※この作品はR-18です。

神器なき男 (再編集版)   作:もっち~!

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GWは冥界で Part1

 

 

 

 

アガレスさんにより、焼き鳥オヤジことフェニックス卿は、ご乱心故、隠居との裁定が下りたそうだ。当主を失ったフェニックス家は、ルヴァルが当主になったみたいだ。

 

地上では5月が近づき、GWという長期休暇がやってくる季節になった。

 

僕は忍者を極めて「分身の術」などを会得して、今は侍として異世界で鍛錬を積んでいる。悪友イッセーはリヴァさんと黒歌のおかげで、神滅具「赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)」を発現出来るようになった。

 

そんなある日、リアスがGWは冥界で過ごそうと言い出し、今僕たちは冥界行きのグレモリー家専用列車に乗っている。冥界には転移術で行く方法も有るけど、正式な手段は列車での移動だそうだ。家の近くの駅に、冥界行きの列車が発着するホームが有ることに驚く僕。まるで、ハリボタみたいだ。

 

「冥界に着いたら、ソーナ、ライザー、レヴェルはどうするの?」

 

「俺達は、とりあえず家に帰る。兄貴が当主になってから、まだ会っていないからな」

 

「シュウ様と、しばらく逢えないのが、残念です」

 

と、フェニックス兄妹から返答が返ってきた。

 

「私も椿姫とシトリー家に戻ります。どこかに出掛ける際には、一緒に行動しようと思っています。お声を掛けてくださいね」

 

と、ソーナ。

 

「一緒にいなくても、日々の鍛錬は忘れないでね。ライザー、ルヴァルに勝って来いよ」

 

「あぁ、異世界でいっぱい鍛錬できたしな。お前には感謝しきれないよ」

 

「レーティングゲームに参加できたら、頑張ってくれれば良いよ」

 

なんて話をしていると、むくれているヤツが一人いた。いや、むくれた顔も好きだけどね。

 

「なんで、私には話を振ってくれないのよ!!」

 

怒れる紅髪。

 

「だって、話す話題は無いし…」

 

「話題?話題なら一杯有るでしょ?」

 

「すまない、思い浮かばない」

 

「もう!!!」

 

とっても怒っているなぁ。どうしてやろうかな。

 

「前に言っただろう。怒っているリアスの顔は好きでは無いって。そんなに怒っているなら、ソーナの家で過ごしても良いよ。僕的にはね」

 

「是非、来て下さい」

 

ソーナは嬉しそうだ。行こうかな?

 

「そっ、そ、それは困ります。ソーナの家にもお連れしますが、私の家で過ごしてください」

 

涙目で訴えるリアス。その顔も好きだよ。怒っている顔も嫌いでは無いし。

 

「まぁ、当初の予定通りにするよ。お兄さんに会いたいし」

 

僕の傍には、ボディガードを買って出たオーフィス、アポ、リヴァさん、ティアさんがいる。最強クラスのドラゴンに、護られていると思うと心強い。

 

イッセーは車中でも黒歌、白音に気功を習っていた。「赤龍帝の籠手」を発現はできるのだが、僕同様に魔力があまり無いので、気で補おうとしていた。発現出来ても使えない状況と言うか。後、毎晩黒歌とよろしくしているようで、以前みたいな「ハーレム王に俺はなる」的な発言は無くなっていた。毎晩精力を吸い取られ、浮気どころでは無いらしい。

 

朱乃さんは朱璃さん(天界に知られるとまずいので、家で不思議な袋に入ってもらい、車中で袋から出ていただいた)と、楽しく会話している。ぱっと見は姉妹みたいな感じだ。冥界の堕天使領に朱乃さんの父親がいるそうで、親子3人で過ごす予定だそうだ。

 

ホームに着くと、降り口には赤い絨毯が敷かれている。その上を、リアスを先頭に歩く僕達。フカフカすぎて歩きにくい。駅の出口の前には馬車が…どんだけ貴族なんだ?

 

ライザー、レイヴェルとソーナ、椿姫は馬車には乗らずに、転移魔法陣でそれぞれの家に帰っていった。

 

初めての馬車。あまり乗り心地の良い物ではない。庶民には無理。こういう歓迎は困るよな。実は社長の城に列車で行ったことがあったけど、城の地下に入線する為、馬車移動は経験したことが無かった。

 

やっと、目的地に着いた。目の前には、お城のようなお屋敷がそびえていた。馬車の降り口にも、また赤い絨毯。はぁ…

 

従者がいっぱい。あっ、お兄さんがいる。少し安心。

 

「ただいま帰りました」

 

リアスの声に反応するかごとく、小さい男の子がリアスに走り寄ってきた。

 

「ミリキャス、良い子にしていたかしら」

 

「はい。リアスお姉様」

 

リアスの弟かな?

次に、厳格そうなおじさんが近寄ってきた。

 

「お父様、ただいま帰りました」

 

この人がリアスの父、グレモリー卿みたいだ。僕達には、グレイフィアさんが近づいてきて、

 

「長旅お疲れ様です。皆様のお部屋にご案内致しますので、こちらへどうぞ」

 

って、僕達の荷物は、従者の方々がそれぞれの部屋に運んでくれた。案内してもらった部屋…一人では広すぎる。オーフィスとアポが、自分達の枕を持って僕の部屋に入ってきた。そして、僕の枕の横に置いた。

 

「ガードだから、同じ部屋に寝るよ」

 

「我 シュウと寝る」

 

「ありがとう」

 

二人の頭を撫でてあげる。喜んでいる二人。

 

 

 

---アザゼル---

 

ボウズが、グレモリー邸に着いた頃なので、迎えに行く準備をする。サーゼクスに話を聞いた時は、流石の俺も驚いた。バラキエルの妻、朱璃が生き返ったなんて。今も朱乃と二人で仲良く暮らしているなんて。この目で見るまで信じられないが、一応朱璃の亭主のバラキエルにも伝えると、目を点にして驚いていた。死体無き死者蘇生だなんて、天界を敵に回すような能力だ。どうやったのかは、ボウズに訊いてみるか。

 

転移陣を出てみると、サーゼクスと朱璃、朱乃がいた…

 

「朱璃…」

 

俺は驚き、絞り出すような声で、彼女を呼んだ。朱璃と朱乃は笑顔で俺の方を振り向いた。

 

「アザゼルさん、お久しゅうございます」

 

確かに朱璃だ。笑顔で俺に挨拶をしてくれた。

 

「サーゼクス、ボウズを少し借りたいんだが、呼んで来て貰えるかな?」

 

「少し?夕食までに返してくれるかな?今夜は歓迎のディナーなんだ」

 

「解っている。サマエル様に少しだけ恩を返したいんだよ」

 

「解ったよ」

 

そう言うと、サーゼクスはボウズ達を連れて来てくれた。

 

「おっさん、ボディガード付きだけど、良いかな?」

 

「もちろんだよ」

 

早速、俺達は堕天使領へ転移した。

 

まず、パラキエルの家。家の前でアイツ、うろうろしてやがる。そんなアイツに朱璃が優しく声をかけた。

 

「あ、な、た♪」

 

朱璃の声がアイツの耳に届くや、豪快な男泣き…

 

「朱璃、朱璃かい?しゅりぃ~」

 

アイツは朱璃に駆け寄り、優しく深く抱きしめた。朱乃のヤツも泣いている。この休み中は、三人で過ごして、失った時を徐々に取り戻すのだろう。あっ、俺ももらい涙が出てきている…

 

「シュウ君、皆の帰る日までに、グレモリー邸に戻ります」

 

朱乃がシュウに言葉を掛けた。

 

「解りました。家族団らんを楽しんで下さいね」

 

バラキエル一家を残して、俺達はグリゴリの研究所に転移した。静かな場所、俺の部屋に案内して、寛いでもらう。

 

「なぁ、ボウズ。朱璃は、どうやって生き返ったんだ?」

 

俺は疑問を口にする。

 

「創造神に、朱璃さんの身体を創造してもらって、僕が復活の呪文を掛けたんだ」

 

創造神?復活の呪文?おいおい、すげぇ事をさらっと言ってくれるなぁ。

 

「創造神って、創世記の創造神か?」

 

「そうみたい。でも、詳しいことは、サマエルから聞いていないよ」

 

サマエル様だけでなくて、創造神も仲間にしているのか。一体どんだけの人物が、仲間になっているやら。

 

「で、復活の呪文とは?」

 

「異世界で鍛錬して身につけたんだ」

 

はぁ、異世界?こいつ、想像以上に、すげぇボウズだ。ゆっくり時間をかけて、話を色々聞きたくなったぜぇ。

 

「ボウズは、異世界に行けるのか?」

 

「航路の神様が、僕を導いてくれるんだよ」

 

こいつ、何柱の神様と仲間になっているんだ??現状でも凄まじい戦力を持っているんじゃないか?

 

「ボウズは強くなったのかな?」

 

「僕はただの人間だから、弱いよ。でも、仲間の皆が助けてくれるから、心強いんだよ」

 

「そうかぁ」

 

ボウズと俺で話し込んでいると、

 

「ただいま」

 

そういって、ヴァーリが帰ってきた。ちょうどよい。

 

「ボウズ、サマエル様、コイツはヴァーリ・ルシファー。初代魔王ルシファーの曾孫にあたる存在だ。ボウズ、コイツと戦って勝ったら、眷属して良いぞ」

 

十字架に収まっているサマエル様に声をかける。

 

「ちょっと待て。勝手に決めるな」

 

「このボウズには、ヴァーリでも勝てないか?」

 

「俺が、こんな人間に負ける訳無いだろ?」

 

サマエル様が発言されて、ヴァーリを値踏みするように見つめた。

 

「面白い。ヴァーリ・ルシファーよ。人間を侮辱した罪は重いぞ。我らの裁きを受けてもらう」

 

サマエル様がヴァーリに言い放ち、あの神々しい目力で、ヴァーリが後ずさりしていやがる。じゃあ、戦場へ行って来いって。ヴァーリとシュウ達を強制的に、訓練用の仮想フィールドへ転移させた。

 

 

 

---シュウ---

 

おっさんとサマエルで話を着けちゃって、僕の返事は聞かないのね。しくしく…

 

「シュウ、勝ちに行くぞ。是非ともほしい人材だからな」

 

いつになくサマエルは張り切っている。じゃ、がんばろうかな。ヴァーリはいつの間にかに白い鎧を着込んでいる空中にいる。そんなヴァーリに声が飛んだ。

 

「アルビオン 久しい」

 

と、オーフィス。

 

「アルビオン、ちょっと降りて話しをしようよ」

 

と、アポことグレートレッド。

 

「アルビオン、いつから無口になったのか?」

 

と、ティアさんことティアマット

 

「アルビオン、私達に挨拶無しかな?しばいたろうか?」

 

と、リヴァさんことリヴァイアサン。

 

僕のボディガード達から、ヴァーリへ…たぶん、彼の宿しているドラゴンへ、口撃が始まった…この攻撃だと、たいていのドラゴンは戦わずして、心が折れるらしい。二天竜の片割れと言われたドライグがそうだったし。

 

『宿主よ、こいつらには勝てない…いや、殺されるかもしれない…』

 

ヴァーリに宿るドラゴンの声がした。

 

「どうしてだ?相手は女、子供だぞ?」

 

『すまん。解除するぞ。殺されるのは嫌だから』

 

ヴァーリの白い鎧は消えて、地上に降りた。口撃が効いているのか??あの鎧は宿るドラゴンの力なのかな?イッセーの籠手のように。

 

『皆様、ご無沙汰しておりました』

 

口撃が効いているようで、声が裏返っているヴァーリに宿るドラゴン。

 

「何を言っているんだ?アルビオンよ。戦おうぜ!」

 

って、アポ。

 

『宿主よ、覚えておけ!あの方達の前では、二天龍は赤子同然だ』

 

「二天龍?お前も二天龍だっけ?もう片方の赤いのは、既に心をへし折ってやったぞ。毎日、調教…でなくて、鍛錬をさせているし♪」

 

と、リヴァさん。

 

『なんていう事を。ドライグは生きているのか?』

 

「おい、言葉遣いがなっていないぞ。いつからアルビオンさんは、タメ口が出来る身分になったのだ?」

 

『あっ、すみません。申し訳ありませんでした』

 

なんか、泣き声が聞こえてきそう…リヴァさんのイヂメ…で無くて、教育はハンパないなぁ。

 

「おい、どうしたアルビオン」

 

宿主であるヴァーリは、宿るドラゴン、アルビオンの弱気な態度の理由が解らないのか、アルビオンに文句を言っているけど、そこは優しくしてあげるのが、正解だよ。

 

話し込んでいる皆様、蚊帳の外状態の僕。ドライグと対をなすならアレかな?まったく誰も、僕の存在を忘れているようで、難なくヴァーリの背中に陣取り、『騎士』の駒をヴァーリに当てた。おぉ、吸い込まれていく♪

 

「いつの間に、そこにいる。おい!お前!!今、何をした?」

 

振り向きざまに僕へ問うヴァーリ。しかし、もう遅いよ。

 

「僕の眷属の『騎士』にしたの。これからは仲間だからね。よろしく、ヴァーリ♪」

 

唖然としているヴァーリ。その瞬間、ヴァーリは光に包まれて消えて行った。

 

 

 

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