神…彼らには神格階位なる序列がある。頂点には大いなる意志なる者がいるらしい。
その次がは階位トップである宇宙神。この神は総ての宇宙を統べる神だそうだ。宇宙は1つだけ存在する訳ではなく、複数存在するそうだ。
その次には階位1位の絶対神。この神は宇宙1つに付き1柱存在して、担当する宇宙を統べるそうだ。
そして、階位3位に最高神。各星に1組3柱(創造神、維持神、破壊神)が常駐して、星の維持管理をするそうだ。
更に、神の序列の末端には、神族なる種族がいる。
私達天使や御遣いは、最高神に仕える種族である。本来で有れば、主である最高神を信仰しなければいけないのだが、私は階位2位である神の信者である。
彼は他の神とは違う。彼は大いなる意志が作り出した、対神族用の兵器だという。その為なのか、、彼には魂が無かった。魂は無かったが、魂のある神や神族よりも、優しき心、暖かい心を持ち合わせていた。
神や神族は地上の者達を、家畜程度にしか思っていなかった。しかし、彼は種族を問わずに優しく接してくれ、相談に気軽に乗ってくれた。なので、彼を信仰する地上の者達は多かった。しかし、彼には名前が無い為、正式な信仰の対象になることは無かった。
神や神族達は、殺すことはできなかっった為、好き勝手に振る舞っていた。そんな状況を大いなる意志は看過できなかったのであろう。そこで彼は創造された。神々ですら畏怖する能力、『神殺し』を手にして産まれた。大いなる意志の指示により、目に余る行為をした神々を屠っていったのだ。
神々から見たら殺戮者ではあるが、地上にいる者達にとっては、『守護者』である。神々の脅威から護ってくれる存在であったから。
神格階位は最高神より上で有り、神々にとって、彼は目の上のたんこぶと言える存在になっていく。
そんな彼は、神族達により殺された。正確に言うと、神族の卑劣なる罠に嵌まり、自害してしまったのだ。彼を殺せるのは彼だけであったから。そこに目を付けた神族達は、彼の愛すべき家族である妻達、子供達を人質に取り、彼に自殺を強要したのだ。家族の目の前で自殺をする彼…我々、彼を慕う者達が救援に行った時には、彼は虫の息であった。彼を陥れた神々を蹴散らし、彼の家族を救出した。でも彼は…
「お願い!無邪鬼、私の命を捧げるから、彼に魂を与えて!転生できる機会を与え、ねぇ、お願いよ!」
始祖鬼の娘である鬼姫が、息子である無邪鬼に願いを伝え、自ら命を絶った。
「むじゃ君、私の命も捧げるから、彼の魂の器を作ってあげて…ね、お願いします」
始祖龍の娘である龍姫が、彼の息子である無邪鬼に願いを伝え、自ら命を絶った。
無邪鬼は供物を貰うことで、願いを叶える鬼であった。彼は父親の妻達の願いを叶え、彼の魂を作り、彼の魂の器になる身体を創り、魂を器に収めた。
それらの光景を眺めていた大いなる意志は、彼の妻達の魂で、新たな魂と器を創造した。
『しばらく、この2名は私が預かる。魂が器に馴染めば、いずれ人間として転生させる。今までの記憶は封印させておく。人間の知って良い領域では無いから、能力の解放に合わせて記憶の封印も解く』
大いなる意志の言葉が、脳裏に戸届いた。
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年月が幾重にも過ぎ、私も大天使に上り詰め、最高神の片腕となり、それなりに権力を持てた。それは、彼の意志を継げる立場になったということだ。
私は彼のしたように、種族を問わずに優しく接していく。エデンの園で、最高神の作った理不尽なルールを破ったドラゴンを逃がしたり、堕天使となってしまった配下の者を励ましたり…理不尽な神々の横暴から、彼らを護り始めた。
そんな私を良く思わない旧態依然な者達は、最高神を煽り、私を失脚させた。私は彼とは違い魂がある。死ねば転生できるので、それを防ぐ為、呪いを幾重にも掛け、そして冥府にあるコキュートスという永久禁固に入れようした。間一髪仲間の手引きで逃れることは出来たが、見付かれば仲間ごと永久禁固は避けられない。
いつか、彼が復活する日が来るはずだ。その時は、今度こそは一緒に戦いたい。異種族共存可能な世界を作る為に…
その時まで捕まる訳にはいかない。
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そして、漸く彼に出逢えた…