聖女(性女)様と一緒 ~悠々自適の一人旅が、波瀾とエロに満ちた珍道中に~ 作:ぐうたら怪人Z
「その時、主が降臨され、こう仰いました。
“汝の為すべきことを為すが良い”と」
「うんうん、それでそれで?」
「その言葉に迷いが晴れた若者は決意を固め――」
エルミアが、サーラに読み語りをしている。
内容的に、聖書の一節であろうか。
ここは村長の済む屋敷、そのリビング。
2人はソファーに座り、仲睦まじく談笑しているようであった。
(……和む)
屋敷に戻ってきたヴィルはその様子を見て、ついつい頬を緩めてしまう。
美しい女性と愛くるしい少女が微笑み合う姿は、見ているこちらの心を癒してくれた。
なお、エルミアは別に遊んでいるわけではない。
サーラへの教育が彼女に頼まれた仕事であり、今は神に関する説話を語っているわけだ。
ヴィルの請け負う仕事との落差が激しいが、それについて不満はない。
(適材適所という奴だ)
エルミアに力仕事を任せようという気は無い。
もしそんなことを言い渡されていたら、自分が代わりにやっていたことだろう。
幸い、あの老侍女メイヴィルも、彼女に対しては聖女らしい役割を期待していたようだ。
――ちなみに。
イーファは屋敷の掃除を命じられている。
今現在、同じくリビングの片隅で絶賛窓拭き中だ。
「――なんだか、エルミアさんとアタシ、扱いが違いませんか?」
そんな嘆きが聞こえるが、別に重労働を命じられたわけでもないのだから我慢して欲しい。
この屋敷、村の規模のわりにかなり立派なので、全部を掃除するとならば面倒ではあるだろうが。
(ついでに。
あくまについでにだが、今は2人共メイド服姿だ)
心の中でしっかりと呟いている時点で、ヴィルにとって“ついで”でないことは明白だが。
それは置いといて、エルミアもイーファも、メイヴィルから制服を渡されていた。
何でも、この屋敷で働く以上は侍女と同じ扱いを受けて貰う、だそうで。
おかげで彼女達のメイド姿が見れたのだから、ヴィルとしては文句の言いようが無い。
仕様は頭にホワイトブリム、身体は白と黒を基色としたエプロンドレスという、実にスタンダードなもの。
エルミアはそれをロングスカート風に、イーファは動きやすさを考えてかミニスカート風に着こなしている。
なお、この屋敷の侍女で一番スカートを短く履いているのは、つい先ほどまで一緒にいたラティナという侍女だ。
と、そんな風に辺りを鑑賞している間に、
「――はい、おしまいです。
如何でしたか、サーラさん?」
「すごく面白かったです!
ありがとうございました、聖女様!」
エルミアとサーラのやり取りは、一段落を迎えた模様。
「あ、そうだ!
聖女様、たくさん喋ったから喉渇いてませんか?
今、飲み物をお持ちしますね!」
「いえ、お構いなく。
私は貴女の侍女なのですから、気遣いは無用ですよ?」
「そんなことできませんよぉ。
聖女様は聖女様なんですから!
待っててください、すぐ持ってきます!」
そう言って、サーラはてくてくと歩いて行ってしまった。
まだ大分幼いというのに、しっかりした子だ。
ヴィル達と会ったのも、森へ山菜を採りに来ている最中だった。
エルミアも、そんな少女を良く思っているのだろう。
台所の方へ歩いていくサーラを柔らかな視線で見つめていた。
「……あー」
聖女が一つ息を吐いて。
「
「エルミア」
真顔で呟いてそこへ待ったに入る。
こいつ、いつの間にか性女モードに切り替わってやがった。
「あらヴィル?
もう仕事終わったの?」
「ああ、終わった」
終わらせておいて良かった。
あと少し遅れたら、いったいナニが起きたことやら。
そんなヴィルの想いが伝わったのか、エルミアは軽く笑いながら手を横に振って、
「どうしたの、すっごい真剣な顔してるのよ。
まさか私があの子に手を出すとでも思ったのかしら?」
「……違うのか?」
そうとしか思えなかったが。
「違うわよ。
私はただ――」
「ただ?」
「――私が初めて手を出した頃のロアナも、あんな感じだったなー、と」
「完璧にアウトじゃねぇか!!」
・ロアナ
エルミアと同じ修道院出身の少女。
修道女時代、エルミアから散々身体を開発されていた。
詳しくは第4話参照のこと。
「何よ!?
貴方は何も感じないの!?
あの屈託な笑顔を、快楽で歪ませてみたいって!」
「思わねぇよ!?
どうしちゃったんだエルミア!
最近は良い感じに聖女やってたのに!!」
「馬鹿の一つ覚えみたいにずっと聖女アピールしててもねぇ?
やっぱり、私に求められてるのはこっちなんじゃない?」
「そんなことないよ!?」
性女なエルミアはそれはそれで大好きなんだけれども!
だからといって、あの
「ま、大丈夫よ、ヴィルに迷惑はかけないから。
ただこの村を出発する時、サーラが歳不相応な大人の表情を浮かべていることに目をつむって貰えば――」
「イーファ!!
どこだイーファ!!
交代!! 交代だ!!」
と、いう訳で。
「……やるならちゃんと交代しろよ。
なんでボクが掃除するハメになってんの?」
「――すまん」
不満たらたらな褐色少女ラティナに頭を下げる。
あの後、エルミアとイーファの仕事を交換して欲しいというヴィルの要求は、一部のみかなえられた。
つまり、サーラへの教師役はイーファへ代わったものの、エルミアは掃除ではなく夕食の手伝いとなったのである。
こちらが一番要望していたことは受け入れられたため、ヴィルに不満はないのだが――
「だいたい、食事はお抱えの料理人が全部請け負ってるんだからさ。
夕食の手伝いなんて、ちょっとした雑用をこなすだけじゃん。
なんで面倒な方がボクに降りかかってくるわけ?」
――ラティナはそうもいかなかった。
本来は彼女がその夕食手伝いを担当であったらしく、先程から恨みつらみの嵐である。
(どうもあのメイヴィルって人、エルミアに
“聖女”の地位になにか思う所があるのか。
厳格そうな人物だと見込んでいただけに、少々残念な気持ちもある。
まあ、些事な話だ。
頭を切り替え、ヴィルは隣で窓ふきをしているメイドへと返事する。
「悪かったと思っている。
だから俺も掃除を手伝っているんだろう」
「ふんっ、ボクからの指名がなけりゃ、ふけるつもりだったくせに」
「そんなことは無いさ」
言いながら、窓をキュッキュッと磨く。
自分が発端でこの少女の仕事を増やした手前、何もしないというのは心苦しかったのだ。
ラティナが“お前もやれ”と喚いたから、という理由もないわけでは無いが。
2人はぶつくさ言いながらも(言っているのはラティナだけだが)、窓掃除を続ける。
「――次は高いとこの掃除ね。
ちょっと、台使うから抑えててよ」
「分かった」
この屋敷の窓は大きく、そのままでは上まで手が届かず、足場として台が必要なのである。
改めて、分不相応な豪華さを実感する。
(何か特殊な産業でもやってるのか?)
そうでなければ説明がつかない。
外で仕事をしていた際に他の村人を見かける機会もあったが、少なくとも貧しい生活を送っているようには見えなかった。
……何にせよ、ヴィルに関係のある話ではないのだが。
「ちゃんと抑えててよ?」
「大丈夫だ、大船に乗った気でいろ」
「生まれてこの方、船になんか乗ったこと無い」
「……そりゃすまなかった」
軽口を叩かれながらも、言われた通りしっかりと台を支える。
――と、その時。
(……あ)
気付いてしまった。
ラティナは前にも述べた通り、かなり丈の短いスカートを履いている。
そんな彼女が台に乗って作業を始めるとどうなるか。
(……見えてる)
当然の帰結として、スカートの中身が見える。
ヴィルの目の前に、黒いショーツに覆われた褐色のお尻が現れていた。
(悪くないコントラストだ)
褐色の肌に黒のインナーはよく映える組み合わせだった。
ラティナの肢体は程良く鍛えられており、贅肉がほとんど見受けられない。
ゴツゴツとした男のものとはまた違う、柔軟な筋肉を身に着けていた。
それは肌のハリの良さに繋がり、臀部もまたプリっとした魅惑の曲線を誇る。
(って、何をじっくり鑑賞してるんだ、俺は!?)
慌てて頭を振る。
これではエルミアをどうこう言えない。
ただこのままではかなり気まずいため、それとなく伝えることにする。
「……あーっと、ラティナ?」
「何さ?」
「変な意味ではないし、落ち着いて聞いて欲しんだが。
その――見えてるぞ」
「……あ、そう?」
上手く行くかかなり不安だったが、幸いにして少女は取り乱しもせず現状を把握してくれたらしい。
これで一安心――と思ったのもつかの間。
「おいっ!?」
「何だよ」
つい声を荒げてしまった。
(もっと
ラティナは、なんとスカートを
彼女のお尻が白日の下にさらされている。
台に乗ってる乗っていない以前の問題だ。
「何考えてるんだ、君は!」
「さぁ?
何考えてると思う?」
こちらの怒号を軽く流し、ラティナはお尻を左右に
煽情的な丸い臀部が、ふりふりと揺れる。
「……こんなことして、誘っていると思われても文句言えんぞ」
「へー? だったらどうするっていうのさ?
聖女を守護するお堅い
煽ってくるような視線。
聖女の守護騎士であるヴィルには何もできまい、とたかをくくっているのか。
こんな安い挑発、さらっと流すのは容易い、が。
(それはなんというか――癪だ)
負けた気がしてしまう。
こんな小娘にいい様にあしらわれるのは、男としてプライドを傷つけられる。
……これだけ美味しそうな据え膳を食わないというのも、勿体ないし。
そんな思考の末、手を出すことにした。
「ひゃう!?」
意外にも可愛らしい声がラティナから飛び出る。
ヴィルが彼女の尻を“鷲掴み”したせいだろう。
そんなラティナの反応に、これまでの愚痴で少なからず苛立っていた心がすっとしていく。
(しかも、凄い弾力だ)
同時に、彼女の肉感に感動を覚えた。
揉めば揉んだ分だけ、肉が手の平を押し返してくる。
引き締まった雌尻とはこんな塩梅になるのか。
これまでの女性遍歴では味わえなかった感触だ。
「……ふーん、騎士様がこんなことしていいわけ?」
少し落ち着いたのか、ラティナがそんなことを言ってきた。
しかしここで騒いでは相手の思うつぼ。
こちらも堂々とした態度で返す。
「誘惑してきたのは君だろう」
「ま、そうなんだけど」
あっさりと彼女は認めた。
「なら問題はないな」
「そういうことにしといてあげる。
それにしたって、随分とまあやらしい手つきだことで――あんっ」
少女の身体ビクっと震え、甘い吐息が口をつく。
どうやら感じているようだ。
そうと分かれば、ヴィルの方にも余裕が出る。
「尻を揉まれただけでそんな反応をする辺り、君も大分“やらしい子”なんじゃないか?」
「ん、ふぅっ――お堅い騎士様のわりに、随分と手慣れてるじゃない。
いったい何人毒牙にかけてきたのか――あ、あ、あっ」
ラティナの尻をグニグニと揉みしだく。
指に伝わってくる肉の弾性が素晴らしい。
触っているだけで興奮してきてしまう。
だがそれは彼女も同じことのようで――
「――濡れ始めてるぞ」
「口にして言うもんじゃないだろ、それ」
ジト目で睨まれるものの、否定はしてこなかった。
実際、黒ショーツの股間部がしっとりと色を変えているのだから、否定のしようが無いともいう。
「……どれ」
その濡れた部分を指で突いてみた。
「あっ! うぅぅうっ!?」
想像以上に良いリアクション。
そして指には十分な水気。
仮に今すぐ“始めて”も問題ない程に。
「よし、それじゃあ――」
「――ちょ、ちょっと! 待って待って!」
いざ開始しようと思ったところで、ラティナから待ったが入る。
「今ヤっちゃうと、仕事が終わらないって!」
「ここまでしといて、そんなこと言うか?」
「別にヤらないとは言ってないだろ」
ラティナがこちらを振り向く。
僅かに潤んだ瞳で見つめてきながら、
「夕食が終わったら、ボクの部屋に来てよ。
そこで、“続き”をしよう」
「……別に構わないが、随分と積極的だな?」
「この村、碌な男がいないし。
オマエだって、あんだけの“上物”が近くに居るのに手を出せないんだから、かなりフラストレーション溜まってんだろ?」
「……まあ」
そんなことは無かった。
寧ろ毎日のようにヤりまくっているのだが。
それを敢えて口にする必要は無い。
「じゃあ、待ってるから――――ん、ちゅっ」
最後に一つ口づけを交わし。
2人は黙々と掃除の続きを行った。