※この作品はR-18です。

神器なき男 (再編集版)   作:もっち~!

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過去から生き続ける想い

 

---シュウ---

 

自分の部屋に帰り、分身を吸収して、記憶を読み取っていく。特に変わったことは無いみたいだ。

 

デュリオ兄ちゃんの能力で、読み取った秋子さんの記憶を封じ込めた玉を、僕の身体に取り込んで、これも読み込んでいく。

 

あゆは、7年前に祐一と遊んでいる最中に大けがをして、今も病院で意識不明なようだ。秋子さんは、あゆの事を知っていた。でも、祐一に言い出せないでいた。娘の名雪の祐一に対する想いを知っていたから。知らせれば、祐一が名雪を放って、あゆの元に行ってしまう可能性があるから、言い出せないでいた。

 

祐一は、あゆの事故により、記憶障害を起こしていたようだ。あゆの事故よりも以前に、やはり一緒に遊んでいた女の子が事故で怪我をしたらしい。2度の体験で、祐一の心は記憶を閉ざすことを選んだようだ。

 

名雪は、その二人の事を知っていた。名雪とは友人ではないけど、祐一と一緒にいるジャマ者という認識だったようだ。祐一の前では、応援をする振りをして、裏では二人のことを呪っていたようだ。

 

さて、どうするかな?たぶん、名雪には、呪いの報酬的な悪夢が降りかかると思う。これは実際に起きないと、対処は出来ないので、後回しだな。まず、あゆからにするか。僕は、分身を再度出して身代わりを頼み、あゆの元へと向かった。

 

◇

 

あゆはベッドに横たわっていた。あゆの周囲には色々な機械があり、あゆに向かって大量のチューブが伸びていた。所謂、植物状態で生命維持装置が無いと生きていけないのだろう。7年間もこの状態なのかぁ…

 

あゆに手をかざして、容体をみてみる。身体に異常はない。ただ…心を閉ざしていた。固く…絶対神様の心でも読める僕ですら、あゆの心が読めない。どうしたものか…そうだ、魂はどうなっているのだろうか?

 

あゆに魂はあった。あったけど、魂の記憶も読めない。なんでだ?出逢ったことのない事象に、僕は戸惑った。しばし考え込み、結論を出した。心と魂が分離して、記憶と想いを持ち出して、あの姿で街を彷徨っているってことだろう。だから、閉ざしていて読めないのではなくて、ここにはないってことだ。では、どこに?

 

闇に溶け込んで消えたあゆの分離体…きっと帰ったんだ。どこに?…祐一との想い出が残る場所か?…事故現場かぁ。僕は事故現場に向かった。

 

◇

 

事故の起きた現場は、大きな木を切り倒したと思われる切り株がある森だった。切り倒したと思われる大きな木から、落ちて怪我を負ったあゆ。事故を目撃した祐一は、森から出て助けを呼びに行き、二度とあゆとは再会できなかった。その日は、祐一が帰宅する日であり、秋子さんが救急車を呼び、そのまま祐一を駅まで送り、列車に乗せてしまったのだった。秋子さんの心にも、その事がダメージとして残っているようだ。祐一への申し訳ない気持ちと、娘の願いを叶えさせたい気持ちの板挟みの状態のようだ。

 

僕は祝福の聖剣を頭上に掲げて、大きな切り株に向けて、念を送った。

 

「あゆ、一緒に旅に行かないか?この世界では、君は救えない。一緒に祐一を探さないか?」

 

念を送った直後、切り株にランドセルを背負ったあゆが現れた。

 

「祐一君、どういうこと?」

 

僕は、あの日以来、祐一が現れなかった理由、祐一が事故にあったこと、魂がロストしたことを伝えた。

 

「そ、そんなぁ…では、貴方は?」

 

僕は本来の姿に戻り、天使の翼を展開した。

 

「天使…天使なんだね。ボクを迎えに来てくれたんだね」

 

正確には天使ではないけど、頷いた僕。

 

「君は君として、僕と一緒に旅をしてもらう。病院の君は、君の記憶を除いて、意識を覚めさせる。魂も分離した状態で、2つとも生きさせる」

 

「そんなことができるんだね」

 

僕は、あの日祐一が、あゆに渡せなかった赤いカチューシャを渡した。

 

「祐一君、約束を守ってくれていたんだね。あの日以来、大事に持っていてくれたんだね」

 

カチューシャを抱きしめて、泣き始めたあゆ。しばらく、泣き続けた後、

 

「この赤いカチューシャは、病院のボクにプレゼントして。ボクはこのカチューシャから祐一の想いを受け取ったから、もう必要ないよ」

 

顔をあげたあゆは涙で濡れて、目が腫れぼったかったが笑顔だった。

 

「じゃぁ、先に行って待っていてくれ。ボクはこの世界で、もう少し仕事があるからね」

 

頷いたあゆを、ベースキャンプに転移させた。そして、病院に戻り、ベッドに横たわっている月宮あゆの頭に、赤いカチューシャを装着。その瞬間、それが引き金となり、表情に生気が戻り始めた。機械から音がしだし、廊下から慌ただしい音がしてきた。僕はその場から静かに転移した。

 

白音から連絡があり、夜の学校から攻撃的なオーラを感じたそうだ。僕は、学校へと向かった。そして、祐一の姿に変身した。

 

学校の敷地に入ると、ガラスの割れる音がしていた。音のするほうへと走る。

 

一人の少女が剣を持ち、闇の魔物と戦っていた。僕も闇の魔物を狩りに行った。何匹か屠ると少女から声をかけられた。

 

「祐一…助けに来てくれたんだね」

 

誰だ、この子?もしかして、10年前の女の子?名前は…確か…川澄舞だっけ。

 

「舞…遅くなってごめん」

 

僕は何かに引き寄せられるように、彼女に口づけをした。すると、闇の魔物達は彼女の身体に吸い込まれていった。なんで?口づけをしたまま、彼女の身体をスキャンした。すると、魔物正体がわかった。彼女が祐一を想う心のようだ。魔物に襲われていれば、いつか祐一が助けに来てくれると思ったようだ。

 

思いをとげた彼女の顔は笑顔だった。壊れた校舎を再生して元通りしにて、彼女を抱きしめて、彼女から祐一の記憶を消していく。祐一が事故死したと知ったら、何をするかわからない能力持ちのようなので…完全に消し去ると、彼女はすやすや寝てしまった。どうするかな?そうだ…彼女を保健室のベッドに寝かせた。

 

そして家に帰り、分身を吸収して、長い夜を終えることにした。

 

◇

 

翌朝、途轍もない爆音で目が覚めた。なんだ、この爆音は…音源を辿っていくと、名雪の部屋からしているようだった。部屋をノックして、部屋の中に入ると…はぁ?なんというか、おびただしい数の目覚まし時計が一斉に鳴動していた。で、持ち主は、爆睡していた。爆睡に関しては、リアス達の夜這いに気づかない僕ですら起きる爆音なのに…なんだ?この生物は…

 

まず、目覚まし時計を停止させる。中には止め方のわからない時計もあったので、電池をはずすことで、止めていった。それから、名雪を揺すってみる。起きないなぁ。布団を引っぱがしてみる…おい、全裸だと…この爆音で起き無いとなると、多少のことでは起き無いってことか?

 

乳首を舐めながら、股間に指を這わすと、眠りから覚める様子も無いのに、色々な物が立ち上がり、そして、濡れていった。前か侵入をして、身体を味わっていく。

 

初めての経験のはずなのに、身体の中はこなれていた。新品感が余り無い。セルフプレイをしすぎているのか?

 

アレコレとするほど興味が湧かなかったので、制服を着せていく。う~ん、どうして女子のパンツはこんなに小さいのだ?履かせにくいのでパスだな。ブラ…これもパスでいいかな。靴下は履かせておくか。って、感じで、どうにかこうにか、名雪に衣類を着せて、階下に連れて行く。

 

「祐一さん、名雪の目覚まし係をお願いしたいわ」

 

秋子さんに喜ばれた。毎朝、こんな感じらしい。で、秋子さんにどうやって起こしているのかを聞くと、「祐一さんが来たわよ」っていうと、起きて身支度を素早くするらしい。どんだけ、祐一好きなんだよ、名雪は…

 

「あ…まだ…春休みだよ、祐一…始業式の日から…目覚まし係を…お願い…」

 

って、テーブルに座り、寝てしまった。はぁ…

 

「祐一さんがいらして、昨晩は興奮しすぎて、夜更かししたみたいだわ」

 

「昨晩、相手をすれば良かったですか?」

 

「まだ高校生なのに、おませですね、祐一さんは」

 

いや、そういう意味で言った訳ではないんですが…この親子、発想がおかしい気がする。

 

目の前に焼きたてのトーストが置かれて、大量のジャムの入った瓶を置かれた。この親子は大量好きなのか?瓶の蓋には、何のジャムかがマジックペンで書かれていた。しかし、1つだけ何も書かれていない瓶の蓋を見つけた。何だろう、これは…蓋を開けて臭いを嗅ぐと、なにやら生臭いんですが…オレンジ色でこの臭いの生物って…まさかなぁ…この世界にいないはずだよな、スライムベスは…ははは

 

パンに塗って、丸めて、名雪の口の中に放り込んだ。所謂、毒見ってやつだ。

 

「祐一…ひどいよ~…拷問だよ…」

 

そっち系の味なんだね、名雪。僕は蓋を静かに閉めた。名雪は口に入った物を出せずに、牛乳で胃の中に流し込んだようだ。味わったら負けなんだな、あのジャムは…

 

僕は、レモンマーマレードでパンを食べた。

 

「名雪、休みなんだから、後片付けをよろしくね」

 

って、秋子さんが出掛けていった。

 

「秋子さんは?」

 

「仕事だよ…あぁ、味が舌に…」

 

後味も残るのか…危険だな、あのジャムは。

 

「今日はどう過ごすの?」

 

流しで洗い物をしながら、名雪が訊いてきた。

 

「名雪と二人かぁ…名雪は何をされたい?」

 

「えっ?えぇ…っと…」

 

何か言いづらいことをして欲しいようなので、

 

「僕は部屋に戻るよ。誰かの目覚ましで起こされたんで、眠いやぁ」

 

と、自分の部屋に戻った。

 

ここまでに4つクリアした。課題は全部で5つだ。あと1つは誰だろう?秋子さんの記憶にはそれらしい者の情報はなかったし…そうなると、秋子さんか名雪なんだろうな。この家にも二人にも、不穏なオーラとかはなかったし。う~みゅ…

 

ドアがノックされて、名雪が入って来た。

 

「祐一…お母さんが事故に遭ったって…」

 

へ?念話で白音達に状況を確認してもらうように指示を出した。

 

「今、出て行ったばかりだよな…」

 

「通りで、車にはねられたって…どうしよう、祐一」

 

僕に抱きついて来た名雪。どうしようって…ノーブラ感が気持ちいいけど…

 

「病院はどこだ?」

 

「中央病院だよ」

 

この街で一番大きな病院だな。あゆが入院している…

 

「とにかく、病院に行こう」

 

名雪と共に、病院に向かう。病院に着くと、受付で秋子さんの居場所を聞くと、手術中だそうだった。名雪と二人で、手術室の前で待つことにした。

 

白音から状況報告が念話でもたらされた。

 

『不可思議です。秋子さんがはねられたのは事実なんですが、車にではないようです。得体の知れない何かみたいです。近くの監視カメラなどもチェックしたのですが、加害者が映っていませんでした』

 

うん?微量であるが、何かが名雪に吸い込まれていった。こいつか?でも、なんで?手術室の前にあるベンチに座っている僕達。僕は名雪の肩に腕を回すと、名雪の頭が僕の肩に乗った。

 

『これで祐一と二人っきり…うふっ♪』

 

名雪の心の声が聞こえた。まさか、コイツ…祐一と二人っきりになる為に、自分の母親にも呪いを掛けたのか?僕は、ギャスパーに名雪の部屋の捜索を依頼した。呪い関連の物を探してもうらうことにした。

 

手術の様子を見る為に、この場を分身にまかせて、僕は手術室に潜入した。

 

のだが…手術室には秋子さんがいるだけだった。医者も看護師も誰もいない。なんで?僕は回復魔法で、秋子さんの怪我を治していく。

 

ギャスパーから、物証を見つけたと念話で報告がきた。名雪の心は病んでいたようだ。僕は、名雪の前に戻った。分身は吸収したので、肩にもたれかかっていた名雪がベンチで倒れた。

 

「痛い…あれ?祐一は?…あなたは誰?」

 

 

 

 

 

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