---リアス---
アザゼルの元へ、私とソーナ、シーグヴァイラが呼び出された。
「おぉ、来たな。お前らに頼みがある」
この男の頼みは、禄でも無い物が多い。今回は何を依頼するんだ?
「北にあるアースガルドの主神オーディンって神がな、この国の神格筋と友好を結びたいそうなんだよ。でだ、リアスとソーナの眷属で、周辺警備を頼みたい。シーグヴァイラは、あいつが関わらないようにしてくれ」
あいつとはシュウのことだろう。
「あいつが関わると、酷ぇ有様になるから…それにあいつはリアスを護るためなら、オーディンすら犠牲にしかねない。本末転倒な話になるからな」
と、シュウを危険視している。確かに、危険であるけど、そこまで排除するのはどうなんだ?
「いつですか?」
シーグヴァイラが訊いた。
「今度の週末だ」
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週末、シーグヴァイラ達には家でまったりと過ごして貰う。私達は合同練習って名目で、シュウの目を誤魔化した。
で、ガード対象の神オーディンは、とんだセクハラオヤジだった。私や朱乃の身体を触りまくる。キレそうになるが、我慢して耐える。下手にキレると、シュウが来てしまうから。これはアザゼルの策略だろうか?この件が終わったら、落とし前をつけてもらうかな。
しかし、なんだって、こんな狙われる形態の観光をしているんだ?空を駆ける馬車で、この国の景色を見て廻るって。360度に渡ってガード出来無い。ガードがジャマで景色が見えないとクレームはつけるわ。このエロオヤジ…あぁ、滅したい…
夕方近く、何かが進行方向に転移してきた。エロオヤジの顔が険しくなった。身構える私達。
「おい、北の主神オーディンよ。こんなちっぽけな国の神格と友好だと?笑わせてくれるな。どうせ、ラグナロクを起こせば、俺達しかいなくなるのに」
不敵な笑みを浮かべる転移してきた男。エロオヤジは馬車から降りて、ソイツと対峙した。
「ロキか…お前は、まだそんな絵空事を見ておるのか?ラグナロクなんか起こせば、我々もどうなるかわからないぞ」
「ふふふ、やってみなくちゃ、わからんだろ?もう机上の空論には、飽き飽きだ。吐き気が起きるほどにな」
目の前の男は何かの魔法陣を発現させて、発動させ始めた。
「いかん!ヤツを止めろ!」
それを合図に、目の前の男に、攻撃を加える私達。でも…攻撃はまるで効かない。なんでだ?
「アザ坊、なんで、こんな弱いヤツがガードなんだ?刃が立たないじゃろ?」
「はぁ?オーディン様、相手がロキじゃ無理だ。相手は神だ。それに勝てるのは神しかしいないでしょ?」
神なの?あの男って…まずいでしょ?神聖な攻撃を受けたら…いや、遅かった。イッセーや祐斗がやられて落下していく。匙のラインは容易く切られて、ボコられている。
「アザゼル、どうするのよ。このままじゃ、全滅よ。魔属性が神聖属性に勝てる訳ないでしょ?」
「そこのデカパイ娘、時間を稼げ。今、儂の配下の者が、ここに向かっている。そいつらなら叩けると思う」
デカパイ娘って、セクハラ発言だぞ!あぁ…ここは、冷静にならないと…
「どの位、保たせればいいの?」
「3日!」
「はぁ?1時間保たない…ダメだ…」
絶望的になっていく私の心…そんな時、何かが転移してきた。
---シュウ---
リアスもソーナも悪魔の合同練習だと言う。う~ん、なんか仲間外れにされた気分だ。まぁ、ゆっくり寝るのも悪く無いかな。
最近、アーシアが僕といる時間が増えていた。僕が暴走しない為の保険らしい。
「僕のことはいいから、アーシアはアーシアのしたいようにしていいよ」
困った顔になるアーシア。
「いえ、任務ですから」
任務じゃないと、一緒にはいたく無いのかもな。僕は彼女を愛せないし。こういう場合はどうすれば良いんだ?頭を撫でるのかな?でも、触られたくないかもしれないよな。う~ん…
「暇ですね。シュウ、相手をしましょうか?」
グレイフィアさんが僕に抱きついた。アーシアは任務から外れたのか、僕の傍からいなくなる。
「どうされたい?」
グレイフィアさんは、そういいながら全裸になっていく。そして、僕を全裸にして、僕の身体を玩具にし始めた。僕は、グレイフィアさんの秘部を観察、グレイフィアさんは、僕の竿を口に含み、味わっている。リアスと同じだよな。少し使い込んだ感はあるけど。
「そうだ。リアスから聞いているわ。パイズリフェラが好きなんでしょ?」
って…ガブリエルさんを呼び出し、二人で僕にパイズリフェラをしている。聖と魔の刺激が何とも言えない。混じり合い聖魔となった刺激は、新鮮である。僕のアレはムクムクと大きく固く生長していく。グレイフィアさんの舌と、ガブリエルさんの舌が僕の竿に絡み付く。そして、二人は口を重ねる。僕の竿をサンドウィッチの具にするように、四つの乳房でサンドされる。竿の周囲は乳房で埋め尽くされている。先端部は、彼女達の唇にサンドされ、絡み付く舌により、なんともいえない刺激で、僕は包まれていく。
血行が良くなり、血流量も多くなっていく。身体の構成が変わっていく感覚になる。僕は何になるんだろうか?
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快楽の海に意識がダイブすると、脳裏に映像が浮かぶ。見た事の無い神が、二人の女性の前でボロボロになっている。一人は元天使の龍姫、もう一人は鬼姫。知らない情報なのに、僕の貧弱な脳の奥から情報が引き出されていく。天使が神に逆らうと龍にされるらしい。二人の女性には、彼との間に子供がそれぞれいた。無限の龍神と無邪鬼と呼ばれる魔物だ。
「もう護れない…すまない」
彼は二人に伝えた。神はドラゴン若しくは鬼とは交わっていけない、神の掟を彼は2つとも破り、神達に粛正されたのだった。彼の身体はもう彼の魂を収める器の機能を果たしていない。器がなくなれば、彼の魂と意識は消える。
「私が器になります」
龍姫は彼の器になるため、身を捧げた。しかし、神の魂を受け入れるには強度が足り無かった。弾けそうになる龍姫。そこに鬼姫が同化していく。
「二人なら、彼を護れる」
二人の異形の姫達により、生きながらえた神。子供達を優しく抱き締め、
「いつの日か、一緒に暮らそう。今は器を安定させることが大事だ。二人の身体を犠牲にしてしまったんだから」
子供達に見守られて、神としての器を無くした神は、しばしの眠りについた…
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夢かな?夢から醒めると、僕は知らない場所にいた。ここは?
「本当に、あなたは器に縁が無いんですね」
女性の声だ。誰だっけ?
「今度の器はどうかしら?実の息子の器だけど…」
息子?無邪鬼っていう異形なる者?
「あなたの魂は、未だに死んだことが無い。不屈な魂の持ち主だから…いつか、また出逢いましょう。私は…私達は…あなたのお姉さんの中で生きているから…」
姉?いたような、いないような…どうだっけ?
「亘、一緒に戦おうよ♪」
いきなり、強制転移された先で、翼紗に似た女性に声を掛けられた。
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転移した先では、リアス達がボロボロになっていた。
「リアス…どうしたんだ?」
「シュウ…逃げて…ダメ…」
弱々しい声のリアス…また護れなかったのか?!僕の中で何かが弾けた。鎖で封印されていた何かが、解放されていく。
「亘、彼女達はまだ大丈夫。アイツを倒しましょう」
「あぁ、姉ちゃん。そうだな」
僕と姉ちゃんは目の前の敵と共に、専用フィールドに転移した。
---リアス---
目の前に、シュウとお姉様が転移してきた。そして、私達を回復させて、アイツと共に、どこかへと転移していってしまった。
「リアス、今のシュウ君でしょ?」
朱乃が近づいて来た。頷く私。今度はどんな酷い結末になるのよ~!
「なんだ?アイツらは?ロキをどうするつもりじゃ?」
北の主神はシュウとお姉様のことよりも、同胞の事が気になるようだ。神でないと倒せないのに…二人はどうなるのよ~!
「おい、リアス!やめろ~!」
アザゼルに止められた。私は北の主神の首根っこを締めていた。だって…コイツ…アザゼルと朱乃の父親のバラキエルにより、北の主神から引き剥がされた。
「ねぇ、シュウは?ねぇ、アザゼル。教えてよ~!」
「いくら、アイツでもダメだろう。相手は神だぜ」
そんな…怒りが暴走していく。どこにぶつければいいの?ねぇ、シュウ…
---シュウ---
リアス達をいたぶったやつをいたぶる。腹部にパンチを何度も叩き込む。
「うぐっ!貴様~何者だ…神である俺にダメージを入れられるって」
貧弱な脳細胞に浮かんだ言葉を口にする。
「『神殺し』…神々に怒りを持つ者だ」
「神殺しだと…ヤツは死んだはずだ。全世界の神々を敵に回し、粛正したはず」
「そう思っていれば良い。ふふふ♪」
姉ちゃんを凝視したアイツ。
「まさか…お前…あの女達か?」
「う~ん…2柱一対の片割れとでも言っておくわ♪」
僕と戦えることが嬉しそうな姉ちゃん。
「私達は、1柱ずつでは不完全だけど、2柱が一緒であれば、くじけぬ心、愛を貫く意志、そしてガーディアンとしての不屈な魂が甦る」
貧弱な脳細胞に浮かんだ呪文を唱えて、撃ち込む。
『野望喰い』
目の前の神の表情は穏やかになっていく。
「亘…一緒に戦えてよかったわ」
って、姉ちゃん。僕の名前はシュウなんだけど…
僕達は専用フィールドを後にした。
---リアス---
シュウとアイツだけが戻って来た。お姉様は帰られたようだった。アイツは心ここに有らずな状態だった。北の主神がアイツを哀れんでいる。
「何もこんなに状態にすることないじゃろに…」
「殺した方が良かったのか?」
シュウは私を護るように。私の前に立ち、北の主神に言い放った。
「殺す?貴様のようなヤツに神を殺せる訳ないだ…」
北の主神は言葉を言い終わる前に固まった。
「まさか…死んだはずだろ…」
「死んでない…まだ一度も死んではいない」
北の主神の顔から血の気が失せていく。何で?シュウは何をしたの?
「そんな…」
「お前達が好き勝手にするなら、僕も行動する。僕から大事な物を奪うなら、今度は応戦する。いいな、クソ神よ!」
えっ…シュウの背中に翼が生えていた。純白で汚れの無い翼だ。あれって…
「そうか…アイツ…器代えをしたのか…」
シュウは一降りの刀を手にして、北の主神に向けた。
「それは…魂喰の妖刀…村正…お前、『神殺し』か…」
「答える義務は無い」
---アザゼル---
北の主神オーディンは、怯えるようにアースガルドへと帰って行った。シュウは何者なんだ?オーディンをビビらせるって尋常では無い。ロキを骨抜き状態にもしたし。そう言えば、じじぃはシュウを『神殺し』と呼んでいたっけ。あれはどういうことだ?
文献を漁る。俺達の産まれる前の歴史を調べる。堕天使の持つ情報からは見付からなかった。なので、ミカエルに頼んで、天界の書物を調べてもらった結果、ソレは有った…
すべての生き物は神により作られた。神は土から人間を創り、神と人間の間に出来た者は天使になり、欲深き天使は堕天使に、神の言いつけを護らない天使は悪魔に、そして、神に敵対した天使はドラゴンへと姿と地位を変えられた。
始祖神は一人である。神は細胞分裂するように、別の神を生み出す。そして、オーディンのような神族達は、神もどきで有り、神と天使の間に出来た種族である。実際の神では無いのだ。しかし、ある時代、神族達は神の一人を神族のルールに則り、粛正したそうだ。その神は、種族を問わずに恩恵や加護を与え、他の種族達より一段高い位であった神族達にとって、目障りだったらしい。その神は、神族の禁忌に当たる、ドラゴンと鬼と交わり、子供をもうけたそうだ。鬼は神と相反する存在で有り、ドラゴンは神に敵対した者で、双方とも神族として許せない存在だったらしい。
そんな神に、全世界にいる神族達が襲い掛かった。彼は子供達や妻達を人質に取られた為、リンチ状態で死の間際に追い込まれた。そこに、ドラゴン族と鬼族が彼の為に立ち上がり神族達と戦い、彼と彼の家族を救い出した。
彼は死の間際に、二降りの刀を作り出し、妻達に託した。聖なる生を司る妖刀村雨、神の魂すら喰らう呪いの妖刀村正…そこで記録は無くなっていた。その神とその刀が、その後どうなったかはわからない。
「その神は生きているんだと思う。記録は彼のシンパが破り捨てたんだと思う」
ミカエルが考えを俺に伝えた。
「天使や神の中に彼のシンパがいるんだと思うんだ」
「そうかもな。だが、もし生きていれば…」
「彼を恐れる一派が粛正するだろうな。子孫諸共、血縁者や協力者も含めて」
「もし、シュウがそうだとしたら?」
「無邪鬼の器だったよな。それは彼の息子の器だ。彼の娘はオーフィスだろう。シュウ君のそばにいる。消すのは容易ではない。今世はアンタッチャブルだろうな。もし、消すなら記憶が戻る前…来世以降だろう」
「お前は、アイツを消したいか?」
「な訳無いだろ?彼は彼なりに一生懸命生きている。そんな彼を応援したいんだ」
はにかむミカエル。
---リアス---
北の主神オーディンのガードとして、この国に来ていたバルキリーのロスヴァイセさん。置いて行かれたそうだ。今更帰る訳に行かないらしい。ガード対象に放置された…それは彼女の意志では無いのは明白であるが、職場放棄に匹敵するらしい。
お兄様が彼女を救済することにした。駒王学園の教師として雇い入れたのだ。そして、私の眷属になって貰った。厚生条件がバルキリー時代よりも厚遇だったのが功を奏したようだ。
その結果、シュウのクラス担任はサッキュバスの佐藤先生、副担任がロスヴァイセ先生が受け持つことになった。二人には、裏任務としてシュウのガードが付け加えられたらしい。
シュウはアレ以来、雰囲気が変わってしまった。ガタイが良くなり、心が通じ合っている気がするのだ。シュウに、何かが起きて、何かが変わったのだろうか。