---リヴェリア---
今日もフィンに…
フィンと私の肉がぶつかり合う音が部屋に響く。彼の身体は小さいので、交わっている時に胸を弄れない。なので、自分で自分の胸を弄んでいく。
「はぁ…もっと激しく…」
いつから、こんなに淫乱になってしまったのだろうか?ハイエルフとしての誇りはある。それとは違う部分で何かが弾けたみたいだ。
「あっ…あぁ…」
肉のぶつかり合う音が止んで、部屋に静寂が戻って来た。フィンが果てたようだ。私の身体の中に、フィンが放出したドロドロとした体液が流れ込んできた。
「はぁ…はぁ…」
彼にとっては激しい運動だったのか、荒い息づかいが聞こえてきた。こんなに冷静に状況を分析している自分に驚く。
「俺は何しているんだ…」
「フィン、リヴェリアの身体をフィンサイズにしてあげようか?」
この世界に現れた悪夢、アイツの声がした。
「どういうことだい?」
「種族を変えようかと提案しているんだ。彼女をハイエルフとパルゥムのハーフにさぁ。そうすれば、生まれる子供はパルゥムの血の濃いハイエルフになると思うけど」
「あぁ…そうだね。頼むよ」
アイツが私に手をかざすと、視点の位置が低くなった気がした。
「これなら良いんじゃない?」
フィンと背丈が同じくらいになっている。私は種族をチェンジされたみたいだ。たったアレだけの動作で…
「言っただろう?彼は真の神なんだよ。これくらい造作もないことだ」
「フィン、物件探しに行こうと思うんだ。付き合ってくれるかな?」
「わかった」
フィンとアイツが出て行った。種族をチェンジされたということは、私がフィンの子供を宿すのか?アイツのいう調教は、子供を産める状態にする、っていうことだったのだろうか?確かにフィンは、自分の後継者となる子孫を残す為に、こっそりと嫁探しをしていたしなぁ…
---シュウ---
あたりを付けた物件に向かいながら、フィンに話しかけた。
「前から聞こうと思ったんだけど、フィンってさぁ、フィアナと関係あるの?」
以前から気になっていた事を聞いてみた。
「フィアナは僕が崇拝していたパルゥムの女神の名前だけど?それが何かな?」
「そうなのか。僕の世界のケルト神話にさぁ、フィアナ騎士団という伝説の騎士団が出てくるんだけど、その団長の名前が『フィアナ・フィン』っていう名前で、幼名が『ディムナ』なんだよ。奇遇だろう?」
「それは興味深いなぁ。どうなんだろう、シュウの世界と僕の世界の関係性が、問題になってきそうだけど」
「まぁ、並行世界だと、少しずつ進む方向性が違うから、誤差も生じるんだけど、歴史を通してみると同じ世界軸にあるのかもしれないなぁ。誠達のいた世界では、オラリオの遺跡があったからね」(注)
「あぁ、あの話には、僕も驚いたよ。フェルズの残した書物も発掘されたらしいしね」
「おっと、話に夢中で、行き過ぎるところだった。ここだよ」
僕は、ミアハ・ファミリアのホームを指差した。
「ミアハかぁ…眷属はナァーザしかいないから?」
「人数の割にホームが広いだろ?間借りが出来ないかなってね」
ミアハのホームに入っていく。
「いらっしゃませ。今日はどういった物をお探しですか?」
シアンスロープ(犬人)のナァーザだ。
「ナァーザはいくらだ?」
真顔で僕が訊いた。
「え?私は売り物ではないです…」
戸惑うナァーザ。
「主神を呼んでくれないか?ミアハと話がしたい」
「どのような御用件ですか?」
「直接会って言う。呼んでくれないか?」
「呼べません。私はミアハ・ファミリアの団長のナァーザ・エリスイスです。私に言えないような御用件は取り次げません」
この世界では、気が強そうだな。
「困ったなぁ…力づくでやるのは気が引けるなぁ。フィン、どうしたら良い?」
「ここは一旦、引きましょう」
「え?フィンさん…この方はロキ・ファミリアの方ですか?」
ショックだな。フィンには優しく口調とは…
「僕は、ロキ・ファミリアを追い出されて、今ヘスティア・ファミリアにいるのだが、ホームが手狭でね。ここの空いている部屋をいくつかを借りたいんだ。ミアハ様を呼んでもらえるかな?」
「わかりました。お待ちください」
ナァーザが呼びに言ってくれた、フィンなら素直な対応なのか…しくしく
「シュウ。落ち込まないでくれよ。知り合いにしか心を、開かない者もいるんだから」
フィンに慰められた。うんうん、フィンを連れてきて正解だ。
「部屋を借りたいってことですか?」
奥からミアハとナァーザが出て来た。
「はい。ヘスティア・ファミリアの仮のホームにしたいのです」
「う~、2階でよければ、お貸しします」
「では、この辺の相場の家賃の3ヶ月分を前金として渡しておきます」
僕は、不思議な袋から、お金を取り出して、ミアハ達の前に置いた。
「え?こんなに?貰いすぎですよ」
慌てているミアハ。
「ご迷惑かけるかもしれないので、少し高めで算出しています」
僕は入り口から外に声をかける。
「契約したから、入って来て大丈夫だよ」
アイズ、オッタル、ヘスティア、アテナ、アルテミス、オーフィス、忍が、ぞろぞろ入って来た。
「え?アテナとアルテミス…どうしたんだい?」
地上にはいないはずの女神2柱を見て、ミアハが驚いている。
「ウラノスがヘマした穴埋めよ」
「アイズさん、オッタルさん、改宗されたのですか?」
今度はナァーザが驚いている。ここの住民は賑やかだなぁ。
「アイズはヘスティア・ファミリアだ。オッタルは用心棒みたいなものだ」
僕が説明した。
「ミアハ様、なんか大変な人達が来ましたねぇ」
「あぁ…」
ミアハは開いた口が閉まらないみたいだ。
2階に上がると、使っていないかったのか、ほこりまみれだった。
「ヘスティア、アテナ、アルテミスは掃除を頼む。フィンは設備をチェックしてくれ。アイズとオッタルは欲しい部屋を先に予約してくれ。さぁ、散ったぁ」
仲間達が指示通りに散っていった。僕の肩にオーフィス、腿には忍が乗っていた。
「忍、後で創造能力を貸してくれ」
頷く忍。
「シュウ 我は?」
「う~、オーフィスは肩を揉んでくれ」
「うん」
オーフィスは自分でも、僕に何かをしてあげたいって気持ちになったらしく、僕の妹の白音にマッサージを学んでいたそうだ。中々、気持ち良いぞ、オーフィス。
---ナァーザ---
ミアハ・ファミリアのホームの2階を、ヘスティア・ファミリアに貸したのだが、メンバーが驚きだった。
「ミアハ様、私達の知らないところで、何が起こっているんですか?」
「分からない。とんでもないことが起きているようだ。まさか、ロキ・ファミリアの団長と剣姫が改宗したなんて…オッタルを用心棒って、ほとんど眷属と同じ感じだったし。なによりも、なんで3処女神が揃っているんだ?おかしいぞ、あのファミリア」
「先程、覗いてみたんですが、あの知らない人物が、みんなに指示していました。ヘスティア様達は掃除しているし」
「そうか…後で、アテナに聞いてみよう」
---シュウ---
メイビスから念話でヘルプって言われたので、オーフィス、忍とオッタル、アイズで、メイビスのホームへと転移した。
転移すると、ヘルメスがメイビスに詰め寄っていた。
「メイビス、どうした」
「シュウ、この者が、ウラノスをどうしたのかって」
あっ、ウラノスに定期報告に来たのか、この腹黒神は。
「ヘルメスよ、ウラノスは天界に送還したぞ」
「なんだと?」
僕の方を振り向いた腹黒神。
「お前は、言葉が理解できないのか?送還したんだよ」
「貴様は誰だ?なんで、俺の事を知っている」
「オッタル、コイツが逃げないように退路を塞げ」
「まかせろ」
「オッタルだと…」
「アイズもいるよ」
「剣姫…魔物に喰われたんじゃ…」
アイズを見て、顔面蒼白になっていくヘルメス。
「幽霊でないよ。勝手に魔物に喰わさないでくれ。僕のアイズは弱くないよ。なぁ?」
頷くアイズ。
「貴様は何者だ?アイズとオッタルに命じることが出来るって…」
「僕は彼女、神メイビスの主だけど」
「あの女って神なのか?」
メイビスを見るヘルメス。
「そうだよ。ヘルメスのいる天界とは違う神格だ」
「その神の主って、どういう意味だ?」
「ヘルメス君は腹が黒くなりすぎて、おつむが弱いのかな?」
「貴様、俺を侮辱するのか?」
「生きて、ここから出られると思っているのか?バカ神族よ」
僕にしがみついていたオーフィスと忍を降ろして、
「オーフィス、忍、あのバカ神にプレッシャーを掛けてあげて」
ヘルメスを見つめる二人。
「なんだ…息苦しい…空気が重い…何者だ?」
「何者?頭が悪いのか、お前は。メイビスの主だと、何度言えばわかるのだ」
僕も死を感じると言われているオーラを出して、ヘルメスに恐怖の二文字を刻んでいく。
「なぁ、死にたくない…助けてくれ…」
ヘルメスの言葉をスルーした。すると、這いつくばって、オッタルに寄っていって、命乞いをしているみたいだ。
「悪いが、俺は主のシュウの命令しか聞かぬ。命乞いはシュウに頼め」
段々と、ヘルメスは動かなくなっていた。近くに寄って確かめると、息絶えていた。天界に送還されていないって事は仮死状態なのかな?
「どう思う?メイビス」
「私より、シュウの方が専門でしょ?」
クールダウンさせるために、オーフィスと忍をあやしてくれているメイビス。僕はヘルメスを背負って
「こいつのファミリアに置いてくるよ。アイズ、一緒に来てくれる?オッタルは、フレイヤと定時連絡、フェルズは、ヘスティア達のガードを頼む」
僕とアイズで、ヘルメスを送っていく。
ヘルメス・ファミリアのホームに行くと、アスフィが応対に出て来た。彼女に瀕死のヘルメスを引き渡した。
「倒れていたから、連れてきた」
「それはありがとうございます…ひぇ~、アイズさん?死んだはずでは?」
アイズを見て驚くアスフィ。
「あれあれ、アイズ、死んだことになっているぞ?誰だ、ウソを流しているのは?あぁ、元主神のロキのバカタレかな?」
「そうかもしれませんね。裏切り者には冷たい神でしたから」
僕とアイズはその場を去った。
---ティオナ---
「アスフィ、本当か?アイズが生きているって」
街をぶらついていたとき、ヘルメス・ファミリアのアスフィに呼び止められた。
「私のホームに、知らない男性と二人で来ました」
「知らない男性?」
まさか、アイツかぁ?
「何しに来たんだ?」
「私の主神のヘルメスを連れて来てくれました。なんか知らないけど、気絶してしまったらしいです」
アスフィは震えていた。よっぽど怖い思いをしたのだろうか?
「情報をありがとう。探してみるよ」
アイズが生きている?知らない男性と?あの混乱した現場から、無傷で脱出は無理だ。そもそも18階にはアイズは帰って来なかったんだ。どうやって、地上に戻ったんだ?考えただけで背筋を冷たいモノが走って行く。怖っ!
ホームへの帰り道…アイズを見つけた。知らない男性も一緒だった。私はこっそりと後を付けていく。大通りから路地に入っていく。私も後に続いて路地に入ったのだが、二人の姿はなかった。まさか、空を飛んでいったのか?まさかなぁ…何気なく空をみると、二人がいた。アイズは紅色の翼を、男性は白い翼を展開していた。
「さすがはアマゾネスだな。野生の勘かな?見付かるとはなぁ」
男性に誉められた。次の瞬間、アイズと男性に両肩を担がれて、天空を勢いよく昇っていく。建築物の屋根が小さく見えていく…
「見られたんじゃ、生かして返せないなぁ、アイズ」
「そうですね」
「ここから、落とせば、どうなるかな?ふふふ」
私はアイズの方を見た。彼女の顔は笑顔だった。
「ティオナも、翼があれば良かったのにね」
って、言われても…今更ですが、私には翼なんかありません。
「じゃ、さようなら、ティオナ」
両肩から二人が離れた。天空を落ちていく私。死ぬのかな?アイズの笑顔が脳裏から離れない。なんで、笑ってこんなマネをするのよぉ~
涙が出始めて、止まらない。もう助かる術はないことはわかっているし。短い人生だったけど、やりたいことは総てできたかな?いや、生きたい。もっと、生きたいよぉ~、アイズ。
---シュウ---
ティオナを地面すれすれで助けた。これで、刻めたかな?アイズは死の使いってことを。ティオナを優しく抱きかかえて、ヘルメスのホームの前に転移した。中に入ると、アスフィが出迎えてくれた。
「ど、どうしたんですか?」
「彼女が倒れていたので、休ませてあげてください。お願いします」
アスフィの1日の給金分のお金を渡して頼んだ。異世界にて、アスフィの給金額を知っていたので…額を見て不思議そうに見つめてきた彼女。
「そのお金でお願いします。仲間の知り合いみたいなので、道端に置いておけないので」
僕は頭を下げて、お願いして、その場を去って行った。
(注)『ハイスクールD×D(改)リライト版』24話「バベル」でのお話です(^^;