※この作品はR-18です。

神器なき男 (再編集版)   作:もっち~!

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珍客 Part2

 

お昼休み、僕は恐る恐る弁当箱の蓋を開けた…目に入ってきたのは、巨大なフランクフルトのタコさん。イッセーのは普通のタコさんウィンナー。巨大な厚焼き玉子、しかも硬い。イッセーのはふわふわの厚焼き玉子…なにもかも巨大で硬そう。はぁ~、せっかく作ってくれたんだから、意地でも全部食べますけど。はぁ~。溜息ばかりしか出やしない。

 

食べ終わると、予想以上に顎あごが疲れた。明日からは止めて貰おう。そんな苦難な食休みを過ごしていると、桐生が寄ってきた。

 

「イッセーは今、どこに住んでいるのさぁ」

 

「どこでもいいだろう?」

 

「昨日、イッセーの家に行ったら、学校の傍で、友達とルームシェアしているって言われたわよ。友達って、シュウしかいないよね?」

 

なんで話を僕に振るんだ?

 

「イッセーには、桐生がいるだろう」

 

「私は彼とは一緒に住んでいない。で、シュウの家に遊びに行きたいんだけど、どこ?」

 

何がしたいんだ、コイツは?

 

「はぁ?なんで、お前が僕の家に遊びに来るの?理由は??」

 

「イッセーの住んでいる環境が見たいのよ。」

 

「なんで?俺の住んでいる環境?見せられる訳ないだろう。プライベートの侵害だぞ」

 

「まさか、異性と暮らしていたり?」

 

「一人部屋だよ」

 

「なら、見せられるでしょ?」

 

「無理無理」

 

「そう、ならイッセーの両親に、年上の女性と暮らしているってチクろうかな?」

 

「暮らしていないって」

 

休み時間終了のチャイムが鳴る。桐生は粘着質なのか?それとも、イッセーに惚れているのか?こいつって、トラベルメーカーな予感がする…

 

------

 

放課後、4人でオカ研の部室に向かうが、またつけられているみたいだ。3人を先に行かして、僕が一人が囮になる。後ろにいるのは、桐生みたいだ。家を探す気が満々なのだろう。僕は生徒会室に向かい、室内に入った。

 

「椿姫、よぉ!」

 

「あっ、シュウ君」

 

「ソーナは奥かな?」

 

「そうです」

 

僕は奥の部屋に入る。ソーナが書類の山と格闘していた。

 

「ソーナ、ごくろうさま」

 

「シュウ君。どうしたの?」

 

「つけられていてね。ここから転移していいかな?」

 

「いいわよ。いつでも利用してね。」

 

お礼の代わりにソーナの額に口づけをする。そして、僕は転移した。

 

------

 

バイト先にて

 

「駒の属性を本体依存に出来ますか?」

 

最近、考えていた事を社長に訊いてみる。

 

「うん?どういう事かな?」

 

「僕の駒って、基本転生人間だけど、設定によっては転生悪魔にもなりますが、駒の宿主の属性を通す事って出来たらいいなぁって。例えば、リヴァさんならドラゴンで、黒歌なら猫しょうって具合になれば、それぞれの特性が活かせるって思うんです」

 

「それは良いアイデアだね。転生悪魔だと、君の聖水の噴水攻撃で全滅しちゃうかもしれないものな。うん、考えてみるよ」

 

「ありがとうございます」

 

今日は来客もなく、平穏無事に仕事をこなせた。

 

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家に帰って、リアスを探す。自分の部屋で、料理のレシピ本を読んでいるリアスを発見。

 

「リアス、頼むから、お弁当を作らないで」

 

「まずかったの?」

 

目を見張って僕を見た。

 

「硬かった。人間の顎は柔だから、とっても疲れたよ。」

 

リアスは両手で、僕のあごをマッサージし始めた。

 

「作るなら、朱璃さんにちゃんと習ってつくってね」

 

「そうだわね。同じ素材と同じような食感を目指してみるよ」

 

僕はリアスの額に口づけをした。

 

「なんで?額?」

 

顔を赤らめているが、気に入らないみたいだ。

 

「嫌なら、しない」

 

「嫌じゃないけど、ちゃんとしてね」

 

目を閉じて顎を上げて、唇を突き出すようにしているリアスに、デコピン一発!

 

「痛っ、なんでよぉ~」

 

「いや、なんとなく…」

 

そして、なんとなく夜は過ぎていく。

 

------

 

次の日の昼休み、知らない女子生徒が教室を覗いている。

 

「いた、あいつだぁ!」

 

って、声がした。誰かが何か悪さしたのか、って思っていたら、二人の知らない女子生徒が、僕の前にいた。

 

「あなた、ちょっと、顔を貸しなさい」

 

はぁ?なんだ、こいつら。

 

「貸さないよ。知らない人に、ついて行っちゃダメって、言われているから」

 

「あんたは、子供か?」

 

「子供ですよ。まだお酒もたばこもダメだし、選挙権すらないですし」

 

「ふざけたやつだ!」

 

イラだった相手が、僕の胸倉を掴もうとした時、ヴァイラとヴァーリが間に入る。

 

「彼に何の用かしら?残念ながら、恋人募集はしていないわよ」

 

「そんなにオーラを溜めて、何しようっていうのかな?」

 

「あなた達は、こいつの何??」

 

「「ガードだ」」

 

「「えっ?」」

 

驚いている名の知らない二人の女生徒。

 

「イッセー、次の授業、僕ら三名は気分が悪いから、外の空気吸ってくるって、言っておいてくれるかな?」

 

「あいよ」

 

僕達は教室を後にした。そして、人気の無い旧校舎の裏手に来た。うっそうと草が茂った森の一角。

 

「まず、お前ら誰だ?僕は面識が無いぞ」

 

「私は、巡 巴柄。彼女は由良 翼紗」

 

「巡さん達は、僕に何の用かな?」

 

「私達は放課後、生徒会を手伝っている。あなた、昨日、新羅副会長と、支取会長を敬称無しの上に、名前で呼んだわね?それって、失礼だと思わないの?彼女達は、先輩だよ」

 

そういうことか…

 

「シトリー眷属か?」

 

言い当てられて、驚く二人。

 

「どうしてそれを?あなた達も悪魔?」

 

うん?知らないでケンカを売りに来たのか?

 

「僕達は人間だよ。転生人間。君達、転生悪魔とは違う」

 

僕の返答に戸惑う巴柄。

 

「あなた達は何者?」

 

「相手の正体を知らずに、ケンカ売っているの?眷属の『王』のソーナが聞いた、嘆くわよ」

 

呆れたように、ヴァイラが言葉を漏らした。

 

「力づくで、わからせてあげるわ」

 

巴柄は日本刀を構え、翼紗は体術かな?

 

「ヴァイラは巴柄、ヴァーリは翼紗の相手してくれるかな?」

 

「「了解!」」

 

ヴァイラはレイピアを構えた。ヴァーリはバランスブレイク(禁手)した。

 

「まさか、噂で聞いた白龍皇?」

 

禁手化したヴァーリに驚く翼紗。

 

「シーグヴァイラが言っていただろ?相手の正体を知らずに、ケンカを売ったお前らが悪い」

 

ヴァーリが笑みを浮かべて言った。

 

「女性にまかせて自分は高見の見物?」

 

「ごめんなさい。手加減出来る攻撃が出来ないから、不器用者なんです。僕がやると瞬殺しちゃうからね、新米悪魔さん」

 

「新米?」

 

何か驚いている巴柄。新米って自覚が無いのかな?

 

「だって、彼女、大公アガレス様のお嬢様だよ。それを知らないから、新米だって言っているんだよ。本来、悪魔で有る君達が、僕達にケンカを売るって、有り得ないと思うよ」

 

「大公のお嬢様?」

 

巴柄がヴァイラに確認する。

 

「私はシーグヴァイラ・アガレス。大公家の次期当主にして、彼の婚約者である守護者。覚えておきなさい」

 

1分も掛からずに、相手の二人は攻撃不能に。ヴァイラとヴァーリには、ご褒美として異世界で鍛錬してもらう事にした。その間に、こいつらを調教…でなくて、教育しまくろうかな。相手の二人を袋に詰めて。三人で異世界に『ルーラ』した。

 

ヴァーリとヴァイラに特薬草の青汁アンプルを渡して、狩り場に置いてくる。僕は宿屋で部屋を取り、袋から巴柄と翼紗を取り出した。ここからは前菜として、お決まりの普通ではないスライム君達の出番…

 

スライム君達が満足して帰って行くと、恍惚の表情になっている巴柄と翼紗が出来た。そんな状態の巡と由良に、交互でサービスをしてもらう。なかなかうまい。

 

特に翼紗。体術系のおかげなのか、身体の肉付きがバランス良く、気持ちが良い。見た目は僕好みだし…そして、調教…いや、教育は二人の気力が果てるまで続けた。

 

で、巴柄と翼紗を袋に詰め、ヴァーリとヴァイラを拾って、実世界に帰還。三人で教室に戻った。

 

------

 

放課後、僕は生徒会室へと向かう。また桐生がついてくる。生徒会室に入ると、椿姫に何も言わないで、ズンズンと会長室に進む。ドアを開けるとソーナがいた。後ろから心配そうに椿姫がついて来る気配がする。

 

「ソーナ、どういうことだ?シトリー眷属にケンカ売られたんだけど?」

 

「え?そのような指示は出していません。人違いでは?」

 

生徒会役員のみんなの手前、冷静沈着なソーナ。僕は袋から巴柄と翼紗を出した。

 

「こいつらが、昼休みに来て、ツラ貸せって。肉体的にも精神的にも返り討ちにしちゃったけどね」

 

身体中傷だらけで服を纏わずに恍惚な表情の二人…

 

「なんてことを」

 

「ひどい…」

 

ソーナと椿姫が驚いていた。

 

「ねぇ、シュウ君、手当もせずにお仕置きしたんですか?」

 

手当をする程の怪我は無い。そこまで鬼では無いのだが…

 

「手当?お仕置きの前に、塩でも塗り込めば良かった?今からじゃ、遅いのかな?」

 

僕は巴柄、翼紗に回復魔法を掛けた。

 

「これで良い?嫌なら嫌って、僕に直接言えば良いだろ?支取先輩。そんなに嫌なら、解消で良いからな!僕から申し込んだ訳で無いし。どうも、お騒がせしました。新羅先輩!」

 

僕は後ろを振り返らずに生徒会室を出た。そこには桐生が待っていた。

 

「生徒会と何を揉めているの?」

 

こいつ、イラつく奴だなぁ…イライラによるストレスが、僕の心を闇へと呼び込む。

 

「おまえには関係ない!」

 

校門を出ても、まだついてくる粘着質な桐生。

 

「もう、ついてくるな。お前が思っているより、サイテーな男だぞ。平気で女性を傷つけられる」

 

「そんなことしたの?」

 

僕の言う事を信用していない桐生。早くどこかに行って欲しい。誰かを屠りたくなってきた…

 

「今、してきた。生徒会室でね。二人を半殺しにしたよ」

 

「なんてことを…」

 

「だから、一人にしてくれ。頼む」

 

桐生はまだ離れてくれない。本当に屠る前に、妖刀村雨を装備して、刃先を桐生に向ける。

 

「どっかに行ってくれないなら、桐生でも斬るよ」

 

桐生は青醒めて、どこかに走って行った。一人残った僕。無差別な殺意を抱いてしまい始めた僕は、もうこの世界には、居られなと思う。僕の居場所である異世界へと『ルーラ』した

。

 

 

---リアス---

 

夜、シュウは帰って来ない。アジュカ様の会社は、初めての無断欠勤だそうだ。ソーナと椿姫が謝っている。生徒会で言葉のすれ違いがあって、シュウはキレて、どこかに行ってしまったようだ。

 

「ごめんなさい。もっと、優しく接すれば良かった。生徒会のみんなの手前、いつも通りに接することが出来なかった。本当にごめんなさい」

 

ソーナは涙をポロポロ流し、みんなに謝っている。椿姫もソーナの隣で泣いている。あのシュウが、こんな事になるなんて、シュウ的には、辛い事が積み重なったのだろうか?

 

私は眷属のみんなに頼んで、探してもらっている。アポは次元の狭間で色々な世界を覗いて探すって、オーフィスと二人で出かけた。

 

「ソーナ、何でお前の眷属が、ボウズにケンカ売るんだ?お前、ボウズの事を、眷属に話していないのか?」

 

アザゼルがソーナに訊いた。

 

「まだ、話してませんでした。すみません」

 

探しに行っていたイッセーが、戻ってきた。

 

「同じクラスの桐生って女子が、たぶん、シュウと最後にあった人物のようです。一人になりたいって言ったシュウの傍に居続けたら、いきなり刀で襲われたって」

 

「あぁ、その子が、トリガーになったのかな。ストレスが限界で爆発したのかな?はぁ~…何て事をしてくれたのよ。その子を屠っていい?」

 

「落ち着いてください。リアス部長。屠ちゃダメですって」

 

イッセー、わかっているわよ。

 

「無事ですよね?私、まだ恩返しをしていないんです。私の願いを叶えてくれたシュウ君に」

 

朱乃…

 

「私もです。契約の成果に見合う以上の報酬を、貰っちゃいましたから。それも先渡しで」

 

小猫…

 

「私も。過去のレッテルを外してくれた上に、夢にまで見ていた白音との暮らしを、叶えてくれたにゃん」

 

黒歌…そうだわ。みんなの悩みを解消してきたのに、シュウの悩みは誰も、解消してあげていないよね。いや、彼の悩みすらわかっていない…

 

「おい、みんな、聞け!ふらっと、一人旅に出たと思え。ボウズが帰って来るまで、おのおの鍛錬を怠らずに、今以上の物を見せてやれよ」

 

アザゼルが提案をしてくれた。そうだね。それしか無いか。

 

「そうですよね」

 

ヴァイラ…

 

「こんな鍛錬に適した環境をくれた恩に報いなきゃな」

 

ヴァーリ…

 

「リアス、ソーナ、そういうことだ」

 

アザゼルが、プチパニックしていた私達に、良い方向性を示してくれた。

 

 

 

---シュウ---

 

僕は航路の神様と会っていた。

 

「僕はもっと強くなりたい」

 

「お前は、真面目に鍛錬を取り組んでいると思うが、足らぬか?」

 

「一人で敵を屠れるようになりたい。仲間を戦闘に参加させなくても、良いようになりたい」

 

「何があったのじゃ?」

 

「僕は強くなりたい」

 

僕の意識は遠くなっていく…遠くで誰達の声だけが聞こえる。

 

「短期間での高負荷な鍛錬によって、傷を負っていた心が、想いのすれ違いによって、壊れてしまったようだ。この子にとって実世界は、短期間に色々有り過ぎのだろう。心を癒やせる仲間が、いれば良いのだろうか?」

 

「サマエルよ、我々がいるではないか」

 

「普段、傍にいて上げられない。彼が心に傷を負っても、傍で癒やしてあげられない。まだ常時、傍にいてあげることが出来無い。はがゆいけどね」

 

「間違った道に進むようであれば、我々が正してあげられるが、心のすれ違いによるダメージは避けられないからなぁ」

 

「精霊よ、非常事態だから、彼の仲間を3人くらい、ここに呼ぼう。心を癒やすことは我々には出来無いからな」

 

 

 

---ヴァイラ---

 

今日は何も手につかないので、部屋に戻って来たけれど、シュウ君のことが心配だよ。何が、守護者だ。大事な時に、傍にいないのでは意味がない。私では彼を護れないのだろうか?涙が自然に溢れてくる。

 

ぼぉ~っとしていたら突然、鏡が光り出す。えっ!?鏡から声が聞こえる。

 

『選ばれし者よ。汝、主シュウを守護する者なり。守護したいのであれば、時空の扉をくぐれ』

 

あの鏡から入れば、シュウ君に会える。そんな気がしてきた。私は、部屋に書き置きを残し、鏡に入って行った。

 

 

 

---椿姫---

 

何であの時、声を掛けなかったのだろうか。あの時、シュウ君が出て行く後ろ姿に、声を掛けていれば、状況は変わっていたかもしれない。涙が止まらない。一生分の涙が出ても構わない。シュウ君が戻って来てくれるのならば…

 

突然、鏡が光り出す。鏡から声が聞こえる。耳を澄まして聞く。

 

『選ばれし者よ。汝、主シュウと共に戦う者なり。共に戦いたいのであれば、時空の扉をくぐれ。』

 

時空の扉?光っているあの鏡に違いない。私は、迷わず鏡に入って行った。

 

 

 

---グレイフィア---

 

シュウ君の事を聞いたとき、まだメイドの仕事中だったのに、人目をはばからず涙が出てきた。奥様から注意をされたけど、自然に出てきてしまった涙。私にはどうすることも出来ない。サーゼクスもあれこれ探してくれているけど、痕跡すら見つからない。もう会えないのかしら?私のご主人様…

 

突然、鏡が光り出す。鏡から声が聞こえる。こんな不思議な事ってあるのね。

 

『選ばれし者よ。汝、主シュウを癒やす者なり。癒やしたいのであれば、時空の扉をくぐれ。』

 

癒やす?シュウ君は傷ついているの??待っていて、今すぐ行くから。私は戦闘服に着替えて、鏡に吸い込まれていった。

 

 

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