※この作品はR-18です。

神器なき男 (再編集版)   作:もっち~!

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聖者として Part1

 

バチカンを離れる日になった。破壊した聖剣を元通りにして、静養生活をした部屋を掃除した。聖女として忙しい日々を送っているアーシアが、訪ねて来てくれた。僕は彼女に、1枚の魔法陣が書いてある羊皮紙を手渡した。

 

「どうしようもない困難に遭遇したら、これに魔力を流しこんでね。僕達の家に転移出来るから」

 

「ありがとうございます。大切に…大事に持ち歩きます。もし、私が耐えられない問題に遭遇したら、使わせていただきます」

 

大切そうにしまうアーシア。

 

「いろいろ楽しい想い出をありがとう」

 

「こちらこそ、ありがとうございました」

 

-------

 

アーシアと入れ替えで、イリナとゼノヴィアが来た。

 

「お別れだね。日本に行ったら、かまってちょうだいね」

 

うっすら涙を浮かべるイリナ。

 

「あっ、イリナに言うのを忘れていた。僕達の家にイッセーも同居しているよ。イリナの初恋の相手で、ファーストキスを捧げた相手。添い寝も混浴もスキンシップも体験済みだったよな♪」

 

イヂワルっぽくいう僕。

 

「えぇぇぇ~!イッセー君と同居しているの?なんで??」

 

「僕の眷属だからね」

 

「眷属なのかぁ。いいなぁ~」

 

「うん?イリナは、男と添い寝を体験済みなのか。ファーストキスもかぁ。スキンシップだとぉぉぉ~負けた…」

 

項垂れているゼノヴィア。

 

「ゼノヴィア、男にしてあげようか?」

 

「男に?性転換もできるのか?」

 

僕の申し出に喰い付くゼノヴィア。

 

「出来るよ。実証済みだ。どうする?男になれば、デュランダルを抑え込めるんでないかい?」

 

「それも有りだけど、今はこのままでいいや。イリナのように、女としての喜びを経験したら、頼むよ」

 

女としての喜び?なんだろう??

 

-------

 

手荷物を持って、トスカが部屋にやって来た。

 

「ストラーダ様とクリスタルディ様は、別れるのがつらいそうなので、挨拶抜きだそうです」

 

「トスカは準備いいのかな?」

 

「はい♪」

 

「じゃぁ、帰ろうか」

 

僕達は僕達の家の前に転移した。うん?隣にまた新しいマンション?なんか嫌な予感がして、マンション名を見ると、『ハイツ サーゼクス』って、おいおい…

 

気を取り直して、僕は僕達の家の玄関のドアを開けた…

 

一瞬の静寂、その後、クラッカーが連発で鳴り響く。家の中でドラゴン花火をしているヤツもいるし。なんだ、この家…静かな処で静養していた僕は、カルチャーショックを受けた。

 

「「「おかえりなさい!!」」」

 

みんなが出迎えてくれた。が、僕の隣にいる女性に視線が移ると、

 

「この子、誰よ!」

 

紅髪が訊いてきた。

 

「リアス、お前には関係ないだろ?」

 

「まさか、静養先で口説かれましたね?」

 

ソーナに言われるとは心外だぞ!

 

「人聞きが悪いぞ。ソーナ、後でお仕置きな」

 

「私もお仕置き希望です」

 

手を挙げて発言してきた椿姫。

 

「椿姫よ、なんでだ??」

 

「スライムを貸してください」

 

恥ずかしそうに翼紗が…

 

「翼紗、スライムを卒業しろよ!」

 

「トスカ?トスカなのか??」

 

いきなり、木場がトスカに近づいた。

 

「僕だよ。イザイヤだよ。施設で一緒だった」

 

「えっ?イザイヤ?生きていたの?」

 

「あぁ」

 

二人は抱きしめあった。この二人って、知り合いなのか?感動の再会みたいだし。目の前の抱擁している二人を、静かに木場の部屋に転移させた。僕のしたことに驚かないみんな。

 

「ところで、リアス!隣のハイツサーゼクスってなんだ??」

 

久しぶりに見る、困った顔のリアス。この顔、好きなんだよな~

 

「お兄様家族が隣に越してきたの。それも今日、突然ね」

 

あぃ?今日、突然だと??

 

「ごめんね!私のお姉様も、隣のマンションに入居しているの」

 

おぃおぃ、どうしたよ魔王様達は…

 

そういえば、リビングルームに真新しいドアが壁に並んでいるけど…

 

「あのドアは?」

 

「各魔王の部屋とアザゼルとバラキエルさんの家に、直接行けるドアなのよ」

 

魔王とおっさんはするだろうけど、バラキエルさんはどさくさに紛れて設置しましたね。ますます僕達の家はカオスになっていく気がする。待てよ?各って言わなかったか?

 

「なぁ、今、各魔王って言わなかったか?」

 

「お兄様の提案で、四大魔王の家に直接行き来できるドアなのよ。ごめんなさい」

 

開いた口が…いつのまにか、父さんがいるし。

 

「ごめんな。君の留守中にこんな仕掛けを作ってしまって。でもこれで、仕事にいつでも来れるだろ?」

 

「そうですけど、いいんですか?父さんの家まで、ここから直接行けるようになって」

 

「構わないさ。移動中の危険は減ることになるからね」

 

あっ、張本人が来た。

 

「シュウ君、お帰りなさい」

 

「なんですか?あの仕掛けドア」

 

「シュウ君が聖者になった記念だよ。妹の旦那が、聖者なんて魔王として光栄だよ」

 

「ちょっと待って!僕はリアスの旦那に、まだなっていないぞ」

 

「あら?逃げるのですか?」

 

お兄さんの隣に、グレイフィアがいた。

 

「なんで、グレイフィアさんがいるのですか?」

 

「なんでって、僕の愛妻だからだけど…あれ?言わなかったっけ??」

 

「聞いてません!!!」

 

グレイフィアさんって…僕は凹んで、項垂れた。

 

「なんで泣いているの?」

 

リアスが僕の顔を覗き込んでいる。泣くだろう?理想の女性で、僕のペットが…人妻だなんて…気を取り直して

 

「で、何から逃げるのかな?」

 

「あれ?言っていないのリアス?」

 

怪訝そうな顔でリアスに訊く、グレイフィア。

 

「お姉様、今、逢ったばかりですぅ~」

 

真っ赤な顔で俯くリアス。らしくないぞ…何が遭ったんだ?

 

「シュウ君、リアスとソーナさんが、おめでたですよ。父親はもちろん、あ、な、た、よ♪」

 

そうだった…忘れていたよ。消滅するつもりだったから。アレを渡していたんだ!!渡した残りの人は?視線を向けると、

 

「私は大学に入ってから、産むからねぇ♪」

 

うん?ヴァイラは大学に入ってから?じゃ、ソーナとリアスは??

 

「リアス!ソーナ!お前ら、高3で産むのか?」

 

「「ビンゴ!!」」

 

二人とも、とても嬉しそうな素振りである。

 

「何を考えているんだ?」

 

「あれ?合意の上で入れたじゃないの」

 

リアスが不思議そうに訊いたきた。あれ?記憶が…そんな気もするけど…

 

「来年、ソーナと休学するから、シュウと同じ学年になれるよ」

 

同じ学年??あれ?僕、退学しなかったっけ??

 

「僕って、退学しましたよね??」

 

「それじゃ、ダメだろうと思って、来年、君とシーグヴァイラ君とヴァーリ君は2年生に編入扱いだよ。理事長権限でね」

 

指でピースしている魔王様。それって、職権乱用しまくりじゃないの?あぁ、僕は高校2年で父親になるのかぁ…僕は1万Ptのダメージを食らった気がした。

 

------

 

12月にほど近い11月の末、リビングでのんびりしていると、リアスが近寄ってきた。

 

「クリスマスは、二人でデートしましょうよ♪」

 

みんな怪訝な顔つきでリアスを見た。そんな視線を、まるで感じていないリアス。

 

「子供が出来たら、二人でゆっくり過ごせないからさぁ~」

 

こいつ、ツッコミどころ満載なことを言っているんだが…

 

「リアス、クリスマスって、教会の祭りって知っているか?」

 

リアスはキョトンとしている。知らなかったみたいだぁ。はぁ~…

 

「サンタさんがプレゼントを持ってきてくれる日じゃないんだぁ??」

 

はぁ??

 

「サンタクロースも、元々教会関係者なんだが…冥界の教育って、これでいいの?グレイフィアさん?」

 

「すみません。教育が行き届かなくて。はぁ~」

 

グレイフィアを、嘆かすとは許せない。彼女を虐めるのは、僕の特権なのに…

 

「そんなこと、どうでもいいじゃない。お祭りは楽しもうよ」

 

こいつ、まだ言うか

 

「その日は、スケジュールが、埋まっているから無理だぁ」

 

「なんでよ!誰とデートする予定なの!!バチカンからお持ち帰りしたトスカとか?」

 

怒り心頭で僕に攻め寄る紅髪娘。たぶん、この家で、気づいていないのは、お前だけだ、リアス…

 

「トスカも参加メンバーに入っている。あと、レイヴェルとグレイフィアさんとガブリエル、ヴァーリ、ヴァイラ、木場だったかな」

 

「えぇぇぇぇ~!私は除け者?ひどいんじゃないの?」

 

はっきりと言わないとダメかな。まるで、気づく素振りが見えないリアス。僕の婚約者だと自慢するコイツに、こんな事は言いたく無いのだが…

 

「僕の義理の両親の家のことは、覚えているかな?」

 

「もちろん!」

 

自信有りげで、笑顔で答えているが…

 

「職業は何か覚えているかな?」

 

「もちろん!」

 

そんな満面な笑みをされても、逆に哀愁を感じるぞ。あぁ、言いたく無い…コイツの落ち込む顔は見たくない。

 

「じゃ、今までの会話の流れで、おかしい点を挙げてみて」

 

不可解な顔しているリアス。本当にわからないのか?事実を知って、自分を滅したら、どうしよう…それは、避けたい事態だよ。

 

「おかしいのは、シュウが私を差し置いて、みんなとパーティーすることだよ!!」

 

あぁ…ダメだ。コイツ…

 

「なんで、そうなる?はぁ~、グレイフィアさん、リアスの子供は引き取るから、一緒になるのは、カンベンして欲しいな」

 

イヂワルぽくいう僕。いや、毎年、こんな会話は繰り返したく無い。

 

「そうですね。考え直した方が、良いかもしれません。義理の妹がバカで、ご迷惑をおかけします」

 

僕とグレイフィアさんのやり取りに、キレ出したリアス。

 

「なに?二人でいい雰囲気させて!!なんで、カンベンとか、バカなのよ、もう!!」

 

顔を真っ赤にして、頬を膨らませて…怒りを表現する天然のリアス。

 

「部長、マジぼけですか?でも、この件はまずいですよ」

 

イッセー、その通りだ。

 

「リアスさん、気づかないなら、この家にいる資格は無いですよ」

 

白音、良く言った。

 

「あらあら、キレても何も出ませんわよ、リアス」

 

朱乃さん、僕は溜息出まくりですよ。

 

「リアス部長は、来ても役立たない行事ですから」

 

木場、そうなんだよ。絶対に役立たないと思う。

 

自分の眷属達に、散々な事を言われて、更に激高するリアス。

 

「なんでよ!なんで、私だけ、知らないのよ!!」

 

「バカだからだろ!僕の義理の両親の家は教会だ、このボケ!その日はミサがあって、誰が相手であろうと、デートなんか、したくても出来無いんだよ!そこの紅髪娘!!」

 

僕の怒りが籠もった言葉で、やらかしたことに気づいたリアス。一気に顔面が蒼白になっていく。この感情のジェットコースターは凄い。大丈夫か?

 

「あぁ、そうだったよね。教会の息子だものね。手伝わないとダメだよね。あぁ、今まで積み重ねた信用が…」

 

信用?あの特製弁当が脳裏に浮かぶ…信用は無いなぁ。信頼はしていても…

 

「リアスが積み重ねたのは、僕の寝床への夜這いの回数だけだろ?」

 

「それだけでないもん」

 

頬を膨らませて怒るリアス。

 

「ちょっと、リアス!!シュウ君に夜這いってどういうこと??次期当主が情けない。ちょっと、他にも色々と教え込むことが有りそうね」

 

ここで、グレイフィアさんが、ついにキレた。リアスの頭を掴むと、サーゼクス家に続くドアに連れ込んで行った。

 

『痛いよ~!シュウ、たすけてぇ~』

 

というリアスの言葉を残して。

 

 

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