※この作品はR-18です。

神器なき男 (再編集版)   作:もっち~!

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停止教室のヴァンパイア

 

バイトが終わったけど、真っ直ぐに家へ帰る気になれなかった。ここ数日の目まぐるしい出来事に、少しうんざり気味だった。僕は気分転換代わりに、夜の学校に忍び込んだ。

 

夜の学校は、当然のことながら、誰もいず静かだった。いや、当直の先生とか警備員はいるはずだけど、雑音の元にはならず、静寂を満喫するには最高な場所であった。

 

ふと、頭に浮かんだ疑問。オカルト研究部の部室のある旧校舎って、部室1つだけなのかな?それにしては、でかいなぁ。ちょっと、探検してみようかな?って、ことで一人肝試しへと向かう。

 

中に入って色々見て回っていると、気になるドアが1つあった。ドア一面に封印の術式プログラムが描かれている。これって機能しているのかな?ドアのノブを回すと、ドアが開いた。中に入り見回してみる。部屋の中は真っ暗であるが、何かの気配を感じた。『レミーラ』を発動して、室内を照らし出してみた。

 

部屋の隅にダンボール箱が1つあり、そこには赤い目の何かがいる。その目が輝いて一瞬空間が揺らぐ。次の瞬間、箱の中にいた者は箱の外に出て、ダンボールを引き摺って、どこかに行こうとしていた。僕はその者の腕を掴んだ。

 

「なんで?時間を止めたのに、動けるの?」

 

捕獲した者は、僕の行動に驚いているようだった。捕獲したのは、かわいい少女だったので、僕も驚いたり。なんでこんなところに?なんで時間を止めた?

 

「空間が揺らいだみたいだけど、なぜか僕には、君の術は効かなかったみたいだよ」

 

苦笑してアゴをかく僕。

 

「そんな人、初めてだよ」

 

僕のことを恐れているのか、涙目で見ている少女。

 

「僕はシュウ。君の名前は?」

 

「僕は、ギャスパー・ヴラディ。ヴァンパイアと人間のハーフです」

 

「そうか、ギャスパーちゃんかぁ。ねぇねぇ、友達になろうよ」

 

「僕のこと、怖くないんですか?自分の能力をうまく制御できないて、ここに封印されて…そうだ、封印されているのに、どうして入って来られたんですか??」

 

驚くような表情で訊いてきた。

 

「封印?あぁ機能していないみたいだよ。ドアがすんなり開いたし…それにギャスパーちゃんのこと怖くないよ。それどころかかわいいし♪」

 

僕はギャスパーを抱きかかえた。しかし、ギャスパーの股の部分に違和感が…

 

「もしかして、ギャスパーちゃんって、男の子かな?」

 

「そうですけど…」

 

それはそれでショックだ。こんなにかわいいのに…そうなると疑問が沸々と湧いてきた。

 

「暗闇で女装趣味って…見えないじゃん」

 

「女の子の服ってかわいいでしょ?」

 

「そうだけど…似合っていると思うけど、暗闇でこんな場所に閉じこもりでは、意味が無い気がするよ。それよりも、ここに一人でいるより、僕の家で一緒に住まない?」

 

たぶん、ここに彼を一人封印するより、僕の家、黒歌とオーフィスがほぼ常駐していて、防御結界もここより固いと思うし、きっと安全なはず。

 

「僕は能力の制御できない危険な存在ですが…」

 

少し考えて、彼の頭を撫でながら、提案をする。

 

「ここに一人でいるより、僕の家の方が安全だと思う。たぶん、君より危険な存在がいるからねぇ」

 

苦笑しながら、黒歌とオーフィスを思い浮かべる。

 

「ダメですよ。僕より危険な存在って、いないと思います」

 

涙目になって否定するギャスパー。

 

「SS級の元はぐれ悪魔と龍神様だけど」

 

僕の言葉に、きょとんとしたギャスパー。その表情もいいなぁ~。

 

「それは、僕より危険というより凶暴そうですね」

 

「あと、旧校舎に封印されているってことは、オカルト研究部の関係者かな?」

 

「リアス様の眷属で『僧侶』です」

 

「そうか、リアスの眷属か」

 

リアスの眷属って、僕の家で一緒に住むことになっているし、問題なさそう。

 

「シュウさんは、リアス様とどういったご関係ですか?」

 

僕の顔をのぞき込むようにして質問してきた。

 

「僕は、リアスの婚約者だけど」

 

ギャスパーは驚いて、目が点になっている。おもむろに『兵士』の駒を当ててみるが入っていかない。コイツってリアスより能力が上じゃん…と、思って『女王』の駒を当ててみる。今度は抵抗なく吸い込まれていく。

 

「な、何したんですか?」

 

怪訝な表情のギャスパー。

 

「僕の眷属の『女王』になってもらったから。あっ、リアスとの眷属関係も維持されているから、心配ないよ」

 

リアスが『兵士』でギャスパーが『女王』って、知ったらリアス驚くだろうな…

 

そして、ギャスパーを僕の家にお持ち帰りした…きっと驚くリアスの顔は、かわいいんだろうなって思いながら…

 

家に帰ると、僕がお持ち帰りした者を見るなり、リアスが驚いている。お持ち帰りされたギャスパーも僕の家に、リアスがいることに驚いているけど。龍神様は持ち帰った獲物を不思議そうに見ている。

 

「なんでギャスパーがいるの?封印した部屋にいたはずなのに」

 

「封印?してなかったよ。すんなり入室できたし。あと、眷属にしてお持ち帰りしました。あんな暗闇いたら、こんなにかわいい娘の意味がわからないし」

 

「眷属にしたの?この子、まだ自分の能力がコントロールが出来ていないのに」

 

心配そうなリアス。ここで驚愕の事実を伝える。

 

「『兵士』の駒ではダメだったので、『女王』になってもらいました♪」

 

「はぁい?意味がちょっとわかないけど」

 

リアスの頬にいや~な汗が流れているみたいだ。

 

「潜在能力は現時点でリアスより上ってことだよ。たぶん、リアスがスカウトした時より、能力が上がったんじゃないかな?」

 

じゃなきゃ、眷属に出来無いはずだ。

 

「え?そうなの?」

 

落ち込むリアス。この表情もいいなぁ。

 

「現状、能力のコントロールができないので青田買いだけど。リアスは良い眷属を持っているなぁ」

 

「褒められている気が、しないんだけど」

 

少し涙目になっている彼女の表情が好きかも。僕ってエスなのかな。

 

「ギャスパー、地下のトレーニング施設なら頑丈な防御結界が張ってあるから、トレーニングにいいと思うよ。とりあえず、黒歌に気の扱いを習うと良いと思う。頼むぞ、黒歌」

 

「にゃん♪」

 

黒歌は、かわいい弟子ができて、喜んでいる。

 

「あと、ギャスパーの部屋にも結界を張って、能力が外に漏れないようにしよう。術式プログラムを展開しておくから、リアスとソーナで魔力を注入してね」

 

「「はい!」」

 

「リアスの眷属なんだから、彼の事一番わかっているのは君なんだから、彼が心細くならないように注意してくれよ」

 

リアスに注意を促したのだが、黒歌とソーナが驚きの声を上げた

 

「彼って言いましたよね?この子は男の子なの??」

 

「女の子かと思ったにゃ~」

 

その時、ふいに空間に揺らぎが生じ、ギャスパーの能力が発動した。リアスとソーナの動きが止まった。

 

「これがギャスパーの能力らしい。時間を止められるんだって」

 

白音、黒歌、オーフィスは動けていることに、ギャスパーが驚いている。

 

「僕の能力が、効かない人がこんなにいるの??」

 

「ギャーくん、能力が暴走しても大丈夫だよ。私達は問題ないみたいだから」

 

白音が優しく声をかけた。

 

「少し安心しました。ここで、コントロールが出来るようにがんばってみますので、みなさんよろしくお願いします」

 

ペコっと頭を下げるギャスパーの頭を優しく撫でてあげる。するとオーフィスが、私もって感じで横から頭を突き出してきたので、彼女の頭も優しく撫でてあげる。

 

「で、この二人は、どうするにゃん?」

 

未だに停止しているリアスとソーナを指さしている。僕は黒歌の耳元で、悪魔の囁きをした。

 

「気づいたら、濃厚なキスをしていたなんてシチュエーションに加工できる?」

 

「まかしてにゃん♪そういう悪戯大好きにゃん♪♪」

 

黒歌に細工を頼んで、僕は次元旅行に出かける準備をした。

 

 

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