---ミアハ---
ヘスティア・ファミリアのホーム、要するにうちの2階に行くと、アテナ達を見つけた。あの知らない男性は、いないみたいだ。チャンスかな?
「アテナ、少し訊きたいことがあるんだけど、良いかな?」
「あぁ、なんで私達がいるかでしょ?ウラノスがヘマした穴埋めよ」
「ウラノスって、オラリオに君臨するが統治せずの神だよね?」
「そう、その統治せずのバカが、秩序を語って、最高神様の遣い人様の逆鱗に触れてしまって、送還されたのよ。で、遣い人様を放置すると、この世界はリセットされかねないってことで、神王様が私とアルテミスをお側要員として派遣したの!」
アテナの語気は荒い。所々に怒気を孕んでいた。ウラノスは送還されたのか…って、あの知らない男性が、遣い人様なのか…
「ミアハ、僕に何か用か?」
後ろから、その男性の声がした。振り向くと、遣い人様と剣姫がいた。
「つ、遣い人様ですか?」
「そうだけど。あぁ、自己紹介がまだだったねぇ。シュウ・ヨハネ・鬼門と申します。シュウで良いです。あまり遣い人ってバレたくないから、配慮をよろしく」
あぁ、なんか、エラい人を受け入れてしまったなぁ…
「そうだ、僕はヒーラーとしての能力があるんだが、ミアハでアルバイトとして雇ってくれないか?ディアンの様な金に汚い医療は、胸くそが悪いんだよ」
俺と感じることは同じなのか。少し親近感が湧いた。
「僕の能力を見せよう。ナァーザを呼んでくれないか」
言われた通りに、ナァーザを連れてきた。シュウは、ナァーザを椅子に座らせて、義手を外した。ナァーザの顔が醜く歪む。
彼女の右腕は、冒険者だった頃に瀕死の重傷を負い、その際に失われて、今はディアンケヒト製の魔道具の義手を嵌めていた。
「今日から、その負い目も無くして上げる。毎日が心穏やかになるから、しばらく辛抱をしてくれ」
彼は、両手をナァーザの失われた部分にあてがい、念を込めているようだ。少しずつ指先の方に移動していく彼の両手。移動した後には失われていた物が、甦っているようだった。彼女もその様子に目を見張っていた。アテナ達女神も息をするのを忘れるくらい、静かにその様子を見守っていた。
どの位時間が経ったのだろうか?ようやく、指先まで甦った。
「これで、見た目は戻ったよ。動きはリハビリが必要だ。義手の様に直ぐには馴染まないからね。神経は繋がっているから、慣れれば、義手より細やかに動かせると思う」
彼の片手が、ナァーザの頭を優しく撫でると、彼女の表情が明るくなっていった。そうだ。忘れていたけど、怪我を負う前の笑顔に戻っている気がした。
「あっ…ありがとうございます」
彼女は、自分の甦った腕をさすり、涙声で礼を言った。周りのみんなから拍手や祝福の声が飛び交った。奇蹟の瞬間に立ち会ったせいか、身体が震える。寒い訳ではなく、むしろ暖かい気分だ。
「ミアハ、この程度の怪我なら治せる。金が無くて、ディアンに掛かれない貧しい人達を救おう」
「お願いします」
俺は遣い人様に頭を下げた。
そして、興奮が収まった頃、ホームの入り口に「ヒーラーを雇いました」と札を下げた。
---シュウ---
僕が外出した時の為のヒーラーとして、猫しょうという妖怪の黒歌を召喚した。僕の様な再生能力はないけど、治癒能力は抜群である。再生するような患者は、僕が戻ってから対処をすると、ミアハに告げた。
再生治療を施した為、ナァーザが僕にも心を許してくれたようだ。僕との話し方から、角が取れたようで、話し易くなった気がする。
この世界の者を同化吸収したアイズに、この世界の愛剣と服を手渡した。
「服は予備だ。剣は二刀流が出来るようになれよ。更なる上のアイズを見せてくれ」
アイズは頷いた。
さて、次は…ふふふ
---アスフィ---
ホームのベッドに横たわる主神ヘルメスとティオナさん。ディアンケヒト様の診察によれば、外傷はなく精神的にダメージを喰らったための仮死状態のようだ。
精神的ダメージの要因…やはり、死んだはずの剣姫を見たことによる?
ディアンケヒト様にその事を伝えると、その可能性が大だそうだ。ティオナさんの主神、ロキ様も訪れたので、戦姫が生きていたことを伝えた。
「アイズたんは生きているのね♪」
「生きている者を見て、ヘルメス様がこんな状態になるかな?」
ティオナさんの双子の姉のティオネさんが呟いた。私もそう思う。私の知っている剣姫とは雰囲気がまるで違っていたし。
「で、ディアン。ティオナはいつ目が覚めるん?」
「精神的ダメージは、俺では治せない。まぁ、時間をかけて待つんだな」
そう言い残して、ディアンケヒト様は帰っていった。
「あと、医療系だとミアハ様ですね」
医療といっても調剤系なんだけど、藁にもすがる想いで、ミアハ様に相談をしに行った。ミアハ様のホームの入り口には『ヒーラーを雇いました』の文字が…少し希望が持てた気がした。
中に入ると、ナァーザさんが応対してくれたのだが、いつもより明るい感じがする。ふと、目に入ったのは、彼女の綺麗な右腕…え?義手だったはずでは…私の視線を感じたのか
「あぁ、この腕は、雇ったヒーラーの方に再生していただきました」
今までの応対で見た事がない笑顔で、頬は赤みを帯びていた。そのヒーラーの男性に惚れたんかい…
「で、精神的ダメージなんですが、どうですか?」
「少々、お待ち下さい」
ナァーザが、階段上がっていき、しばらくすると降りてきた。
「大丈夫だそうです。後ほど、往診に伺います」
一安心で、自分のホームに戻って待つことにした。
---シュウ---
獲物が釣れたらしい。僕はアテナと共にヘルメス・ファミリアのホームへと向かった。中に入ると、アスフィが驚いた顔していた。
「はぁ?あなたがヒーラーなんですか?」
「はい。ヒーラーのシュウ・ヨハネ・鬼門と申します。彼女は助手のアテナです」
アテナっていう名前を聞いて、ロキがアテナの方を見た。
「なんでや?なんで、アテナがおるんや?」
ロキの言葉はスルーして
「で、患者さんは…あぁ、あの時の人達ですかぁ」
と、白々しいことを言った。
「あの…アイズさんは?」
「アイズ?あの時一緒だったのは、アテナですが。そうだろ、アテナ」
アテナは事情を知っているので、僕のウソに頷いた。へ?って表情のアスフィ。その表情も好きだよん♪
「おい、アテナ、うちや、ロキやで!」
ロキがアテナに食らいつく。うざいなぁ、コイツ。
「シュウ様、私事を口にしても良いですか?」
「許可するよ。アテナ」
「ロキ、うざいよ、あんた!主のシュウ様のジャマになるから、失せてくれないか?」
アテナの怒気を孕んだ言葉に、流石のロキも言葉を飲んだようだ。
「ちょっと…アテナ様って処女神様ですよね。その主って?」
アスフィは驚きの展開に、あたふたしているように見えた。僕は外野をアテナに任せて、二人の治療という名の、記憶操作を施していく。僕達に会ったことは忘れる。得体のしれない恐怖の対象に狙われている。など、僕達に都合のように操作した。
「治療は終わりました。あとはこのナァーザに調剤してもらった、安静剤を2,3日飲ませてください」
アスフィに薬を手渡した。
「症状が良くなったら、ミアハ・ファミリアに代金をお支払いください」
と、請求書もアスフィに手渡し、僕達はその場を去った。
---ミアハ---
夜更けに来客だ。いや、客ではなかった。ロキとその眷属のティオネ、ラウルとヘルメスの所のアスフィだった。
「夜更けになんだよ…ロキ、お前、ヨッパか」
やたらに酒臭いロキ。
「まだまだ素面や。それより、アテナとあのヒーラーに会わせろや」
無茶な事を言うなぁ…遣い人様に向かって
「それとアイズたんもおるんやろ?会わせろや」
「お前ら、何時だと思っているんだ?うちの営業時間は終わっている。明日の昼間に出直してくれ」
「は?力尽くで家捜しするかい。ティオネ、ラウルよ、力尽くで家捜しをせえ!」
ティオネとラウルが力尽くで入るのか、得物を手にしていた。
「なぁ、それって、ヘスティア・ファミリアにケンカを売っているのか?」
遣い人様の声が聞こえた。
「ミアハ、下がっていろ。医療系ファミリアでは怪我をするぞ。ここは戦闘系ファミリアに任せてくれ。アスフィは生け捕り、残りの者は半殺しで良い」
「戦闘系ファミリアだと?」
ラウルが叫んだ。
「そうだよ。ヘスティア・ファミリアは戦闘系だ。医療系ファミリアを夜襲するような、悪いファミリアを叩く為のファミリアだよ。ふふふ」
目の前のロキ達の表情が変わった。苦しげな表情をしている。
「なんだよ、プレッシャーだけ、死んじゃうかな?それじゃヘルメスと同じじゃん」
えっ?ヘルメスに手を掛けたって…この遣い人様の豪腕ぶりが見えるようだ。
「もしかして、お前が、アイズたんを…」
ロキが消えそうな声を絞り出すように言った。
「アイズは元気だよ。なぁ、アイズ」
「はい」
皆で声がした方を見ると、剣2本を手にした剣姫が夜空に羽ばたいていた。
「ロキだろ?アイズが死んだって、触れ回っていたのは?元眷属を勝手に死んだことにするのは、どうかと思うけど」
目の前の剣姫には綺麗な紅い翼があった。遣い人様も白い翼を展開して、剣姫の横に並んだ。ロキもその眷属達も、驚いた表情で固まっていた。この場にいたはずのアスフィは…消えていた。
「ティオネは夜空を散歩しようか、残りのふたりは、オーフィス、忍に任せた。死なない程度で頼むぞ」
そういうと、遣い人様と剣姫は、ティオネの両肩を抱えて、急上昇していき、落下してきたティオネが地面にぶつかる寸前に、遣い人様が助けた。ロキと、ラウルはプレッシャーだけで息も絶え絶えの状態だった。
「ミアハ、見た事は忘れろ。いいなぁ。この世界の者に恐怖という物を教える為に、来たのだからな。ふふふ」
我々、神をプレッシャーだけで半殺しにできる戦力って…背筋を冷たい物が走って行った。
---シュウ---
ミアハのホームの奥に運び込まれた、ロキ、ラウル、ティオネに、記憶操作が施していく。アテナがミアハに、僕達の使命を伝えてくれていた。ミアハは納得してくれたようだ。
「確かに、魔物だから殺すっていうのは…僕達、天界から来た者から見たら、亜人も魔物も地上の生物だしなぁ」
「そうだろ。だから、魔物だから殺すっていう考えに対抗して、得体の知れない恐怖を刻み込んでいるんだ。これなら、探検者が減ると思うから。これで減らない場合は、方法を変えていくけどね」
「協力できそうなことは協力します」
「その代わりに、ミアハのホームのガードは、僕達でするから」
そして、3名をヘルメス・ファミリアのホームに、こっそりと運び込んだ。
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キャッスルドランの調教ルームに、アスフィを放牧した。先程までリヴェリアがいたのだが、とある理由で別室に移してあった。
調教ルームに僕も入った。
アスフィは僕を目にして、逃げ場を探しているようだった。この部屋には窓はない。あるのは拷問道具ばかりであった。逃げ場がないことが分かると、開き直ったのか、僕を見据えて質問をしてきた。
「あなたは何者?」
「僕は悪夢の道化師だ」
「悪夢の道化師?」
「そう、この地の探検者に悪夢を植え付けに来た」
「何の為に?」
「はぁ?『万能者』なのに、わからないのか?」
「わからないから、質問をしているのよ」
「元姫様では、下々の者の苦悩は、分からないってことだな」
アスフィの表情が崩れた。動揺し始めた。
「なんで…なんで知っているの?ヘルメスしか知らないはずなのに」
「知っていることしか知らないよ」
「あなたは、何者?」
「アスフィ、主神のオツムが弱いから、君もオツムが弱くなったのかな?」
「私をどうするつもり」
僕は、彼女を抱きしめた。片手で胸を弄り、片手で秘部を弄った。
「やめて…なんでこんなことを…」
「アスフィが好きだからだよ。他に理由があるかい?好きでなかったら、ロキ達と同じ目に遭わせていたよ。ふふふ」
身体を捩って、僕の手から逃げようとするアスフィ。
『洋服崩壊』を唱えて、全裸にする。
彼女の耳元で
「乳首立っているけど…久しぶりの感覚かい?」
っと、呟いた。すると、真っ赤な顔になり俯いたアスフィ。
「図星かぁ…素直になりな、アスフィ」
僕はアスフィの硬くなった乳首を舌で転がして、もう片方の乳房を手の平で弄んで、感覚を愉しむ。
「あっ…ダメっ…やめて…あぅん…ダメだってぇ…やだ…あぁ…」
ダムが決壊したかのような、ラブジュースが流出。アスフィも感覚で何が起こったのか、わかったようだ。
「お願い…ください…頭が悶々としておかしくなりそう…」
お許しが出たので、性欲器官をアスフィのダムの決壊ポイントに沈めて行った。奥に達すると、ゆっくりと前後に動く、たまに上下動という不規則な動きも入れて行く。
「うぅん…いい…もっと、ゆっくり…この感覚を長く感じていたい…」
この世界のアスフィは欲張り屋さんかな?まぁ、要望に応えていこう。しかし、エンドレスにできる行為ではないので、乳房が一瞬張り詰めたと思ったら
「あぅ…」
アスフィは果てた。とても穏やかな顔で…
◇
目が覚めたアスフィは、とってもさわやかな笑顔だった。おい!犯されて、その笑顔はおかしいだろうって思うくらいだ。
「ありがとう。私は女性だってことを忘れていたわ。思い出さしてくれて、ありがとう」
えぇ~、犯した相手にお礼を言われるなんて…初めてかもしれない。戸惑いを隠せない僕。
「戸惑っているんでしょ?良かった、そういう心の動きのある人で。決めた、あなたと同じファミリアに改宗するわ。ヘルメスは私を女としてでなくて、物を創り出す道具としか見ていない部分があったのよ」
えっ…改宗を勧める前に、自ら改宗するのかぁ…この世界のアスフィは、恐るべき女かもしれない。手を出して失敗だったのかも、後悔後を絶たず。
その後、改宗作業(ヘルメスの恩恵を浄化、無効化にして、ヘスティア、アテナ、アルテミスの三女神の恩恵を与えた)をした後、フィンから、このファミリアの目的を伝えてもらった。
「協力する。たしかに魔物だからってだけで、殺すのは良くないわね。中には知能を持った魔物もいるのであれば。それよりも三処女神様からの恩恵を得られるって、女性としてはうれしいかも」
って、今更2柱は、既に処女では無いと言えない状況であった。