---シュウ---
お店で在庫をチェックする。売上はまぁまぁだ。ミアさんのお店で、ほろ酔い気分の者が客の中心層だ。ヒマな時間にアスフィは品物の研究をしている。一方のロリ乳は、ヒマでも店番をしている。
ナァーザが初入店してきた。
「何かお探しの物でも、ございますか?」
ロリ乳が相手をし始めた。
「これを納めに来ました」
ナァーザが作った薬を、納めに来たようだ。
「じゃ、代わりに売っておくよ。これは前回の分だ」
売上をナァーザに渡した。
「契約した額より、少し多いですが」
「多い分のはナァーザのお駄賃だ」
「ありがとうございます。あのぅ、こちらで扱っている薬を、見せてもらえませんか?」
僕はバックヤードから、薬のサンプルを持ってきた。
「オリジナルの薬は、この青汁だよ。1本持っていきな」
アンプルを1つ手渡した。アンプルを不思議そうに見つめるナァーザ。
「それは、飲むタイプだ。身体の内側から治すんだ」
「外用薬は無いんですか?」
「外用薬はナァーザが、作ってくれるやつだけだ。戦場だと、飲むタイプの方が手軽で良いから、僕のチームでは外用薬って開発しなかったんだ。でも、ここだと外用薬を使う方が便利そうだから、ミアハを傘下にしたんだよ」
「なるほど…この薬の作り方って、見られますか?」
青汁の興味を持ったようだ。飲むタイプは、珍しいのかな。
「見るほどのことはないよ。薬草をすり潰して、飲めるようにしただけだからね」
「薬草?」
「この世界にはない植物だ。別世界で収穫してきている」
「別世界?」
「この世界とは時間軸が違う世界だ。連れて行くことは出来ない。それよりも、腕を見せて見ろよ」
「えっ?」
恐る恐る義手の腕を見せてくれたナァーザ。僕が彼女の義手に、手をかざして念じていくと…
「え?私の腕が…」
瑞々しい皮膚で覆われていった。
「これで、人前に出るのが嫌じゃなくなるだろ。少しだけだろうけど」
「何をしたんですか?」
アスフィが近づいて来て、ナァーザの腕を見て驚いている。
「僕は創造の能力があるから、すべすべの皮膚をイメージしたんだ」
「「凄い…」」
「アスフィは『万能者』なのに、出来ないのか?」
「出来ないわよ…創造の能力なんか無いもの」
アスフィが目を輝かして、ナァーザの腕に見とれていた。
「ありがとうございます」
ナァーザの表情が、幾分か明るくなった気がした。
「皮膚だから、そんなに耐久力ないけど、再生力はあるから、まぁ慣れてみて。不具合があったら言ってね。改良するから」
頭を深々と下げて、ナァーザは出て行った。
「アスフィは何か売り物は出来たかい?」
「そんなに簡単には出来ないって」
アスフィは難しい顔をして、バックヤードの開発部屋に戻っていった。
◇
昼飯を食べ終わる頃が、このお店は忙しくなる。ミアさんのお店で昼飯を食べ終わった客が、こちらに流れてくるからね。
今日は、ロキ・ファミリアの一団が来た。
「フィン、いらっしゃい」
「えっ?ここって、あなたのファミリアのお店なのか?親指が震えなかったけど…」
コイツの親指は危険を察知すると震えるらしい。
「そう僕達のお店だよ。傘下のファミリアには、サービスするよ」
「えっ!アスフィ…どうしたの?」
ティオネが驚くと、他の面々も驚いた。バックヤードから、ちょうどアスフィが顔を出したのだった。
「このお店で修行中なのよ。万能者対決で負けたのよ。しくしく」
「まさか…」
フィンすら驚いている。アスフィの丁稚プリに…
「こんなマジックアイテムがあるの?」
杖売り場でレフィーヤが驚いている。
「これって、アスフィの作品?」
アスフィは目に涙を浮かべて、顔を左右に振っていた。
「レフィーヤが持てば、どれでも半永久的に使えるよ。どう買わない?詠唱しなくて、振るだけで魔法が発動するんだよ」
僕は、詠唱が苦手であるレフィーヤにセールスをする。
「うっ…欲しい」
「アスフィ、レフィーヤが4本セットをお買い上げだ。後は頼むぞ」
「はい、店長」
アスフィから返事が返ってきた。次はフィンにセールスを。
「なぁ、フィン。50階で宿屋&飯屋を始めたんだけど、利用してくれないかな?」
「はぁ?50階で宿屋って…」
「51階に行くのに便利でしょ?ミアさんのお店の料理が、50階で食べられるんだよ」
「本当に?団長、利用しましょうよ」
ティオナが食いついた。
「宿には風呂、トイレ付きで、寝やすいベッドもあるぞ」
女性陣が食いついている。フィンにせがんでいるし。
「あそこの風呂はいいわよ」
アイズの声がした。
「アイズ、なんで?」
「51階で鍛錬して、50階で汚れを落として、帰って来られるって、嬉しいです。今もそうやって帰ってきました」
「フィン、うちのファミリアの戦闘員は、毎日午前中は51階で狩りしながらの鍛錬の時間なんだよ」
僕が説明した。
「毎日?」
「そうだよ。うちのファミリアは50階への行き来は一瞬だから」
「移動魔法か…」
「いや、移動用魔法陣だ。アイズの魔力で作動するようにしてある」
「それは効率いいなぁ」
「宿泊してくれるなら、50階まで送るけど、どうする?」
「それって、便利だが、いきなり50階ではつらい者もいる」
「2班に分ければいいだろ。先遣隊と1階から攻める部隊と。先遣隊の分の荷物も減るぞ。なんなら荷物も運んでやるよ。別料金にはなるが、傘下だから負けてあげるぞ」
「おいしい話だと思います。ねぇ、団長~」
ティオネがフィンにせがみ、揺れているフィン。楽したいアマゾネス姉妹が説得し始めた。
「午前中だけだけど、毎日アイズ達も戦闘に参加できるぞ」
オマケ要素をちらつかせた。
「団長、お願いします」
早速、アイズ大好きなレフィーヤが食いつき、アマゾネス姉妹と共に、フィンを説得し始めた。
そして、宿泊プランで、明日の朝に出発することにしたロキ・ファミリアの上層部。メンバーはフィン、レフィーヤ、アマゾネス姉妹。ガレスは中級者を率いて、上から攻める組になった。
「あと、そろそろベートを返してくれないか?」
って、フィン。
「全然、反省していないんだが…わかった、首だけ返してやる」
「おい、首だけって?」
魂を入れて有るベートの首をフィンに手渡した。
「てめぇ、身体も返せよ。このクソ野郎!」
「はぁ…」
フィンが溜息を吐いた。
「ベート、反省をしろよ。お前が悪いのは、明らかなんだからな」
「あん?俺は悪くないぜぇ。本能のまま行動しただけだ」
「フィン、その首が謝るようになったら、また持ってきてくれ。次のパーツを返すから」
「すまない。手間をかけさせて。ベート、反省しろ。お前がいないと、僕達も困るんだからな」
「戻せ~、俺の身体を返せ~」
うるさいので、口をヒモで結わいた。
「フィン、帰ったら外してやれ。ここでは迷惑だ」
「重ね重ねすまなぬ」
ガレスがベートの首を抱えて、レフィーヤは杖の束を抱えて、出て行った。
さてと、
「ちょっと、アポロンの跡地に行ってくる。ロリ乳、あとは頼むぞ」
「はい」
ミアさんのお店で、白音と合流して、アイズ、アイシャとアポロンの跡地に転移した。
跡地では、ガネーシャ・ファミリアのメンバーと合流して、施設を紹介した。使い方や扱い方を中心に、実際に体験もしてもらった。アイズとアイシャと白音にも体験してもらって、改善点を洗い出していく。最後に、アイズとアイシャをモデルに、白音がマッサージの仕方をレクチャーしていった。
1週間くらいは、午後はこの作業をしていく予定だ。
◇
夜、フレイヤの自室で密会。今日は白音が疲れているので、フレイヤの自室で会うことにした。ドアを開けて中に入ると、フレイヤが抱きついてきた。そして濃厚なキスをしてきた。
ジュル…グッチュッ…ゴックリ…
僕の唾液を美味しそうに飲んでいる。彼女の舌の付け根を舌先で刺激していく。舌の筋肉が段々と疲れてきた。ターゲットを変えて、服の上から乳首を摘まんで捏ねくり回していく。
「あっ…うっ…うぅ…うっふん…」
もう、プチ絶頂を迎えたようで、僕に体重を預ける形で、倒れて来た。お姫様抱っこをしてベッドまで持っていき、そこに落とした。彼女の身に付けている物を剥がして、上から被さった。
柔らかな乳房を僕の胸板でつぶしていく。乳房の皮膚は、僕の胸板に吸い付くようだ。お尻の肉を両手でなぞっていく。
「あっうん…いい…入れて」
僕の性欲器官を彼女の恥丘の割れ目に差し込んで行く。入れた反動で、割れ目から暖かい液体が沸きだしきた。
「フレイヤ、気持ち良いよ」
「もっと、味わってください」
彼女は腰を動かし始めた。気持ち良い…でも、
「フレイヤ、お客さんが来るぞ」
「えっ?こんな時間に?」
僕はフレイヤから離れ、臨戦態勢に入る。逢瀬の時間をジャマされた、怒り心頭のフレイヤ共々、着衣をした。
ドアがいきなり開いて、数名が入って来た。入って来たメンバーの顔を見たフレイヤが怒鳴った。
「オッタル、どういうこと?」
こいつが、この都市最強の戦士のオッタルか。
「フレイヤ様は、こやつに操られているのではないですか?貴賓高き貴女様が、こんな流れ者と交わるとは、おかしいです」
エルフもダークエルフもいるのか、これは確かに強そうなチームだな。
「彼を流れ者扱いするでない。それに私は神か英雄としか交われないのだぞ」
「はぁ?彼が英雄とでもいうのですか?そんな風に見えませんが」
「お前の目は、いつから節穴になったのだ?」
「フレイヤ様の目が覚めないのであれば、アイツを倒すまでだ。おい、貴様!戦争遊戯で決めようぜ!」
「いいよ。日が昇ったら開始だ。場所は、西門の外だ、待っているぞ」
僕はギルドに転移した。戦争遊戯のことを知らせる為だ。知らせないと、単なる私闘になってしまうからだ。
◇
「なんですか、こんな時間に?」
ギルドの当直の人が眠そうだ。
「フレイヤ・ファミリアに戦争遊戯を申し込まれました」
「フレイヤ・ファミリアに?」
当直の人の目が覚めたらしい。
「あなたのファミリア名と、いつするのですか?」
「オーフィス・ファミリアです。日の出後に西門の外で始めます。」
そして、僕は西門に転移した。
夜が明けて、日が昇ってきた。
フレイヤ・ファミリアのメンバーがやってきた。
「おい、貴様は一人で、フレイヤ・ファミリアと戦う気か?」
「いや、召喚するよ。全力で戦わないと失礼だからね」
「召喚?」
僕は召喚門を展開して仲間を召喚した。門から、仲間がゾロゾロ出て来た。僕の仲間を見て、うろたえているフレイヤ・ファミリアの面々。地上ではお目に掛かれない種族ばかりだしねぇ。
「おい、お前…まさか…」
僕も天使の翼を展開し、鬼モードになる。
「えっ…モンスター軍団だと…」
「門の外側が戦場だ。屠っても喰っても良い。門の内側には手を出すなよ」
「「了解!!」」
「散れ!」
一斉にフレイヤ・ファミリアに襲いかかる僕達。広域型『ウルティマウエポン』で、一気に大多数を屠る僕。そして、その死骸を食べるトライ。武器の攻撃なんか恐れないチームドラゴン。
5分掛からずにケリはついた。久しぶりの運動に満足して、門に帰っていく仲間達。
瀕死のオッタルの傍に近寄る。
「まだ、文句が有るのか?」
「まさか…モンスターキングとは…」
「それは間違いだ。僕はゴッドマーダーだよ」
「神殺し…フレイヤ様…を…助けてくれ…」
「フレイヤ・ファミリアは解散だ。オーフィス・ファミリアに吸収するぞ」
オッタルは息絶えていた。オッタルの遺体を聖布で包み、フレイアの部屋に戻った。
「どうする?」
傷心の彼女に訊いた。
「私を送還するんですね。刃向かったんですもの…」
送還を覚悟している女神フレイヤ。だけど…
「送還はしない。オッタルは甦らせる」
「甦らせる?」
「僕には、その能力がある。他のメンバーも全員とはいいきれないが、大半は甦らせても良い。ただ、僕に戦争遊戯を仕掛けた罪は背負ってもらう」
「吸収合併ですね」
「あぁ、書類上だけどな」
「書類上?」
「実質は今まで通り、ただ名称はチームフレイヤで活動してもらうよ」
頷く、フレイヤ。僕はオッタルを甦らせた。
◇
そして、何事もなかったようにお店に出勤。昨日の売上をチェックして、在庫の確認をする。
「おはようございます」
ロリ乳と弁当を抱えたベルが降りてきた。
「お、おはよう。ベル、いってらっしゃい」
「はい、がんばります」
ベルは迷宮探検に出かけた。そのすぐ後にドアが激しく開いた。
「どういうことだ?」
アイシャとアイズ、リューが入って来た。
「どうしたんだよ。そんなに怖い顔をして」
「なんで、黙って一人で戦いに行ったのだ?」
「アイシャ達は迷宮探検担当で、僕は雑用だよ。それに、今回のは、僕に原因があるようだから、巻き込む訳にはいかない」
「私達は信用が無いのか?」
「信用しているよ。今日は宿泊パックのお客がいるだろう?お客に迷惑をかけるような行為は、させられないよ。適材適所だ」
「結果はどうなったんだ?」
「相手は全滅だ。それではアレなんで、オッタルだけ甦らせてきた。まぁ、ほぼ全員甦らせるけど、今日は疲れて、それしかできなかった」
「全滅って…」
「言ったろう?適材適所だって。ここの迷宮は狭いから、僕は全力を出せないんだ。寧ろ、迷宮内は、アイシャ達の方が効率が良い。地上だと、僕の方が効率が良いんだ。言っている意味はわかるよね?」
「わかっている。今度からは声を掛けてくれよ。手出しはしないが、見守ることくらいさせてくれ」
「了解だ。心配してくれてありがとう」
アイシャ、アイズ、リューにキスをした。顔を赤らめる三名。あれ?三名?
「リヴェリアは?」
「まだ、寝ているかも…遅くまで魔法の本を読んでいるから」
なるほど。
昼になる頃には、フレイヤ・ファミリアが戦争遊戯で負けたことは、都市中に広まった。