---シュウ---
「今夜、開催するらしいぞ」
ヘルメスがイケロスの闇取引の開催を知らせてくれた。
「フレイヤ・ファミリアが消滅して、ロキ・ファミリアが潜っているので、安心して行うみたいだ」
「出品目録とか手に入るか?」
「わかった。手に入れてみる。あと、入場のための割り符も手に入れてみるよ」
「頼んだよ」
ヘルメスが出て行った。僕はフレイヤの部屋を訪れた。
「オッタルを貸してくれ。今夜、イケロスがやるみたいだ」
「わかりました。オッタル、頼むわよ」
フレイヤから、僕の正体を聞いたらしいオッタルは、力強く頷いた。
「まだ、魔力が戻らないので、オッタル以外は、後日甦らすよ」
「お願いします。あと、私にあなたの印を刻んでください」
「それは…この世界に永住できなくなるぞ。いいのか?」
「送還に比べれば幸せです。あなたの傍に、今後もいられますし」
僕は、僕の駒をフレイヤに埋め込んだ。
「ありがとうございます。チームフレイヤ…まだ、オッタルしかいませんが、協力を惜しみません」
僕に跪いたフレイヤ。
「フィン達は潜っているし…ふふふ、僕達のチームでやろうかな」
今夜は楽しめそうだ。
◇
一旦、ホームに戻り、アイシャ達に今夜の予定を伝えた。
「イケロスとやるのか?」
「あぁ。僕達のチームでやる。見守っていてくれ」
「わかった」
「市街戦だから、チームドラゴン、チームモンスターは使わない。普通の戦士を召喚するよ」
召喚したメンバーは、ヤマト、アーサー、アイズ、ライザー、ガイア、シルキー。
「たったこれだけの人数で?」
アイシャが驚いている。
「少数精鋭だよ。人数が多いと戦場が混乱する。それに、ヤマトだけで、8割方勝負が着くよ。野心家とか、魂の黒いヤツにはヤマトの能力が一番効率が良い。残りの者は出品される者達の救助がメインだ。ガイア、シルキーはその援護だよ」
あと、ヘルメスからの情報待ちだな。
◇
ヘルメスから目録と割り符をもらった。目録に目を通すと…え?この人、ギルドの人じゃないの?急いで、ギルドに転移して、エイナさんを呼び出した。
「ねぇ、この人って、ギルドの人でないの?」
エイナさんに目録を見せた。
「えっ?なんで…1週間前くらいから行方不明だったんです。この目録って?」
「今夜開かれるイケロスの人身売買の目録です。僕達のチームで急襲しようと思って、情報を集めていたら…」
「人身売買?売られちゃうの?ねぇ、助けてあげて」
「勿論。ギルドの方からも援軍って期待できますか?」
「戦闘要員はいないの…」
「わかりました。僕達だけで救出します。多少の無茶は目をつぶってくださいね」
僕はホームに戻った。だけど、僕の周囲に誰も近寄って来ない。なんで?
「シュウさん、久しぶりに、死を感じさせるオーラ出しまくりですよ。これじゃ、誰も近寄れないって」
ヤマトが苦笑いしている。
「ギルドの職員を誘拐して、人身売買に出しているって…」
許せないだろ?
「ただでさえ許せないのに、ギルドの職員までですか…シュウさん、今夜は楽しいパーティーにしましょうよ。ふふふ」
「僕もそう思っていたんだよ。ふふふ」
◇
人身売買会場に潜入した、僕とヤマト。残りの者は指示があるまで、上空で待機している。定刻になり、オークションがスタートした。壇上に並べられ始める商品…
ヤマトが『野望喰い』(野望を抱いている者の野望や希望、夢を奪い取る)を発動し、僕は会場一面に広域殲滅魔法を叩き込んだ。魔法の衝撃で屋根が崩れ落ちてきた。それを合図に、翼を持つアイズとライザーが急降下して壇上に降り立った。更に、空間を切り裂いてアーサーが現れて、檻を次々に破壊していく。
イケロスの眷属達が近寄ってくるのを、上空のシルキー、ガイアが狙撃し、僕とアーサーで切り刻んでいく。逃げ惑うお客さん達。敵意を見せた者は、容赦なく斬り捨てていく。
イケロスの眷属達の数が減って来たので、念話で合図を送ると、入り口と裏口から、オッタルやアイシャ達が、商品だった者達を救助しに来た。
主神イケロスは「俺は関与していない」と言い訳をしていたが、迷わず天界へ送還した。
会場にあった金品は、ヤマトの『強奪』の能力で奪い去った。まぁ、今回の報酬代わりってことで。
◇
翌日、僕は日課になっている、お店の売り上げのチェックと在庫の確認をしていた。そこにあるのは、何も変わらない日常だ。2階から弁当を持ったベルとロリ乳が降りてきた。
「おはよう。ベル、いってらっしゃい」
「シュウさん、おはようございます。いってきます」
ベルが元気良く、迷宮に向かって出て行った。僕とロリ乳で、開店の準備をしていると、
「フレイヤ・ファミリアとイケロス・ファミリアが消えてそうですよ」
っと、アスフィが入ってきた。
「ヘルメス・ファミリアも注意しないとな」
「ヘルメス・ファミリア無くなったら、ここに改宗しますよ」
アスフィが微笑んだ。それは、ヘルメスが哀しむぞ、アスフィよ。暫くすると、ドアが開き、アイズが入って来た。
「青汁1箱お願いします。あっ、これ、昨日の売上です」
宿の売上をもらい、青汁の入った箱をアイズの前に置いた。
「今日から荷物運び担当の者を雇ったから」
「誰ですか?」
「オッタルだ」
入り口付近に立っていたヤツを指差した。
「改宗したんですか?」
「いや、傘下のチームフレイヤとして働いてもらう。有事が無い時は、荷物運びをしながら、アイズ達と51階で鍛錬という名の狩りをしてもらう」
「よろしく」
そう一言いうと青汁の箱を持ったオッタル。そして、アイズと共に50階へと向かった。
「あのぅ…ここのファミリアって戦士層が厚くないですか?」
アスフィが質問してきた。
「厚いかもな。オッタル、アイシャ、アイズ、リュー、リヴェリアがいるものな」
「オラリオでもトップクラスの戦士ばかり…」
アスフィが絶句したようだ。トップクラスばかりなのか?
「あと、春姫と白音のアイドルコンビもいるし♪アスフィとロリ乳はいたぶりがいがあるし♪」
アスフィとロリ乳の顔が真っ赤になった。
◇
ドアが開き、白音が手紙を持って入って来た。また戦争遊戯かな?手紙を受け取って内容を見ると
『短期間で4つのファミリアが消滅する事態になったので、緊急神会を開催いたします。各主神は必ず来るように』
的なことが、神格文字で書いてあった。う~、オーフィスは留守だし、フレイヤに代理で出て貰おうっと。
手紙をロリ乳にも見せた。
「シュウさんは行かないんですか?」
「はぁ?僕は神でないよ」
「神格階位2位ですよね?」
「階位はそうでも、僕は僕が神であることを、断固否定するよ」
「えっ…神格階位2位って?」
あぁ、アスフィが驚いているぞ。ロリ乳が余計な事を言うから…
「アスフィ、言葉通りだよ」
「1位って?」
「僕の上司の絶対神だ」
「はぁい?まさかシュウって、主神連中よりエライの?」
「う~む、階位の上ではね。でも、僕は神ではないから」
「神でなくても、神格階位2位って?」
「う~、上司が決めたことだからねぇ。ははは」
笑って誤魔化しておこう。うん?アスフィの僕を見る目が変わった気がする。
「そんなにかしこまらないでよ。弄びにくいじゃない」
「だって、主神よりエライ神様って…」
「ロリ乳が余計な事を言うから…お前、今夜調教だぞ」
「え゛?」
「”調教”って言葉で反応して、乳首立っているぞ」
顔を真っ赤にして、両手で乳首を隠すロリ乳。
「そうか…エロ神なのか、シュウは」
エロ神…まぁ、はずれではないから反論しないでおこう。
「ちょっと、フレイヤの所に行ってくる。店番頼むぞ」
「「はい」」
二人に店番を頼み、フレイヤの所に転移した。
◇
「代理で私が出席するの?」
神会の事を話して、代理出席を頼んだ。
「うちの主神は、この世界に今いないんだ。なので、資格のあるフレイヤに、代理で出席してもらいたいんだよ」
「う…私は戦争遊戯で負けたファミリアの主神なのよ」
「恰好つかないか?」
「戦争遊戯で負けたファミリアの主神が、神会に出るなんて今迄なかったし」
「う~む、どうしよう。オーフィスは会議向きの神じゃないんだよ。口よりも攻撃が先に出るタイプというか、無口というか」
「あなたが出れば?」
「ヘスティアにも言われたけど、僕は神ではないし。どっちかというと、真逆の鬼だしねぇ」
「鬼神ってことで参加しちゃえば?」
「まぁ、龍神でファミリア登録してあるし、龍も鬼も大差ないかな」
「ないって。私はあなたの傘下の神として、付き添うわ」
「ありがとう」
フレイアを優しく抱きしめて、額にキスをした。彼女は胸を僕に押し付けてきた。彼女の着ている衣を外して、抱えてベッドに横たえて、彼女の全身を舐めて、彼女の声を愉しむ。
「あっ…そこは…いぃ…もっと…」
彼女の恥丘の裂け目から、温泉が湧き出てくる。そこに僕のそそり立ったモノを沈めていった。内部でヒダが絡み付いてくる。病み付き感満載である。
「今日は最後までいかせてね」
この前はオッタル達にジャマされたもんな。
ゆっくりと前後に動くと、押し込んだ時に温泉が湧き出てきた。この温泉の効能はなんだろう。とっても気持ちが安らぐなぁ。
お尻の谷間に刺激を与えていくと、簡単に達してしまった…経験豊富の割には、未体験の刺激に弱いみたいだ。今度、ロリ乳であれこれ試してみようっと。
フレイヤに刺したまま、彼女の上で僕はしばらく昼寝をした。
◇
どの位寝ただろうか?ドアのノック音で目が覚めた。フレイヤは衣で身を包み、来訪者の応対に出た。
「あぁ、やはりここか」
この声はヘルメスか。
「神会は今夜になったぞ。シュウも出るんだろ?」
「あぁ、出席する。フレイヤが付き添いで来てくれる」
「俺達は君の傘下になったことを、報告するべきかな?」
「今はその時期ではない。聞かれない限り言わないでくれ」
「時期って?」
フレイヤに訊かれた。
「まだ、ギルド主神のウラノスに会っていないから」
「…ウラノス…」
この街の極秘事項にあたる神である。目の前にいる2柱が、呟くように名前を復唱した。
「ヘルメスは、ウラノスの傘下なんだろ?」
「どうして…それを…」
「僕の事は随時報告して、動いているのかな?」
僕は村正を手にした。
「待て…待ってくれ…裏切り行為はしていない…本当だ」
慌てるヘルメス。
「今夜の神会に、ウラノスを連れて来い」
「無理だ」
「そうか…」
村正をしまった。その代わり、死を感じさせるオーラで包んで上げた。
「あ…あっ…うっ…」
恐怖を与えすぎたかな?ヘルメスがしゃべれなくなっている。まぁ、たまにはいいか。
「フレイヤ、神会の前にウラノスに会ってくる」
「居場所は知っているのですか?私達の間でも謎の主神ですよ」
「居場所はギルドの地下だ。あいつはギルドというファミリアの主神だよ」
「えっ…ギルドって、ファミリアだったんですか」
フレイヤですら、知らな程の極秘事項…君臨するが統治はしない神である。無責任と言えば、無責任な神である。
「そうだよ。主神達にも知らせずに、この都市に君臨して、統治はファミリア任せなんだ」
僕はギルドに転移した。そして、秘密の扉…いや、床を斬り裂いて、地下に降りた。
◇
「何者だ?」
「君臨すれども統治せずのウラノス様に会いに来ました。ふふふ」
「絶対神の遣い人か?」
「そうだよ。挨拶が無いで、こちらから来ました」
僕は村正を手にした。
「その剣は…禍々しいなぁ。死神が宿っているのか?」
「その通り」
一歩一歩、ウラノスに近づいていく。コイツの手下に用心しながら。
「私を殺しても、何も変わらないぞ」
「この迷宮のことを、どこまで知っている?」
「…」
「この街を上空から見ると、太陽の紋章に見えるが…」
「…」
「迷宮はピラミッド構造で…」
「まさか…気づいたのか?」
「迷宮からは直接行けないんだろう。ギルドがここの場所にあり、ここが祈祷所であるならば、この下に入り口があるんだろう?何かに通じる通路の入り口がなぁ」
「…」
「生命が産まれるには、膨大なエネルギーが必要だ。太陽の紋章をピラミッドの頂点に配置して、迷宮全体に宇宙からのエネルギーを供給しているんじゃないのか?」
「…」
「黙して語らずかっ…では、異端児についてはどうするつもりだ?」
「うっ…」
「一応、闇売買ルートの1つは潰したが、まだあるだろうな」
「あぁ」
「どうしたい?」
「彼らの望みを叶えたい」
「地上で暮らせる場所を確保すれば良いか?」
「出来るのか?」
「ただ、共存は難しいぞ。人間を襲う奴もいるからな」
「あぁ」
「じゃ、確保出来そうになったら、また来るよ」
僕は、フレイヤの部屋に転移した。