※この作品はR-18です。

神器なき男 (再編集版)   作:もっち~!

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グレモリー卿の策略

 

 

---セラフォルー---

 

紅髪の少女が奥へと消えると、ガブが代わりに戻って来た。

 

「事情を話して下さい。サタン様、ガブ」

 

私は、事情を問い質そうとした。その時、転移陣が2つ現れて、大公アガレス殿とそのお嬢様のシーグヴァイラちゃんが転移してきた。

 

「事情を話しなさい。そこの人間達よ」

 

横柄な言葉遣いでサタン様、ガブに問うアガレス嬢。

 

「おい、アガレス。お前の娘のバカ加減は、あの当時から治っていないみたいだな」

 

不愉快そうなサタン様。

 

「すみません。教育が行き届かなくて…」

 

サタン様を前にして、オドオドしている大公殿。

 

「おい、バカ娘!お前、恩人の顔を忘れて、攻撃するっていうのは、どういう訳だ?」

 

え?恩人?あの少年が?アガレス嬢はキョトンとしている。

 

「まず、どこから説明するか?俺達のことかな。俺とガブリエルは、魔王とセラフという立場を超えて、愛をはぐくもうと駆け落ちした。純粋な愛の場合、天使は堕天しないんだ。これが問題の原因だ。悪魔と堕天使であれば、問題が少ないのが、悪魔と天使、まして魔王とセラフが愛し合うなど、冥界も天界も認めたくない事実だからな。当然、それぞれの勢力の反対もあり、刺客という者が組織されて、俺達は追われる身となったんだ。そんな逃亡中に、どっかのバカの放った魔力弾が、俺達にで無くて、人間の夫婦の乗った車を直撃したんだよ。俺もガブも刺客だった者も、あわててその夫婦の元に駆けつけたのだが、もう既に虫の息だった。運の悪い事に、女の方は身籠もっていた。そこで、俺とガブが人間の魂と融合することで、夫婦の命を長らえさせた。子供を産み、子供の成長を見せてあげる為にな。でも、子供を産んでしばらくすると、本来の両親の魂は、天界へと昇華してしまったのだ。そこで、俺達があの子、イッセーの成長を代わりに見ることにしたんだ。これが事情だ。お前でも分かるように、噛み砕いてあるぞ、セラフォルーよ」

 

それは、ありがとうございます…って、そこまでバカじゃないもん!

 

「まさか…その時の刺客にサーゼクスちゃんが、入っていたのかな?」

 

「入っていた。あと、ミカエルとアザゼルとエクソシストの紫藤、八重垣だ」

 

「その中で魔力弾を撃てるのって、サーゼクスちゃんだけだよね」

 

サタン様とガブはサーゼクスちゃんを睨んでいた。当のサーゼクスちゃんは俯いていた。

 

「次に紅子、リアスの事だな。実の父親、グレモリー卿に孕まされた。産まれた子供が、ミリキャスだ」

 

えっ!なんてことを…

 

「サタン様、それは言わない約束では?」

 

サーゼクスちゃんの顔は、怒りの表情だけど…この場にいた全員が彼を睨んでいる。

 

「リアスは…実の父親に…それで、冥界を追い出されたの?」

 

シーグヴァイラちゃんの悲痛な声がした。

 

「そうだ。冥界、天界を追われた者は、それぞれの世界で死んだことになる。この家は、各世界を追い出され、死んだことになった者を引き取り、育てる場所だ。そういう位置づけだったよな、サーゼクスよ。お前、イッセーの両親を殺しておいて、よくイッセーを引き渡せって言えたな。お前が大公のバカ娘に説明すれば、問題が大きくなることもなかったはずだ。そうだろ?ファルビーよ」

 

ファルビーは頷いた。

 

 

 

---シーグヴァイラ---

 

「次にそこのバカ娘よ。お前が幼少の時に、ノイローゼになったよな?それの治療で、この家にいたことを忘れたのか?イッセーの影響でロボットアニメ好きになったはずだが、どうなんだ?」

 

そういえば、あの男の子…あの時の…毎日が鍛錬で息抜きの仕方が分からなくて…リアス達に負けたくないから、一生懸命鍛錬した。その結果、私は感情を表に出せなくなり、感情を無くしていた。あの頃、私と一緒に過ごしてくれた…あの男の子。

 

二人でロボットアニメを見て過ごした日々。

ロボットアニメについて語り明かした日々。

別れの時、お気に入りの超合金をくれた彼。

 

あぁ、忘れていた。こんな大事な事を。

 

この地域を統括したかったのは、彼に逢う為。

彼の住んでいる、この地域に住みたかった私。

私の心のどこかで彼との再会を期待していた。

 

なのに、彼自身の事を忘れていた私…統轄者になって、舞い上がっていたのかもしれない。大切な者だったのに…

 

「彼に謝らないと…」

 

私は記憶を頼りに、彼の部屋に向かう。確か2階だったはず。階段を昇ってすぐの部屋。目的の部屋に入る。彼は…身体をリアスが支えていた。私は彼に謝罪した。

 

「ごめんなさい」

 

「いいよ。ヴァイラ。僕も君の事を忘れていたんだもの」

 

彼は…彼だけが知っている私の愛称で呼んでくれた。あの時感じた、心地の良いオーラが私を包み込んでくれる。そうだ、思い出した。約束したんだ、あの時…

 

「イッセー。あの時の約束通り、私がイッセーとイッセーの大事な人を護るからね」

 

「ヴァイラが?ありがとう。紅子のことを頼めるかな?」

 

「わかったわ」

 

私は彼の部屋を後にして、階下に降りていく。そして、父上に伝える。

 

「私もこの家に住みます。そして、イッセーを…リアスを護りたい」

 

驚いている父上。

 

「どうして、そうなるんだ?」

 

「思い出したの。昔、イッセーとした約束をね。私が大きくなって、大公家の次期当主を名乗れるようになったら、イッセーとイッセーの大事な人を護るってね」

 

私は久しぶりに、自然と笑顔になれたと思う。

 

「お前、笑顔が出来る様になったのか」

 

って、父上に言われたから。

 

 

 

---セラフォルー---

 

シーグヴァイラちゃんの治療の話…なんか他人事では無い気がしてきた。私は、魔王としてのプレッシャーに、負けそうになり、凹んだ日々があった。そんな時、どこかでなにかがあって、魔法少女趣味に嵌まった気がする。

 

ガブと目が合った。

 

「セラフォルーは思い出せないみたいね。うん千歳のくせに、そんな魔法少女の服なんか着ているのにね~。苦しそうなお姉さん♪」

 

歳の話しはしなくてもいいでしょ…う~思い出せない…いや、ちょっと、待って!

 

苦しそうなお姉さん?言われた、そう男の子に。お姉さん、正義の味方は苦しい時にね、変身して魔法少女になるんだよって。そう、一緒に魔法少女グッズを買いに行ってもらって…プリクラを撮ったんだ。私の楽しい想い出…身に付けていたよな。

 

私は首から下げているペンダントを開けると…先程の少年と思しき幼子と私が、一緒に映ったプリクラの写真があった。

 

「やっと、思い出したようね。アンタもイッセーの為に動きなさいよ」

 

ガブの命令形は気になるけど、そうだよね。恩を返さないとね。

 

ファルビーは壊した玄関を直していた。それが終わると、サーゼクスちゃんに向かっていった。

 

「サーゼクスよ、これから冥界で、大公殿と魔王4名で大人の話をしよう。お前がしっかりしないから、今回の騒ぎになったのだぞ。サタン様達には後ほど、謝罪をします」

 

そうして私達魔王3名と大公殿は、冥界へと転移していいた。

 

 

 

---ヴァイラ---

 

「どうやって、イッセーを護るというのだ?すでに紅子の眷属になっているぞ」

 

って、サタン様…なんで?そうなる?

 

「え?リアスは『王』になる儀式をしていないはずですが」

 

あの儀式をしないと悪魔の駒は貰えないはず。

 

「サーゼクスが『王』の駒をリアスに入れていたぞ」

 

そんな駒があるの?

 

「『王』の駒なんか有るんですか?」

 

「有るから、入れたんだと思う」

 

「じゃ、私の眷属になれませんか?」

 

「う~む、アジュカが担当のはずだから、あいつに訊いてくれないか」

 

私はアジュカ様の住所を、訊いてメモをした。そして、イッセーのお母さんに、私の部屋に連れて行ってもらうと、リアスの部屋の隣だった。自分の部屋になった場所に、自分の荷物を次々と転移魔法で運び入れていく。

 

引っ越し作業が終わると、新しいロボットアニメの話を聞きに、イッセーの部屋を訪ねた。部屋の中では、イッセーとリアスが寝ていた。それも全裸で…

 

私に気づいたリアス。一瞬、勝ち誇った顔に見えた。悔しさ100倍の私も、全裸になって、イッセーと一緒に寝ようとした。だけど…

 

「どうしたんだ?ヴァイラ」

 

「リアスに負けたくないのよ!」

 

「それじゃ、あの時と同じじゃないか」

 

あ…覚えていてくれたんだ…あの時のことを…涙が溢れて、零れていく。なんか嬉しくて…そうだ、勝ち負けが総てでは無いんだ。

 

イッセーが、私の額に手をかざして、暖かいオーラで包んでくれた。身体が徐々に火照ってくる。私はゆっくりと押し倒された。唇を嘗め回されていく。それだけで、胸がキュンとしてくる。彼の手が私の胸を優しく包み込み、オーラを放っていく。胸が締め付けられる感じで息苦しいけど、嫌な感じではない。寧ろ、心が穏やかになっていくのがわかる。

 

リアスが、私の下腹部を責めてきた。えっ…舌で感じ易い箇所を優しく舐め上げていく。身体が反応して、私の太ももがモジモジしているのが感じられる。

 

「うっ…」

 

乳首をイッセーに甘噛みされた。痛気持ち良い。彼の手がリズミカルに胸を弄ってくれる。身体にしまい込んでいた、ストレスが解放されていく。頭の中のモヤモヤが蒸発するように消えて、白い世界に閉ざされていった。

 

目が覚めるとイッセーと繋がったままだった。でもイッセーに抱きついていたのはリアスで、私は騎乗位状態だった…

 

 

 

---イッセー---

 

昼寝から覚めると、ヴァイラが繋がっていた。紅子の太もものおかげで、ヴァイラの中に出してしまった。紅子の太ももの気持ち良さは反則級だ。

 

その日、我が家住むことになったのは、純血悪魔のヴァイラ、ハーフヴァンパイアのギャスパー(儀助)、聖剣遣いのイザイヤ(祐斗)、トスカ(祐子)の4名になった。ヴァイラだけは本名で、後は和名をつけられて、呼ぶことになった。

 

 

 

---シーグヴァイラ---

 

引っ越した翌日、早速イッセーと共にアジュカ様の居場所を訪ねることにした。電車で1駅、隣町にあった。駅を降りて、人気のない路地へ入ると、そびえ立つようなビルがあった。目的地だ。ビルの前にはいかがわしい人間が、たむろっていた。私はイッセーをガードしながら、その前を横切っていく。

 

「おい、あの女、悪魔みたいだ。おぉ、パラメータが良い感じだぞ」

 

「男の方は…なんだ?計測不能だって」

 

そんな声が耳に入ってきた。少し怯え気味のイッセー。私が守らないと。

 

「ヴァイラ、アイツらが襲ってきたら、僕が盾になるから、ビルに逃げ込めよ」

 

って、私を守る気があるみたい。そんなイッセーの手を握り、ビルの入り口に入っていった。エレベーターの前に、蒼い髪の女性がいて

 

「シーグヴァイラさんとイッセー君ですね。どうぞ、こちらへ」

 

と、案内してくれた。エレベーターが止まり、その女性が降りると私達も後に続き、「社長室」と書かれた部屋に案内された。

 

中に入るととアジュカ様がいらした。

 

「俺に用があるそうだな。シーグヴァイラよ」

 

「はい。このイッセーに入った駒を取り除いてほしいです。あと、『王』の駒について知りたいです」

 

『王』の駒という言葉に怪訝な顔をされたように思えた。

 

「駒を取り除くことは出来ない。どうしても、彼を眷属にしたいのであれば、彼をトレードで手に入れるんだな」

 

「『王』の駒の有る駒セットとトレードできるんですか?」

 

「『王』の駒なんか無い」

 

「でも、彼の主は『王』の駒で、王になったんですよ!」

 

「本当か?」

 

アジュカ様が驚いている。

 

「僕は見ました。『王』の駒を入れている所を」

 

イッセーは目撃証言をしてくれた。

 

「う~む、有るには有るが、あれはルール違反で使用禁止なんだが…誰が使ったんだ?」

 

「リアス・グレモリー…」

 

「死んだことになっている悪魔にか…」

 

またも驚いているアジュカ様。

 

「トレードは出来ますか?」

 

私は心配になって訊いた。

 

「たぶん、出来ないなぁ。もし出来ても、君がルール違反をしてしまうことになる。『王』の駒セットの眷属の駒も、ルール違反だから」

 

「じゃ、どうすれば良いのですか?」

 

「彼を眷属にすることは、あきらめるんだな」

 

あぁ、なんかまたリアスに負けた気がしてきた。そんな私の心を読んでか、イッセーが私の肩を抱きしめてくれた。冷静にならなきゃ。アジュカ様を見ると、なにかを考え込んでいた。しばらく待ち続けると、

 

「イッセー君には何の駒が入っているのかな?」

 

「僕には確か…『兵士』が4つかな?」

 

「4つかぁ…トレードは難しいなぁ。『王』の駒セットは、普通の駒セットより、駒の価値が3~4倍高いんだよ。だからイッセー君の価値は『兵士』10個分以上は必要だけど、そんな駒は、普通の駒セットに無いからな」

 

「そんなぁ…」

 

凹む私。

 

「なんで、違法な駒が流通しているんですか?」

 

イッセーが、アジュカ様に噛みついた。

 

「流通はしていない。見つけ次第、差し押さえしている。あの駒セットは試作品として作って、テストしていたんだ。それを、悪魔の上層部が持ち出して、売り捌いたんだよ」

 

「アイツの兄さんが、それを買ってプレゼントしたってことですか?」

 

「そういうことになるな…いや、事態はもっと深刻だ」

 

「魔王の特権で、手に入れたってことですね?」

 

私もイッセーの後に続いて、追求し始めた。だって、納得出来ない!

 

「たぶん、買ったのではなくて、手に入れたが正解だろうな」

 

「もう悪魔として生きていけないのに、なんで?」

 

「『王』の駒が入った者は、能力が100倍くらい引き上げらることが判明して使用禁止にしたんだ。だから、悪魔として生きていけない彼女は、危険な存在だ」

 

「危険って?」

 

「もし暴走したら、彼女の能力から考えて、半径5キロくらいまで消滅する。彼女の逃げ場を無くして、消滅させたかったのかもな」

 

「そんなぁ…」

 

「おい、どうにかならねぇか、アジュカ!」

 

いつの間にか、イッセーのお父様が転移してきていた。えっ!この人、人間では無いの?

 

「あっ、サタン様。どうにかって…」

 

え?サタン様?って、前魔王の?でも、死んだはず…まさか、冥界を去っただけ?あぁ、無礼な言葉を、何度も浴びせてしまっている私。凹みまくりだわ。

 

「アジュカが作った駒だろ?お前がどうにか出来なければ、どうしろって言うんだ?」

 

「そうですが…取り出した事が無いんです。テストに使用した分は、総て魔力暴走しましたし」

 

サタン様に言い寄られて、アジュカ様はタジタジしていた。

 

「するってぇと、うちの紅子も魔力暴走して、滅の力が暴走する可能性が有るんだな?」

 

「そ、そっ、そうです」

 

サタン様の気迫に押されて、取り乱し気味のアジュカ様。いつも冷静でクールなイメージだったのに残念な魔王様に見える。

 

「グレモリー卿め~。あれはサーゼクスじゃなくて、グレモリー卿が手に入れた物だったようだ。そんなに消したいのか、自分で作った汚点の証拠を!」

 

「暴走を止めるには、冥府送りくらいしか浮かびません。すみません」

 

「はぁ?永久凍結させろって?バカ言ってんじゃないぞ。せっかく授かった命を、なんだと思っているんだ?お前ら、悪魔は!」

 

「魔王として、悪魔を代表して謝ります。ごめんなさい」

 

「謝るヒマがあるんなら、他の手立てを考えやがれ、バカ者よ」

 

「…」

 

「イッセー、シーグヴァイラよ、この事は紅子に内緒だぞ。いいなぁ」

 

私とイッセーは頷いた。何かのショックで、暴発するリアス。プレゼントしてもらった『王』の駒が爆弾とも知らないで、きっと喜んだに違いないわ。

 

「おい、アジュカよ、イッセー達に埋め込んだ駒は安全なのか?」

 

「『王』の駒と連動しています。『王』が暴発すれば、誘爆すると思います」

 

イッセーの顔が、一瞬ゆがんだように見えた。

 

「ふざけるな!イッセーもか?許さん!もし、そうなったら、冥界に特攻するからな」

 

「やめてください。冥界が滅びますから」

 

サタン様って、最強の悪魔だったらしいからね。

 

「本当に、グレモリーの血は碌なもんじゃないな。サーゼクスなんか、あれは悪魔でなくて魔物だろ?それが魔王を名乗るとはなぁ」

 

「すみません…」

 

あれから、アジュカ様があれこれ思案されたが、解決策が見当たらない状況で、三人で帰宅した。

 

 

 

 

 

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