※この作品はR-18です。

神器なき男 (再編集版)   作:もっち~!

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イシュタル、悪夢再び*

 

 

---シュウ---

 

アイシャの改宗作業も無事終了して、のんびりしている。次の一手はどうしようかな。目の前で春姫とオーフィス、忍が遊んでいた。あぁ、同じような背丈だのものなぁ…あっ、この世界のベルはどうしているんだろう?

 

メイビスにベルのことを調べてもらうと、ロキの処にいるらしい。う~、奪うか?

 

ティオナを呼び出した。

 

「なぁ、ロキの処にいる、ベルが欲しいんだけど、手に入らないかな?」

 

「あっ!私、ベル君の教育係だったんだぁ」

 

はぁ?

 

「なら、ここに連れてきて、教育しなよ」

 

「入団後1年は改宗できないよ」

 

知っているよ。

 

「ルールには特例って物があるから、大丈夫だよ。今のロキの処では、教育なんか出来ないだろう?新人を飼い殺しっていうのは、良くないと思わないか?」

 

少し考え込むティオナ。

 

「そうだよね。うん。ここに連れて来るよ♪」

 

出掛けていくティオナ。ここに連れて来られればどうにかなるって。で、次の一手…

 

「少し、いいか?」

 

アイシャが声をかけてきた。

 

「うん?調教の続きか?」

 

「それは、またな…そうじゃなくて、歓楽街のことだ」

 

「今まで通り営業して欲しいが」

 

「イシュタルの下では、無理だぞ」

 

「僕の下でってことで。支配人はアイシャがしてくれ」

 

「私は無理だ。それに、イシュタルの『魅了』から解放はされたが、歓楽街を牛耳っているのは未だにイシュタルだ」

 

「今からイシュタルを調教してくればいいか?」

 

僕はイシュタルの元に転移した。

 

 

 

---イシュタル---

 

昨晩はとんでもない悪夢を見た気がした。姿見の前に立ち全身を見ると、乳房に手形が残っていた。悪夢…じゃない…実際に起きたんだ…背後に気配を感じ、振り向くと

 

アイツがいた。不敵な笑みを浮かべるアイツがいた。

 

「よ、イシュタル。元気そうだな」

 

「貴様は何者だ?」

 

「僕は悪夢の道化師だよ。昨晩の悪夢は愉しめたかい?ふふふ」

 

「愉しめる訳ないだろう?あんなことされて!」

 

「じゃぁ、昼間の空でデートしようぜ」

 

次の瞬間、アイツに刺さったまま、空の上にいた。オラリオの街が小さく見えていた。

 

「えぇぇぇぇ…」

 

「抱きついていないと落ちるぞ♪落ちたらどうなるかな♪」

 

目の前のアイツは笑って、手放しで見ているだけ。私の身体はアイツの肉棒だけで支えられていた。咄嗟にアイツに抱きついた。すると、お尻の肉を鷲掴みにされて、肉と肉の間の谷間を指でなぞってきた。

 

「や、やめて…あぁぁ…」

 

感じる…クセになりそうな感覚…お尻の穴に何かを吹きかけられた。下半身に力が入らなくなってきた。

 

「な、何をしたのよ」

 

ただ笑ってみているアイツ…下腹部の内部が熱い…熱い何かが湧き出してきている。

 

「なぁ、僕の下僕になれよ。歓楽街の裏の支配者に、僕をしてくれ」

 

何を言っているんだ、コイツは…

 

「ダメなら、ここから落とす。どうする?」

 

ここから?正気か?目の前の男はただ笑っている。

 

「私は神だぞ。こんなことをしてタダで済むと思っているのか?」

 

「女神は、神か英雄としか交われない」

 

耳元でそう呟いてきたアイツ…コ、コイツ、何者だ?女神である私を脅すコイツは…神には見えない、勿論英雄にも見えない。だが、確実に交わっている。

 

「あぅん…」

 

耳を舐めてきた。新たな刺激に、あろうことか私の身体が喜んでいた。溢れるように出て来る愛の果汁、私の身体が刺激を求めて、乳首をアイツの胸板に押し付けて踊っている。

 

「やめろ…」

 

「ここから落としても、乳房は弾むかな?ふふふ」

 

コイツ…コイツならやりかねない…命乞いをしないとダメか?

 

「命乞いは無駄だぞ。さっきの一択の返事しだいだ」

 

心が読めるのかぁ…

 

「下僕が不満なら、性の奴隷でどうだ?お前の扱いは」

 

この私を性の奴隷だと?ふざけるなよ

 

「あぁ、昨晩のお前のボロボロになった姿を、魅了したやつらに配るか?」

 

アイツの手に、ボロボロになって涙を流す私の姿が描かれた絵があった。

 

「やめてぇ~」

 

「天界でばらまこうかな?いずれ、天界に戻ったときに、話のネタになるだろう?」

 

「お願い…やめてぇ~」

 

そんな姿を知られたくない…見られたくない…

 

「あぁ、これ絵じゃなくて写真って言う物だ。あと、動画もあるぞ。ふふふ」

 

アイツの手にした絵…動画という物には、昨晩私の受けた仕打ちが、克明に記録されていた。

 

「やめてください」

 

私の高慢な心が折れた瞬間だった。性の奴隷…まさにそんな状況であった。忘れていた悪夢が甦ってきた。

 

「じゃぁ、これにサインをして」

 

アイツが1枚の羊皮紙を出した。歓楽街の営業権、所有権を譲る内容であった。これにサインしないと、私の存在価値もたぶん無くなる上、これから、死ぬまでの数十秒間の恐怖を体験しないといけないであろう。私は、震える手でサインをした。

 

「じゃ、これでイシュタルも、僕の眷属ってことで」

 

眷属?どういうこと?私は彼から離れ、自由落下していた。えっ…

 

 

---シュウ---

 

地面すれすれでイシュタルを救出して、ホームに運び、ベッドに寝かせた。度重なる恐怖の体験で、彼女に巣くっていた闇も薄れていた。さらに浄化で闇を完全除去する。

 

意識が戻った後アテナに、新人眷属のイシュタルの教育をまかせ、歓楽街の運営は、フレイヤのチームにまかせた。

 

次はどうしようかな?って、ティオナがベルを連れ出してきた。すかさず、ロキの恩恵を浄化、解除をして、ヘスティア達に恩恵を与えてもらった。ティオナがそうであったように、ベルもキョトンとしていた。

 

「これで、ベルは、ヘスティア・ファミリアの一員だ。ティオナは教育できるのか?」

 

「できないと思う。自分で手一杯だな」

 

正直なティオナ。

 

「では、アイズ。面倒をみてあげて」

 

「私はまだ取り組み始めたばかりです」

 

不安そうな顔付きのアイズ。

 

「得物の取扱や剣術は、僕が教える。アイズは敵の特徴、戦い方などを教えてやってくれ」

 

「わかりました」

 

それから、ベルに聖なるナイフを2本、手渡した。

 

「2本?」

 

不思議そうな顔のベル。

 

「そうだよ。アイズは今二刀流に取り組んでいる。弟子のお前も二刀流に取り組め。後で、アイズとベルには稽古をつける」

 

「ねぇ、私は?」

 

ティオナは…

 

「アイシャ、教えてあげて。同族だから、レクチャーできるでしょ?」

 

「わかった」

 

「私はどうすれば良いですか?」

 

春姫かぁ…

 

「オーフィスと忍の遊び相手に、なってくれるかな」

 

「はい♪」

 

次はどうしようかな…基本、ノープランな僕…

 

 

 

---ヘルメス---

 

随分と長い間、意識を失っていたらしい。目覚めると、団長のアスフィが、他のファミリアに改宗していた。俺の医療費の請求書が…督促状まで来ていた。アスフィがいないと、ファミリアが運営出来ないかもなぁ。そもそも、なんで改宗したんだ?いや、俺はなんで意識をなくしていたんだ?記憶が無い…おかしい。何かがおかしい。

 

とりあえず、医療費を払わないと…支払先に驚いた。ミアハ?ディアンでなくて?いや、医療系ファミリアではあるが、投薬系だろう、ミアハって…なんでだ?

 

「アスフィ、どういうことだ?」

 

あっ、アスフィはもういないんだったなぁ。とにかく、ミアハのホームに行こう。

 

◇

 

ミアハ・ファミリアのホームに入ると、ナァーザが応対に出て来た。彼女を見て驚愕した俺。義手だったはずの彼女の腕が、どうみても自前の腕になっていた。

 

「どうしたんだ、その腕は?」

 

「ヒーラーの方に再生していただいたんです。まだ神経が繋がったばかり、動きがぎこちないんですけどね。今日は、お支払いですね」

 

俺は、請求書にあった額を支払った。

 

「俺も、そのヒーラーの者に治療をしてもらったのか?」

 

「そうです。往診にいかれたので、往診料もいただいております」

 

亡くした腕を再生?どんだけの能力持ちなんだ。ミアハにそんな人脈があるとは思えないが。ミアハのホームを後にして、ギルドに向かった。そうだ、ウラノスの処に顔を出しておくかな。ウラノスのホームに向かう途中で、フェルズに呼び止められた。

 

「もう、ウラノス様はおらん。今、あの場所はメイビス様のホームだ」

 

「どういうことだ、フェルズ?」

 

「ウラノス様は、神の怒りを買い、天界に送還された」

 

「神?我々も神だが」

 

「あなた方は神族だろ?そうではなく、本当の神だ」

 

「本当の神?最高神か?」

 

「まぁ、そんな感じだな」

 

「で、フェルズは、その神に仕えているのか?」

 

「ご想像にまかせる」

 

「メイビスって何者だ?」

 

「神に仕えている、あなた方とは違う神格の女神様だ」

 

「そのメイビスって女神が、ギルドを運営しているのか?」

 

「そうだ」

 

「ウラノスの送還理由はなんだ?」

 

「君臨すれど、統治せず、が、秩序に口を挟んだ為だ」

 

「統治しないはずが、ルールに口を出したのかぁ…で、アスフィはどうして改宗をしたんだ?」

 

「あなたに、女性として扱われていないことに、気づいた為だ」

 

「アイツは『万能者』だぞ。性別を超越した存在なんだぞ」

 

「その二つ名は、あなた方神族でお決めになった物、本人が了承していないかった可能性がある」

 

「うっ…痛い処をつくなぁ。それはあるが…で、改宗先では、女性として扱われているのか?」

 

「ノーコメントだ。私は、他人のプライベートを、語ることはいたしませぬ」

 

「では、アスフィはどこのファミリアに改宗したのだ?」

 

「ノーコメントだ。プライベートに関わることは、語ることはいたしませぬ」

 

「今、何が起こっているのだ」

 

「知る必要はない。では、また」

 

フェルズの気配が去って行った。

 

◇

 

ディアンのホームを訪ねた。

 

「ディアンに聞きたい。ナァーザの腕を再生なんか出来るのか?」

 

「ヘルメスよ。質問の意味が良くわからないが、俺の作った義手のことか?」

 

「違う。ナァーザの腕が再生されていたんだ」

 

「はぁ?有り得ない。再生できないから、あの義手を作ったんだぞ。どういうことだ?」

 

「ミアハが雇ったヒーラーが再生能力持ちみたいだ」

 

「そんな能力持ちがいるのか。それは引き抜かないとなぁ。アミッド、ミアハに向かうぞ。付いてこい!」

 

「おい、待て!話が終わっていないぞ」

 

ディアンとアミッドが出て行ってしまった。揉めそうだなぁ…

 

 

 

---シュウ---

 

気持ち良くうたた寝をしていたら、起こされた。

 

「どうしたんだ?」

 

「下で揉めてます」

 

アルテミスが説明してくれた。はぁ?誰と揉めているんだ?階下に降りていくと、ディアンとミアハが揉めていた。

 

「ミアハ、どうしたんだ?」

 

「あっ、シュウ様。ディアンがシュウ様を引き抜きたいと」

 

「お前か、再生能力持ちのヒーラーと言うのは。こんなつぶれそうなファミリアでなく、ウチのようなデカいファミリアに来い。これは命令だ」

 

はぁ?意味わかんない。

 

「おい、アミッドを置いて出て行け!」

 

「貴様、神である私に命令をするのか?」

 

「たかが、医療系ファミリアの分際で、ヘスティア・ファミリアにケンカを売るのか?」

 

「たかが…だと…貴様、言っている意味が分かっているのか?」

 

怒り心頭のディアンケヒト。

 

「ミアハ、迷惑をかけて済まないなぁ」

 

「いえ、これくらい、なんともないです」

 

僕が出て来たことで、少しほっとした表情のミアハ。

 

「おい、ディアン、上に来い。ここではミアハに迷惑だ」

 

ディアンとアミッドを、僕らのホームに誘い込んだ。これで、ミアハには迷惑を掛けないし、逃げ場もない。僕らのホームに入った瞬間、ディアンは立ちくらみを起こして、座り込んだ。

 

「どうしたんだディアン。医療系のボスにしては、不健康過ぎだろ?あれっぽちの階段を上がっただけで、立ちくらみとはなぁ」

 

忍、オーフィスがディアンにだけ、プレッシャーをかけていた。

 

「で、僕を引き抜くのに、見返りに何を用意してきたんだ?アミッドだけってことではないよな?」

 

『引き抜く』という言葉に反応して、アルテミス、アテナ、イシュタル、フレイヤもプレッシャーを掛けていった。

 

「なんで、こんなに空気が重いのだ…」

 

「欲張り過ぎなんだよ、お前は昔からなぁ」

 

怒気を含んだ言葉を投げたアテナ。

 

「アテナ…どうして、ここにいるんだ?えぇ~?アルテミス、ヘスティア、イシュタル、フレイヤだと…」

 

「はぁ?どうして…愚問だよ、ディアン。私達の主神を引き抜く?ふざけるなよ!」

 

「どうします?」

 

アルテミスが、僕に意見を求めている。

 

「送還しちゃうかな…アミッドよ、コイツがいなくても医療は続けてられるんだろう?」

 

「えっ!はい」

 

突然、意見を聞かれて、ビックリしたような返事のアミッド。目の前のディアンを天界に送還した。

 

「消えた…」

 

アミッドは主神の姿が突然消えたことに驚いていた。送還と同時に恩恵は消えるので、『洋服崩壊』を唱えて、アミッドを全裸にすると、役割の分かっている三処女神達が恩恵を与えた。それから『洋服再生』で、アミッドの服を元に戻した。

 

「これで、アミッドも、ヘスティア眷属だ。ディアン亡き後の医療系チームの責任者にするので、がんばってくれ」

 

「え?」

 

目が点状態のアミッドに、アスフィが説明をしてくれている。僕は、階下に降りて、ミアハにディアンを送還したことを伝えた。念話でメイビスに、ディアンの資産はヘスティアが引き継ぐことを伝える。

 

「ディアンを送還したのか?アミッドはどうしたんだ?」

 

「ヘスティア・ファミリアに改宗したよ。男神が、ヘスティア・ファミリアのホームで勝てる訳ないだろう?三処女神が揃っているんだからねぇ」

 

「怖っ」

 

ミアハの顔が引きつった。

 

「ディアンケヒトの資産は、ヘスティア・ファミリアで引き継ぐから、この街の医療環境は良くなると思うよ」

 

 

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