※この作品はR-18です。

聖女(性女)様と一緒 ~悠々自適の一人旅が、波瀾とエロに満ちた珍道中に~   作:ぐうたら怪人Z

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③ 仕掛けられた罠(H)※

 

 

 セリーヌ夫人の家で、一夜が明けた。

 日が昇って早々から、エルミアは部屋にこもり、祈りを捧げている。

 凛とした顔で聖言と共に拝み続ける少女の姿は、とても魅力のある光景であったが、何時までも見ているわけにはいかない。

 そんなわけで、ヴィルは居間へと顔を出すことにした。

 

「――あら、ヴィルさん、おはようございます」

 

 入ると、セリーヌから挨拶が。

 そちらの方を向き、ヴィルも挨拶を返す。

 

「おはようございます、セリーヌさっ――ん」

 

 台詞の最後を、上手く言えなかった。

 何故なら、婦人が昨日とはまるで違う出で立ちだったからだ。

 

 ロールアップだった髪は下ろされ、ストレートロングへ。

 鮮やかな黒い髪が、彼女の動きに合わせて流れている。

 顔は薄く化粧が施され、表情も明るく、前に感じた陰鬱な雰囲気が無くなっていた。

 

(別人、とまでは言わないが……)

 

 よく似ている違う人、と言われれば信じてしまうかもしれない。

 それ程までにイメージが変わっていたのだ。

 

(それに――その、服も――)

 

 変化は、顔だけでは無かった。

 服装も、だ。

 いや、服装こそ最も変化が激しかった。

 

 キャミソールにロングスカートという格好なのだが、まず胸元が大きく開いている。

 おっぱいの上半球が丸々見えてしまうくらいに。

 セリーヌのたわわに実った2つの果実が、これ以上なくエロく強調されていた。

 

 それと、生地。

 白色をメインとした服なのだが――透けている。

 結構な勢いで透けている。

 流石にぱっとすぐに分かる程ではない。

 しかし、目を凝らせば本来服に包まれているセリーヌ夫人の裸体を薄っすら見えてしまう。

 

(胸も尻も、エルミアより随分と大きいな――ああ、いやいや)

 

 それでいて、形が崩れていない。

 なかなかのプロポーションだった。

 いや、エルミアはエルミアで均整の取れた身体つきであるのだが、単純なサイズでは婦人に軍配が上がる。

 

(し、下着は黒か――)

 

 ……別に、確認しようとしたわけではないのだ。

 単に、見えてしまっただけ。

 セリーヌが纏う、黒いレースの下着が。

 

(い、色合いの問題でだね)

 

 意味も無く心の中で弁解を試みる。

 肌色の中に黒というのは、コントラストの関係でよく映えてしまうのだ。

 本当に。

 他意は無い。

 

 ――と、こんな具合にヴィルが固まっていると、セリーヌが近づいてくる。

 

「ちょうど良かったですわ。

 今、朝食の用意ができたんです。

 どうぞ、食べていって下さいませ」

 

「あ、ああ。

 ありがとう、ございます」

 

 夫人に手を握られ(・・・・・)、そのまま席へと連れていかれる。

 少ししっとりとした肌が、暖かかった。

 

 

 

 実際、朝食はすぐに用意された。

 ただ――

 

「――あの」

 

「どうされました?

 さあ、召し上がって下さいな」

 

「――はい」

 

 一先ず、ヴィルは気にしないことにした。

 セリーヌが、青年のすぐ隣(・・・)に座ったことを。

 

(ち、近すぎるだろう、これは……)

 

 普通、対面辺りの席にするものじゃないのだろうか。

 この辺りに伝わる風習か?

 

 しかも、ただの隣ではない。

 身体を少し横に揺らせば、触れ合ってしまう(・・・・・・・・)位の“隣”だ。

 息遣いすら、聞こえてしまう。

 

(そ、それにこの位置からだと……見えてしまう……)

 

 チラリと、視線を夫人の胸元(・・)に移せば。

 大きな乳房のその先に、他とは色合いの異なる箇所が。

 ……乳輪が、一部顔を見せてしまっている。

 ちょうど、キャミソールの内側を覗きやすい角度なのだ。

 

「あ、サラダを取り分けますわね」

 

「ど、どうも……」

 

 セリーヌ本人はそれを知ってか知らずか、微笑みながら食事を勧めてくる。

 ……気のせいだとは思うのだが、こちらに見せつける姿勢を多く取っているようにも思えた。

 

(自意識過剰なせい。自意識過剰なせい)

 

 ヴィルは自分に言い聞かせる。

 まさか、彼女が自分を誘惑してる(・・・・・)なんてことは無いだろう。

 旦那が死んでから、まだ1年しか経っていないのだ。

 他の男に色目を使うようなことをしていると、そう考えるのは失礼に当たる。

 

 

 

 ――朝食は、つつがなく終了した。

 途中、食べ物の一部がセリーヌの胸へと落ちることが幾度か(・・・)あったが、それ以外には何もない。

 信じて欲しい。

 何もない。

 

(…………す、少しだけ、ポロリもあったけれど)

 

 胸の谷間に人参が入り、慌てたセリーヌがキャミソールの胸元をさらに広げて。

 その時、彼女の“乳首”がはっきりと見えてしまった。

 柔らかそうな、おっぱいの全体像も。

 

(す、すぐ他を向いたから)

 

 一瞬だけだ。

 ほんの一瞬だけ、見てしまっただけなのだ。

 だから――不問として貰いたい。

 

 誰に対するものか、ヴィル自身分かっていないが、ともかく彼は言い訳を続けていた。

 無論、心の中で。

 こんなこと口に出したら相当やばい。

 

「ヴィルさん、食後のお茶はどうですか?

 うちの畑で採れたもので――自分で言うのもなんですが、良い味ですわよ」

 

「すいません、何から何まで」

 

「いえいえ。

 ナニからナニまで、(わたくし)にお任せ下さい」

 

「…………?」

 

 今、ニュアンスが変だったような。

 ……まあ、些細なことだろう。

 

 セリーヌはキッチンでお茶を淹れると、ヴィルの所まで持ってきてくれた。

 青年の前にお茶入りのカップを置く、その時。

 

「あ、手が滑ってーー」

 

 なんだか棒読みな台詞を口にしたかと思うと、夫人の手からカップが落とされた。

 ヴィルの、腰辺りに向かって。

 

「おっと」

 

 青年はそれを空中で(・・・)キャッチ。

 無論、中身は一滴も零さない。

 この程度の芸当、朝飯前だ。

 ヴィルは改めてカップをテーブルに置くと、

 

「危なかったですね」

 

「………………ちっ」

 

「っ!?」

 

 今の舌打ちは何だ。

 しかし当のセリーヌは、何をするでもなくすぐ頭を下げてくる。

 

「あ、いいえ、すいません、(わたくし)ったら。

 なんだか緊張しているのかも」

 

「緊張、ですか。

 俺は聖女のお供に過ぎないので、そう畏まらなくとも――」

 

「――貴方みたいな、素敵な男性を前にして」

 

「っ!?」

 

 ぼそっと、耳元で夫人が囁いてきた。

 ぞくっとするような、色っぽい声で。

 

(お、お世辞、なのか――?

 いや、お世辞だよな!?)

 

 うん、そうだ。

 そうに違いない。

 

 ヴィルはそんな感じに自己完結すると、ちょっと震える手でお茶をすする。

 言うだけあって、いい味ではあった。

 

 

 

 それからしばし、2人で談笑する。

 セリーヌは、ヴィルのことを色々と根掘り葉掘り聞いてきた。

 青年は、当たり障りが無い程度にそれへ答える。

 騎士らしい活動には事欠かなかった(・・・・・・・)ので、話題には苦労しなかった。

 ただ、少々自分について聞きすぎなのではないか、という疑念も。

 

(……まあ、エルミアのことを聞かれるよりはマシなんだが)

 

 何せ、ヴィルはお供の騎士などでは無いのだから。

 下手なことを言って、それがバレてしまわないとも限らない。

 

(しかし、そんなことは今どうでもいい)

 

 談笑の内容など、現在の青年にとって些細な事だった。

 

(今、問題なのは――)

 

 意を決し、ヴィルはセリーヌに話しかける。

 

「……セリーヌさん。

 流石に、近すぎじゃないだろうか?」

 

「あら、そうかしら?」

 

 恍けた様子で、夫人。

 だがもう、今の状態は誤魔化しの利くものではなかった。

 

 ――密着している。

 2人は、普通に密着している。

 

 セリーヌは、ヴィルの膝に手を、肩に顎を乗せてしな垂れかかってきていた。

 そんなことをすれば、吐息が耳をくすぐる。

 胸だって青年の身体に当たる。

 柔軟な感触が、ヴィルの腕に押し付けられていた。

 

 夫人は、不思議そうな顔で言葉を続ける。

 

「これ位、普通ですわよ」

 

「いや、普通じゃない。

 いくらなんでも、普通じゃない」

 

 気分が追い詰められ、丁寧語からいつもの口調に戻ってしまった。

 セリーヌはさらに、ヴィルの腕へと抱き着いて、

 

「――仮に普通じゃないとして。

 ヴィルさんに、何か不都合がありまして?」

 

 肢体を、青年に擦りつけてくる。

 体のあちこちで、夫人の“柔らかさ”を感じられた。

 

(ふ、不都合も何も!)

 

 胸中で嘆く。

 もう、いっぱいいっぱいだった。

 ヴィルは、不能でも何でもない、健全な一般男子なのだ。

 身体の“一部”が固くなろう(・・・・・)とする衝動を、必死の思いで抑えていた。

 

 正直なところ、ここで彼女を襲ったとしても“合意”なんじゃなかろうかという考えも浮かんできたが――

 

(エルミアが、居る――!)

 

 彼の脳裏に少女の姿が浮かび、自制する。

 誰かに褒めて欲しいくらいの、鋼の精神力であった。

 

「………………存外に手強いですわね」

 

 またしても、小さくセリーヌが呟く。

 何が手強いというのか。

 そして、チラっと青年の股間を見たのは何故なのか。

 

「そうだ、美味しい茶菓子もありますのよ。

 是非、ご賞味して欲しいですわ」

 

「そ、そうか。

 じゃあ、貰おうかな」

 

 セリーヌが茶菓子を持ってくる=ヴィルから身体が離れる。

 頷かないわけにはいかなかった。

 

 青年の目論見通り、夫人は席を立ち、すぐ近くにあるタンスを探り始める。

 

(――うっ!?)

 

 そして、ヴィルは自分の甘さを痛感した。

 セリーヌは、タンスの中に頭を入れるような姿勢をとりだしたのだ。

 そうなると自然、前屈みになり――夫人のヒップが、ヴィルに向かって突き出される格好となった。

 真っ直ぐ、青年へと尻が向けられる。

 まるで、計算されていたか(・・・・・・・・)のように。

 

 

【挿絵表示】

 

 

(で、でかいな――しかも、柔らかそうだ――)

 

 目が釘つけになった。

 先述通り、セリーヌの履いたスカートは透けている。

 なので、黒いレースの下着に包まれた丸くて大きいお尻を目の当たりにできた。

 しかも黒ショーツは、尻の割れ目へ食い込んでいる。

 

「あらあら?

 (わたくし)ったら、どこに仕舞ったかしら?」

 

 見つからないのか、セリーヌはなかなか顔を上げない。

 未だ、引き出しの中を探している。

 

(……お、おいおい)

 

 どういう探し方をしているのか、婦人は尻を左右に振り出した。

 ふりふりと、大きなヒップが煽情的に揺れる。

 

(――お、おお)

 

 ヴィルは、股間に血か集まってくるのを感じた。

 むくむくと、イチモツが立ち上がっていく。

 セリーヌの目が無い分、気が緩んでしまい、抑制が効かない。

 

(――ま、まずいぞ。

 早く鎮めなければ!)

 

 精神を集中し、心を落ち着かせる。

 何とか昂りを消そうと、一心に煩悩を払おうとする――のだが。

 

「よいしょっと」

 

 聞こえた、夫人の声。

 ついつい、そちらを見てしまう。

 

(―――おいーーーっ!!!)

 

 心で絶叫。

 何を血迷ったか、セリーヌはスカートを捲り上げたのだ。

 生地越しではない、生尻が姿を現す。

 

「うーん、こっちの方だったかしら?」

 

 さらに、夫人は姿勢を微妙に変え――股を開いた。

 尻だけではなく、恥丘まで丸見えだ。

 そして――

 

(――ぬ、濡れてる……!?)

 

 彼女の股が――ちょうど女性器がある部分が、じっとりと濡れていた。

 セリーヌは、愛液を漏らしていたのだ。

 おそらく、ヴィルと会話している最中、ずっと。

 

(あああああああああっ!!?)

 

 青年の股間は、もう収まりが付かなくなっていた。

 ギンギンに勃起した愚息は、ズボンを大きく隆起させる。

 萎れる気配など、微塵も無い。

 逆に、今すぐにでもあの女へぶち込んでやりたい、という衝動に駆られる始末。

 

(いかん、こんなところを見られては――)

 

 何を言われるか、分かったものでは無い。

 どうにかコレを隠そうとするヴィルではあったが、

 

「お待たせしました、ヴィルさん」

 

 何ともタイミング悪く――見計らったかのような(・・・・・・・・・・)タイミングで、セリーヌは戻ってきた。

 すぐ、青年の“変化”に気付いたらしく。

 

「ああっ!? ヴィルさん、あそこを、そんなに――!?」

 

「い、いや、これはその……」

 

 いい弁解の言葉など思いつかず、あたふたとしていると。

 夫人はヴィルに近づき、彼の股間を覗き込んでくる。

 

「こんな、勃起されているだなんて――」

 

「えー、これはだな、決してやましい気持ちからのものでは……」

 

 一応言葉は口にしてみたものの、説得力がまるで無い。

 セリーヌは、ヴィルの股をそっと手で触れてきた。

 

「――ああ、大きい――なんて、凄い――」

 

「ちょ、待った!!

 セリーヌさん!?」

 

「――ヴィルさん、(わたくし)の身体で、勃起されたんですよね……?」

 

「あーっ、その、なんだ――――――はい」

 

 渋々、認める。

 他に原因らしきものなどこの部屋にないのだから、認めざるを得ない。

 

「では――(わたくし)がコレを鎮めて差し上げます」

 

 うっとりとした、それでいて艶のある声で、夫人はそう宣言する。

 ヴィルは仰天し、

 

「い、いやいや、結構!

 その必要はない!

 少しすれば、治るので!!」

 

「でも、苦しくは無いですか?

 辛くは無いですか?

 (わたくし)の責任ですから、(わたくし)が処理しますわ。

 よろしいでしょう?」

 

「大丈夫! 大丈夫だから!!

 放っておいて下さい!!

 ……そ、そうだ、稽古!!

 そろそろ剣の稽古の時間なので!!

 ちょっとそとで剣振ってこなければ!!

 稽古してれば、すぐ気持ちは静まるから、な!?」

 

 絡みついてくるセリーヌの肢体を、なんとか振りほどこうとするヴィル。

 夫人は青年を潤んだ瞳で見つめ、

 

(わたくし)では、不満ですか?」

 

「そういう問題ではなくて!」

 

「……エルミアさんとは(・・・・・・・・)()()()()()()?」

 

「――っ!?」

 

 一瞬、息が止まる。

 心臓を鷲掴みにされたようだった。

 

「み、み、見ていた、のか?」

 

「はい、昨日の夜、お2人がまぐわっているのを、この目で見ました」

 

「…………」

 

 何たる失態。

 またしてもエルミアに夢中になり過ぎ、察することができなかった。

 

「あの――これは、問題のある行為、ですわよね?

 清らかであることを求められる“聖女”が、殿方と淫行を重ねている、など」

 

「……脅すつもりか」

 

「いいえ、(わたくし)何も見ていませんわ(・・・・・・・・・)

 でも――(わたくし)、聖女様にお部屋を提供するという形で協力をしました。

 それは、貴方も認めて下さるでしょう?」

 

「……ああ」

 

「でしたら。

 多少なりとも、その“見返り”を頂いても、罰は当たらないと――そう、思うのです」

 

 ここで言う“見返り”とは何か。

 今までの彼女の言動を見れば、明らかだった。

 どれだけ物好きなのか、セリーヌはヴィルの身体を求めている。

 

 ……頭に浮かぶのは、エルミアのこと。

 ここで彼女の提案を受け入れるのは、簡単だ。

 しかし、それは少女への裏切りになるのではないか。

 

(別に、俺とエルミアは恋人同士というわけではない、が――)

 

 もう、これまでに何度も肌を重ねている。

 そんな相手を“ただの他人”と、そう断じることは、ヴィルにはできなかった。

 

 一方で、セリーヌの言っていることも分かる。

 ヴィルとエルミアの関係が明るみになれば、彼女の立場が危うくなる可能性は非常に高かった。

 

(言われるまで余り気にしてなかったけれども)

 

 その辺りは惚れた弱みということで許して欲しい。

 

 ともあれ、夫人を抱けば全て水に流れる。

 おそらく、彼女は嘘を言っていないだろう。

 ――ヴィルは、悩んだ末に答えを出した。

 

「分かった、貴女の言う通りにする。

 但し、エルミアが戻るまでだからな」

 

 その言葉を聞いた途端、セリーヌのにっこりと微笑む。

 悦びに満ちた、そして官能的な笑み。

 

「ええ、承知しています」

 

 夫人は、ヴィルへと深く頷いた。

 

 

 

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