---シュウ---
翌日もフレイヤを訪ねた。僕の顔を見るなり青ざめていく。
「二日連続は無理です。ごめんなさい」
フレイヤを優しく抱きしめる。そして、唇に軽くキスをした。それだけで、乳首が立っているみたいで、衣装の胸の辺りに、ポッチみたいな出っ張りが出現した。
「今夜もしたいけど、フレイヤが無理ならしょうがないな」
「ごめんなさい。身体が保ちません」
本当に申し訳なく言うフレイヤ。本当にダメなようだ。
「フレイヤに折り入って頼みがあるんだけど、聞いてくれるかな?」
「えぇ、勿論ですわ」
役立て無いことを払拭しようとする、意気込みを彼女から感じる。
「イシュタルを送還しようと思うんだ。それで、イシュタル亡き後、歓楽街をフレイヤに仕切って欲しいんだけど、無理かな?」
少し考え込んでから
「わかりました。ご協力いたします」
「今夜、動けるかな」
「まかせてください。フレイヤ・ファミリアの力をお見せします」
「僕達のファミリアで、主力は潰すようにするから、フレイヤは街の安定化を頼むな」
「了解です」
フレイヤのおでこにキスをして、その場を去った。
◇
自分のホームの小部屋に戻ってきた僕。部屋を見渡すと、リアと抱き合っているヤツがいた。
「ヤマト。待たして、すまない」
「かまいません。久しぶりにリアと愛を確かめ合っていましたから」
「今夜、イシュタルを送還する」
「「了解!!」」
「ヤマトは戦闘娼婦を頼む。僕はヒキガエルとイシュタルを仕留める。リアは春姫とアイシャを頼む。出発だ」
僕らはイシュタルの仕切る歓楽街に転移した。僕はヤツラのホームに向かい、ヤマトは腹黒い女性限定で闇の世界へと誘い、リアは二人を隔離しに行く。
ホームの入り口に、ヒキガエルを発見。僕は妖刀村正を引き抜き構える。
「おい、ヒキガエル。そこをどけよ」
ヒキガエルことフリュネ・ジャミールに声をかけた。
「お前は何者だ?私はヒキガエルでは…」
言い終わる前に、居合い斬りで首をはねた。魂は村正に宿る死を司る精霊が喰らい、天界のデスパレードに影響させない。
ホームの敷地に入ると、戦闘娼婦達が悶えていた。ヤマトの闇の力に魅了されて、見えない闇の精霊達の性欲の捌け口にされていた。
イシュタルがいる建物に入るなり、数名の男達に襲われたが、フレイヤ達が侵攻している場所へと強制転移させていく。
そして、ドアを開けて室内に入った。
「お前は誰だ?」
イシュタルが声をかけてきた。
「僕は弱小ファミリアの団長です。今夜はご挨拶に来ました」
「弱小ファミリア?どこだ?」
「名乗るほどのファミリアでは無いです。あぁ、これは手土産です」
ドン!
先程、手に入れたヒキガエルの生首を、イシュタルの前に放り投げた。生首を見て悲鳴を上げたイシュタル。
「フリュネ…お前…」
「あなたが居なくなったら、ここは傘下のフレイヤ・ファミリアが仕切りますので、心配しなくて良いですよ」
「フレイヤ?なんで、弱小ファミリアがフレイヤを傘下にできるのよ?」
「それは、僕が『神殺し』だからだよ」
イシュタルを天界に強制転移させた。
---リア---
アイシャさんと春姫さんと対峙している私。説明をしても、理解できないで、私に敵対心を持っているようだ。
「おい、今何が起きているんだ?」
アイシャさんからの質問。周りの状況を探査して答える私。
「この歓楽街は、フレイヤ・ファミリアが、ほぼ制圧したようです。あなた方の主神は、私達の団長が、天界へ強制転移させました。アイシャさん、あなたに掛かっていた呪縛は解除されました」
驚く顔のアイシャさん。
「なんで、わかるんだ?」
「私はサイボーグです。周囲1キロくらいなら、簡単に状況の探査が出来ます」
「サイボーグ?」
「それを説明するのは大変です。私達の団長に質問してください」
私の隣に白音さんが転移してきた。
「やっと、仕事が終わりました。ここも終わりましたか?」
「お二人を説得中です」
「春姫さん、私も猫人ニャン♪」
白音さんは猫耳、キャットテールを発現させた。
「わぁ、かわいい。アイシャさん、この方達は悪い人ではないですよ。だって、こんなに優しいオーラを感じる人が悪いはずがないです」
白音さんを抱きしめる春姫さん。そして、白音さんのあの笑顔に『魅了』されていく。アイシャさんも『魅了』されたのか、戦闘色なオーラが消えていった。
「リアさん、お兄様達もここに合流ですか?」
「そのはずです」
「そのお兄さんも猫人?」
「お兄様は、天使と鬼のハーフです」
春姫さんの質問に答える、白音さん。そこに転移陣が2つ出現して、待ち人が2人現れた。
「遅くなってごめん。フレイヤに状況を説明してきた。さて、帰ろう」
この場にいる者総てが、私達のホームである小部屋に転移した。
---シュウ---
「ここは?移動魔法か?」
アイシャさんが質問をしてきた。
「ここは、僕達、オーフィス・ファミリアのホームだ」
仕事が終わったのか、リューと大家さんがいる。
「シュウ、新しいメンバーかい?」
大家さんのミアさんが声を掛けてきた。
「そうです。ルナール(狐人)のサンジョウノ・春姫とアマゾネスのアイシャです」
「なんで、私達の名前を知っているんだ?それに、お前達のファミリアに入るとは、言っていないぞ」
アイシャは異論があるみたいだけど
「異論・反論は認めません。これは決定事項ですから。納得が出来ないのであれば、トレーニングルームで手合わせをしよう」
「トレーニングルーム?こんな狭い部屋にあるのか?」
「ここは入り口だよ。さぁ、僕らのホームに行こう」
僕は壁のドアを開けて入っていった。
---アイシャ---
ドアの向こうには、見た事のない風景が広がっていた。草原や花畑、森、湖まである。ここはどこだ?草原の先にある家に通された。
「ここが僕らのホームだ」
「お風呂に入っていいかい?」
こいつは『豊饒の女主人』の女将だったか?
「ミアさん、お好きなだけ、どうぞ」
「白音ちゃん、今日もマッサージを頼むよ」
「はい!」
「アイシャ、あの小さな部屋は『豊饒の女主人』の二階だよ。ミアさんに借りているんだ」
「お前?心が読めるのか?」
「読めるよ」
驚いた表情のアイシャ。
「ヤマト、アイシャを倒してみて」
頷くヤマトから黒いオーラがアイシャに向けて放たれた。
---アイシャ---
いきなり黒い空間に閉じ込められた。真っ暗で何も見えない。音も聞こえない。気配も感じない。なのに、胸を揉まれている感覚がある。自分で胸を触ってみるが、何もないのに、揉まれているのだ。乳首をいじられている。背中を舐められている。耳タブを舐めないで。空気に襲われているみたいだ。次第に性欲が湧き出し、性欲に飲み込まれそうになる。
アイツは幻覚師なのか?下半身が熱い…うっ…軽く達しだみたいだ。このままでは、絶頂まで連れていかれてしまう。お尻を左右に広げられて、穴を責められているのか、下半身の力が抜けていく。秘部は大量の蜜を流している。そして、秘部に太い何かが侵入して刺激を与え始めた。今までに経験したことのない快楽に私は飲まれていった。
誰かの上で踊っている。正体の分からぬ者達の慰め物にされている。アマゾネスの本能で、見えないオス達を満足させていく。乳房を揉まれ、噛まれ、乳首は吸われ、押し込まれ、陵辱三昧をされているのだが、身体は総てを受け入れていく。オス達に好きなように扱われても、身体は拒否せずに受け入れている。
こんなにも飢えていたのか。こんなにも淫らだったのか。自分で自分を知らなすぎた。そして、頭の中は白くなっていく。身体から黒い物が湧き出て、軽くなり、暖かい光に包まれていった。
---シュウ---
ヤマトの黒いオーラで瞬時に倒されたアイシャ。彼女の部屋に強制転移させた。アイシャを心配そうに見つめていた春姫。
「白音、春姫にお風呂を案内してあげてくれるかな?」
「お兄様、了解です」
白音が春姫の手を引いて、女湯に向かっていった。ヤマトはリアと部屋に向かった。愛し合いの続きをするんだな、きっと。僕と、リューは、トレーニングルームに向かう。アイズとリヴェリアが鍛錬をしていた。その隣で、リューも鍛錬を始めた。
「リヴァリア、どう?」
「無詠唱の簡単な物なら使えるようになったわ」
「簡単な物以外は、経験を積まないとダメかもしれないよ。魔法陣の方は?」
「魔法体系が違うから苦戦中よ」
「術式プログラムが作れるようになれば、自分で魔術を作れるようになれる」
「がんばってみます。で、今日は何をしていたの?」
「イシュタルを天界へ送還した」
「歓楽街は騒然としているんじゃない」
「フレイヤに仕切るように指示してあるから、すぐに鎮圧されるよ」
「えっ?!」
リヴァリアが驚いている。なんで?
「どうした?」
「まさか、フレイヤ・ファミリアも傘下に入れたの?」
「正解!表の統治関連はフレイヤに頼む事にしたんだ。ロキじゃ無理だろ?」
「ロキでは無理ねぇ」
「フレイヤのサポートを任せたいんだけど、適任の神様を教えてくれないかな?」
「街のことなら、ガネーシャかな」
「明日、会ってみるよ。明日、午前中は潜るよ。少し稼がないとね」
「了解です」
「ロキ・ファミリアに声を掛ければ来るかな?」
「いきなり50階ですか」
リヴェリアに訊かれた。
「ねぇ、50階に宿とかお店とか作ったら、利用してくれるかな?」
いきなり閃いた事をリヴェリアに訊いた。
「あれば、便利だと思います」
「そろそろ、食事にして、明日に向けて休もう」
「はい」
僕は、アイズとリューにも声をかけて、食事に向かった。
---アイシャ---
ここはどこだ?目が覚めたら、ベッドの上にいた。たしか、暗闇の世界で襲われていたはずだが。ここは?部屋を見渡すと、机と椅子、本棚、タンス、武器置き場などもある。ベッドはとても寝やすい感触だ。ここは、誰の部屋なのか?机やタンスを見ると、まだ未使用のようだ。ドアを開けてみると、廊下側には私の名前が書かれていた。ここは私の部屋なのか?
廊下を出て各部屋のドアの名前を見る。『リヴェリア』『アイズ』『リュー』『白音』『春姫』『ミア』…これが、私が強制的に入れられたファミリアのメンバーなのか?
階段のある空間に出た。広間のようになっていて、見慣れない物が置いてある。耳を澄ますと、下の階から声が聞こえた。恐る恐る階段を降りていった。
「アイシャ、目が覚めたのか。気分は悪くないか?」
コイツが団長なのだろうか?
「あぁ。それより、お前は何者なんだ?」
「僕?あぁ、名乗っていなかったね。オーフィス・ファミリア団長『神殺し』シュウだ。よろしくね」
神殺し?まさか…
「イシュタルを殺したのか?」
「殺していないよ。天界に強制送還しただけだ。まぁ、天界では死ぬほど働かされているはずだ」
「天界から来たのか?お前は神か?」
「僕は神ではない。エンジェルとギガンデスのハーフな魔物だよ」
「魔物?」
「そう。たぶん、迷宮にいるモンスターより化け物のはずだ。僕の使命は、この街に必要ではない神を、天界に送還することだ。」
「あっ、サイボーグってなんだ?」
「うん?リアの事か。よりヒューマンに近いヒューマノイドだ。彼女は過去に犯した罪を償うために、愛する者と交わるための部分以外を機械に置き換えたんだ」
「…」
「アイシャを一撃で倒したヤツがその愛する者だ。手を出すなよ。普通の生物じゃ絶対に勝てないから」
「彼女が一番強いのか?」
「僕のチームには普通の生物がいないから、彼女はサポート担当だよ」
「はぁ?」
普通の生物がいない?どういう意味だ?
「ほとんどがハーフなイレギュラーだ。春姫に気に入られた白音は猫しょう。精霊みたいなものかな」
精霊がチームにいるのか…
「お前を倒したヤツ、ヤマトというんだけど、アイツは神とヒューマンのハーフだ」
神の子供…おいおい…
「アイシャ、明日の午前中は50階に行くからな」
50階?半日では無理だぞ。
「移動魔法で50階まで行って稼いで、昼メシまでに帰ってくる予定だ」
あぁ、あの魔法か。
「アイシャさん、これ美味しいですよ」
春姫が見慣れない食べ物を持ってきた。一口食べる。美味しいなぁ。
「それは、たこ焼きだ。この家の注意事項や設備の説明は、あとでアイズ達にきいてくれ」
「お風呂の時に説明しますね。アイシャさん、よろしくね」
金髪金眼の少女が、私に笑顔で挨拶してくれた。アイズって…『戦姫』か。鉄仮面のように、感情を外に出さないヤツだと思ったが、こんな笑顔ができるのか。このファミリアは何かが違うようだ。
---シュウ---
明け方、ギルドに春姫とアイシャの改宗を知らせた。