---第六天---
「もう、ここに来ます」
ラファエルがミカエルに報告をした。
「第七天は入れそうか?」
ミカエルはガブリエルに状況を確認する。
「封印がされていて、侵入出来ません」
侵入者がミカエル達の目の前に現れた。
「我、ルシファーの末裔なり」
「我、アガレスの末裔なり」
「元天使の血族の悪魔どもの反乱か?」
怒り心頭顔のミカエル。
「反乱?元に戻しに来ただけですよ」
ヴァーリは冷ややかな顔をして告げた。
「元に?何を言っているんだ?」
その時、ミカエルに異変が起きた。
「ミカエル様の翼が黒く変色しています」
ガブリエルがミカエルに叫んだ。
「なんだって??」
---第七天---
「よし、ミカエルの堕天使化が成功!次、エデンの園を回復させる。アーサー、ルフェイ、美猴、エデンの園の門を閉めて結界を張ってくれ」
サマエルから指令が飛んだ。
「「「了解!」」」
第四天へと続く門は内側から閉め切られた。
「獣門はどうしますか?開いていると、レヴィアタンさん達が動けませんが」
ルフェイがサマエルに心配そうに確認をした。
「シュウがどうなっているかだ。こちらでは確認が、まだ取れていない。シュウの生存を確認したら、六芒星の三角形のタイルを1枚はがせば、全部消滅する」
「了解しました。美猴、索敵でシュウ君の気を探ってくれませんか?」
アーサーは美猴に指令を出した。
「やっと、出番がきたぜぃ」
---天界の門---
天使は総て喰われて、咀嚼する音だけがなり響く。そんなトライヘキサに一人立ち向かおうとしている者がいた。リヴァイアサンの特性、あらゆる武器攻撃が効かないという防御力を持つ獣トライヘキサ。優秀な獣といわれる所以、ただ食べる無限の食欲のみしか欲を持ち合わせない獣。神にとって都合の悪い者、知恵を持った人間を消すために神にとっては優秀な獣である。
その獣に相対する者は幾重もの魔法陣を自分の前に展開している。その獣を使役させる為に。彼は全身全霊の力を絞り出し、言霊で魔法陣を起動させた。
門を隔てた反対側では、堕天使の総督アザゼルと、バチカンのストラーダ枢機卿の二人だけがいた。もし援軍を送ることになっても、門が閉ざされたままだったので、送れなかった。
「なんだぁ?門の内側からのこのオーラは??」
手練れのアザゼルでさえ、後ずさりさせるようなオーラが、門の中から発散されていた。
「オーラだけでも恐怖を感じるなぁ。若い者を連れてこなくてよかった。こんなオーラを感じたら、もう戦えないぞ。誰が相手でも」
ストラーダは、自分達以外の援軍を連れて来ないで良かったと思った。
「あぁ、とんでもないオーラだ。戦意喪失させる絶望を抱かせるオーラだなぁ」
そのとき、門の内側から激しい炸裂音が連続して聞こえてきた。
「このオーラの発生源と戦っている者がおるのかぁ」
アザゼルは一人の少年の顔を思い浮かべた。
---木場---
留守番している僕らは、リビングにいた。ギャスパー君は珍しくダンボールにも入らず、ソファーに座っている小猫ちゃんの隣にいる。イッセー君は黒歌さんに寄り添って、床に座っている。この場に指揮できる者がいないのがもどかしい。
地下のトレーニングルームに移動するエレベータが動作していた。停止したエレベータからは、この場にいなかった三人が降りてきた。
「白音さん、黒歌さん、回復術をお願いします」
全身ボロボロなルフェイさんが、倒れ込むのをこらえて、言葉を発した。小猫ちゃんと、黒歌さんはそれぞれ、怪我人の傍に寄って、術を施していく。
「ルフェイ達は無事だったのか?で、シュウは?」
ルフェイに近づき、声をかけたイッセー君。
「まだ、戦っています。トライヘキサと」
「封印を解くのに、消滅はしなかったんだな?」
「しませんでした。実体を伴う分身の術でシュウさんは消えず、捕まえた天使三名を不思議な杖で、レヴィアタンさん達の身代わりにしてました」
「さすがに、チートな能力のデパートだなぁ」
褒めているような褒めていないようなイッセー君。
「アーサーさん達に、こんなにも酷い怪我を負わした相手って?」
有り得ない姿のアーサーさん達を見て、僕はルフェイさんに聞いた。
「トライヘキサです。武器が…兄の聖王剣コールブランドも支配の聖剣(エクスカリバー・ルーラー)も効果無しで…美猴さんの如意棒でも、一つも傷を与えることが出来ませんでした」
「じゃ、シュウは魔法で?」
「そうです。私も残るって言ったんですが、兄達の怪我が意外に深くて、ここに一緒に帰ってきました」
「助けに行ければなぁ」
「イッセー、愚痴っていないで、トレーニングルームから青汁をたくさん持ってきておいて」
黒歌さんが、イッセー君に指示を出した。
「あいよ!」
イッセー君は、エレベータで降りていった。
---第七天---
「よし、システム改修終了。第六天の様子はどうだ?」
サマエルが状況を聞いた。
「ヴァーリがミカエルの能力値を下げきって、ヴァイラがあいつの翼をもいで、私が外に放りだしたよ。残るはガブだけだ」
アポが状況を説明している。
「我 ウリエル 倒した」
オーフィスはドヤ顔で報告した。
「では、ルシファー達を生き返らせよう。シュウはどうした?」
「まだ来ない。ヴァーリとヴァイラが探しにいっている。」
---天国の門---
「やっと…使役させれた」
シュウは疲れ切って倒れた。そこへヴァイラ達がやってきた。ヴァイラはシュウを抱き起こした。
「シュウ、大丈夫?」
「ヴァイラ?トライヘキサを使役できたよ」
シュウの手は、ヴァイラの頬に触れようとしたが、力なく床に落ちた。
「シュウ!シュウ!大丈夫??」
半ば半狂乱状態のヴァイラ。ヴァーリは冷静にシュウの容体を看た。
「疲れ切っているだけだ。僕が背負って第四天まで昇ろう」
門の外から、声が聞こえる。知った声、アザゼルだった。
「ヴァイラか?ここを開けてくれ。アザゼルだ」
ヴァーリはサマエルに念話を送り、門を操作してもらった。
「おぉ、ヴァーリ。背負っているのはシュウか?生きているのか?」
「生きているよ。彼が死んだら、彼女も死ぬだろうな」
ヴァイラの方を見る。二人とも怪我をしているみたいだが、あまり気にしていないみたいだ。ヴァーリは見慣れない男をさして、
「この方は?」
「バチカンのストラーダ枢機卿だ。彼の英断で援軍は出さないことになったんだ」
「まぁ、来てもサマエルが、門を開けさせない手はずだったけどね」
「これから、どこへ行くのだ??」
「第四天。そこで、集合だ。先の戦争で失ったサマエルの仲間の天使を蘇らせる」
「そんなことが出来るのかい?」
ヴァーリの言葉に耳を疑うストラーダ。
「一人では無理だ。創造神ブラフマーとそこで背負われているボウズの二人の力が必要だ」
「奇跡を目の前で見られるのだな、アザゼル」
興奮した様子のストラーダの言葉にアザゼルは頷いた。
---第四天---
エデンの園は彼らが着いた時には、廃墟に近かったが、今では草原があり、清らかな水を湛える湖もあり、その周りには2本の樹が植えられていた。1本は知恵の実のなる樹、もう1本は命の実のなる樹である。サマエルのシステム書き換えのおかげで、命の実のなる樹は、天国にて昇華した魂のエネルギーを分けてもらって栄養にすることになった。もう、生け贄は必要無い。知恵の実のなる樹は、知恵の精霊が戻って事で生き生きとしていた。
創造神ブラフマーとシュウの二人が並んでいる。ブラフマーはサマエルの良き仲間達の身体をつくり、シュウが魂を召喚して身体に戻していった。シュウの疲れが溜まると休憩をしつつ、とてつもなく時間のかかる作業である。
-------
「奇蹟だぁ。天使達が生き返っていく」
ストラーダの目の前では、奇蹟的なシーンが繰り広げられていた。
「本当にそうだぁ」
相槌を打つアザゼル。
「ストラーダよ。今後神は、私とブラフマーと知恵の精霊の三位一体の存在となる。今迄のような他の神格を邪教だといって、封印するようなことはしない。いいなぁ」
「混乱は有りますが、仰せの通りにいたします。この奇蹟の瞬間に立ち会うことが出来、私はとても幸せです」
「前天界の生き残りは、地上に蹴落としたミカエルと、ガブだけだが…ガブはどうしたい?」
「どうしたいとは?私に選択の余地があるのでしょうか?」
ガブと呼ばれた、セラフで有る天使ガブリエルが、サマエルに答えた。
「天使として残るのもよし、堕天使になるのも良いぞ。あとは、人間に転生するかだな」
「人間に転生できるのですか?」
驚いた顔をしたガブリエル。
「シュウ、駒の余り、まだ有るだろ?」
シュウは駒をガブリエルに入れた。
「ガブよ、彼、主シュウに仕えなさい。君は転生人間になった」
「私は人間になれたのですね?」
「そうだよ」
「ガブリエル様が人間に??なんという奇蹟じゃ」
ストラーダが驚きの声を上げた。
「ガブよ、これからは規則での縛りのない人生になるが、羽目は外さぬようにな」
「はい!」
----------
「サマエル様、ありがとうございます」
蘇ったルシファーが、サマエルにお礼を述べた。
「こちらこそ、ありがとう。これからは天使長として、がんばって欲しい」
「がんばります」
「そうだ、ルシファー、アガレスよ。この者達は、あなた方の子孫です。この度のクーデターに一役買っていただきました」
ヴァーリとヴァイラをそれぞれの先祖に引き合わせた。
「サマエル様、帰ってイイかな?人間界の家、気に入っているんだ。たくさんの仲間がいるし。戦いたい時には相手が、すぐみつかるし。話相手も出来たんだよ」
ジズが帰りたくてしかたなくて、サマエルに声をかけた。
「レヴィアタン、ジズ達を連れて先に帰ってくれてもいいよ。用があるときは呼ぶから。シュウの家から飛べるように転移魔法陣を設置しておいてくれ」
「わかりました。私も温泉っていうものに、はまっていて。人間界っていいなぁって。ガブ行くわよ」
「はい!」
「シュウは当分、帰れそうもないが、心配しないように伝えてくれ」
---木場---
エレベーターが動作している。また、誰かが帰ってきたようだ。4人降りてきた。レヴィアタンさん、ジズさん、ベヒモスさん、と知らない女性。
「ただいま♪シュウ達はもう少し残務が有るから、帰りは遅くなるそうよ。で、新しい仲間で、ガブリエル。通称はガブで、元熾天使(セラフ)なの。よろしくね」
「よろしくお願いします♪」
イッセー君が食いついて見ている。たしかに美女だね。シュウは、天使まで眷属にしたのか。
「そこで食いついて見ているイッセー!この子、天界で最強って言われたほど強いから、扱いには注意してね」
え?レヴィアタンさんがいう強いって…並外れているような
---リアス---
今回、私は蚊帳の外?