※この作品はR-18です。

神器なき男 (再編集版)   作:もっち~!

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夏の想い出

---シュウ---

 

フライングしての抜け駆け。僕とオーフィスだけで、ある場所に向かった。敵の居場所の心当たりがあったから。赤いゴツゴツした大地に城のような物が有る。あそこにいるんだと思う。城の周囲には、神父達の死体が転がっているし。

 

僕達は、グレートレッドの背中に降り立ち、城を結界で被っていく。敵に逃げ場を無くすためである。被い終わると、グレートレッドの背中から分離させて、僕専用の隔離フィールドへと転移させた。これで、逃げ場は無い。

 

しばらく待っていると、異変に気づいた奴らが城から出て来た。僕とオーフィスで問答無用な感じで屠っていく。

 

「お前は誰だ?」

 

盗んだ聖剣4振りを腰に下げている、一見エクソシストのようなヤツが現れた。質問に答えずに首を刎ね、聖剣を奪い返す。

 

「貴様…何者だ!どうしてここに?」

 

堕天使が城から出て来た。城の建っていた場所と違うことに気づくと、慌てているようだった。

 

「ここは、僕専用の隔離フィールドだ。ここで何億年過ごそうと、リアルでは1,2秒の出来事になる。お前が匙を罠に掛けたのか?!」

 

「匙?何者だ?それより、貴様は何者だ?!」

 

匙よりも僕が気になるようだ。僕の方が価値が無いのに…

 

「僕はシュウ・ヨハネ、身分は高校生だよ」

 

「高校生?それはどういうジョブだ?」

 

説明が面倒だ。取り敢えず、相手の翼を根元から斬り落としておく。

 

「うごっ!何をしやがる…」

 

痛みに耐える堕天使。聖剣だから、それだけでも痛いよね。

 

「次はどこを斬られたい?」

 

「うげっ!」

 

オーフィスが、堕天使の腹部にパンチを叩き込んだ。

 

「グレートレッドは我の敵。お前にはやらない」

 

グレートレッドの背中。オーフィスは気づいていないが、オーフィスに取ってのお気に入りな場所である。そこを汚した堕天使に怒りをぶつけていく。理由がちょっとおかしいけど。

 

「貴様ら…」

 

堕天使が何かの呪文を発動した。だけど、ここでは何も起きない。時間軸が違うから。

 

「何?発動できないだと…」

 

首を刎ねて、終わりにする。こんなヤツの為に、時差酔いするのは本意では無いし。

 

-------

 

堕天使の翼と遺体をアザゼルに引き渡し、牧師達の遺体をミカエルさんに引き渡し、奪い返した聖剣をゼノヴィアに渡した。

 

「えっ?一人で終わらしてきたの?」

 

リアスが驚いている。オーフィスがドヤ顔で僕の隣にいる。僕は彼女の頭を撫でてあげた。

 

「だって…リアスを危険に晒したくないもん」

 

「それは嬉しいけど…だって、治ったばかりでしょ?」

 

僕の身体を心配してくれているのか?

 

「う~んっとねぇ、寝る前の儀式に比べたら、楽だったよ」

 

と、正直に話すと、リアス達の顔が真っ赤に染まっていった。

 

「そういうことは、部外者の前で言わないで~!」

 

部外者って誰だ?

 

-------

 

ゼノヴィアとイリナはレプリカの聖剣と共に帰って行った。イリナはイッセーとの再会を約束していた。

 

 

何事も無く、それなりに平和に暮らしていた或る日、サーゼクスさんがやって来た。

 

「夏休みの最初の日、駒王学園で、天使、堕天使、悪魔で、友好条約を結ぼうと思うんだ。それで、リーア、シュウ君、ソーナ君の眷属にガードを頼みたい。引き受けてくれるかな?」

 

僕達は皆頷いた。僕的には、平和が続くのであれば、そうして欲しいから。平和なら、リアスを護ることができるだろうし。

 

「問題が1つあってね。その条約に異を唱える勢力があるらしいんだ。だから、戦闘は覚悟しておいてくれ」

 

戦闘か…思いを巡らす僕。そんな僕を優しく包み込むように抱き締めたリアス。

 

「シュウ、無茶しないでね」

 

「そうだよ、シュウ君、私達だって戦えるんだから、一人で戦わないで」

 

ソーナが釘を刺してきた。う~ん…僕が怪我するとリアスが悲しむしなぁ…でも、護りたいし。どうすれば良いんだ?

 

------

 

「ねぇ、どうすれば良いかな、シーグヴァイラ」

 

僕の竿を舐めているシーグヴァイラに訊いてみた。彼女は舐めるのを止めて、自分の中に取り込み、僕の上で竿というレールを走行し始めた。

 

「出来ることをすれば良いんじゃないかな?私達もいるんだから、一人で戦わないで、私達に指示を出して」

 

全身の筋肉を弛緩させて、僕の上に倒れ込むシーグヴァイラ。

 

「この先も、こういうことを一杯したいからね♪」

 

 

一通り巡回を終えて、リアスの待つベッドへと行く。リアスと寝る為だ。

 

「どうだった?みんなに意見を聞いてきたんでしょ?」

 

僕の行動をお見通しのリアス。

 

「仲間を頼りなさいって…でも、みんなを危険に晒すのは…」

 

「シュウだけが危険になるのも問題よ。私達の抱く悲しみも考えなさいよ!」

 

僕と一体になり、僕に抱きつくように、寝るリアス。直ぐに、寝息が聞こえてきた。みんなの抱く悲しみか…どんな物なんだろうか?危険より危ないのかな?

 

-------

 

式典当日。式典自体のガードはリアスの眷属、式場周辺のガードはソーナの眷属ですることになった。僕達は、緊急事態要員って感じだ。部室で待機をする。

 

なにやら、いや空気を感じる。みんなでグランドに出た。う~ん…

 

「どうしての?さっきから唸っているけど?」

 

シーグヴァイラが訊いてきた。

 

「いや、空がさぁ…揺らいでいるんだよ」

 

「空が?」

 

みんなが空を見上げる。

 

「何かがいるのかな?」

 

僕はグランドに大きな魔法陣を描きだした。

 

「それは?」

 

グレイフィアさんが訊いてきた。

 

「強制転移の術式だよ。何かグランドの上の空が、気になるから。何も無ければ、発動しないけど…まぁ、保険かな?」

 

「ねぇ、強制転移って、どこに?」

 

シーグヴァイラが訊いてきた。

 

「僕の専用フィールドに♪」

 

「また、抜け駆けするんじゃないの?」

 

「しないよ。こうして話しているでしょ」

 

「う~ん、前もって話しても、一人でやったら抜け駆けだからね?」

 

「えっ?!」

 

前もって話せばセーフで無いのか…う~ん…考え込んだ挙げ句に、術式を変更した。

 

「今度は何にしたの?」

 

「『脱衣緊縛』してからの『催淫』30分コース♪これなら、抜け駆けにならないよね?」

 

オーフォス以外のみんなは苦笑いしている。あれ?

 

------

 

会議が始まった。空一面に、うっすらと転移陣がたくさんあるみたいに見える。時間を待っているようだ。空間が一瞬揺らめく。これってギャスパーの能力か?その揺らめきを合図に、無数の転移陣が現れて、大量の魔法使いが転移してきた。僕はグランドの魔法陣を発動した。全裸で亀甲縛りをされた者達が地面に次々と叩き付けられて、グランドは血の海と化す。

 

「う~ん、やることがエグいなぁ…」

 

グレイフィアさんが呟いた。

 

「戦ったら負けだよ。ファルビーさんの口癖だけどね♪」

 

会場の窓を突き破って、一人の女性が空へと舞い上がった。しかし、グランドを見て固まっているようだ。

 

「どうして…何で…」

 

見た事のない女性だったので、敵だと判断して、彼女に対しても、『脱衣緊縛』からの『催淫』を発動した。血の海へと落下していく女性。彼女の落下地点には、水柱ならぬ、血柱が立ち上った。

 

「これは酷い…」

 

会場から彼女を追ってきたアザゼルが呟いた。

 

「あれで最後?」

 

「あぁ…あれで最後だ…しかし…お前、やることが惨くないか?」

 

アザゼルが僕に文句を言ってきた。惨いのか?僕はダメなのか…

 

「そうなの?こんな護り方じゃダメなの?」

 

心が痛い。何かが心の中で暴走していく。そんな時、僕は何かに包まれ、どこかへと強制転移させられた。

 

 

 

---綾香---

 

地上の者達は、また追い込んだのか…亘の心をクールダウンさせていく。亘は亘なりに考えて行動しているのに。亘にあんなマネをさせる方が悪いと思う。

 

亘を抱き締める。あの時、この子を護れれば、この子は違った人生を歩めたのだろうか?いや、無邪鬼討伐隊にこの子では無く、私が参加していれば良かったのか。振り返れない人生を振り返る私。

 

亘…いや、今は周太郎だったかな。彼の顔付きは穏やかになっていく。彼と交わる。現実世界で交われるように、子供の産めない身体にしたのに…今、交わっても、あの時ほど気持ち良くない。周太郎も私も不完全な存在だからだろうか。

 

次の周回…彼との交わりは気持ち良いかな?妄想に明け暮れる。あんなことしたい、そんなことされたい。こんなことになりたいなど…時間はたっぷりとある。

 

地上でいう夏休みの期間は、手元に置いておこうかな?

 

 

 

---リアス---

 

お姉様から連絡があった。夏休みが終わったら、返すって…シュウの夏休みが無いんですけど。私とシュウとの夏休みの想い出はどうしてくれるんですか?などの怒りをアザゼルにぶつける。

 

「そんなこと言ったってなぁ、正直な感想を告げただけだ。お前達もそう思っただろ?」

 

あの会議後、アザゼルは駒王学園の先生となり、オカ研の顧問になった。イリナとゼノヴィアは駒王学園に編入して、ゼノヴィアは私の眷属へ、イリナはソーナの眷属へとなった。彼女達はイッセーと同じクラス、シュウとクラスメイトになるのだ。

 

あの血の海は、確かに引いた。あんな惨い現場は初めてだった。たぶん、アザゼルと同じ感想を持った者は多かっただろう。しかし、口に出していいことでは無い。まして、シュウの前で出して良い訳無いだろう!

 

「そのせいで…シュウは…」

 

私は滅びの力を溜め込んでいく。

 

「リアス、止めなさい!そんなことして、シュウが喜ぶと思うの?」

 

シーグヴァイラの言葉を受け、蓄積していた滅びの力を霧散させていく。

 

「だけど…」

 

「言いたいことは分かる。私も同じだから」

 

アザゼルを睨むシーグヴァイラ。

 

「おいおい、そんな目で睨むなよ。それよりも、これからどうするんだ?アイツはリアス、お前を護る為なら手段を選ばないぞ」

 

そうなんだよ。抜け駆け禁止にしたせいで、あんなことになったかもしれないよね。はぁ~、どうすれば良いんだ?

 

「これからの敵に、お前らが、アイツが手出しする前に、対処するしかないだろう。難しいけど」

 

難しいよね。敵検知の能力は一番だし。

 

「う~ん…考えたんだけど、アーシア、お前がアイツに貼り付け。アイツの心を癒やしていけ」

 

「ちょっと、私で無いの?」

 

なんで、アーシアなのよ!彼女は私なのに~!

 

「リアスじゃダメだ。いいか?アイツは残虐ではあるが、聖属性だ。魔属性のリアスでは相性が悪いんだ。その点、アーシアは聖属性の上、アイツの義理の母親の弟子だ。相性はいいはずだ」

 

「え、え~っと…リアス先輩を差し置いてですか…」

 

アーシアは戸惑っていた。でも、アザゼルの言う事は分かる。私といることで、シュウの心は魔属性よりなっているのだろう。でも私を護りたい彼の気持ちはどうするんだ?

 

「問題は、シュウのリアスを護りたい気持ちだな。重すぎるくらいに重いからな。それを妨害すると、今度はストレスが恐いなぁ…」

 

「二人で貼り付くのは?」

 

シーグヴァイラが案を上げた。

 

「ダメだ。アイツは一途すぎる。愛することが出来無い分、護り切るって想いが強いのだろう。それが、リアスへの一途な想いになっている気がする。まぁ、最終的に言えるのは。なるようにしかならないってことだな」

 

全然解決しない。もうすぐ、戻って来るのに…

 

 

モヤモヤした頭で家に帰り、自分の部屋に戻った。ベッドを見て固まる。シュウが寝ていた。あれ?夏休みはまだ3日あるけど…机の上にメモがあり、

 

『後、2,3日は起きません。弟をお願いね♪』

 

って…一緒には居られるけど、想い出作りは無理なんですね。お姉様…

 

 

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