※この作品はR-18です。

聖女(性女)様と一緒 ~悠々自適の一人旅が、波瀾とエロに満ちた珍道中に~   作:ぐうたら怪人Z

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⑤ 老侍女の告白

 

 深夜。

 屋敷の中を歩く、3つの人影があった。

 

「あのー、先生?

 急に呼び出して、どうしたんですか?」

 

 その中の一人、イーファが質問してくる。

 彼等は皆、ヴィルに招集されたのだ。

 

「……少し待ってくれ。

 目的の場所に着いたら説明する」

 

 少女の疑問に対し、しかし青年は口を濁した。

 今説明するのは、少々不用心(・・・)に思えたからだ。

 そんなこちらの雰囲気を察したから、もう一人の同行者――エルミアが口を挟む。

 

「そうよ、イーファ。

 少し考えれば分かるでしょう?」

 

 赤髪の少女を窘める。

 性女モードに入っているのが気になるが。

 彼女は続けて曰く、

 

「サーラを夜這いしに行くのよね?」

 

「違うぞ」

 

 前言撤回。

 察してくれてなかった。

 

「え?

 でも今夜を逃したら、あの子を犯す機会なんて早々ないんじゃない?

 昼間は周りの目があるし――」

 

「有っても無くても駄目だろう!

 彼女、何歳だと思ってるんだ!?」

 

「●歳くらいかしら。

 大丈夫、私が見た限り、雌としての機能はちゃんと発育してるわ」

 

 敢えて伏字にした辺りで、危険度を理解頂きたい。

 

「大丈夫かエルミア。

 この村に来てからちょっと振り切れてきてないか?」

 

「最近、聖女でいる時間が多いからじゃないですかねー?

 反動が来たとか」

 

 腕組みして考察するイーファ。

 しかしエルミアが聖女状態になるのは、ここ最近彼女の“やらかし”が原因だったりする。

 ヴィルは一つため息ついてから、

 

「とにかく、違う。

 別にサーラのところへ行こうとしてるわけじゃない」

 

「じゃあ、ラティナさんですか?

 昼間、かなり仲良く(・・・)してましたよねー?」

 

 間髪入れず、イーファが尋ねてきた。

 

「それも違う――って見てたのか?」

 

「勿論ですよー。

 アタシ達が働いてるのをしり目に、イチャイチャイチャイチャ――」

 

 ジト目で睨んでくる。

 気まずくなって視線を外し、

 

「あー、うん、違うんだ。

 ラティナでもない」

 

「あのメイドのとこには、もう行ったものね」

 

「そうそう、もう行った――っておい」

 

 さらっと混ざってきたエルミアの台詞に、心臓が止まりそうになる。

 

「……み、見てたのか?」

 

「いいえ?

 ただちょっと聞き耳立ててただけで」

 

「……あの」

 

「別に怒るつもりなんて毛頭ないから大丈夫よ。

 寧ろ嬉しいくらい。

 ヴィルもとうとう、私のお膳立て無しで他の女性に手が出せるようになってきたのね。

 日頃の“教育”の賜物かしら」

 

「……えーと」

 

 満足げに頷くエルミアに、言葉を失う。

 咎められるのは辛いが、そういう態度をとられるのも割と辛い。

 皮肉ではなく“本気”なところが、彼女の恐ろしいところである。

 

「業が深いですね、エルミアさん……」

 

 しみじみと語るイーファに、全面的に同意だった。

 

 

 

 

 

 

 さらに廊下を進むことしばし。

 

「ここだな」

 

 ある部屋の前で足を止める。

 

「あら?」

 

「ここって――?」

 

 同行の2人もここが誰の部屋か察したようだ。

 そんな彼女らは一先ず置いておいて、ヴィルはドアをノックする。

 

「……どうぞ」

 

 向こうからややしゃがれた(・・・・・)声が。

 幸い、まだ起きていたようだ。

 了承を得たため、扉を開け中へと入る。

 

「夜分にどうも」

 

「全くです。

 こんな真夜中に客の身分で屋敷を動き回ること自体、礼を逸した行為。

 いったい何の御用です」

 

 ギロリとこちらを睨む目。

 そこに居たのは、屋敷の老侍女メイヴィルであった。

 ランプの置かれた机で、何やら事務作業の最中のようだ。

 

「……あ、あの、ヴィル?

 メイヴィルさんはその――ちょ~っと私のストライクゾーンを外れているというか」

 

「……先生、こういう趣味もあったんですか!?」

 

 後ろで少女達が何やら驚いているようだが、今は相手している時間が無い。

 後ろ手にドアを閉めてから、早急に用件を伝える。

 

「俺達が何故ここに来たか、貴女が分からないはずないのでは?

 ……いや、言葉が悪いな。

 俺達に用があるのは、貴女のはずだ(・・・・・・)

 

「――なるほど、そういうことですか」

 

 得心がいったように一つ頷くと、老女もこちらへ近づいてくる。

 

「ええ!? もう話通してあるの!?」

 

「手が早い!?――ていうかなんていうか!

 まさか先生、最初からこの女性(ひと)が目的で!?」

 

 盛大に誤解している2人だが、一先ず置いておく。

 どうせすぐ事情が説明されるはずだ。

 

 ヴィルのすぐ目の前にまで歩み寄ったメイヴィルは、そこで深々とお辞儀をした(・・・・・・・・・)

 

「御見それいたしました、聖女様方。

 まさかこうも早くこちらの意図を見抜かれるとは」

 

「――やはり(・・・)、私達に御用があったのですね。

 無理強いは致しませんが、どうかその胸の内を語っては頂けませんでしょうか」

 

 そんな老侍女へ、聖女モードに切り替えたエルミアが、キリッとした顔で返答する。

 

「なんですかエルミアさん、その変貌の早さ!!

 対応力高すぎません!?」

 

 全く持って同感である。

 

 

 

 “気付いた”の理由は、極めて単純なものだ。

 この屋敷についてから、ヴィルは自分が2種類の視線を浴びていることに気付いていた。

 一つは、期待。

 一つは、拒絶。

 後者の拒絶は分かる。

 突如入ってきた“異物”を許容しない――地方の村にはよくある感情だ。

 特にこの村――辺境にあるにもかかわらず、妙に富んでいる――が、特殊な事情を抱え込んでいるのは火を見るよりも明らか。

 余所者をよく思わないであろう土壌は出来上がっている。

 その一方で、期待とは?

 村人の中に、ヴィル達に何か“やって欲しいこと”がある者がいる、ということだ。

 それが“特殊な事情”に絡んでいるであろうことは、容易に予想できる。

 しかし、視線の主を具体的に特定することはできなかった。

 だが類推することはできた。

 ヴィル達に“期待”しているにも拘らず、すぐに動いてこないのは何故か。

 何か動けない理由がある?

 依頼する機会を伺っているのか?

 とすれば、ヴィル達が長くこの村に滞在してくれた方が、その“主”にとって都合が良いはず。

 さて、歓迎されない余所者をこの村に留まるように(・・・・・・・・・・)手配したのは、一体誰だったか。

 答えは明白

 

 

 

「――という訳だ」

 

「ほえー、そんなこと考えてたんですかー」

 

 ヴィルの説明を聞き、イーファは感嘆の吐息を漏らす。

 ……なんだか頭空っぽな感じがするのは、気のせいということにしておこう。

 続けて、エルミアが言葉を紡ぐ。

 

「考えてみれば、この村はおかしなことだらけなのです。

 街道から大きく離れているというのに、物流が滞っている様子はありませんでした。

 このような立地の集落にありがちな、閉鎖的な空気も――“訛り”すら見受けられず。

 まるで――そう、元々(みやこ)に住んでいた人達が、こちらに移ってきたかのような」

 

「……御慧眼、恐れ入ります」

 

 言った通り、恐縮した表情のメイヴィル。

 最初に会った時とは偉い違いだ。

 彼女の態度を見る限り、今のエルミアの推理はそう間違っていないらしい。

 

「ていうか、そこまで分かっていたのに、サーラさんを狙い続けてたんですね、エルミアさん……」

 

 驚愕の事実に顔を歪ませるイーファ。

 

「まあ、それはそれ。これはこれなんだろう」

 

 決して口から出まかせを言ってるわけでは無い、と信じたい。

 実際、今回は向こうから何らかの打診があったわけではない。

 怪しいと思いつつ、積極的な行動をとらなかったのも仕方ないと言えば仕方ないことだ。

 ……幼女(サーラ)に手を出そうとしていたことに対して肯定したわけではないので、念のため。

 

「……それで、どこまで行くんですか、アタシ達?」

 

「もうしばし、歩きます」

 

 イーファの疑問にメイヴィルが応える。

 実のところ、先程からヴィル達はずっと歩き詰めだった。

 もう村から出て随分と経つ。

『見せたいものがある』と言って先導する老侍女について、草木を掻き分け獣道を行く。

 真っ暗な山道を進むのは神経を使う――のだが、幸いにして今ここにいる面子でそれを苦にする者はいなかった。

 ヴィルは、その老女の背中に尋ねかける。

 

「だが、そろそろ説明してくれてもいいんじゃないか?」

 

 村からは大分離れた。

 彼女が自分達に話ができなかった原因が“他の人の目があるから”なのだとしたら、もう黙っている必要は無いはず。

 そう予想したのである。

 

「……左様ですね」

 

 果たして、その予想は的を得ていたようで。

 メイヴィルは歩きながら、“事情”を語り出した。

 

「まず、この村の成り立ちからお話しいたしますか。

 聖女様の仰ったように、我々は昔から“この場所”に住んでいた者でございません。

 “ある目的”のために集められた集団なのです――もっとも、集められてから既に100年以上が経過。

 人員の交代があるものの、ここへ来てから長く経ちます。

 あの村が故郷であると考える村人も、少なくなく」

 

 大よそ、想像の通りだった。

 

「その“目的”とは?」

 

「……この山に住む、ある“存在”の監視、および管理です」

 

 言葉切れが悪くなった。

 余り語りたい話ではないようだ。

 つまり、“公にしたくない内容”ということか。

 

「“存在”とはなんだ?

 いや、説明し辛いようであれば、要点だけ伝えてくれても構わないが」

 

「……いえ、お気遣い無く。

 こちらから頼み事をする以上、全てお話しするのが筋というもの。

 私達が監視している“存在”とはつまり――有体に言って、“神”です」

 

「神!?」

 

 セシリアが反応した。

 聖職者である彼女にとって、到底聞き逃せる単語ではない。

 

「誤解なさらなぬよう、聖女様。

 ここで言う“神”とは信仰の対象である神ではなく、人が手出しできない(・・・・・・・・・)存在という意味での“神”です。

 “山神”とでも呼んだ方が正確でしょうか。

 いえ、この地方に住む人々の中には、その“山神”を崇拝する者もおりますが」

 

 一言で“神”といっても、それが意味するところは大まかに分けて2つある。

 一つは教会が崇める、この世界の根幹を作り上げたと言われる神々のこと。

 もう一つは、人ではまず太刀打ちできない――“神の如き力を持つ存在”のことだ。

 多少の誤解を覚悟でいえば『非常に強力な魔物』と言い換えてもいい。

 

(要するに、その魔物の封印だかなんだかを見張っている連中、ということでいいのか?)

 

 ヴィルはそう理解した。

 故に、一番知りたい情報をてっとり早く尋ねる。

 

「先程、管理(・・)しているといったな。

 仮にも“神”と呼称するなら、人の力が及ばない存在なんだろう。

 そんな代物を、どうやって管理している?」

 

「相手の欲するものを与え、暴れ出さぬよう鎮めているのです。

 ――管理と呼ぶには烏滸がましい方法ではありますが」

 

「……“生贄”か?」

 

「ご推察の通り」

 

「えっ!?」

 

 今度はイーファが驚きの声を漏らした。

 

「生贄!?

 生贄ってなんですか!?

 そんな――前時代的な風習をまだやってるとでも!?」

 

 口調を荒げる魔女。

 生贄自体はよく聞く話ではあった――昔話の中(・・・・)でならば。

 今日(こんにち)、生贄を行っているなど時代遅れも甚だしい。

 イーファの反応は、実に真っ当なものである。

 

「――あ」

 

 と、そこで彼女は何かに気付いたようだ。

 自分の疑念を否定したいかのように、頭をわしゃわしゃと掻きまわしながら、

 

「ちょ、ちょっと待って下さい。

 いやまさか、ホントまさかとは思うんですけど、その“生贄”ってひょっとして――」

 

「……はい、サーラお嬢様です」

 

 正直なところ、ヴィルに驚きは無かった。

 ああ、やはりそうなのか――と納得いったほどだ。

 サーラはあの村で非常に大切に育てられていたようだし、この流れからしてそうなのだろうと予想はしていた。

 それはエルミアも同じのようで、些か険しい顔はしているものの、取り乱す様子はない。

 しかし、イーファは違った。

 

「何考えてるんですか!!」

 

 目の色を変えて、メイヴィルに詰め寄る。

 

「よりにもよって、あんな幼い子を、生贄なんて!!

 メイヴィルさん、ずっとあの屋敷で働いてるんですよね!?

 だったら、サーラさんが産まれた時からずっと一緒だったってことでしょう!?

 なんでそんなこと言えるんですか!!」

 

「イーファ、平静になって下さい」

 

 掴みかかりかねない剣幕の魔女を、聖女が押し留める。

 

「どうしてエルミアさんはそんなに落ち着いていられるんですか!?

 サーラさんが大変なことになってるんですよ!?」

 

「ですから平静になりなさいと言っているでしょう。

 そもそも、“その事実”を許容できないからこそ、メイヴィルさんは私達に依頼してきたのではないのですか?」

 

「……そうでした」

 

 クールダウンするイーファ。

 すぐに老侍女へ頭を下げる。

 

「ご、ごめんなさい、メイヴィルさん。

 アタシ、凄く失礼なことを――」

 

「いえ、魔女様の怒りは正当なものです。

 つい数年前まではお嬢様を生贄とすることに対し、何の疑念も持っておりませんでしたので」

 

「へ?」

 

「もしこの山に棲まう“山神”が暴れ出せば、王国が傾きかねません。

 それ程強力な存在なのです。

 そんな“山神”が、幼子をたった一人(・・・・・)捧げればで静かになるのです。

 国の存亡と一つの命――議論の介入する余地はありません。

 事実、私はもう何人もの少女を育て、生贄として送ってきたのです」

 

 そう言う割に、老女の声はとても苦々しいものであった。

 この侍女は職務に対し忠実ではあるものの、だからといって仕事の内容を完全に割り切ることまではできなかったようだ。

 

(普通、数十年も続けていればそんな気持ち摩耗するものだが)

 

 幸か不幸か、そうならなかった程メイヴィルのモラルは高かったようだ。

 彼女の真人間ぶりに敬意を抱きつつ、ヴィルは尋ねかける。

 

「そんな貴女を心変わりさせた出来事があったんだな?

 これから向かう先に、それがあると?」

 

「理解が早く、助かります。

 ――と、話し込んでいる内に、到着したようです」

 

 メイヴィルが足を止めた。

 ヴィル達の目の前には、山肌にぽっかりと空いた洞窟がある。

 成人男性であるヴィルでも易々と入ることができる程に、その穴はでかかった。

 

「この中に?」

 

「はい、ご案内します」

 

 老侍女の案内で、さらに洞窟内を進んでいく。

 ――程なくして、“それ”はあった。

 

「うぐっ」

 

「……これは」

 

 イーファとエルミアが同時に顔をしかめる。

 無理もない。

 洞窟の奥、やや開けた場所にあったのは――

 

「――今までの生贄の死体か」

 

「ええ、間違いなく」

 

 こちらの質問に首肯するメイヴィル。

 幾つもの死体が、辺りに転がっていた。

 白骨化したもの、ミイラになったもの等、有様は異なるが。

 

「何ですか。

 その“山神”は死体をコレクションする趣味でもあるんですか。

 ……最悪ですね」

 

「いいえ、イーファ。

 最悪なのは、そこ(・・)ではありませんよ」

 

「え――――あっ!?」

 

 聖女の言葉で、気づいたようだ――気付いてしまったようだ、というべきか。

 説明するのも憚られるが、死体達は例外なく激しく損耗していた(・・・・・・・・・)

 その上、幼い頃合いに生贄とされたにも関わらず、骨格の大きさは成人と言っても差し支えない。

 これが意味することは――

 

「――そうです。

 “山神”は生贄として連れてこられた少女をただ食らうのではなく、ひたすら弄び続けて(・・・・・)いたのです。

 それも、十数年もの時間、延々と!」

 

 メイヴィルの叫びが洞窟内に響く。

 ――正直な感想として、“弄ぶ”という単語は大分オブラートに包んだ表現だろう。

 死体の損耗は、生贄となった少女達がどのような“行為”に曝されていたのか、まざまざと見せつけていた。

 

「ただ――ただ、命を捧げるだけ(・・)であるなら、我慢できました。

 仕方がないことなのだと、納得することができました。

 しかし――しかし、これは余りにも――!!」

 

 わなわなと震える老女。

 彼女はずっと耐えていたのだろう。

 自分が育てた少女を、むざむざ見殺しにするという所業に。

 国のためなのだと、己の本心を欺いて。

 しかし、その少女達が辿った悲惨な末路を知り、それまで彼女を支えていた糸が切れてしまったのだ。

 

「もっと、早くここを見つけてあげられれば良かった!

 私はあの子達がどんな目に遭っているのかも知らず、のうのうとここまで生きてきてしまったのです!

 こんな――こんなこと、許されるはずが――!!」

 

 顔を手で抑えながら、メイヴィルが激昂する。

 しかし数秒後、その手が除けられると元の冷静な顔に戻っており、

 

「……聖女様。

 どうか、このことを国王に奏上頂けませんでしょうか。

 聖女様の言葉であれば、国も無碍にはできないはず」

 

「しかし、そうなれば貴女も――」

 

 エルミアが僅かな躊躇を見せる。

 仮に告発によって国が動いたとして。

 この件へ加担していたメイヴィルもまた、何らかの罪に問われることになるだろう。

 だが老侍女の顔色は変わらず。

 

「構いません、覚悟の上です」

 

「……畏まりました。

 必ずや、王へこの惨状をお伝えいたします」

 

 老女の覚悟に対し、聖女は敬礼をもって応えた。

 ――その時。

 

 

 「そういう訳にはいかないんだよなー」

 

 

 そんな声がヴィル達に届く。

 途端、メイヴィルの顔が険しくなった。

 全員が、聞こえた方へと顔を向ける。

 

「――貴方達は」

「――げげっ!?」

 

 エルミアとイーファの声が重なった。

 武器を持った幾人もの“村人”が、自分達を取り囲んでいたのだ。

 皆、目に剣呑な光を宿している。

 そして、そんな彼らを率いているのは――

 

「――ラティナ(・・・・)か。

 意外と早く目を覚ましたな」

 

「……おかげ様でね」

 

 ヴィルを睨み付ける、褐色肌の少女だった。

 

 

 

 

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