---シュウ---
朝、目が覚めると…
状況が飲み込めないでいた。昨日は、妻のヴァイラとオラリオ見物してきて、自分の世界の自宅に戻ってきたはずなのだが…
なぜ、僕の左腕にアスフィが抱きついていて、右腕にはロリ乳が抱きついていて、僕の胸の上にアイズがいるのだろうか?
部屋を見渡すと、僕の世界の自宅の部屋である。場所は合っている。問題は添え寝しているメンバーが、おかしいだろうってことだな。
基本的に僕は爆睡タイプなので、寝たら大抵な事では起きない。なので学生の時はよく、リアスという女悪魔に夜這いをされまくっていたのだが。
うん?アイズって…おぃおぃ…あぁ…絶望的な感触が僕の性欲器官が感じている。生暖かいぞ。ヤッたんか?アイズよ…
念話でヴァイラを呼ぶ。
『久しぶりの4Pはどうだったの?』
って、のんきな返答が来た。
『僕は寝たら起きない子なんだよ』
『知っているわよ。これでも、私は貴方の愛妻ですからね』
はぁ…そういうことではない。
『どうしてアイズ達がいるのさぁ?』
『自宅に遊びに来たいって、帰り際に言われて、招待しちゃった。てへ♪』
てへ…じゃないよ…
『アイズに刺さっているんですが…』
『彼女の本望を叶えてあげたのよ。人助けって気持ち良いわ』
『僕の気持ちは、どうしてくれる?』
『はぁ?アイズって娘を大事にするくらいなら、私を大事にしてね、ダーリン♪あっ、授業が始まるからこれで、念話は終わりよ。あなたが彼女に何を言うのか楽しみ』
ヴァイラのヤキモチの結果か?って、いうより、この動けない状況をどうにかしないと…
◇
「私はどうでしたか?」
と、目が覚めたアイズに訊かれた。いきなり、訊かれても…僕はまだ戸惑っている。
「貴方の好きなようにしてくてださい。私は貴方からの言いつけを破りました。いけない娘です。お仕置きをしてください」
アレが刺さったままで、そんなことを言われても。無言でいたら、僕の唇に彼女の唇が被さってきた。両手が使えない僕は、彼女のしたい放題な状態だ。
生殺し…そんな言葉が頭をよきる。くそっ…ヴァイラにリベンジしなきゃ…どうやって、この場からトンズラしようかな。
そうだ!
僕は周囲の女性達の体重を『無価値』にして、重さを感じないようにして、僕から離した。そして、『着衣』をしてヴァイラの元へ転移した。
◇
ヴァイラは園長室にいた。ソーナ、椿姫もいるし。
「ヴァイラぁ~!やってくれたなぁ」
「え?ちょっと、落ち着こうよ~」
僕の怒りのオーラを感じとり、3人ともあせっていた。
「シュウ君、深呼吸しようよ。落ち着いて話し合いましょう」
僕に怯えるソーナ。
「なぁ、まさか、ソーナもグルか?」
「違います。今回の件はヴァイラの単独犯なんだから…」
ソーナの視線は、ヴァイラに注がれていた。
「だってよ、ヴァイラ。出るとこ出ろやぁ」
「あなた…落ち着こうよ。そんなに怒ることしていないよ」
ヴァイラは苦笑いしていた。
「目が覚めたらアイズが刺さっていた。どういうことだ?」
「どういうことって…彼女の希望を叶えてあげたのよ…ははは」
とって付けたような笑い…僕の怒りがレベルアップした。
「良妻のシーグヴァイラさん。僕の願いは叶えてもらえないんですね」
「そんなことは…だって、あの娘を大事にしすぎるから…過保護はダメよ」
「はぁ?シーグヴァイラさん、僕は弟子とそういう関係にはなりたくないんですが」
「ヴァイラと呼んでください」
僕による本名呼びで、僕の本気度を感じ取ったヴァイラの表情が崩れていく。
「ダメだ。お前が反省するまで、大公のお嬢様シーグヴァイラ姫と呼んであげる」
「ごめんんさい…」
いきなり、僕に深々と頭を下げて来たヴァイラ。えっ?!もう謝るのか?これから言葉の暴力を振るおうって思っているのに。
「謝って済む問題では無いです。大公のお嬢様シーグヴァイラ姫」
「ねぇ、その娘さんの記憶を操作したらどうかな?シュウ君」
って、ソーナ。
「魂に刻まれた記憶は、消えません。魔王の妹君ソーナ・シトリー様」
「えっっ…私まで罰が…とばっちりですよ」
涙目のソーナ。
「それでは、お元気で。さようなら!」
僕は自宅に転移した。記憶の操作なぁ…膜は再生させて、骨盤周りは修正すればどうにかなるよな。あとはアイズの心だな。
考え込む僕の目の前に、大公のお嬢様シーグヴァイラ姫、魔王の妹君ソーナ・シトリー様、そして、なぜか紅髪が転移してきた。
「紅髪、久しぶりじゃん!」
パシッ!
いきなり、リアスに頬を叩かれた。
「なんで?」
「アンタ、二人になんてこと言ったのよ。縁起でも無い。”さよなら”なんて、言わないでよ!」
「は?」
パシュ!
また叩かれた。
「どの口が言ったんだよ!」
僕の口に、拳を押し込もうとする紅髪。入らないって…
「あぁ、もう…」
僕は三人を十字架に磔にした。前者二名はそれだけで、精神力が削がれているみたいだけど、一人元気なヤツがいた。
「なんで私も?」
元気そうな紅髪…久しぶりに、いたぶってあげるよん♪
「若い頃と違って十字架に耐性は出来たかな?」
「おい、年寄り扱いはするなよ、シュウ!」
そんなリアスの異変に気が付いた僕。
「あれ?リアスだけ効かない…」
リアスをチェックすると…
「なんで、リアスは悪魔で無いんだ?」
「え゛っ?」
「いつ、天使になったんだ?」
あぁ、リアスに埋め込んだ駒が壊れていた。
「駒が壊れているんだ。直さないと…あっ…予備の駒が僕の部屋に…」
「うん?シュウの部屋って、今問題を抱え込んでいるの?あぁ、それで、二人はお仕置きを受けていたんだね」
涼しい顔のリアス。このまま天使でもいいかな?
「ねぇ、そこの二人は反省したかな?」
リアスが僕の代わりに訊いてくれていた。
「「ごめんなさい」」
って、ことで三人を十字架から降ろした。今は、リアスの問題解決が優先である。そして、僕の部屋に転移した。
「シュウ、この者達は誰?」
事情がわからないリアスが質問してきた。
「大公のお嬢様が、オラリオから持ち帰った者達だよ。昨晩、夜這いされた。手引きしたのは、大公のお嬢様だ」
「あぁ。それでシュウ君の怒りが爆発したのね」
涙目なとばっちり組のソーナ。
「とても反省していますから、呼び形をもどしてください。心優しい旦那様」
これまた涙目の主犯格のヴァイラ。
「今日はこれで押し切るよ、大公のお嬢様」
ヴァイラは凹んでいるようだ。たまには僕も、キレておかないと。っと、リアスの駒を交換しないと。
「さて、赴任先に戻るかな。リアス、一緒に来る?」
「いいの?」
キョトンとしているリアス。
「僕の玩具としてだけど」
「それでもいい。シュウの傍に、いたもん♪」
「ソーナ、紅髪をしばらく借りるよ」
「2、3日くらいで返してくださいね。リアスに事務を、まかせているんですから」
リアスも役立つ様になってきたかぁ。ところが、ヴァイラが困った顔して、会話に入って来た。
「シュウ…言いにくいんだけど…」
「大公のお嬢様は、まだ僕に隠しごとをしているのか?」
「あのねぇ…オッタル達が学園の授業を受けているんだけど…どうする?」
おい、お前、この世界に何名を連れ込んだんだ?そして、今日帰るつもりが…
「大公のお嬢様は、一体何名を引き連れてきたんんだ?」
「シュウのファミリア全員…シュウの世界で学びたいって…ごめんなさい」
またまた、僕に深々と頭を下げて来たヴァイラ。おぃおぃ…授業受けているんじゃ、最低1週間は、学ばせないとダメじゃん。その間、他人行儀な呼び方は続けた。僕の妻達にとっては、精神的にきつい罰として。
◇
久しぶりに迷宮都市に帰って来た。僕の世界で10日間も過ごして来た、鬼門ファミリア+ヘスティアファミリアの面々。迷宮都市ではまだ10分しか経っていなかった。そのせいで、時差ぼけに陥る面々。僕は淡々とお店の在庫のチェックをしていく。
「こんなに時差があるのかぁ…」
大抵のことに動じないフィンですら驚いていた。まぁ、時間軸が僕だから、時間の流れの制御が出来るから、こんな時差で済んだというか。
「で、10日間学んで、みんなは為になったのかな?」
「あぁ、まだまだ鍛える余地があることに気づいたぞ」
とは、オッタル。その言葉に戦士組が頷いている。
「魔法の勉強も、はかどったよ」
魔法使い組も満足みたいだ。非戦闘員組は、本拠地の研究員達と過ごしたようで、「目から鱗が…」な感じらしい。
一番、満足そうなのはアイズだ。念願が叶ったようで…調教要員にして、リベンジしないとなぁ。エスな僕の寝込みを襲うなんて…僕の気が収まらない。くやしいというか…
◇
時差ボケ遠征に参加しなかった白音がやってきて、ギルドからの通知を持ってきた。
『ロキ・ファミリア&ディアンケヒト・ファミリアからの戦争遊戯の申し込み有り』
と、書かれていた。通知をフレイヤに渡し、ギルドに転移した。
ギルドの窓口で詳細を聞くと、非合法に奪われた眷属達の奪還が目的だという。非合法?本人の意志での改宗だって説明をした。ディアンケヒトの証文も見せた。
「う~、難癖だね、これは。戦争遊戯を無視しても良いですが、襲撃される恐れがありますよ。相手は最大派閥のロキ・ファミリアで、助っ人でいくつかのファミリア連合も参戦するらしいです」
と、ギルドのエラい人。
「わかりました。明日の日の出と同時に、ロキ・ファミリアのホームで、総力線を仕掛けます」
「今夜、『豊饒の女主人』に攻め込むとありますが…」
はぁい?
「今夜?夜襲の上、市街地戦?被害甚大じゃないの?」
「勝てば官軍みたいで、鬼門ファミリアが、総ての被害を補填することと、あります」
「ギルド的には、どうすれば良いですか?」
この街のルールブックの様なギルドのエラい人に訊いた。
「相手の神を送還してください。貴方に反旗を翻すって、そういうことだと思います」
まぁ、そうだろうな。って、天界としてはロキはなんかいらないって言うかも。
「とにかく、ホームに戻ります。もう攻められているかもしれないし」
僕は『豊饒の女主人』に転移した。
◇
僕の眷属が集まっていてくれた。ギルドで聞いてきた情報を伝えた。
「ごめん、ミアさん。迷惑をかけて」
「迷惑なのはロキ達だよ。なんで、ここに襲撃をかけるかな」
「僕達のホームがあるからねぇ」
そこにヘルメスが現れた。
「シュウ、戦争遊戯は明日の日の出に、塀の外ですることになったぞ」
「誰の決定だ?」
「ギルドの決定だ」
「そういうって、夜襲してくるつもりか?腹黒主神よ」
「すまん…俺は、ロキサイドだ。勝ったら、アスフィを返してもらう」
すまないと、あまり思っていないヘルメス。コイツめ…
「本人の意志よりも、眷属は主神の所有物ってことか?」
「あぁ、そういう考え方なんだよ、この世界の神はね。他の世界の常識は、この世界では非常識ってことだ」
「わかったよ、ヘルメス」
僕はヘルメスを天界へ強制転移させた。ヘルメスに言われたことを、眷属に話した。
「そうはいうが、夜襲もあるかもしれない。この辺りに結界を展開させて、夜襲を防ぐから、明日の戦いの準備をしてください」
「フィン、ロキを消すぞ。あいつはダメだ。改心しないな」
「あぁ、すまない。俺達の元主神のせいで、こんなことになってしまって」
僕はロキの元へ転移した。
◇
「なんや…なんで、ここにおるんや?」
突然現れた僕の出現に驚くロキ。
「ギルドからの禁酒令を無視して、ご機嫌だな、ロキよ」
目の前のロキは赤ら顔だった。
「はぁ、ギルドよりウチら神の方がエラいんやで。なんで下々の命令を聞かなアカンの?アホか、お前は。ははは」
転移した先は、神会の会場だった。決起集会ってことか?
「ディアンケヒトよ。大金ふんだくっておいて、返せとはよく言えたな」
「あ?あれは迷惑料だ。返金はしないぞ。早くアミッドを返せよ。偽神よ!」
金に汚い奴だな、コイツは。
「ほぅ、タケもロキ側なのか」
「ヤマト・命は渡せぬ。お前のいた世界へ早く帰れよ!」
わかったよ。一緒に天界に行こうぜ。ふふふ。僕はこの部屋ごと、天界に転移した。
◇
天界に転移したことに気づかない、決起集会に参加している神々。僕は、この世界の神王をここに、呼び出した。
「えっ、なんで?神王様まで下界に降りて来たんですか?」
タケが驚いている。
「はぁ?お前らが天界に戻って来たのだ。どういうことだ?お前ら碌な事していないな。シュウ様にご迷惑をお掛けすぎだろ?」
「「シュウ様?」」
「儂が最高神様に頼んで、天界での問題解決に来て頂いた方だ。ロキ、貴様は天界でも下界でも下衆だわな」
「そんなことあらへんよ。ウチは子供達の為に、頑張っているんや」
「いつから、下界の者を所有物に出来る様にしたのだ?ロキよ」
「元々や。ウチら神が一番エライんやからな」
ヨッパらって気分が良さそうなロキが、胸を張って答えている。
「神王、埒が明かないって。ロキに訊いてもな。ギルドからの罰も無視しているし、こいつはルール守ることって、無理なんじゃないのか?」
神王に文句を言った。
「お前ら、働けよ。天界に戻ってきたんだからな」
「「ここって天界?」」
ようやく事態を飲み込み始めた神々。
「いつの間に…」
これで、20柱ほど送還できたかな?
「神王、僕は下界に帰るよ。まだ、いらなそうな神がいると思うんだ」
「お願いします。もっと大量に送り返してくださいな」
僕は『豊饒の女主人』に転移した。
◇
眷属達には、僕のお店に集まってもらった。戦争遊戯未遂のあっけない結末を話した。
「ということで、ロキ、ディアンケヒト、タケミカヅチ、ヘルメスなど、今回決起した神々は、天界に送還したから」
「主要ファミリアが含まれているから、街は混乱しそうだな」
と、フィン。
「ギルドにまかせるよ。それに、地上界に舞い戻る神もいるだろうし」
「天界からの脱出?」
と、リヴェリア。
「その場合は、再度ファミリアの結成はできないルールだけど、守らないだろうな」
「眷属のほとんどを生き返らせて貰ったので、チームフレイヤで治安を護りますわ」
と、心強いフレイヤの発言に、オッタルも頷いた。
「ギルドも協力をする。ギルド員は鬼門ファミリアの行動を支持しているしな」
と、フェルズ。
「問題は、誰が脱走をするかだ。ロキ、ヘルメス、タケミカヅチは確定だろうな」
「そうなのかい?」
「フィン、ロキは天界でも不必要とされている。タケミカヅチはヘルメスと行動を共にすると思うし、ヘルメスはウラノスの傘下だから」
「え?ヘルメスって、ここの傘下でないのかい?」
「スパイとして傘下にいただけだ。ウラノスが言っていた。でもウラノスがここの傘下になったことは知らないみたいだけどね。そうだろう?フェルズ」
「御意!」
さて、どうなるかな…