---シュウ---
ロキ・ファミリアのホームの強制移転期限が、明日に迫っていた。ロキは眷属達と共に、立てこもりを選択して、移転を拒否する構えだ。
「どうするんだい?僕の親指に震えがないから、問題は無いみたいだけど」
フィンが尋ねてきた。
「あぁ、方針は決めたよ。でも、なぁ…好みでない女とヤルというのは…はぁ…気乗りしないよ~」
ロキに悪夢を見せるために、ロキとヤろうと思うのだが、気乗りしない僕であった。
「シュウは女なら誰でも良いんじゃないのかい?」
苦笑い気味のフィン。
「大抵の女は大丈夫なんだけど…ロキは…あそこまで平らな女は初めてだよ」
女性なら多少の膨らみがあっても良いんではないかと思うのだが、ロキは…あぁ、考えただけでも鳥肌が…
「それがロキにとっての悪夢になるのかい?」
「たぶん、ロキは隠れ処女神だと思うんだ。無類の女好きの僕がこの状態だよ。誰が、ロキの処女を奪ったっていうのさ?いるなら、会ってみたい。ヘスティア達にも確認したけど、隠れの可能性は大だそうだ。今夜、悪夢を見せて、あの土地は頂くことにする」
「どうやって移転させるんだい?」
興味津々で尋ねてきたフィン。
「建物ごと、壁の向こうへと強制転移させる。そして、空いた土地に僕達のホームを建てる♪」
「建物ごとかぁ…中にいる者が気づかない間に、街の外へ追いやるのかぁ」
半ばあきれた顔になっていたフィン。
「戦って奪うのは、スマートじゃないだろ?」
◇
夜中…日付が変わって、移転期限になったロキ・ファミリアのホームの前に立つ僕。ツヴァイを召喚して、彼女と融合して、大規模な転移魔法陣をホームの真上に展開して、発動した。消え去るロキ・ファミリアのホームの建物。次に地面に転移魔法陣を展開して、僕達のホームとなる建物を転移させた。これでいい。ツヴァイに感謝の言葉を伝えて、ツヴァイに帰還してもらった。
そして、ロキの部屋に転移した僕。
「なんや、お前…」
ロキの怒りの含んだ声が聞こえた。
「僕は悪夢の道化師。ロキに悪夢を、お見せしにきました。ふふふ」
「悪夢やと?何をほざいとんの?」
ロキの四方から、ロープを発生させて、「大」の次にロキを固定した。
「おい、何をするんや?」
僕は無言で、ロキの纏っている衣類を剥いだ。
「ほぁ、ここは普通の女神と同じみたいだね。安心したよ」
正直な感想をロキに伝えた。
「おい、こんなマネしてタダで済むと思うなよ」
ロキにとって、たぶん唯一の女性的な部分を可愛がる。
「おい、やめれ~おい…あぁ…やめ…あぅ…」
声が所々女性的になってきた。
「なんだよ。艶めかしい声も出せるんだな。安心したよ。ふふふ」
身を捩り、艶めかしい声で喘ぐロキ。
「どうしたの?いつものロキはどこに行ったのかな♪」
「やめっ…あぅ…いやっ…やめてぇ~」
ただの女神になってきたみたいだ。
「これから、ロキの開通式をします」
ぎょっとした表情になったロキ。隠れなんだね、やっぱし。
「もう少し濡れたら、開通してあ・げ・る♪」
「いや、女神は…神と…英雄としか…交われんだ。お前とは交われる訳ないわ!」
「試したことあるのかな?」
「それは…」
「都市伝説かもしれないだろ?ロキで試してみるよ。隠れ・しょ・じょ・しん・さ・ま♪ふふふ」
ロキの顔が引きつっていた。
「なぁ、待て…話をしよう」
「なんの話をだ?今更、話し合いの余地はないぞ。今日が期限だしねぇ」
ロキとの会話中も、ロキの秘部を可愛がり続けた。
「いやなぁ…あぅ…移転の件だが…はぅ…考えても…あぁん…」
「はぁ?考える時間は充分に与えたはずだが。今から考えるのか?有り得ないな」
おぉ、やっと暖かい液体が湧き出て来た。準備OKだ。僕は性欲器官を準備した。そして、ロキの入り口にあてがった。
「準備出来たみたいだし。開通式を始めようと思う。少し痛みが走るかもしれないが、それが開通した証だ」
「なぁ、頼むさかい、やめてもらへんか?」
ロキが言い終わると同時に、挿入してピストン運動を始めた。興奮してだろうか?大きくなった乳首が上下に動いている。乳房と思われる箇所は微動だにしなかった。
「あっ、痛っ…逝く」
もう至ったみたいだ。開通の儀式は終わった。ロキの拘束をといて、その場に横たえて、みんなの待つホームへ転移した。
◇
翌日、自前のホームに引っ越しした。これまでお世話になった、ミアハにお礼を言って、握手して出て来た。
「住み慣れたホームをここに持ってきたのか」
こことは違う世界のオラリオで使っていた、お店兼ホームをこの世界に持ち込んだので、フィン達にとっては住み慣れた我が家みたいなものだ。あと、ヘスティアとベルも連れてきたので、この世界のヘスティアとベルを同化吸収した。この世界の元々のヘスティアはオドオドしすぎていた。なので、強気なヘスティアを連れて来たのだった。
「これが同化吸収なのね。少しレベルアップしたみたい」
ヘスティア、ベル共に喜んでいた。
「役割としては、以前と同じ感じで行こうと思う。ヘスティアとフィンは店番を頼む。ベルとアイズは探検だな。拠点は置いていないので、ここに帰って来られる魔法陣を渡しておく」
アイズに魔法陣を描いた羊皮紙を、手渡した。
「ベルとアイズの課題は、二刀流だ。同化吸収したベルには、スキルも同化しているので、そこそこ行けると思う。鍛錬を重ねてみてくれ」
「「了解です」」
ヘスティアが二人にお弁当を手渡し、出掛けた二人。
「オッタル、アイシャはそれぞれの主神との連絡と、街での情報を集めてくれ」
頷いて出て行く二人。
「私達は?」
元処女神の二人は…
「春姫と一緒にオーフィスと忍の世話を頼む」
2階に上っていく二人。これで全員かな?お店で戸惑っているアスフィに、仕事の内容を教え始めたヘスティア。そうだった。アスフィは同化させていないかったな。
「ねぇ…私は?」
うん?あぁティオナを忘れていた。こいつも同化させてなかったもんな。
「どうしたい?」
「もっと強くなりたい」
「地下のトレーニングルームで、鍛錬しておいで。フィン、使い方を教えてあげて」
フィンがティオナを連れて、地下へと降りていった。僕はホームとなった土地を見回るために外に出た。そこにエイナさんがやってきた。
「無事に移転できたんですね」
「無事かどうかは、今後どうなるかによるかと。建物ごと強制転移させちゃったから。ははは」
驚いた表情のエイナさん。
「建物ごとですか…では、その建物はどこに?」
「街の外に…怒鳴り込んで来ないところを見ると、気づいていないのかもね」
たぶん、眷属は大騒ぎだろうな。建物の外に、街を囲む壁が見えるんだから。
「気づかないなって…あり得るのかな?」
エイナさんは不思議がっていた。まさか、ロキに悪夢を見せたとは言えず、
「ロキはヨッパで話にならないのかもね」
と、濁した。それに納得したエイナさん。
「そんな主神では、眷属の皆さんがかわいそうですわ」
いや、それはそう思う。今回の悪夢で酒を止めてくれないかな?
「ホームの建物に対して、広い庭になりましたね」
100名規模のファミリアが使っていたから、空き地が多くなるよな。
「いや、付属施設を建てる予定です。今日は疲れたので、また今度作ります」
何ができるか興味がある表情のエイナさん。
「まぁ、出来てからのお楽しみで」
---レフィーヤ---
朝、目覚めると…そこは街の外であった。え?なんで?ギルドによる強制退去期限な今日、すでに建物ごと退去されていた。ファミリア内は大困惑である。どうやれば。こんなことができるのだ?神の力ってこんなに凄いのか?色々な意見や説が行き交っていた。
ファミリアの上層部である、私、アキ、ラウル、ティオネと、主神ロキの部屋に向かった。が、部屋には珍しくカギがかかっていて、入れなかった。
「ロキ、いるんでしょ?開けて!」
アキがドアをノックしながら、叫んでいた。でも、一向にドアは開かなかった。
「開けないなら、ぶち破るぞ!」
と、ティオネ。すると、ようやく返事があった。
「待ちぃ!もう少し経ったら開けるで。今はアカン…ごしょうやから、アカンぞ」
何かがあったようだ。私達に知られては、いけない何かが…
「何があったの、ロキ!」
「なんもない。が、しばし、待てぇ~」
しばらく待つと、顔を赤らめたロキが現れた。ヨッパでの赤ら顔ではなく、のぼせた感じの赤ら顔であった。
「どうしたの、ロキ?」
「なぁ~んも、あらへん。どないしたんや?」
いや、何かあったのは確かだ。おかしい。うん?ロキの胸…膨らみがあった。いや、膨らみというには語弊がある。単に乳首が大きくなっているみたいだ。何をしたの?
「胸、どうしたの?」
胸を両手で隠すロキ。
「なんもあらへんよ…」
俯いたロキの耳が真っ赤だった。
「おかしいよ、今朝のロキ。昨晩、何があったの?」
「うっ…うぇ~ん」
突然、泣きくずれたロキ。ティオネが抱き抱えた。
「アキとラウルは下がって。私とレフィーヤで事情を聴くから」
頷いてこの場から離れる二人。私とティオネとロキで部屋に入った。
「で、何があったの?ロキ!」
「うっうっ…処女を奪われた…知らん男に…隠れ処女神としての誇りが…うっうっ」
「「はぁい?」」
私とティオネが仰天した。え?ロキって隠れ処女神だったの?それはそれで誇れることだよね。でも、酔いどれ、悪態で相手にされなかっただけでしょ?って思ったり。
「誰に奪われたの?」
「ヘスティア・ファミリアの見かけん顔の奴に…女神は神か英雄としか交われないって、都市伝説だったんや~うっうっ…」
ほとんど無名の男に、ヤラれたってこと?それはそれでショックだよね。
「その男はどうやって、ここに侵入したのかな?戸締まりはされていたわ」
ティオネの言う通り。夜襲に備えて、戸締まりはしっかりしたはず。
「その男が、この事態を起こしたんだわ、きっと」
この事態とは、建物ごと街の外に出されたことだ。そうなると、大魔導師クラスだ。普通の魔法使いでは、こんなことはできない。でも、そこまでの男なら、無名のはずはないよなぁ。何者なんだろうか?
ドアがノックされた。
「ヘルメスだ。入っていいか?」
ロキを見ると頷いていたので、ドアを開けた。ヘルメス様が入って来た。
「ラキアからオラリオを目指して歩いていたら、ロキの館が見えたのには驚いたぞ。何があったのだ?」
ティオネが、ヘルメス様に状況を説明した。
「そうか…ヘスティアの所にいる男の仕業だ。俺もラキアに強制転移させられたんだ」
ヘルメス様が?
「アイツは、大魔導師クラスだ。いや、神かもしれない。ヘスティアの主神だと言っていたから」
「アイツは神なん?」
ロキが突然、口を開いた。
「その可能性はある。ウラノスとディアンが消えたのも、アイツの仕業みたいだ」
「神なんや…神が相手をしてくれたんか」
処女を奪った相手が神かもしれないと知ると、なにやら喜んでいるロキであった。
「これから、どうする?俺は、アイツに会うが」
「私もお供しても良いですか?ティオネは、ロキの傍にいて。正気に戻るまで」
「わかった。気を付けろよ、レフィーヤ」
「ヘルメス様が一緒だから、安心よ♪」
そして、ヘルメス様とオラリオに向けて、歩き出した。