---有栖---
祈祷部屋に入ると、雰囲気からだろうか、栞はソワソワしていた。
「ねぇ、有栖…」
姉の香里が僕に抱きつき、唇を奪う。僕は香里の行動に合わせて、香里の身体を愛していく。妹にどういう事をするかを教えているようにも見える。姉の、たぶん栞の知らない姉の姿を見て、固まる栞。逆効果みたいだ。
香里もそう感じたのか、僕から離れ、栞の唇を奪い、耳タブを撫でて、胸を揉んでいる。
「あっ…おね…え…ちゃん…」
顔を紅潮させていく栞。僕はそんな姉妹プレイを間近で見て、ムラムラ来てしまった。栞を押し倒して口への攻略をしつつ、妹の服を脱がしていく姉。そんな姉の背中から耳を攻略しつつ、服を脱がせていく僕。
そして、妹の身体を味わう姉を後ろから交わる僕。栞も香里も全身が紅潮しているようだ。血行が良さそうだな…などと思いながら、香里の体内への刺激をし、達した頃合いでエナジードレインをした。力尽きた姉を退かして、妹の攻略に入る。
「いい?」
小さく頷く栞。香里の与えた刺激により、準備が出来た栞と交わった。まだ、狭い為なのか、痛そうな彼女。
「止めようか?」
「いいの…続けてください」
涙目の栞に促された。それなら…膜を破る。痛そうな顔な栞。だけど、徐々に刺激を愉しめるようになったのか、痛々しかった声が甘い喘ぎ声へと変化していった。
栞の内部に入り、彼女の内側からの探りも入れる。身体自体に異常は無いけど、僕と交わったことで、呪いが消えた可能性もある。僕と交わるって、そういう関係になるってことだから、これで栞は祐一とは関係を持たない可能性が出てくる訳で。
栞も達したようなので、エナジードレインをして、その加護として、僕の聖魔系のオーラを流し込んでおく。それから、栞のバージンブラッドで契約書を作成して契約を締結させた。
「どうだったの、有栖?」
まだ余韻を愉しんでいる表情の香里に尋ねられた。
「う~ん、僕と交わったことで、呪いが消えたかもな…これで、対象とされる男子との関係は薄くなると判断されるだろうし」
「しばらくは、様子見?」
「そうなるね。契約は結んだから、変化があれば分かる。今後は僕が突然現れても問題ないだろうし」
「妹の所に行ったら、私の所にも来てね?」
香里がモジモジしながら、僕に言った。
◇
翌日、学校に行くと、校舎の窓ガラスが割れていた。1枚2枚ってもんでなくて、大量に。校舎内から割ったようで、校舎側の地面には割れたガラスが散らばっていた。
「夜中に誰かが侵入して、割り廻ったらしいぞ」
っと、北川が説明してくれた。窓ガラスの割れている廊下には、式神のいた痕跡が残っていた。誰かが式神と戦った可能性が大きい気がする。栞を呪う必要がなくなった分、他の誰かへの呪いを強めた可能性もあるよな。
「有栖、これって?」
香里にきかれた。
「たぶん、栞を攻めることを止めた呪いが、他の誰かに襲い掛かったのかもな」
っと、応えた僕。
「そう…私も調べてみるわ。妹を助けてもらったんだもの」
「危ないから…無理しないで」
「心配してありがとう、有栖♪」
頬を赤らめた香里。それを見た北川は
「朝から何をしているのかな、お二方は、むふふふ」
っと、いらん妄想をしている。スルーしておこう。
「え~、何か反応してくれよ~有栖、香里!」
◇
放課後、いつもの帰宅部のメンバーと帰る。
「今日こそは有栖の家に行きたい」
っと、食い下がる北川。う~、どうしよう。
「私も行こうかな♪」
って、香里。う~、どうしような。そして、いつものたい焼き屋の前で佇む。集合場所ってことではないが、ここに居ると逢う気がするから
「ありすぅ~」
いつもとは違い、あゆさんと栞にタックルされて、尻餅をつく僕。
「栞…元気そうだな」
「うん♪」
頬を赤らめる栞、それを暖かい目で見守る香里。
「アイスで良いのか?」
「うん♪」
栞にアイス、香里、あゆちゃん、あゆさんにたい焼きをプレゼント。
「今日も無しかぁ~」
懲りずに悔しがる北川。そして、僕達の家に帰る僕達。
「やっと、連れて来てもらえ…」
ドアを入るなり、固まる北川。その額にはボールペンが刺さっていた。あぁ、ついに刺しちゃったよ~、この人は…
ボールペンを刺したまま、どこかに行こうとするひたぎさん。
「どうするのよ、これ?」
「いや、まさか、刺さるヤツがいるとは」
声に動揺が見られるひたぎさん。北川の額からボールペンを引き抜いて、回復魔法を掛けておく僕。あゆさんも協力してくれて、額の怪我を治していく。
「骨には刺さっていないみたいだな。ボールペンが刺さるような骨だと、それはそれで問題はあるけど」
と、ぼやきながら、北川をリビングに横たえておく。
「で、栞、護符はどうかな?」
栞から護符を受取りチェックをする。新たに攻撃はされていないようだ。やはり、交わることで、呪いは消えたのかな?
「問題が無いみたいだけど、もうしばらく持っていてね」
っと、栞に手渡す。
「あゆちゃんは、その後大丈夫かな?」
「大丈夫です♪」
「問題は、次に誰が襲われているかだな。伊豆湖さんは、何か判りましたか?」
最近、よく来る伊豆湖さんに情報が無いかを確認した。
「式神の紋からは、追えなかった。地物の陰陽師かもな。この地域に根付いた信仰から、産まれた術師の可能性も有るな」
この国は八百万の神がいるので、さすがの伊豆湖さんも、把握しきれていないようだ。まぁ、末端の神だと、無理だよな。
「月宮神社に来る者の数が少ない気がする。この辺りでは、隠れて何かを祀っている可能性がある。それが何かだな」
「この辺りでめぼしい場所は、ものみの丘くらいかな?」
あゆちゃんが呟いた。
「あと、あゆちゃんの落ちた大木か?」
「あの大木は、関係ない。呪いを受けて折れたんだろ?祀られていたら、そう簡単に折れない。ものみの丘は、霊的なスポットではある。そうなると狐か?真琴、心当たりはあるか?」
伊豆湖さんが真琴さんに質問した。
「う~っと、私みたいに人間になる狐が多いみたいです」
「人間に恋する狐か…狐の嫁入りとかあったのかな?」
あれこれと浮かんだことを口に出す伊豆湖さん。
「でも、短命なんですよね?で、記憶も無くなるんですよね?」
「有栖、それは違う。私は祐一のことだけは、忘れなかった。祐一の名前と魂だけは、忘れていなかったんだよ」
っと、真琴さん。そうだよな、それだけの記憶で…いや、魂はロストしていたんだよな。
「ねぇ、真琴さん。お父様と出会った時、祐一の魂はロストしていたはずだけど?」
疑問を口にした僕。
「あぅ…じゃ、なんでだろう?なんで私は、祐一として判別したんだ?」
真琴さんが悩み始めた。
『有栖、鈴付きのキーホルダーだよ』
って、お父様から念話が届いた。
「ねぇ、真琴さん。鈴付きのキーホルダーは?」
「あぁ…そうかも。コレに想いが宿っていたのかもしれない」
真琴さんがポケットから、大事そうに鈴付きのキーホルダーを出した。鈴を鳴らすと、ピロが寄ってきた。これだな。
「大事な想い出が残るのか。そうなると…」
伊豆湖さんが何かを考え込む。
「もしもだよ。短命ではなかった人化狐がいるとすれば、その霊力は計り知れないものだ。そいつが主犯かもしれないな」
と、考え込んだ結果を話してくれた。
「動物霊で一番霊力が強く、九尾の狐にまで登りつめると、軍隊をも倒す力だ。もしそうなら、厄介だぞ、有栖」
「九尾の狐?うん?僕の伯母さんが九尾の狐ですけど。呼びますか?」
鬼門九重…お父様の父親の再婚相手が九尾の狐なのだ。で、その娘さん、要するにお父様の義理の妹が九尾の狐の娘さんになる。
「家族におるのか…まったく、あの男の家族構成は無茶苦茶だな」
って、感心しているような、呆れているような伊豆湖さん。
『真琴が対抗できる』
っと、お父様から再び念話が届いた。
「あぅ…九重さん、白音さんに仙術は習いましたから、防御はいけると思います。攻撃はどうしましょう?」
「攻撃は、僕と伊豆湖さんで対応かな?ね、伊豆湖さん」
「そうなるな。このチームだと」
問題は、学校の窓ガラスを割った犯人というか、式神に襲われた被害者を、どうにかしないと。
「う…ここは…」
呻きながら起き上がった北川。そういや、いたんだ。
「僕の家だけど、北川」
周囲を見渡す北川。
「おぉ、かわいいお姉さんですねぇ~」
って、伊豆湖さんに抱きつこうとするも、駿河の大外刈りで倒れた。
「おい、私のオバに襲い掛かるとは、いい度胸だな」
って、抱えられて二階へ、お持ち帰りされた。スルーしておくか。きっと、筆下ろしはして貰えるだろうし。
「はぁ…駿河と来たら…」
溜息した後に凹む伊豆湖さん。
「すまないね、残念な姪を預けてしまって」
「いや、やるときはやってくれるから、気にしないでください」
身体能力は、人間としては最高なレベルだと思うが…あの趣味趣向は、問題はある。
「じゃ、あゆちゃんと香里達を送って、見回りしてきます」
っと、家を出た。
「北川は大丈夫か?」
って、香里。
「う~、どうだろう?まぁ、いい思い出と、忘れられない思い出を身体に叩き込まれるかな?」
「明日、学校で会えるかな?」
って、あゆちゃん。
「う~、どうだろう?まぁ、死ぬことはないから、安心はしてくれて良いと思う」
などと、北川の行く末を案じるトークをしながら、家まで送って行った。
◇
真夜中の学校に来た。伊豆湖さんは、学校の周囲に結界を張り、式神予防をしてくれている。真琴さんは、僕のアシストとし僕の傍で待機していた。
それはいきなり起きた。窓ガラスが割れる音がする。しかし伊豆湖さんからは、式神が侵入したとの連絡はない。僕達は音のした廊下へと急いだ。
現場に着いて目に入ったのは、木刀を振りかざしている少女だ。彼女の目の前には無数の怪しげな気配が飛び廻っていた。
『ホーリーアロー(聖なる矢)』
僕は、その怪しげな気配に向かって、矢を撃ち出していく。僕の援護射撃に気づいた少女が、僕の方を振り向いた。その隙を見逃さずに、怪しげな気配が、彼女を襲った。吹き飛ばれてきた彼女を、僕は受け止めた。真琴さんが、仙術で攻撃をして、怪しげな気配を駆逐していく。
「大丈夫か?怪我は無いか?」
「うん。大丈夫…」
彼女をゆっくりと床に降ろして、
『ダークニードル(闇の針)』
を撃ち込む。聖属性よりも闇属性の方が効果あるみたいだ。僕の放った攻撃に当たった怪しげな気配は、紙人形になり燃えて消えていく。完全に敵は式神のようだ。
伊豆湖さんに念話で連絡をすると、向こうでも交戦中のようだった。こちらの式神達は、倒すなり、逃亡するなりして、いなくなったようだ。僕は壊れた窓ガラスを直して行く。
「あなたは何者?」
「僕は代羽有栖。この学校の2年生だよ。君は?」
「川澄舞…3年…」
よく見ると、かわいい。長めのポニーテールで、胸は…僕の心を読んだのか、後頭部をどつく真琴さん。
「私は真琴です。よろしくお願いします」
「あなた達も見えるの?」
「あぁ、あれは式神だ。君を狙っているようだ」
舞さんの質問に僕が答えた。
「式神?」
「舞さんは、誰かに呪いを掛けられたんだ。ねぇ、7年くらい前に、男の子と仲良くならなかったかな?」
「なんで…それを?」
「それが原因だよ。舞さんで、4人目だ」
「4人も?」
舞さんをどうしたものか?
「ねぇ、牛丼食べたい」
って、え~、何ですか?この局面での、そのリクエストは…念話で翼さんにリクエストを通しておいて、舞さんを抱えて、夜空に飛び出した。真琴さんには、伊豆湖さんと合流してもらうように頼んだ。
「お空を飛べるの?」
「うん、飛べるよ。今日は特別だよ。地上は危険だから。この高度なら式神は襲ってこない」
「凄い…お屋根が小さい…」
そして家に着くと、リビングのテーブルの上には、翼さん特製の牛丼が待っていた。その牛丼を黙々と食べる舞さん。
「ごちそうさま…で、君は誰?」
牛丼を僕の家で食べて、その質問?何か壊れているのかな、この人は…僕は、舞さんと見つめ合い、彼女の身体を探っていく。
脳波、脈拍ともに正常、霊能力有り、呪いの有無は不明。
「僕は代羽有栖です」
「それは知っている。で、君は誰?」
天使の翼を展開して見せると、翼に頬ずりをしてきた。
「気持ちいい…かなり嫌いじゃない…」
僕は、舞さんの行動に対して、どうしたものかと悩んだ。
「ねぇ、その翼で寝たい…」
って…えぇ~
「羽布団ではないのですが…」
「ダメなの?」
う~、交わるチャンスではあるが…
「えい!」
えっ?僕の身体は宙を舞った。舞さんに河津掛を掛けられて、後方へと倒された。倒れた僕の上に乗り、翼に頬を擦りながら、ゆっくりと入眠をする舞さん…そして僕の耳元で、心地よさそうな寝息が聞こえ始めた。
「翼さん、どうしましょう…」
台所にいる翼さんに、助言を求める僕。
「そのまま、お部屋にお持ち帰りして、体内調査で良いんじゃないの?よく知らない男の家に連れ込まれて、寝ちゃうなんて、その娘が悪いんだから。って、いうか、緊張状態から解除されて、満腹になったんだろうな、ふふふ」
って、僕が悪い男みたいだよ~僕は悩みつつ、この体勢で自分の部屋のベッドに転移をした。