※この作品はR-18です。

神器なき男 (再編集版)   作:もっち~!

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賽は投げられた Part1

 

2年生、ソーナ、リアス、椿姫、朱乃さん達の修学旅行が、明日に迫っていた。朱璃さんは朱乃さんの留守中、バラキエルさんと冥界で過ごすようだ。

 

「シュウ、お土産は何がいい?」

 

「リアスの困った顔」

 

「はぁ?」

 

「その顔だよ」

 

リアスは顔を赤く染める。旅行準備で慌ただしくも、なんとなくのどかな晩であった。

 

「あんまり、リアスを困らせないでね。私達に当たるから」

 

リアスをからかっていたら、ソーナが口を挟んできた。

 

「そんなことしたら、僕に言ってくれ。リアスの頭をグリグリ締め上げる刑にするから」

 

「そんなことしないもん」

 

今度は頬を膨らませている。感情が豊かで良い子だ。頭を撫でてあげる。

 

「子供で無いんだから、そんなあやし方しないでよ」

 

「どんなあやし方がいいの?」

 

「それは…」

 

今度はモジモジしだした。リアスはからかいがいがあるなぁ。もっとしたいけど…

 

「お土産は、しば漬けと生八つ橋ニッキ味がいいなぁ」

 

と、ぼそっという僕。

 

リアスとソーナがメモっている。同じものが2つずつ来そうだな。

 

------

 

翌朝、旅行行く組と学校行く組がいなくなった僕達の家。残り組はリビングに集まる。僕は、みんなに指示を出していく。ヴァーリとヴァイラに意思確認を済ませている。この二人も関係者であるから。黒歌は留守番だ。白音とずっと一緒にいて欲しいから。

 

黒歌は僕の顔を見つめている。何か言いたそうだ。でも、僕はあえて訊かない。決心が揺れそうだから。

 

「黒歌、後を頼むよ。また、逢えたら良いな」

 

参加メンバーは第四天、かつて『エデンの園』と呼ばれていた場所に、亜空間移動した。

 

 

 

---天界---

 

天界の第六天に中枢機関「ゼブル」がある。そこには、天界を取り仕切っている熾天使(セラフ)達がいる。

 

「ミカエル様、何者かが第四天に侵入したようです」

 

ラファエルがミカエルに侵入者がいることを伝えた。

 

「なんで、第四天なんだ?あんな何も無いところに?取り敢えず、天使達を向かわせて迎撃させなさい」

 

ミカエルと呼ばれた男は、天界の組織「熾天使」を率いる天使長で、四大熾天使の1人であり、神不在の『神のシステム』の代行をしている。現在の真の信仰の対象である。

 

「反撃されています。応援要請です」

 

「熾天使の部隊を投入させなさい。あと、バチカンへ応援要請をしなさい」

 

 

 

---第四天---

 

アレを呼び出すための準備は進んでいた。思ったより早く迎撃部隊が来て、アレをする場所の前方では戦闘をしている。ヴァーリは禁手して『半減の力』で、天使たちを弱体化して、ヴァイラ、美猴、アーサー、ルフェイが屠っていく。

 

「なるほど、無限スライム地獄の鍛錬は、この為だったのかよぉ♪」

 

美猴は別世界での鍛錬を思い出していた。

 

「そうみたいですね」

 

その美猴の言葉にアーサーは頷いた。

 

ヴァイラは『炎のブーメラン』で天使の翼を燃やしていく。

 

「ここは守り抜くわよ」

 

ヴァイラはみんなを鼓舞した。

 

「「「了解!!」」」

 

---

 

床に魔法陣を描き終えた大天使サマエル。

 

「そろそろ、始めようか」

 

シュウを中央に6名の人物が周囲を取り囲み、囲んだ外側にはレヴィアタン、ベヒモス、ジズは三角形を描くように立っている。

 

「我、白い馬なり」

 

「我、赤い馬なり」

 

「我 黒い馬なり」

 

「我、青い馬なり」

 

「我は殉教者なり」

 

「我、天変地異を起こせる者なり」

 

ホーリードラゴン、グレートレッド、オーフィス、ティアマット、サマエル、ブラフマーの順に、言霊をシュウへと発した。シュウは彼らの中央で黙祷して、祈りを捧げた。

 

「アーメン」

 

次の瞬間、シュウ達の頭上には六芒星が現れ、レヴィアタン達の頭上には三角形が現れた。三角形は3種類各6枚ずつのタイル状のものが六芒星に向かって行き、決まった場所に収まっていった。最後の1枚が嵌まると、六芒星が90度傾、き立ち上がる格好になり、レヴィアタン達の頭上で獣門に変化した。

 

「門を開け 我は鍵なり!」

 

シュウの身体が一瞬揺らめき、獣門に吸い込まれていく…門は開き、天界の最終兵器トライヘキサが出現した。

 

 

 

---第六天---

 

「ミカエル様、大変です。ウリエルが喰われました」

 

ラファエルから被害状況が、ミカエルにもたらされていく。

 

「喰われた?誰に??」

 

「アイツの封印を解かれました…トライヘキサが召喚されています」

 

「地上の人間を屠る為のヤツが、天界に召喚されただと?誰が一体…」

 

 

 

---グリゴリ本部---

 

「アザゼル、大変だぁ。天界が攻撃に晒されているみたいだ」

 

シェムハザより天界の状況が知らせた。

 

「あんだとぉ?誰…あぁ、ボウズかぁ。時期が早くねぇか?」

 

「どうします?」

 

「俺達は絶対に動くな!シェムハザ、ここは頼んだぞ。俺はちょっと行く処が出来た。あと、バラキエルには知らせるなよ」

 

 

 

---魔王領---

 

「天界が攻撃されているぞ」

 

ファルビウムより天界の状況がもたらされた。

 

「我々は手を出さない」

 

「そうだな。働いたら負けだぞ。サーゼクス」

 

 

 

---第四天---

 

「前衛部隊はトライヘキサの横か後ろに移動しろ。前にいると喰われるぞ!!こいつは、人の形をした生き物は見境なく、喰い続ける殺人生物だから」

 

サマエルから、トライヘキサについての注意事項が知らされた。

 

「「「了解!!」」」

 

ヴァイラ達は、アイツの後ろに位置取った。

 

「アポ、オーフィス、ティアはミカエルを頼む」

 

「あぁ、ミカエルをやっと叩けるな、サマエルよ」

 

アポが頷いた。

 

「ルシファー達の無念を晴らしてくれ。私とブラフマーとホーリードラゴンで第七天へ行く。システム改修の時間稼ぎも頼む。バチカンから援軍が来ると思うから」

 

サマエル達は亜空間移動で第七天神のシステム室に移動した。

 

「まず、エデンの園の機能を復活させよう」

 

「いや、ミカエルの堕天化が先だな。権力を掌握するという征服欲を持ちすぎている」

 

サマエルの考えにブラフマーは異を唱えた。

 

「確かに…では、それを先にしましょう」

 

ブラフマーの考えに同調したサマエル。

 

 

 

---バチカン---

 

アザゼルの前にストラーダ枢機卿がいる。

 

「天界への援軍は出さないで欲しい」

 

「はぁ?堕天使の総督が何の用かと思ったら、お主らが手引きしたことか?」

 

「かつて、俺が天使だった頃の大恩人達が起こした天界のクーデターみたいなものだ。人間が介入しない方が良い」

 

「大恩人?クーデター?何を言っている」

 

「黙示録に書かれてる人物達が関わっている」

 

「黙示録だと??あれはまだ解読出来ていないはずだ」

 

「啓示した側と啓示された側が、手を組んでいる。天界はそいつらを人間の手で屠れって言っているんだろ?あんたも、あれを解読していた側の人間だ。意味わかるよな?」

 

「歴史から抹殺された大天使様か?」

 

「あぁ、そうだ。アレを書いた末裔の者が、封印を解いた」

 

「実在するなら、会ってみたいなぁ。封印されていたのか…」

 

「きっと、生きて帰って来てくれるはずだ。その時は紹介するぞ」

 

「封印を解かれた者は誰だ?」

 

「大天使サマエル、創造神ブラフマー、知恵の精霊、次元航路の神…」

 

「まさに歴史から消された者達だぁ。そうか、封印されていたかぁ。お前を信じて、武器を捨て、天国の門の前に行こう」

 

 

 

---木場---

 

リアス部長が修学旅行中なので、悪魔のお仕事を早めに終え、僕達の家に帰る。異変に気づく僕達…

 

「なんで、家の中なのにお前、女にならないんだ?」

 

イッセーに指摘された。僕はシュウにかけられた呪いで、家の中だけ女性になるようにされていたが、今は僕は僕のままだ。

 

リビングに入ると、いつもは、オーフィス君とかアポさんとルフェイさんなんかがいて、賑やかなのだけど、今夜は黒歌さんしかいない。トレーニングルームかな?イッセー君は黒歌さんのうつろな目を見て、急に2階に上がっていく。僕は彼の後を追った。シュウの部屋のドアを開けると……部屋の中は空っぽだった。ベッドも、机も椅子も本棚も何も無い状態だった。イッセー君は両手の拳を握りしめていた。僕は彼に声がかけられない。こんな時、彼になんて言えば良いのだろうか?

 

 

 

---白音---

 

黒歌お姉様は、私を見つけると、いつもより強く抱きしめてくれた。

 

「寂しかったにゃん。でも、シュウと約束したんにゃん。この家を護るってにゃ」

 

お姉様は、私の小さな胸に顔を埋めて泣いている。私も泣きたいのに、これでは泣けない。横を見ると、ギャ~君は固まっていた。いつもシュウお兄様が座っていた椅子を見て、膝にアポさん、肩車でオー君を載せて、笑顔で頭を撫でてくれた人は、もうここにはいない。

 

この家の時は、止まったかもしれない。

 

 

 

---翼紗---

 

いつものように巴柄と家に帰ると、時が止まったかのようにみんな固まっていた。聞こえてくるのはすすり泣く声だけ。

 

「黒歌さんどうしたんですか?」

 

「お兄様達が行ってしまわれた」

 

小猫ちゃんがぽつりと言う。

 

「どこへ?」

 

「片道切符の旅路…」

 

「へぇ?」

 

 

 

---木場---

 

シュウ、なんで呪いを解いたのさぁ?女性の姿ならイッセー君を、後ろから抱きしめても不自然でなかったのに…なんてことを思ったら、イッセー君の声で現実に引き戻された。

 

「おい、ドライグ!天界にはどう行けばいいんだ?」

 

「バチカンから階段があったはずだが。あとは転移魔法か、亜空間移動だな」

 

「どれも、難し…あぁ、木場!お前はバチカンに転移できるか?」

 

「バチカン?行ったことないよ。僕がいたのはバチカンの研究機関の研究所だったから」

 

「誰かいないかな?」

 

「行ってどうするんだ?」

 

「ダチの骨拾いに行く。ついでに少しでも役に立ちたいんだぁ」

 

シュウには僕も、呪いの件を問い詰めたい。でもバチカンに行く方法??

 

「バチカンなら行けるぞ」

 

声がした方を見るとクロウがいた。

 

「世界各地を飛び回っていたからなぁ」

 

「連れて行ってくれ」

 

「ダメだぁ。お前らは弱いから、置いていかれたんだぞ」

 

「そうなのか?」

 

「今行けば、無駄死だ。お前はリアス・グレモリーの眷属で悪魔だ。そんなヤツが天界に行ったら、一撃で屠られるぞ」

 

「あ…俺…悪魔だった」

 

力無く崩れ落ちるイッセー君。この家で悪魔で無いのは、黒歌さんと邪龍の二人だろう。僕らは悪魔だ。だから悪魔のお仕事をこなして帰ってきたんだよ。

 

 

 

---ソーナ---

 

翼紗から連絡があった。私達の家の異変。なんで、私達の修学旅行中?朝、玄関で見送ってくれた彼。お土産を要望していたじゃない。リアスにも連絡があったのだろか?あぁ、どうしよう。私は屋上に行って、お姉様を呼び出した。

 

「呼ばれてもなぁ…」

 

「お姉様は魔王なんだから、どうにか出来ませんか?」

 

「どうにか出来るなら、もうやっているよ。出来ないから、ここに来たのよ~」

 

「なぜ、出来ないんですか?」

 

お姉様は溜息を吐いて

 

「サーゼクスとファルビウムが、悪魔は手を出さないと決定したのよ」

 

「そんな事を言わないで、お願いします。彼を、シュウ君を助けてください」

 

「私達は、悪魔なのよ!ソーナ!だから、天界には行けない。行くだけで身を焦がされる危険があるの」

 

「こんな事なら、私は悪魔でなくて、彼と同じ人間に生まれたかったです」

 

「あなたにはお腹に宝物があるじゃない、私には彼なんにもくれなかったのよ~」

 

お姉様が、私を差し置いて泣き崩れた。

 

 

 

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