※この作品はR-18です。

神器なき男 (再編集版)   作:もっち~!

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GWは冥界で Part3

 

 

 

---アジュカ---

 

シュウ君が出かけて2時間くらい経つ。何も連絡が無い。なにやら、嫌な予感がする。僕が「穏便に話して」なんて言ったから、あの子は、やられ放題やられているのでは?万が一…冥界は半日で廃墟になるだろうな。不安にかられてばかりでは、何も解決しない。意を決して、行動する。まず、サーゼクスに連絡を取ってみた。

 

「夜分にすまない」

 

「アジュカ、どうしたんだ?こんな時間に、君からかかってくるとは珍しいな」

 

「シュウ君が、そちらを訪ねて、もう2時間経つけど、彼は今どうしているんだい」

 

「僕は会っていないけど、ちょっと待って……グレイフィア、シュウ君がうちに来ているみたいなんだけど、見かけたかい?……え?そうなの。あ、アジュカ、グレイフィアも見かけていないみたいだ。本当にうちに来たのかい」

 

僕は経緯を話した。

 

「君に言われたのなら、来たはずだね。正直な子だし。ちょっと、使用人に訊いて、連絡し直すよ」

 

「そうしてくれるか?夜明け前までに、彼をうちに戻さないとまずいぞ。抑えられる限り抑えてみるけど、僕の力をもっても、30分も保たない気がする」

 

いや、ヘタすれば、一撃かもしれない…脳裏には、最悪な光景ばかり浮かぶ。

 

「わかっている。フェニックス家の二の舞いはゴメンだ。じゃぁ、後で」

 

 

 

---サーゼクス---

 

会いに来たとすれば、父上か。父上の部屋に行くと、もう寝ていて会えない。じゃぁ、誰に会っていたのか??グレイフィアからの連絡によると、門番はシュウ君を屋敷に入れたそうだけど、帰るのは見ていないという。やはり、この屋敷内のどこかにいるはずだ。何かが引っ掛かる。用もなく他の部屋にいるとは思えない。絶対に、父上には会っているはずだ。会ったらどうなるか?トラブルになる可能性大だ。父上もシュウ君も互いにキレていた。その場合、どうする。考えるのだ、サーゼクスよ…そうだ!衛兵を呼ぶはずだ。父上では勝てない相手だし。グレイフィアに、衛兵の聞き取りをしてもらうように頼んだ。

 

 

 

---グレイフィア---

 

サーゼクスより、衛兵への聞き取り調査を頼まれた。衛兵達の控室に向かう。

 

「今夜、旦那様に呼ばれた衛兵の方は、いらっしゃいますか?」

 

オドオド手を挙げる衛兵が1名。

 

「旦那様に何を命じられましたか?」

 

「リアスお嬢様を誘拐した犯人を、牢屋にぶち込みました。そして、腹切りの刑を命じられ、執行しました」

 

衛兵の目には涙。嫌々、旦那様の命令に従ったようだ。あれ?

 

「ちょっと待て!リアスお嬢様は誘拐されたの?」

 

「そのように、旦那様より聞きました」

 

「その者の名前は?」

 

「すみません。旦那様に口止めされているので、これ以上は、私の口から言えません。すみません」

 

衛兵は泣いていた。理不尽だとわかっていても、旦那様の命令は絶対なのだ。私は、サーゼクスへ連絡をした。

 

「サーゼクス、シュウ君は牢屋に入れられて、腹切りの刑だそうよ。鍵は旦那様様がお持ちだわ」

 

「困ったなぁ。シュウ君を夜明け前に無事に返さないと、冥界が…」

 

「わかった。牢破りしてみるわ」

 

「えっ?」

 

私は、サーゼクスとの連絡に使っていた魔法陣を閉じ、移動を開始した。地下の牢屋に行くドアの前に辿り着くと、鍵を魔法で……あぁ~、壊れない。仕方無いなぁ、ドアの隣の壁を魔法で壊した。そして、地下牢へと降りていく。そして、数ある牢の中からシュウ君の入っている牢を探し出した。

 

「シュウ君!!」

 

呼んだけど返事がない。最悪の事態が頭をよぎる。そのとき後ろに人の気配が。振り返ると総司がいた。

 

「大丈夫、生きているよ。問題は、どうやって出すかだが」

 

ここの牢は頑丈で、魔法でも武器でも壊せない。鍵が無いと出られないのだ。どうするかを思案していると、総司は刀を軽く振って、丸みをおびた斬撃をシュウ君目がけて放った。

 

「シュウ君、目覚めなさい」

 

飛ぶ斬撃がシュウくんの身体に当たり、彼がモゾモゾ動き出した。意識を取り戻したようだ。

 

「あ。沖田さん、グレイフィアさん。どうしてここに?あっ、腹切りしようと思ったんだけど、聖なるナイフで、僕は傷つかなかったよ。どうしよう?どうすれば、腹切り出来るかな?」

 

「シュウ君、腹切りはしなくて良いから、アジュカ様の所に帰れるかな?」

 

刺激しない為か、総司が暖かいオーラを纏いながら、シュウ君に指示を出した。

 

「たぶん、帰れると思います」

 

「そうか。アジュカ様が君に用があるって事なので、アジュカ様の所に、すぐに帰って欲しいのだけど、大丈夫かな?」

 

「沖田さん、わかりました。すぐに帰ります」

 

シュウ君は、呪文を唱えると、姿が消えた。

 

「しかし、旦那様もひどいですね。シュウ君に腹切りを命じるとは…一応、僕の愛弟子なんですけど…」

 

私は総司の言葉に頷いた。

 

 

 

 

---アジュカ---

 

突然、シュウ君が目の前に現れた。

 

「社長、沖田さんに聞いたのですが、ご用件は何ですか?」

 

くったくのない笑顔。シュウ君、良かった無事だったんだね。僕はシュウ君に抱きついた。彼の無事な姿を抱き締めると、涙が出てきた。前に涙を流したのは、何年いや何十年いや何百年前だろうか。とても久しぶり涙を流した。

 

「いや、君の帰りが遅いから、心配しちゃってね。無事なら良いんだよ」

 

「社長に言われた通り、穏便に……手を出さなかったです」

 

あぁ、やっぱり、そういう事なのだね。理不尽な目に遭わしちゃったみたいだ。一緒に行けば良かった。

 

「明日、リアス君を連れて、僕も一緒に行くから、もう一度、グレモリー邸に行こう。いいね」

 

「でも、僕を誘拐犯だって言われて牢屋に入れたんですよ。その上、腹切りを命じられたし。あっ、牢脱けもしちゃったよ…」

 

腹切り?なんで?そこまで、グレモリー卿はキレているのか?そんな場所に、シュウ君を一人で行かしたのか、僕は後悔…これも久しぶりにした気がする。

 

「君は僕の息子なんだから。僕が護るよ。この冥界にいる間は全力でね」

 

「ありがとうございます、しゃ…いいや、お父さん♪」

 

初めて僕の事を、『お父さん』って呼んでくれた。ありがとう、シュウ君。君が息子で本当に良かった。

 

 

 

---シュウ---

 

朝まで、少し仮眠。隣にはリアス。服を着ての添い寝って、初めてじゃないかな?コイツは、基本的に全裸でないと寝られないヤツだし。

 

昨夜はコイツのおかげでエラい目に遭ったというのに、幸せそうに寝ている。そんなリアスの額に、お約束のデコピンを一発!

 

パシッ!

 

「痛っ…」

 

額を撫でながら、目覚めるリアス。

 

「おはよう、リアス」

 

「あっ、おはよう…って、もう少し優しく起こせないの?毎回、毎回、デコピンかよ!」

 

寝ぼけていた顔が、怒りでヒートアップして、いつものリアスの顔になっていく。

 

「起こせません。嫌なら、別の相手を探しなさい」

 

「イヂワル…嫌じゃないよ。でも優しく起こしてね」

 

僕の言葉で一気に弱々しい表情になっていく。感情がジェットコースターだよな。僕はそんなリアスの百面相が好きではある。デコピンで赤くなった彼女の額に、軽く口づけをした。

 

「なんで、額?他にもする処あるでしょ?」

 

そして、怒り顔。

 

「嫌なら、もうしません」

 

「嫌じゃないって。だから、もっと一杯してね♪」

 

そして、凹み顔からの笑顔…日常の風景に戻ったようだ…でも、やらないといけないことがある。

 

「リアス、午前中にグレモリー邸に、乗り込むぞ」

 

「なんで?あれ?ここって、うちじゃないの?」

 

不思議そうな顔をするリアス。昨夜の事を忘れたのか?そもそも、ここをグレモリー邸だと思っているのか?

 

「僕は、リアスをグレモリー邸から誘拐した事になっているし、牢脱けもしちゃったし、昨晩は大変だったんだぞ。お前が幸せそうに寝ている間にね!」

 

「うっ…そう言えば…そんなことが…ごめんね。私のせいだよね。本当にごめんなさい」

 

ベッドの上で、土下座。そういう場所でされてもなぁ。まぁ、リアスだから良いっか♪

 

------

 

グレモリー邸前。お父さんと僕、リアス、オーフィス、アポが立っている。お父さんが門番に用件を伝えて、通してもらう。グレモリー邸に入っていった。

 

グレモリー卿が、僕を見るなり、

 

「貴様、牢から脱走した上、腹切りは、どうしたのだ?衛兵はおるか、こいつを牢へ入れて、すぐに処刑しろ!」

 

大声で怒鳴るリアスの父親。

 

「ちょっと、待ってください。僕の息子を牢へ入れて、切腹ですか?」

 

お父さんが口を挟むと、グレモリー卿の顔色が青ざめた。

 

「アジュカ様の息子?どういうことですか?」

 

「シュウ君は、僕の養子、息子です」

 

「はぁ?ただの人間風情ですぞ。アジュカ様の眼鏡は曇りましたかな」

 

僕の方を軽蔑した目つきで見てきた。

 

「それがどうしましたか?グレモリー卿。優秀な人材は種族は関係無いと思いますよ。この度のあなたの取った行為、彼の親として看過できません。あなたは、私の息子を傷つけるだけでなく、息子の婚約者をも傷つけましたね。どう決着をつけるおつもりですか?」

 

お父さんは冷静な口調だけど、オーラを纏って、プレッシャーをかけている。それに伴い、グレモリー卿は大汗を流し始めた。

 

「父上、やりかたが理不尽ですよ。牢に入れて、刑を命じて、寝ちゃうってどういうことですか?あのまま朝を迎えていたら、冥界は消えていたかもしれないのに」

 

「どういうことだ。サーゼクスよ」

 

「アガレス邸の崩壊、あれ、シュウ君の仲間がやったんですよ。それも一瞬で」

 

「頑強な屋敷を一瞬で?有り得ない。サーゼクスよ、幻でも見たんでは無いのか?」

 

「この場で実演しましょうか?卑しい悪魔さん」

 

穏便にと銘じられた僕の代わりに、アポがキレた。

 

「失礼な言い方だな。君は誰だ?」

 

「私は、真なる赤龍神帝と呼ばれる存在だ」

 

「まさか、そんなはずは……さすが人間風情の仲間だ。ホラ吹きが多いようだな」

 

アポは僕を見たけど、ダメだよここは。

 

「お前 嫌い 嫌なやつ!」

 

「また、失礼な輩だな、今度は何って言うつもりだい。」

 

「我 オーフィス」

 

「有り得ないな。グレートレッドとオーフィスが、一緒にいるなんて前代未聞だよ。嘘ってバレる嘘を吐くあたり、人間って愚かな生き物だな。ははは」

 

グレモリー卿は鼻で笑っているようだ。

 

ごめんなさい。お兄さん、お父さん、リアス、グレイフィアさん。本当の事を言っているアポとオーフィスを嘘つき呼ばわりなんて、許せないです。すみません。僕は念話で、みんなにメッセージを送った上で、

 

「そこのクソオヤジ!僕の事をバカにするなら、我慢できるけどなぁ。仲間をバカにするのは許せない。アポとオーフィスに、今すぐに謝れ!!」

 

僕の周りに怒りのオーラが発生した。それに呼応して、アポ、オーフィスのオーラも増大していった。リアスは…何も出来ない自分にいらだって…また半狂乱な状態になり、滅の力を纏い始めた。

 

「シュウ君…限界だなぁ。僕も限界だよ。グレモリー卿、あなたを見損ないました。サーゼクス、全員を避難させろ!!」

 

お父さんがお兄さん達に警告を出したが、

 

「シュウ君の気持ちは、痛い程解るけど、ここは僕達の家だ、僕達は戦うよ。良いね、シュウ君。グレイフィア、仮想フィールドにシュウ君達と僕の眷属を転移だ。早くしろ!」

 

それより、早くリアスを保護してよ~滅の力を纏っているんだけど…お兄さん達もヒートアップしていて、リアスの異変に気づいていないようだ。

 

「はい。既に用意してあります。すぐに転移します」

 

僕達は仮想フィールドへと強制転移した.

 

 

 

 

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