---シュウ---
今、僕の世界のエデンの園にいる。この場所を管轄している大天使のサマエルの許可を取り、チームオラリオのみんなと、湖の近くの草原の一角を掘っている。掘り終わると、僕と、フィン、ティオネ、ティオナ、アイズ、レフィーヤと共に、偉大なるハイエルフの彼女の寝ている棺を、穴の中に静かに置いた。それから、皆で土を被せて、小盛りの山を作り、十字架を立てて、花の種を蒔いた。
僕は、十字架の前に立ち、祝福の聖剣を両手で頭上に掲げて、黙祷して、祈る。
「偉大なるハイエルフのリヴェリアよ。この地に眠り、平穏を得よ。汝の魂はいつでも僕達と有る。喜び、怒り、哀しみ、楽しみを共有し、僕達と共に歩み続けるだろう」
と…
この儀式に、ここの天界に属する、サマエルを始めとするセラフ、エンジェル達全員が集い、僕と共に祈りを捧げてくれた。彼女の苦しみ、憎しみなどの闇の炎を消す為に…
儀式が終わり、僕はサマエル達に礼を言い、仲間と共に本拠へと帰る。
◇
僕の展開した魔法陣は、リヴェリアと共に魔力を注ぎ込み、発動した。悪しき心を持つ者、道を踏み外した者をそれなりの生物に転生させ、犠牲になった者達の魂の闇の炎を浄化し、それ以外の者には何らかの祝福を与えた。
街全体が黄金色に輝き、光の粒子となった浄化された魂は、天国へと昇華していく。
「きれい…」
窓から様子を見ていたレフィーヤが呟いた。街全体から、いつもの空気を感じてから、僕達はこの世界を後にした。リヴェリアと共に。
◇
本拠には、フィンの奥方の転生小人族のリヴェリアが産休していた。僕とフィンの二人で、彼女が待つ部屋に向かう。彼女が転生小人族になった理由は、フィンが同族の子供を欲しがっていたから。子供に理解する力が備わったら、ハイエルフに戻す予定である。
「リヴェリア、儀式は終わった。これから、魂の同化吸収をしていく。心の準備はいいかな?」
僕は、彼女に問うた。
「いつでもどうぞ。私に私が入るんでしょ?身構えることは無い」
笑顔の彼女が答えた。
僕は僕の魂に寄り添っているリヴェリアの魂を招魂した。優しく手の平に載せ、呼び出した魂を見つめる。
『ありがとう♪』
と、魂が僕に念話を送ってきた。
『こんな結末になって、ごめん』
僕も魂に念話を送る。
『あなたと出会えてよかったわ。もっと、あなた達と冒険がしたかったなぁ』
僕は彼女の魂を、フィンの奥方のリヴェリアに入魂させて、吸収同化をさせていく。目の前のリヴェリアの表情は、穏やかだった。そして、
「彼女の記憶を受け取ったわ。子供が預けられる位になったら、私も冒険に行きたい。ねぇ、シュウ♪」
「あぁ、共に冒険に行こう」