バイト先に行くと、サーゼクスお兄さんが来ていた。僕の顔を見るなり、近寄ってきた。
「ちょっと厄介なことになってね」
頭を掻いて、困っているようだ。
「厄介ですか?」
なにやら、嫌な予感がするんだけど…
「ライザー君が、君に完敗しちゃって落ち込んじゃってね。今までレーティングゲームで負け無しだったし」
「初めての負けで落ち込むって、どんだけ最強だって思っていたんですかね?」
「それはそうなんだが、問題は彼の兄、フェニックス家の次期当主がねぇ、君と手合わせしたいっていうんだよ」
嫌な予感的中…もう、あの精神ヘタレのチャラ男が余計なことを。
「はぁい?その方は当然のように強いんですよね?」
「彼はレーティングゲームのランキングで、トップテン入りしたことある猛者だよ」
「無理です。僕、人間だし」
僕は即答した。
「その理由では断れないよ。現にシュウ君は、チートな手とはいえ、ライザー君に勝っているんだから…」
ガーーーン!そんなぁ~~無理無理…
「無理ですって」
「君の持っている力を出し切って言いって言うから、あの刀もOKだけど、どうかな?」
「どうかなって、不戦敗って選べます?」
「相手方は試合場所で、もう準備しているから、もう行って欲しいんだけど」
もう準備?って…そんな急すぎるしょ…しゃちょ~……あ、また、部屋を出て行った。ぐっすん。まったく、悪魔と言う生き物は、人間に無茶ばかり言うんだな。
「アジュカの許可は取ってあるから、今日はバイト休みでOKだよ」
お兄さん、笑顔で言っている場合じゃないって。もうやるしかないのか…新しく覚えたアレやってみようかな??
「もし死にそうになったら、医療チームに転送してくださいね」
「もちろんだよ。シュウ君に死なれたら、リアスとセラフォルーに僕が殺されちゃうよ」
苦笑い気味のお兄さん。う~ん、あの二人ならやりかねないなぁ。
「しょうがないなぁ…転送をお願いします」
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転送先は荒野だった。何も無いだだっ広いフィールド…目の前に知らない男の人が立っていた。
「私はルヴァル・フェニックス。フェニックス家の長男で次期当主だ。君が愚弟のライザーを完敗に追い込んだシュウ君かな?」
「はい、シュウです。初めまして」
僕は頭を下げて、お辞儀をした。
「私の愚弟を、完敗に追い込んだ君と手合わせしたくて、サーゼクス様にお願いしました。よろしいかな?」
「僕の使える力は、全て使って良いんですよね?」
「勿論だよ。全力で戦ってくれてかまわないからね。万が一、僕が負けても恨みっこ無しと、僕の家族には伝えてあるから、心配しないで良いからね」
こうして、僕はライザーの兄、ルヴァル・フェニックスと戦うことになった…
相手は僕の初手を待っているみたいだ。どうしよう。まず、召喚かな。オーフィスに念話で助けを求める。空間が割れて、オーフィスが現れる。サマエルを天使ドラゴンで召喚。そして、『ドラゴラム』を唱えて、僕は龍化した。ルヴァルさんの前には、一人の少女と2匹のドラゴンが現れた。
「君は龍化できる上、女の子とドラゴンが呼べるのか…って、なんで女の子なのかな?」
「その子はオーフィス。無限の神龍様です」
証拠とばかり、オーフィスが龍化した。
「なんだって、オーフィスだと?」
「我 シュウを虐める者 絶対許さない」
ルヴァルさんの顔から血の気が失せていく。。オーフィスがルヴァルさんに強大なオーラ弾を打ち出した。僕は、ルヴァルさんの頭上に吹雪系息攻撃の『かかやく息』を吐く。予想通り、ルヴァルさんは炎の翼を展開して上方向に逃げるが、『かかやく息』が直撃して、地面に落下。そこへ、すかさずサマエルから光の矢が大量に降り注ぐ。勝負はついたようで、ルヴァルさんは光に包まれて、消えていった。
僕は龍化を解いて、龍化を解いたオーフィスの頭を撫でてあげる。
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そして、転移前の場所にオーフィスと戻った。
「あの白いドラゴンは何かな?」
顔から血の気が引いたサーゼクスお兄さんに訊かれた。
「デビルキラーのホーリードラゴンです」
「とんでもないドラゴンが召喚出来るようになったんだね。君自身も龍化出来るようになっているし。それに加えてオーフィス君では、あのルヴァル君があっけなくやられたことも納得できるなぁ」
「勝てて良かったです」
僕は率直な感想を述べて、助けてくれたオーフィスを肩車してあげる。サマエルは転移前に十字架のネックレスに戻って行った。そこへ、社長が部屋に戻ってきた。
「社長、頼みごとがあるんですが」
「セラフォルーと婚約したいのか?」
まさか、この魔王様は、別室でまた裏工作していたんじゃ…不安になる僕。
「そうじゃなくて、異世界の魔力をこの世界で使いたいんですが、コンバート可能ですか?」
「異世界?今度は何をしたのかな」
「あ、アザゼルのおっさんに、以前貰ったアイテムで異世界に行けるようになって、異世界で色々なスキルや魔法を勉強しているんです。先程の龍化も呪文ですし」
「それは興味深いな。君といると新しい発見が多くて、人生が楽しいよ」
社長は本当に嬉しそうな表情である
「シュウ君に出会って、アジュカが生きがいを見つけたって喜んでいたんだよ。悪魔は寿命が長い分、若い頃にやりたいことをやりきって、隠居する者が少なく無いんだけど。アジュカだけでなくて、僕も君の成長を楽しみにしている一人だよ」
「そうなんですか?僕は、ただの人間なんですけど」
「話を戻すけど、この魔法陣に異世界の魔力を注入してくれるか?」
社長は照れ笑いを浮かべて、話を戻した。話題を変えたかったのかな?
「はい」
僕は魔法陣に向けて魔力を放った。
「う~ん。魔力成分を分解して、コンバート出来るかやってみるよ。面白い研究ブツを持ってきてありがとう。今日は、もう帰っていいよ。お疲れさま!」
社長は新しいおもちゃに夢中になっている子供のようだ…僕は、オーフィスを肩車したまま、『ルーラ』を唱えて家に帰った。
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リビングには、精力を吸い取られたみたいなイッセーが転がっていた。オーフィスがつっついているが、反応が弱い。黒歌を捕まえて聞いたら、15ラウンド程したそうで、黒歌が妙に生き生きとしていた…若い男の気力はおいしいんだそうだ…そんな黒歌を見ていると少し悶々としてきた。僕は黒歌と共に僕の部屋に転移した。
僕の部屋に転移したことに驚いている黒歌。僕は黒歌を全裸にして、縛り上げていく。
「ちょっと、にゃに?」
突然の事で、エロ姉さん黒歌が劣勢だった。
「今日の黒歌は、フェロモンがプンプンするんだもの」
亀甲縛りした黒歌を吊す。まずは見て楽しむ。
「にゃに見てるのにゃ?。恥ずかしいにゃ~」
黒歌の顔が紅潮していく。本当に恥ずかしいのだろう。エスの女王様をいたぶるのって大好き♪
「お願いにゃ、下ろして~」
次に香りを楽しむ。香しい香がする。
「堪忍にゃ~。恥ずかしすぎるにゃ~ぁ」
まだまだ、舐めて楽しむ。焦らしていた分、反応が良いみたいだ。黒歌の下腹部は大洪水になっている。
「黒歌、大洪水だよ♪」
「言わにゃいで…恥ずかしすぎるにゃん」
尻尾が勢いよく振られていますが…言葉と裏腹なのね。僕は、黒歌を縛りから解放した。
「このまま、イッセーの部屋に転移させるね」
「シュウが最後までじゃにゃいの?」
不思議そうな顔をする黒歌。
「黒歌が幸せそうな顔をしてくれれば良いから」
黒歌を転移させた。
黒歌と交わった次の日のイッセーは一日中、授業中も休み時間も居眠りをしていた。僕の焦らし戦法を受けた後、更に10ラウンド位あったそうだ。悪魔1日目にしてハードワークだったのね。
放課後、見知らぬ眼鏡をかけた黒髪ロングの女子生徒が教室を覗いていた。近寄って行くと、
「シュウって人はどの人?」
って、訊いてきた。僕は面倒事は嫌なので、迷わずイッセーを指して、教室を後にした。
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社長は異世界の魔力の解析中なので、今週のバイトは休んで良いって。暇なのでオカルト研究部の部室に行くと、朱乃さんとリアスと白音がいた。
「朱乃さん、申し訳ないことをしまして、すみませんでした」
彼女に病院送りの件を謝った。
「良い勉強になりましたわ。あぁいう攻撃も有るって知って良かったです。祐斗君と同じ病院だったのですが、今は感情も落ち着いて穏やかでしたわ。リアスから説明があり、彼も私もシュウ君のことを仲間と思っています」
朱乃さんが紅茶を淹れてくれたので、味わって飲んでいると、白音が僕のモモにまたがって、水ようかんを食べ始めた。静かな午後も良いなぁっと思っていたら、ドアが突然激しく開いた。
僕と白音が攻撃体制に入る。入室してきたのはイッセーと、さっき教室を覗きこんでいた女子生徒だ。彼女は長刀を持っていて、鞘から抜いて、僕に切っ先を向けてきた。咄嗟に僕は妖刀村雨を左手に転移させて、下段の構えから長刀をはねのけた。一気に彼女に近づくと、目の前に突然鏡が出現した。なんらかの反射型のアイテムと判断した僕は、横ステップをして鏡を避けて、素早く彼女の後ろに周り込み、刃先を彼女の首元に当てた。この状態でも、相手の体力を奪うことができる。
「お前、誰だ?」
イッセーは僕の立ち回りを見てびっくりしている。まさか、こんなに戦えるとは思ってもいなかっただろうし。
「彼女は、真羅椿姫。ソーナの『女王』よ。椿姫、なんでこんな真似したのかしら?理由によっては、シュウに屠る許可を出すわよ」
リアスが彼女に理由を訊いた。
「…ソーナが…何も出来ずに負けたって…だから許せなくて…」
僕は刃先を彼女の首から離し、切っ先を彼女に向けたまま、リアスのいる辺りまで後退する。と、彼女は崩れ落ちて泣いていた。白音と朱乃さんは、部室の窓を全開にしていく。
「私も完敗でした…すみません。突然襲うような真似をして…」
「ソーナには、きつく文句を言っておくからね」
って、完全に怒りモードのリアスの肩を抱き、
「いい運動になったから、問題は無いから、怒りを鎮めてくれないか。僕は怒っている顔のリアスなんか見たくないぞ」
と、耳元でささやく。リアスの頬が赤らみを増し、怒りのオーラが消えていった。ついでに耳をなめたら、耳まで真っ赤になり、俯いてしまった。
「朱乃さん、真羅さんにもお茶を淹れてあげてください」
「はい、わかりました。で、リアス部長、あそこにいらっしゃるのが、新入部員のイッセー君ですか?」
ドアの辺りで固まっているアイツ。
「そうよ」
「あぁ、夢のよう…二大お姉様が揃い踏み」
エロい視線でリアスと朱乃さんを眺めているけど、まぁ、元気になったようだから良しとするか。
しかし、一難去ってまた一難。突然、魔法陣が現れて、金髪でツインの縦ロールの女の子が出てきた。
「皆様、ごきげんよう。私はレイヴェル・フェニックス。フェニックス家の長女です。ルヴァルお兄様を瞬殺された方は、どなたですか?」
みんなの視線が僕に集まる。
「シュウ、本当にルヴァルさんを瞬殺したの?」
「いや、瞬殺ってことはないけど…で、レイヴェルちゃんが敵討ちにきたの?」
「わたしは戦闘要員では無いです。私の両親が、ルヴァルお兄様を倒した方に、お会いしたいと申しまして。一緒に来て下さい」
って、突然、レイヴェルと僕の二人だけ、どこかに転移した。返事を聞かずに…まったく、悪魔って生き物は人間の都合は無視なのか…