椿姫がトレーニングルームに向かったので、一人になってしまった僕。念話でオーフィスを呼び出した。
「ねぇ、グレートレッドって言うドラゴンの処に行きたいんだけど、連れて行ってくれるかな?」
「シュウ 行きたい処 我、連れて行く♪」
オーフィスは、目の前の空間を切り裂いたので、一緒にその割れ目に入った。出た先は、前後左右上下ともに、万華鏡のようなパターンで埋め尽くさられている場所だった。
「ここって、どこのなのかな?」
オーフィスに、ここがどこなのかを訊いた。
「ここ 次元の狭間。我 産まれた所。我 住みたかった所」
オーフィスと会話していたら、目の前から大きすぎる紅いドラゴンが近づいてきた。
「あれがグレートレッド?」
「そう でもあれ 擬態」
「擬態?」
「アポ 戦わない時は小さい」
「アポ?」
知らない名前が出て来たので尋ねた。
「グレートレッドが人化したときの名前。アポカリュプス・ドラゴンだから、アポ」
僕達の目の前に来た大きすぎるドラゴンは、小さい女の子になった。背丈はオーフィスくらいで、紅髪ロングで白いカチューシャをつけて、黄色いシャツに青いオーバーオールを着ている。かわいい…
「グレートレッド アポ 久しい」
「懲りずにまた、負けに来たの?」
アポの話す言葉は、オーフィスと違い、現代口語体で分かり易い。
「我 くつろぎの空間 得た。もう ここ 必要ない」
「くつろぎの空間だって?」
僕を無視して会話している。ドラゴン様達には、僕は見えていないのかな??突然、サマエルが大天使化して出て来た。
「アポ、迎えにきたぞ」
「え?なんで…生きていたらしたんですね。サマエル様、お久しぶりです」
サマエルを知っているようだ。
「アポよ。お前も、もう一人暮らさなくても良いぞ」
「もう、揃うんですか?」
「お前と、ティアマットだけでな。まぁ、精霊の封印だけだけ。三頭一対の目処も立ったけどな」
「そこにいる人間が主ですか?」
僕を指差すアポことグレイトレッド。
「そうだよ。我々のマスターだ。永い間一人にして、すまなかった」
「いいえ…あの時、逃がしてくれて、ありがとうございました」
「オーフィス、サマエル、アポ…一緒に帰ろう。僕らの家にさぁ」
ここにいると目がチカチカするので、家に帰りたい僕は、彼らに提案をした。
「私も一緒に行って良いの?」
僕の目を見つめるアポ。
「もちろん。その為にために迎えに来たきたのだから」
アポに抱きつき、頭を撫でてあげた。あぁ、オーフィスにも。そして、二人を抱き抱えた僕。
「ところで、ティアマットはどうします?サマエル様」
「居場所がわからない」
「私が知っていますけど、これから行きますか?」
アポの言葉を受けて、サマエルが僕の方を見ている。
「行ける時に一気に行こう、サマエル」
僕達4人はティアマットの居る場所に行くことになった。
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空間の切れ目を抜けた先は、森の中だった。泉もあるなぁ…空を見上げると紫色だ。ここは冥界かな?
「向こうから来たな。アポの波動を見つけてくれたようだ」
目の前に飛んで来たのは、青い綺麗なドラゴンだったけど、人化すると青髪ロング、スレンダーでスタイルの良いお姉さんになった。
「サマエル、アポ、オーフィス、そして君がシュウ君だよね?」
「僕の事を知っているんですか?」
なんで知っているの???驚きを隠せない…僕に笑顔を向けてきた女性。
「私もアジュカに協力して、レーティングゲームの運営に関わっているからね。あのアジュカが君のことを話す時、もの凄く楽しそうに話してくれるのよ。それに君からは、アジュカの波動を感じられるから」
なるほど…そう言えば、たまにバイト先で見かけたような…記憶を手繰っていた僕に、サマエルから声が掛かった。
「シュウ、愛読書を持って、ここに来てくれるかな?壊したりしないから安心して。あと、ブラフマー出て来いよ」
サマエルの呼びかけで、創造神ブラフマーが現れた。僕はサマエルの指示通りに、『世界不思議大辞典』を持って、皆の中央に立つ。それを確認してから、サマエルとブラフマーが何やら呪文を呟き始めた。唱え終わると突然、僕は七色の光に包まれていった。そして、声が聞こえる…
「私は、知恵の精霊。封印を解いてくれ、ありがとう。シュウ君。これからは、私も書籍から出て、サポート出来るし、念話でも会話出来るようにもなるから、よろしくな」
僕の愛読書から声が聞こえた。愛読書に精霊様が封印されていたなんて、ビックリだ。
「私達には後2匹仲間がいるんだ、シュウ君。ただ居場所が天界だから、迂闊には動けないんだよ」
なるほど。了解だよ、サマエル。
「でもなぁ、シュウよ。のんびりで良い。私らが1カ所にいることが大事だよ。ティアマット、一緒に来てくれかな?我らのマスターを守り、助ける為にも」
「わかったわ。シュウ君と同じ職場で働いているようなものだし。シュウ君、私のことはティアって呼んでね。」
「はい。ティアさん、よろしくお願いします」
やっと、僕達は帰宅の途についた。家に帰り着くと、イッセーがへったっていた。
「ダメ…死ぬ…もうやめぇ~」
「おぉ、黒歌に鍛えられているな。感心、感心、イッセー」
きっと、肉体的にも精神的にも、特に精力的にも鍛えられているのだろう。
「あっ、かわいい女の子と、きれいなぁお姉さん…」
エロ心により気力が復活したイッセーが、アポとティアに近づこうとした時、イッセーの手に赤い篭手が出現した。
『そいつら、ドラゴンだぁ、注意しろ。宿主』
イッセーは驚いて、後ずさりしている。
「あら、ドライグ。久しぶりねぇ」
ティアさんが声を掛けた。
『お、お前は、ティアマットか…オーフィス、グレートレッド、リヴァイアサンもいるのか…なんだ、この家は…』
あっ、リヴァさんも帰って来ていた。声の主は呆れるように言っている。
「精霊の封印が解けたみたいね。後は、私の方の二人かぁ」
「一人は誰かの眷属になっているみたい。もう一人は隠居している。」
リヴァさんの言葉に、反応したアポ。
「おっ、ドライグかぁ。あんた、今一番下の立場だからね。二天龍って言っても、私達から見たら、下の下なんだから。ドライグの宿主、あなたも鍛えないと、ドライグちゃんが使えないわよ」
声の主にリヴァさんが反応した。ドラゴンのことはドラゴンにお任せた方が良いのかな?
「リヴァさん、彼、イッセーって言うんですが、ドラゴンの教育をして、戦える状態になるように鍛えてもらえませんか?」
イッセーの教育を、リヴァさんに頼んでみた。
「シュウの頼みじゃ、断れ無いわね。いいわよ。ドライグちゃんをイヂメル…じゃなくて調教…いや、鍛えることに協力するわ」
リヴァさんは、嬉しそうにイッセーを引きずって、トレーニングルームの方へ消えていった。僕のガード役ってことで、ティアさんとオーフィスとアポは、2階の部屋に住むことになった。
転移陣が出現して、冥界に行っていた組が戻ってきたけど…あれ?一人知らない子がいる。誰だ??
「リアス、あの娘は誰?」
「シーグヴァイラ・アガレス。大公アガレス家の次期当主。あなたの監視役だって」
「監視って?」
監視される意味が分からないので、リアスに訊いた。
「ごめんなさい。私達の父が、シュウ様のことを危険な人間って、上役の悪魔に提訴したんです。本当に、すみません」
レイヴェル…提訴って?何で?
「すまない。俺達を鍛えてくれているのに、仇で返す形になって、本当にすまない」
っと、ライザー。
「あなたが、危険人物のシュウね。私はリアスから紹介のあった、シーグヴァイラ・アガレス。あなたの監視役。妙な事を少しでもすれば、冥界に報告するから。最悪、死刑になるからね。注意してね」
「何言っているのかな?そんな事はさせ無い。私達のマスターに!」
アポ、挑発はしない方が…
「私達のマスターを死刑にするのか?その前に冥界を無くしても良いぞ」
ティアさんも…
「何言っているの?たがが人間に、冥界を無くせる訳が無いでしょ!」
鼻で笑う言い方をされた。たかが人間って…それは言ちゃダメでしょ。ここって、人間の世界なんだからさぁ~!僕の我慢の限界が…
「たかが人間?お前こそ何様だ!僕達の家に承諾も無く侵入してやがって!」
「はぁ?人間が上級悪魔に勝てる訳…」
僕は、妖刀村雨を左手に装備して、刃先をヴァイラの首筋に近づけた。それを見て、僕の家の悪魔は全員避難を開始した。
「リアス、ソーナ、どこに行くの?」
それに気づいたシーグヴァイラは、少し青ざめているようだ。
「あなたの行いに巻き込まれて、死にたく無いから逃げるのよ」
ソーナ、いい判断だよ。
サマエルが大天使となって現れる。黒歌、白音も臨戦態勢になっている。この家には悪魔以外の戦力がいるからねぇ♪
「なんで、大天使がこの家にはいるの?この異様なオーラ…ドラゴンがいるのね…」
今更、気づいても遅いよ。血の気が失せた顔で周囲を見回す監視役の悪魔風情。
「答える義務は無い。この刀から水が浸みだしているだろ?これ聖水だよ。ほら、君は気化した聖水を吸い込んでいるけど、おいしいかい?」
「聖水…やめて…なさい」
おぉ、聖水が効いているねぇ。微妙に全身が痙攣し始めた監視役の悪魔。
「はぁい?さっきまでの威勢は、どこに行ったのかな?なら、大天使に聖なる光を当ててもらう?苦しまずに一瞬で灰になれるよ。君に死に方を選ばしてあげる」
「せっ、せ、聖なるものはやめて…近づけないで…」
涙声になってきたシーグヴァイラ。全身がブルブルと痙攣しているようだ。
「拒否する。人間を侮辱した言い方に対して謝罪しな」
「…それはプライドが…」
「その安っぽいプライドを掲げたまま、灰になっちゃえば。そうしたら、フェニックス卿にお前の灰1つまみを送りつけてやる」
気化した聖水でヴァイラは気を失ったようだ。さて、この後どうしましょう?取り敢えず、1階の窓を全開して空気の入れ換え。仲間にダメージを与えるのは良く無いから。
「シュウの物にすれば♪」
って、黒歌から提案。
「あ、そっち系でのいたぶり?それも悪く無いなぁ」
エスっぽい悪魔をいたぶれるのか。ワクワクする。
「身体に覚え込ますのが一番にゃ」
「黒歌は毎日、イッセーの身体に覚え込ませているよね?」
「にゃん♪」
嬉しそうな黒歌。イッセーを気に入っているようだ。
「異世界に監禁しようかな?1時間で2ヶ月分いたぶれるし」
「悪魔の女の感度を上げる薬を、後で渡すにゃん♪」