痛いよ~。お兄様は無言で転移していった。今までに、こんなことは無かった。必ず声を掛けてくれていたお兄様。私、怒らしてしまったのね。ここに来て事の重大さに気づいた気がする。どうしよう…
私は、シュウさんの部屋に向かった。部屋にはまだいらっしゃらない。寝る準備をする私。シュウさんのベッドに入って待っている。しばらくして、ドアが開いて入ってきたのは、グレイフィアだった。なんで?
「リアス。どういうこと?私の仕事を取らないでね」
え?何を言っているの?仕事って?
「毎晩、一緒に寝ることも私の仕事の内なのよ。寝ている時、が一番襲われやすいから。グレモリー卿に依頼されているのよ」
「え?お父様に?」
「そう、私はメイドでボディーガードで秘書なのよ。リアスは何をしに、ここにいるの?」
「謝罪をしにですが…」
「はぁ…全裸で?謝罪する格好?」
グレイフィアに溜息を吐かれてしまった。
「悪いけど、グレモリー卿に報告さしてもらいますからね!」
え?お兄様だけで無くて、お父様にも怒られる。
「シュウさんは、今どこにいらっしゃいますか?」
「お風呂だけど…あっ、ちょっと…」
私はお風呂場を目指した…うん?この家のお風呂場ってどこ?
---ソーナ---
「う~む、今宵も良いお湯だったよ。悪いねぇ、お風呂入る度に来ちゃって」
「いいえ、いつでも来てください♪」
憧れの人が、私の家のお風呂を気にいってくれて、アウロスの家にいる時は、入浴しに来てくれる。
「サウナも良い感じだし。シトリー家のお風呂は大好きだよ」
なんか、私のことを大好きって言ってくれたみたいで、嬉しい。
「そうだ、週末にアウロスの家で、新人向けの基本講座を開こうと思っているんだけど、ソーナの眷属はどうする?」
「もちろん参加しま~す♪」
クリス、リアスの眷属だけでなくて、私の眷属まで面倒を見てくれる。とっても、ありがたい。
「ねぇ、私もソーたんと一緒に参加していい?いいよねぇ♪」
問題はお姉様だ。恋のライバルが、実の姉とは…魔王のクセに!
「お姉様は、魔王のお仕事が有るのではないですか?」
「そんなのは、延期よ。1日2日延びても問題ナッシング♪」
家で、魔法少女の格好は止めて欲しい…っていうか、私の部屋へ、勝手に入らないで欲しいです、お姉様。
「シュウ君、今日はお姉ちゃんと寝ましょうよ♪」
「いや、それは…」
「えぇ、なんで…」
お姉様、泣き落としは卑怯です。歳を考えてください!
「困ったなぁ~。ソーナも一緒でいいかな?」
「はい!」
即答してしまった私を睨むお姉様…
「そこは、私が返事するところだよ。ソーたぁ~ん」
はぁ…私のモモに顔を埋めて泣かないでよ~。シュウさんは、そんな私を優しい目で見つめてくれている。