---相沢祐一---
父親の海外転勤。母親は一緒に付いて行き、僕は従兄弟の家に居候することになった。想い出がたっぷり詰まった、雪の似合うあの街に僕、相沢祐一は向かった。
駅前のロータリー。しばらく来ない間に都会になっていた。そびえ立つビルの森。僕はベンチに腰を下ろした。まだ、この街には雪はなかった。しかし、見える風景はどこか寒い感じがする、
しばらく座っていると、僕の前に、ふくよかで黒髪の少女が立った。
「隣に座っても良いですか?」
少女が僕に声をかけた。けだるそうな声、言い方…記憶にある少女に一致する。
「遅い…遅いぞ、名雪!凍えて死ぬところだったぞ」
少女に向けて言葉を投げると、少女の口元が緩んだ。
「祐一、それくらいで死なないよ」
僕の従兄弟の水瀬名雪が迎えに来てくれた。
「久しぶりだな、名雪」
僕は、荷物を持って立ち上がった。
「私のこと、覚えているかな?」
首を少し横に倒し、僕の顔を覗き込む名雪。
「名雪の声しか覚えていないよ。って、駅前が随分と都会になっちゃって、すでに迷子なんだけど」
「だね」
名雪を先頭にして、彼女の後をついていった。駅までの道のりを覚えないとなぁ。商店街を通り抜る。ここら辺りは記憶にある店が、まだ残っているようだ。あそこのたい焼きは美味しいんだよな、などと思いに耽っていると、住宅街に入った。似たような家が多い。迷子になりそうな予感。
記憶に残る、こじんまりとした一戸建てに着いた。表札には『水瀬』とある。ここだな。玄関に入ると、叔母の水瀬秋子が迎え入れてくれた。高校生の娘がいると思えない程、若く見える。旦那様は単身赴任中で、母娘の二人暮らしだ。
「祐一さん、長旅で疲れていませんか?」
挨拶もそこそこに、叔母は僕を気遣ってくれた。
「長旅だったので、少し寝たいんですけど…」
「お部屋に、引っ越し屋さんが運んできた荷物を、入れておきましたよ。起きたら、箱から出してくださいね」
「ありがとうございます」
名雪が僕の部屋に案内してくれた。
「私の部屋は隣だよ」
「そっか。ありがとう」
僕が部屋に入ろうとすると、名雪が僕を見つめる視線を感じた。
「何か用かな?」
振り返り、名雪に言った。
「用ってことでもないけど…久しぶりなんだよ。もう少しお話しようよ♪」
名雪が甘えるように言う。しかし、眠いんだけど…
「少しだけなら…」
彼女の部屋に招き入れられた。そこは異世界であった。部屋中にならべられた様々な目覚まし時計の数々。ここは目覚まし時計屋か?
「こっ、これって…なんで?」
名雪を見て尋ねてみた。
「朝弱いから…起きられないから…」
って、こんだけあって起きられないのか?隣の部屋がこれだと、毎朝…
「ケロピー目覚まし、貸してあげる♪」
名雪が、僕に目覚ましの1つを貸してくれた。カエルを模した目覚まし時計。借りておこう。
「サンキュー、名雪」
名雪がモジモジして僕を見ている。なんだろうか?
「ねぇ、昔みたいに、キスして…ください」
昔、そんなことしたかな?記憶に無いんだけど…あぁ、あれかぁ…
ぱちっ!
「痛いよ…祐一」
「すまない、キスと間違えて、デコピンしてしまった。ははは」
「まったく、もぅ…昔と変わらないなぁ、祐一は…」
赤くなったおでこをさすりながら、ぼやく名雪。
「じゃな、名雪。僕は少し寝る」
僕は彼女の部屋を出て、自分の部屋に行き、ベッドに横になった。
◇
夢を見た…木の上に少女がいる。少女は僕の名前を呼びながら、僕に手を振っていた。僕は、彼女の元に走り寄ったのだが、突然現れた大きな何かにより、彼女の座っていた枝が折られて、彼女は転落した。
『お前は何も見ていない。ここを立ち去るがよい』
何かから言葉が発せられて、僕は怖くなりその場を逃げ出した。
◇
肉同士がぶつかる音と、何ともも言えない刺激で、目が覚めた。僕の上には幼児体型と言えば言える少女がいた。幼児にしては撓わに実る乳房が目に入る。少女は、僕の上で上下に跳ねるようにしている。彼女の動きに合わせて、豊満と言えそうな乳房が上下に揺れている。彼女の顔は、その豊かな乳房により見えないが、
「祐一…いいよ…サイコーだよ」
と、聞き覚えのある声がする。え?これって…少し冷静になって状況把握に努める。僕はいつの間にか全裸である。彼女も全裸である。周囲はおびただしい数の目覚まし時計に囲まれていた。そして、僕のアレは彼女のアソコに刺さっていた…
をい…いつの間に…
そして、なんとの言えない感覚になり、全身の筋肉が緩む。彼女もそうなったのか、僕の方に倒れて来た。
どさっ!
顔面同士の激突は免れたようだ。僕の頭の横に彼女の頭がある。下腹部にヌメリ感を感じた。詰まり、それは…
「はぁ…はぁ…はぁ…」
荒い呼吸の彼女。
「おい…どういうことだ?」
僕は彼女に尋ねた。彼女は僕の方に、汗だくの顔を向け、
「うぇるかむふるーつみたいなものだよ」
と、笑顔で答えた。
「はぁ?意味わっかんない。僕は僕の部屋で寝たはずだが…
「気のせい…気のせいだよ」
けだるい声の彼女の説明に、要領を得ない僕。
「これで、祐一は私の物よ。浮気は許さないよ」
って…勝手すぎるだろ?
「あらあら、祐一さん。来ていきなり、コレですか?」
って、秋子さんに声を掛けられた。なんで、ここにいるんですか?!
「ふふふ、お若いから、まだまだいけそうですね」
って、秋子さんに風呂場に連れて行かれて、僕の全身を柔らかくて暖かい泡で洗ってくれた。これも夢なのかな?気分は夢心地であった。なんとも言えない快楽が全身を覆っていく。なぜか秋子さんも全裸であり、僕と身体を合わせている。僕は前から後ろから、秋子さんを求めていく。萎えると、秋子さんがお口でリフレッシュをしてくれて、また力強くなり、秋子さんを求めていった。名雪とは違う感触…心が秋子さん色で塗られていく。
◇
『祐一。朝だよ。朝が来たよ~起きて、私を起こしてね』
けだる名雪の声で目覚めた。目が覚めたの僕の部屋だった。目覚まし時計のアラームは、名雪のボイスだった。なんか、けだるぞ。
あれは夢だったのだろうか?僕の顔は柔らかい物に包まれていた。なんだろうか?これは…触るととても柔らかいが、
「あら、祐一さん、おはようございます」
って、僕の下から秋子さんの声がした。え?なんで?
「祐一さん、起きてすぐに臨戦態勢なんですね」
秋子さんのフィンガーテクニックでガチガチになっていた僕のアレ…そして、秋子さんが積極的に僕と交わり、僕は朝から一発抜いてしまった…いいのか?朝から、こんなことをしていて。それも秋子さんの中で出してしまったし。罪悪感に包まれる。
「朝ご飯の支度しますから、名雪を起こしてきてくださいね」
って、僕に言うと、裸にエプロンをして、部屋を出て行った。なんだ?この家は?水瀬家ってこんな感じだっけ??
僕は下着をつけ、制服を着ていく。今日から名雪の通うの学校へ転校するのだ。しかし、朝からこんなことをして、少しけだるい。そうこうしていると、隣の部屋から賑やかな音がしてきた。名雪の目覚まし時計軍団が活動し始めたようだ。僕は、名雪の部屋に飛び込み、目覚まし時計を1つずつ止めていった。一体、何個あるんだ?学校に間に合うのか?
どうにか全部、停止できたようで、部屋は静かに…いや、名雪の寝息が聞こえる。こいつ、まだ起きないのか?
「おい、名雪!朝だぞ!」
名雪に掛かっている布団を剥がすと、全裸の彼女がいた。
「祐一…着せて…」
名雪がふざけたようなことを言う。
「はぁ?なんで?」
「祐一は私の物…だから、お願い…」
よく解らないが、僕は名雪に衣服を着せていた。パンツを履かせて、ブラを着けてやり、制服を着せていく。そして、最後に靴下を履かせた。
「終わったぞ、名雪」
名雪は目をつぶったまま、僕の肩に寄り添い、
「学校に行こう…祐一…」
って…なんだろうか、この家…おかしいぞ。小さい時に来たときは、普通の家だった気がするんだけど。
1階のリビングのテーブルに着くと、裸エプロンの秋子さんが、サラダやスープを目の前に置いてくれた。
「トーストは自分で焼いてくださいね。祐一さん♪」
って、引き込まれるような瞳で、僕を見る秋子さん。秋子さんを食べたくなる…なんか、俺もおかしいんだが…
---有栖---
相沢祐一が転校してきた。見た目はさわやかなヤツそうだ。あゆちゃんと香里の顔は強張っていた。祐一は名雪の隣の席に座った。
休み時間、僕達に挨拶をしてきた祐一。あゆちゃんを見てもなんとも思っていないようだ。
「祐一は私の従兄弟なんだよ」
と、けだるそうな声で、名雪が情報をくれる。
「この街は初めてなのか?」
と、北川がきく。
「いや、以前にも来たことがある、想い出深い街だよ」
その瞬間、あゆちゃんの顔が青ざめた。あゆちゃんが、祐一に何かを言おうとしたので、僕が止めた。
「ダメだよ。こちらから接触はダメだ」
僕の言葉に頷くあゆちゃん。
「そうだよね…」
昼休み、名雪と弁当を食べる祐一。僕達は屋上に向かう。佐祐理さんのお弁当が品数豊富で、教室で広げるにはちょっと大変なので、屋上で食べるようになっていた。
「祐一が転校してきたのか?」
舞さんが僕に訊いてきた。
「そうです。あゆちゃんのことを覚えていないから、舞さんのことを覚えていないと思います」
「そうか…」
「それで、水瀬家について調べてみましたわ、有栖さん」
佐祐理さんがメモ帳を片手にしゃべり出した。
「何かわかりましたか?」
「不思議なんですが、まるで分からないんです」
「それって、どういうことですか?」
「古くからある家なんですが、世帯主であるご主人が何をしているか、誰も知らないんです。その上、ご主人を見た方も誰もいないんです。ご近所付き合いは悪くないみたいですけど、おかしいでしょ?」
おかしいよな。誰かしら、知っていても、いいはずだよな。見かけていないって言うのも変だよな。
「単身赴任とかではなくて?」
香里が口を挟む。
「あの家に住んで以来、見たことがないそうです。そもそも、いつから住んでいるのかも、わからないんですって」
「図書館とか役所で調べられるかな?」
佐祐理さんに質問をした。
「図書館は無理ですね。役所なら可能性はあります」
「じゃ、それは仲間に調べてもらうようにします」
「なんか狐につままれたような話ですよね」
って、確かに…
放課後、名雪は部活に行く。祐一は僕達、帰宅部についてきた。
「北川に聞いたんだけど、帰宅部なんだってね。僕も参加したい」
って…北川…余計なことを…その北川は、ここにはいない。駿河参りか?
そして、いつもの待ち合わせポイント、たい焼き屋の前でたむろする僕達。
「ここのたい焼き、美味しいんだよね。記憶にあるんだ。毎日、名雪と食べていたんだ」
って、祐一。僕の後ろに隠れるように佇むあゆちゃん。
「ありすぅぅぅ~!」
いつものようにあゆさんと栞が走ってきたが、祐一の姿を見るや、立ち止まる。
「熱いうちの食べるのが美味しいんだよ」
って、祐一がたい焼きを頬張っている。
「なんで…」
あゆさんが哀しそうな顔をした。祐一はあゆちゃん、あゆさん、栞、舞を見ても、何も言わない。本当に記憶に無いのか?
祐一の意識を読み取ろうとするが、弾かれた。結界が張られているようだ。いや、結界というより、なんらかの加護か?
「あらあら、祐一さん。買い食いはダメですよ」
って、大人の女性に声を掛けられた祐一。
「あっ、秋子さん。夕食の買い物ですか?」
「間食すると夕食が食べられなくなりますよ」
「じゃ、僕はここで失礼します」
と、祐一と女性が、連れ立って去っていった。
「あれが、名雪の母親だ」
って、香里が教えてくれた。なんかタイミング良く出て来たな。あの人…オーラを見るが、不可視の状態だった。人間では無いようだ。
「あの人は人間で無い。みんな、注意しろよ」
名雪の家に遊びに行ったことがある香里の顔色が良くない。ショックだったのかもしれない。とりあえず、僕達の家に移動をした。だが、何者かに追跡をされている気配がした。
「あゆさん、みんなを連れて、先に行ってくれ」
「有栖は?」
「追っ手を蹴散らす…」
あゆさんは頷き、みんなを家に誘導していく。僕は緊急信号を発した。これであゆさん達にガードがつくだろう。僕は追っ手に対して、結界を張り、これ以上の追跡を出来ないようにしてみるが、僕を超えて、みんなを追跡する追っ手達。なんで?気配は感じるが、見えない相手。
あっ…紙人形…地面と平行になれば、紙が薄いほど見えないよな。僕は、気配を感じる箇所の重力を変えてみた。すると、地面に大量の紙人形が落ちて来た。なんだ、この量は?見える相手であれば、術は使えるので、紙人形を焼き払っていった。
僕の周囲の気配は消えたので、みんなの後を追う。
---香里---
有栖を残して移動をする私達。でも、舞さんとあゆさんの顔色が優れない。
「何かがいる。近くにだ…」
舞さんが警告を発した。未だ、危険は去っていないようだ。なのに、この場には戦える者はいない。
「大丈夫…援軍が来る」
あゆさんから笑みがこぼれた。
周囲の空間で、何か燃えいく。それも、かなりの量だ。
「あゆ、遅くなってごめんね。ガイアの仕事が中々終わらないんだもの」
目の前に、紅髪の青年と金髪の少女が現れた。
「九重さん、ガイアさん♪」
あゆさんが彼らをそう呼んだ。
「なるほど…有栖でも苦戦するな、これは」
紅髪の青年が何かを唱えると、更に空間で何かが燃えていく。
「こんなに大量に式神を操るって、尋常な敵ではないわ。ガイア、注意して」
「了解!」
「みんな、あゆの近くに詰めて。強制転移させるから」
私達はあゆさんの近くに詰めて並ぶと、一瞬で有栖の家に転移した。
しばらくすると、先程の紅髪の青年と金髪の少女と有栖が転移してきた。
「なんだ?あの数…尋常じゃないだろ?」
肩で息をしている有栖。
「アリスと相性が悪い敵だな。見えないに近いもんな」
紅髪の青年が有栖に声を掛けた。
「見える敵なら無敵に近いんだけど…兄様、叔母様、助かりました」
って…え?有栖のお兄さんと叔母さん?
「有栖…紹介しれくれるかな?」
私は有栖にお願いをした。
「あぁ、そうだね。えぇっと、紅髪の男の人は、僕の兄様のガイア・グレモリー・鬼門です。種族は僕と同じで、天使と鬼と悪魔のクォーターで、肩書きは魔王です」
魔王…って、あの魔王か?
「で、金髪の僕より若そうな女性が、僕の叔母様、鬼門九重です。種族は九尾の狐の幼体になるのかな。僕の父様の義理の妹さんになります」
え?九尾の狐?
「アリス、叔母様って言わないで、名前で呼んでね♪見た目は私の方が若いんだからさぁ」
たしかに、若い…いや、幼さが残っているんだけど…
「魔王って、魔王ですか?」
佐祐理さんが質問をした。
「悪魔の世界の王です。僕には王になる為の偉業とかなかったんですが、前魔王がヘマをして、繰り上げで任命されました」
ヘマ…なんだかなぁ。
「そう、なんだかなぁって状況です」
え?なんで?
「僕達は心が読めますから。口に出さなくても会話できますよ」
あ…しまった…
「今回の敵は厄介だな。一応、来てみたけど、僕も相性がいいとは言えないなぁ。九重おば…いや、九重さんは相性がいいかもしれないけど」
「兄様、誰だと良いですか?」
「敵は妖術使いのようだな。そうなると、白音さん、黒歌さんかな。防御に関してだけどな。一番相性の良いのは炎系の呪文が得意の父さんの気がする」
「父様は…忙しいからダメだな。個々の問題に首を突っ込むとペナルティーが発生しそうだし」
「あの人、暴走するからね、ははは」
暴走って…有栖達のお父さんって、危険なのかな?
「それよりも、今問題なのは、大量の式神をどうするかだよ。街中にまだ大量にいるよ」
九重さんから現況の報告があった。
「明日の通学時間を狙う気か?」
舞さんが言葉を漏らした。
「たぶんなぁ」
と、ガイアさん。
「う~、高校生組はオーフィスがガードに付いてくれ。中学生組には忍だ。九重さんは街中の式神の駆除をお願いします」
ガイアさんから指示が出た。ふと有栖を見ると、いつの間にか倒れていた。
「有栖…」
私は有栖を抱き起こした。
「エネルギー切れだ。それだけ、厄介な敵ってことだ。香里さんと…舞さんで有栖のエネルギーを補充してくれないか」
って、指示を出された。それって、アレだよな。顔が赤くなるのがわかる私。
舞さんと二人で、有栖を祈祷部屋に運んだ。
---ガイア---
『ロスヴァイセとルフェイを手配した。それで、対処してくれ』
父さんから念話が届いた。ロスヴァイセさん、ルフェイさんとも魔法使いである。やはり、炎系の魔法で燃やすしかないか?
「ガイア、私と真琴と伊豆湖で、術者をマークして、式神の制御を狂わせてみるよ」
九重おばさんが、提案をしてきた。
「術者ってわかったんですか?」
「そこなんだよ…候補は三名だ。一人は姿を見せていないし…厄介な案件だな」
「一人に絞らないとキツいですよ。結構強大な妖術みたいだし」
九重おばさんは考え込んでしまった。術者が分かれば、アリスの能力は一番有効なんだけど。対式神だと、無駄にエネルギーを使いすぎてしまうし。
『しょうがないな。僕が行こうか』
父さんから念話が入った。
『『ダメです』』
僕と九重おばさんが却下した。エロ神である父さんが介入すると、見返りで女性陣が大変なことになるのは目に見えている。それにより、ペナルティーが科せられるのも困るし。
『残念だ…』
凹んだ声の父さん。あっ、やっぱり。何かを期待していたんですね。
『勿論だ、ガイア。今回の術師は美味しそうだし』
え?術師が美味しそう?それって…候補は二人…いや一人に絞れそうだよな。
『ガイア、正解だ。ただ、舐めてかかると痛い目に遭うぞ。現時点の九重より、能力が上かもしれない。娘の方は紙ペラだし』
紙ペラ…まさか式神か?
『父さん、何を知っているんですか?』
『あ?敵のボスが美味しそうだってことだ。僕にはそれしか興味がない』
エロ神らしい発想ですが…
『たぶん、その世界の祐一は媒介だろう』
媒介?
『アイツらの食料を考えろ、ガイア』
食料?九重おばさんを見る僕。
「私?私の食料…おいしいお団子と稲荷寿司が好きです。じゃなくてだよね?そうねぇ、化かした人間の抱く驚きの心とか、恐怖心かな」
ってことは…妄想とか恋心とかか?そうか、だから、舞とかあゆと栞とかに抱いていた恋心は喰われて、記憶から消えたのか。
『ほぼ正解だと思う、ガイア。まぁ、子供のケンカで埒が明かないようなら、親同士の戦いもアリだろ?』
って、参戦する気満々の父さん。自重してください。もうエロ神は卒業して…
『はぁ?僕は生涯エロ神でいいんだよ。それなのに…重い責任を担う神にしやがって…あのドエス上司の野郎!』
あぁ、また、ペナルティーの予感がする。