朱乃さんのお母さんを連れて帰る前に、僕は『ヘルプ』を唱えて、航路の神を呼び出した。
「盗賊を極めたので、次は忍者でお願いします」
「おぉ、そうか。極めた記念に『トラマナ』を覚えることができるぞ。この呪文は、唱えた者にダメージ無効のバリアを貼る効果があるのじゃ。で、忍者とな?上級ジョブなので、極めるのは厳しいが良いのじゃな?」
「もちろん。簡単に極めたのでは、つまらないもの」
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家に帰って、朱乃さんに注意をする。
「朱乃さんのお母さんを、この家から出さないでね。天界にバレると消される危険があるからね」
朱乃さんと、朱璃さんは了承してくれた。
「部屋は朱乃さんと同じ部屋が良いですよね」
「シュウ君、ありがとう。このお礼は、必ずするから」
朱乃さんと朱璃さんは階段へ向かって行った。さてと、椿姫の方を向いた。
「さて、椿姫」
「もう、無理…」
目は虚ろで有るが、意識は有る椿姫。
「まだ、何も言っていないけど」
椿姫は涙目で訴える。
「下半身がガクガクなの…昨晩、激しかったから…お尻が痛いし…」
「何が激しかったの?」
惚けて聞く。いぢわるな僕。椿姫は顔を赤らめて俯く。
「シュウの調教…」
小さな声で返答してきた。
「どんな調教?」
彼女の耳元で囁くように訊いてみた。
「…イヂワル…」
耳も顔も更に紅潮していく椿姫。
「だって、あぁいうときの椿姫って、表情がかわいいんだもの」
「卑怯だよ…そんなこと言われたら、拒否できないじゃない」
涙目であるが笑顔になる彼女。
「拒否できないんだったら…」
椿姫と調教部屋に転移した。
「いつの間に、こんな部屋を?」
僕は無言で椿姫を全裸にして、後ろ手な亀甲縛りにした。
「どう?これから、どうなると思う?」
天井から椿姫を吊した。彼女は俯いていたけど、感じているのは、秘密の花園の蜜の量を見れば、明らかだった。
「これからされることを想像しただけで、感じているのかな?」
羽箒で背筋を下から上になぞる。椿姫は動きが制限されているけどもの、後ろにのけぞろうとしていた。僕は腰のくびれをなぞる。くすぐったいのか、腰を避けようとするが、そんなに逃げる余裕は無いみたいだ。クリトリスに軽く触れさせると、
「あっ…もうダメ…お願いです…入れてください。悶悶として、おかしくなりそうだわ」
太ももの辺りが、痙攣しているように小刻みに震えている。まだ入れないよ。乳首に軽く触れさせる。
「あぁ…限界…」
椿姫の身体が、1回激しくノッキングしたあと、蜜はあふれ出すように流れ落ちていった。縛りから解放して、デコピンで意識を取り戻させた。
「痛っ!」
「お目覚めかな?で、椿姫の今後の課題なんだけど、その前にこれをあげるよ」
椿姫に、表面が鏡のような防具を渡した。
「それ、錬金して作り出したミラーフルアーマー。魔法の鏡でできた全身防具で、頭部をかぶると、全身防具が具象化されるんだけど、効果は喰らったダメージを半分しか返せない上、半分は自分が貰っちゃうんだ。だから、その防具に、椿姫の能力を纏わせれば、ほぼ無敵でしょ?」
「あっ、ありがとう。そうだね。がんばって能力を、反映出来る様に鍛錬するわ」
「たぶん、ゼロ距離、インパクトの瞬間に力出す攻撃には対応できないと思うから注意してね。でも、椿姫の得物は長刀だから、ゼロ距離攻撃は喰らわないと思うけど」
「長刀も鍛錬するわよ」
「あっちもね。もう少し耐えてよ~♪」
「うっ…イヂワル」
そういうと服を着て、トレーニングルームに向かったようだ。
--サーゼクス--
現魔王4名が集まって、詳しいお話を伺おうと思ったのだが、初代レヴィアタン様からは、詳しいお話を聞けないまま、彼女は帰られていった。
特に害はないと思うし、シュウ君の処にいれば、他の輩に利用されること無く、彼女は生きていけるだろう。ただ、どんな人物を復活させたいのかが、気になる。初代レヴィアタン様、大天使サマエル様の仲間となると、きっと大物に違いないと思うし。
「取り敢えず、シュウ君にまかせてみようよ。シュウ君に仕えると、おっしゃっていたんだし、彼なら安心だよ」
と、アジュカ。
「それはそれで良いと思うのだが、天界がどう出るのかな、この件がバレた場合…後、先の開戦の理由が我々の知っている、いや、教えられた理由とは違うと、言い切られたことも気になる」
僕は気になる点を言った。
「その辺のことは、グリゴリ(堕天使組織「神の子を見張る者」)の総督に訊けば、わかるかな?あの時に生き残ったトップは、彼だけだし」
アジュカの言う通りだ。アザゼルだけが、あの大戦で生き残ったトップだ。
「考えたって、しょうがないって。彼と連絡取れないの?」
少しは考えようよ、セラフォルー。
「どこにいるかわからないが、グリゴリに連絡して取り次いでもらうよ」
アザゼルとの距離が近いなら、連絡を取りやすいだろうな。激論も無く、割と静かだった室内に、ドアをノックする音が響いた。魔王会議中に、誰かが来るとは珍しい。
「入っても良いぞ」
ドアをノックした者に、入室を許可した。
「失礼します」
と、入ってきたの大公アガレス殿。悪魔界の中間管理職の方である。我々魔王と、上層部や下々の者とのパイプ役、クッション役をされている方である。彼無くしては、冥界を平和かつスムーズに、管理するのは難しいかもしれない。
「魔王様達にお訊きしたい事が有ります。先日、フェニックス卿より、人間界に危険な人間を見つけたとの報告がありました」
フェニックス卿からかぁ…たぶん…まぁ、一応聞いておこう。
「危険な人間?どのような者なのか?」
「我々、悪魔を屠る力を有する者で、危険なので、排除するなり、幽閉するなりした方が良いと報告が上がってきております」
「それは危険だな、野放しに出来無いなぁ。その人間の名前は何と申すのか?」
「シュウとか申す者で、アジュカさまの息子と偽ったそうです。人間が、魔王様の息子と偽った時点で、重罪だと思います」
「シュウ君なら、私の息子で間違いない」
と、アジュカ。
「シュウ君なら、私の義弟だが」
と、僕。
「彼なら私の義弟でもありますよ」
と、セラフォルー。
「彼なら俺の弟子だ。チェスのな」
と、ファルビウム。
「はぁい?なんですと??」
魔王全員と知り合いだった事に、驚くアガレス殿。
「魔王全員の共通の知り合いって事だ。彼なら危険では無い。フェニックス卿は、彼の息子達がレーティングゲームで負けた事を根に持っているみたいだねぇ。先日、シュウ君はフェニックス卿の手引きで、冥界に攫われて来たし。この方が重罪だと思うよ」
ファルビウムの言葉に続いて、僕は補足説明をした。
「名門でプロになっている息子達が、人間に負けたんだから、危険と言いたいのもわかるけど、シュウ君自体は危険で無い。私の義理の息子だよ」
アジュカも補足情報を出してきた。
「それに、シュウ君を殺したり、幽閉したりしたら、彼の眷属や下僕達が黙っていないぞ。そんな事になったら、冥界は壊滅するだろうな」
注意事項も知らせておく。
「そんなに強大な力を持った人間が、存在するのは危険ですよ」
注意事項を危険っていうのは、注意事項に触れる行為をするって事なんだが、それに気づかない程、驚いているのか、アガレス殿は。
「彼自体に力は無いよ。彼の下僕達が強い。たぶん、現魔王4人がかりでも負けるだろうな」
「そんなにすごい者たちが下僕にいるのですか??」
驚いているアガレス殿。まぁ、冥界で魔王より強い者はいないから。
「機密事項なので、詳しくは言えないが、猛者達だ。ファルビウム、冥界の戦力で勝てるかい?」
冥界の軍事担当のファルビウムに尋ねた。
「おいおい、俺の仕事を増やすなよ。まず、負けるなぁ。負け戦は働き損だから、したくないなぁ」
「そ、そんなに…どうすれば良いでしょうか?」
心配そうな顔付きになるアガレス殿。
「彼には、いかなる危害も加えないこと。これが一番でしょう。もし貴方の配下の者が、勝手に危害を与えた場合は、我々が容赦しないと思ってください。我々の家族同然の子なんですからね」
アジュカが笑顔のまま、良いオーラでプレッシャーかけているなぁ。久しぶりに見た気がする。
「そんな訳で、フェニックス卿には穏便に話をつけてください。それはそうと、アガレス殿の家に、初代アガレス殿の古文書の類いは残っていないだろうか?」
一応、歴史を紐解ける物が有るかを確認する。
「古文書ですか?初代の時代の物は、何も残っていないですよ。あっても、それ以降の物ばかりです。何故、そのような物が必要なのでしょうか?」
「いや、我々魔王も歴史を勉強した方が良いかと思ってな」
「歴史ですか…そういえば、古文書では無いのですが、初代が大事に持っていた物の中に、天使の羽みたいな物が1つ有りますが、ご覧になりますでしょうか?」
天使の羽?それは興味深いなぁ。
「それは興味深いですなぁ。是非とも見てみたいです」
「魔王様に対して、取引みたいになってしまいますが、先の人間の者の傍に、私サイドの者を監視役に置いていただけるように、配慮していただけませんか?していただけるなら初代の遺品をお見せしますけど」
さすが大公アガレス殿。取引上手だ。監視役を置いて信用が得られるなら、シュウ君的にも良いのかな?こちらもサマエル様の動きを知りたいし。
「監視役からの報告は、ここにいる5名だけの機密事項としよう。隠し立てする事は無いけど、シュウ君のプライベートな事も含むと思うので、そういうことは、大々的知らせることではないと思う。それで良いか?」
「取引成立ということで。監視役には、私の娘を任命し、早速行かせます。あと、その者と同じ学校の同じクラスへの編入もできるように手配をお願いします」