---シュウ---
さて、どうするかな?う~…あっ♪そうか、水瀬家だ。
「伊豆湖、水瀬家に行くぞ」
「何か、手立てでも?」
怪訝な顔の伊豆湖。
「祐一君も一緒に行くよ」
「え?」
祐一君の顔色は悪い。
「君がいないと、原因が探れない」
彼の返事を待たずに、水瀬家に転移した。
「伊豆湖、この家に結界を張ってくれ」
「敵の本拠に侵入して、結界を張るとは。盲点かもしれないなぁ」
伊豆湖は家屋内に結界の札を貼っていく。札が貼り終わると、結界内の時間を遡っていく。
◇
怪我をした子狐を手当して、一緒に暮らす少年。しかし、農作物を荒らして、村人に追われてしまう子狐。少年が青年になり、一人の女性と知り合う。女性と仲睦まじい生活をするが、偶然出くわした陰陽師により、女性の正体は判明した。少年の頃に助けた子狐が人化した姿だった。陰陽師は女性を退治しようとするが、青年が護り、代わりに命を落とした。
陰陽師は自分の為した事の善悪に悩み、一つの結論に達した。青年の魂を呼び出し、女性の元へと誘うことにしたのだ。パワースポットであった、ものみの丘で、月明かりが注ぎ込む草原で、呪文を唱え印を刻む。青年の魂は女性の元へと誘われたが、陰陽師は禁忌とされていた死者蘇りの術を行使したことにより、その命は絶たれた。
青年は女性と共に暮らし、陰陽師の霊を弔う為に神社を建立して、そこの宮司となった。
◇
時間の旅から戻り、しばし思考の海に…うん?何かがおかしい。建立した神社は月宮神社だと思う。そうなると青年は、あゆちゃんの先祖になる。祐一の先祖はどこに?はて?
祐一君の魂から情報を探ってみる。う~ん…そうなると…そうなるよな…
「何か分かったんですか?」
祐一君が、声を掛けてきた。
「おぼろげにね…僕達は勘違いをしていた。彼らが君を狙う理由をねぇ♪」
「どういうことですか?」
祐一君の顔色は優れない。
「彼らの狙いは君の子種ではなく、君に眠る霊力だよ」
「へ?霊力ですか?僕には無いですよ」
「霊力が無いのではなく、霊力を使う能力が無いんだよ」
「使う能力?」
「そう、術を知らないし、霊能力も使えないけど、霊力自体は豊富にあるんだよ」
「僕の家系って…」
「陰陽師が先祖だよ。君にも見えただろう?過去のビジョンがさぁ」
頷く祐一君。
「あの陰陽師がそうさ。で、狐と青年の子孫はあゆちゃんだ」
「ちょっと待て!あゆは、アイツに襲われたんだぞ」
伊豆湖が割り込んできた。
「アイツの対象が違ったんだよ、伊豆湖。この悪夢の元凶は、名雪の方だ。狐は月宮神社を破壊しない。青年と建立したんだから。考えてごらんよ、彼女にとって月宮神社は記憶の道標だよ」
「あ…そういうことか」
伊豆湖にも閃きが舞い降りたようだ。
「狐は祐一君を見守ろうとしていた。たぶん、ここ水瀬家が、陰陽師の命が果てた場所なんだろう。で、あゆちゃんが襲われたのは、名雪の独占欲からだろうな」
「じゃ、あの娘は…」
「式神は術師の意志で動く。しかし、希に術師の意志に関係無く動く、はぐれ式神がいるらしい。術師が術を解いても、和紙札に戻らないヤツがね」
「あの娘か…」
「そういうヤツは、術師以上の力を持つ。操られているようにみせて、実は術師を操っているんだ。伊豆湖達の結界ごと、あの神社を一撃で消滅させる力だよ。膨大な力を持てるのだろう。その霊力の供給源は君、祐一君だよ」
「あ、あ、あ…」
祐一君にはショックな話だったので、絶句しているようだ。
「そうなると娘の方を叩くのか?」
「いや、狐をまず説得する。それから娘をだ。神社を消滅させたから、今は霊力が無い空に近いはずだ。伊豆湖は祐一君を護ってくれ。僕は狐を説得する」
◇
アリスの元に転移した。
「よぉ、元気か?」
アリスの顔色は悪い。
「父様…向こうは良いのですか?」
「ピンチだよ。ドラン君と伊豆湖にまかせてきた」
僕の至った結論を念話で、アリスの家の者総てに知らせた。
「え?本体は名雪の方?」
アリスは驚いたような声をあげた。
「本体という意味では、秋子の方だけどね。ただ、力関係が逆転した感じだ。で、アリス、お前は向こうに行って、娘の相手をしてくれ。あっちは式神を仕えないから、お前向きだろ?闇の世界に幽閉して、祐一君と接触できないようにしてくれ」
「わかりました」
アリスは転移していった。僕は一人で家の外に出た。
家の外は式神が大量に…『ファイアーストーム(炎の渦)』を発動して僕の周囲の紙を燃やしていく。
「あなたは誰?見かけない顔ね」
水瀬秋子が姿を見せた。
「息子達を瀕死にしてくれるとは…子供のケンカに親が出るなら、僕が相手だよ。ふふふ」
彼女と共にある場所に転移した。
「ここは?」
「僕が能力を使えるエリアだ」
「能力?私には効かないわ。物の怪の頂点、九尾の狐なんですからね」
「あぁ、教えていなかったな。僕のオヤジの再婚相手は九尾の狐、君よりも上位のね♪なので、対策は聞いてきているし♪」
僕は能力を解放した。空間に広がる死を感じさせるオーラ。性欲を刺激するオーラ。そして、『身体停止』を唱え、相手の動きを封じ込めた。
「10秒ごとに感度が倍になるよ♪」
秋子から喘ぎ声が聞こ始める。
「あっ…あぅふん…ダメ…悶々と…見てるだけ…なんて…鬼め…」
鬼ですか。では、次の段階…
「じゃ、頼むよ。肉棒地獄を執行してくれ♪」
腰巻きをはずした鬼達が、秋子の身体を蹂躙していく。
「いや~…なんで、鬼がこんなに…いぃ…もっと…」
鬼達に突きまくられ、快楽の海に沈んでいく秋子。死の恐怖よりも性欲が勝ったようだ。
「坊ちゃん、そろそろガバガバですよ」
あぁ、僕のオヤジは鬼族の長なので、地獄の鬼達に坊ちゃんと呼ばれている。
「じゃぁ、次はスライム地獄だな」
秋子を冥界スライムを入れた容器に入れた。冥界スライムは女性の分泌液をエサとしている、エロモンスターだ。女性相手には無敵に近い。弱点は火を近づけると引火してしまうことだな。
緩くなった秋子の穴に冥界スライム達が侵入して、彼女の内部でエサを採り、食していく。
「いやぁ~…そこはダメ…たすけて~」
あぁ、子宮内で卵巣からエサを採り始めたヤツがいるようだ。
「協力してくれる?」
「いや…あぅ…はぁはぁはぁ…」
命乞いをしながら、プチ絶頂を繰り返している秋子。どうするかな…
「たすけて…あぅ…はぁはぁはぁ…」
「協力してくれる?」
「はぅ…はぁはぁはぁ…たすけて…する…あっ…」
プチ絶頂を繰り返していた秋子は、ビクっとして、身体が弛緩していった。果てたかぁ。
スライム地獄から助け出して、『身体停止』の術を解いた。しばらくすると、虚ろな目をしているが意識を取り戻した。
「おい、お前の娘をどうにかしたい。協力してくれ」
「名雪を?」
「そうだ」
「もう、私の術で制御できない」
「アイツ、月宮神社を消滅させたぞ」
月宮神社消滅の映像ヴィジョンを、秋子へと送る。
「そんな…あそこは…」
「記憶の道標なんだろ?これで、お前は…」
大事な物を失ったことで、泣き始めた秋子。
「もう…あの街にはいられない…想いが…想い出が…うっうっうっ…」
「なぁ、一つだけ手はあるんだけど…協力してくれない?」
僕の提案に驚いたのか、泣き止んだ秋子。
「えっ?これからも祐一さんを見守っていけるの?」
「もちろん♪どう?協力してくれる?供物はこの世界の平和が未来永劫続くように護ること。お釣りとして、君の子宮に祐一君との受精卵をあげる。どうかな?」
「私は陰陽師に恩返しがしたい…彼と幸せに神社で暮らせたのは、あの陰陽師のおかげだし…」
「では、契約成立だ。祐一君もそれで良いかな?」
僕の隣に祐一君が転移してきた。
「僕は…どうすれば…」
初めて地獄を訪れた彼はオドオドしていた。
「すべてが終わったら、秋子さんと宮司と君、陰陽師の三人で生をまっとうしてくれれば良い。時代をあの時に戻すから」
「そんなことができるの?」
「うん♪僕の理の宇宙だからね。平和になるのであれば、問題無いし♪」
「えっ…まさか…」
秋子さんが僕の正体に気づいたようだ。
「まぁ、そんな訳だ。他言は無用だ。いいな、九尾の狐よ!」
---有栖----
結末はあっけ無かった。時代を遡らせて、九尾の狐が暴走しない世界にした父様。まぁ、月宮神社が消滅した衝撃は、周辺地域をも巻き込んだ大惨事になってしまったから。あれを無かったことにするには、時代を遡らせるしか手が無いってことのようだ。
名雪という式神は、火山のマグマたまりに強制転移させて、燃やしたそうだ。で、あゆちゃんはあゆさんと同化した。帰る場所の月宮神社が無くなってしまった…いや、時代を遡るってことは、あゆちゃんが存在しない世界になる可能性もあるし。
同じ理由で舞さん、佐祐理さん、栞、香里も僕と共に…つばささん曰く「チーム有栖のハーレム度が上がったわね♪」だそうだ。
今回の事案の解決方法が安直ってことで、父様の上司より罰が、父様に下った…あの星の時間が遡るまで、聖なる鐘を鳴らし続けて浄化していくこと…
「あぁ、ドエスすぎるだろ、あの上司は…」
と、愚痴をこぼしながら、父様は一人であの世界の天上界にて、今日も鐘をついているようだ。