聖女(性女)様と一緒 ~悠々自適の一人旅が、波瀾とエロに満ちた珍道中に~ 作:ぐうたら怪人Z
「まずは腸内洗浄ですね!」
「えっ?」
アナルの開発を行うにあたって、何よりまず必要なことは洗浄である。
仮にも排泄物が通る場所であるのだから、ナニをどうしたところで汚れやすい場所であることは間違いないのだ。
イーファの提案はその基本を踏まえていた。
しかしエルミアはおずおずと手を上げ、
「いや、あの、イーファ?
別にそういうのはいいんじゃない?」
どうも聖女は乗り気でない様子。
前向きに放ったものの、やはりアナル関連に対して苦手意識は持ってしまっているようだ。
“性女”が表になっていると言うのにこの狼狽えぷりはなかなか珍しい。
そんな彼女に対し、イーファが強気な口調でまくしたてる。
「何を言ってるんですか、エルミアさん!
アナルセックスの練習と言えば、まず腸内洗浄ですよ!
教本にもそう書いてあります!」
「書いてあるの!?」
書いてあるらしい。
書いてあるなら仕方ない。
何でそんなもの持ってるんだとも思うが、野暮なツッコミはよそう。
「でも、でもね、私、自分で言っちゃうのもアレだけど綺麗だから。
お尻、いつも綺麗になってるから」
……まあ、そういうこともあるかもしれない。
半ばお約束染みたアレだ。
実際、以前にセリーヌの尻穴を突発的に弄ったことがあったが、中に汚れは見受けられなかった。
エルミアのアナルも特に洗浄を必要としていない可能性は高い。
だが、イーファはそんなことで引かなかった。
「先生の小指すら受け入れられなかったエルミアさんのアナルを、どうやって綺麗にしたっていうんですかねぇ?」
「そ、それを言うなら、イーファだって初めてのアナル挿入だったのに、大して汚れてなかったじゃない?
さっきまで貴女に挿してた棒だって、ほら、こんなに綺麗♪
もう、舐めちゃいたいくらい」
言いながら、本当に先程のすりこぎへ舌を這わすエルミア。
その様子にイーファは若干引き気味。
「こ、ここでそんなことやり出すのが流石エルミアさんですね……!
でも負けません、せっかく巡ってきたアタシに有利なシチュエーション、そう簡単に手放さないですよ!?」
それでも毅然とした態度を崩さなかった。
この場合、“毅然”という形容詞が正しいかどうかは議論の余地がある。
「ちょっと、ヴィル!」
頑ななイーファにしびれを切らしたか、聖女はこちらに矛先を向けてきたようだ。
「ヴィルは別に構わないわよね?
本当、汚れてなんかいないし、万一そうだったとして、何も手でお尻を弄る必要もないんだから。
ほら、そこらへんに転がってる棒でも使って、こう、穴をぐいぐい広げちゃえば」
青年は、その言葉を吟味した。
なるほど、筋は通っている。
尻穴を棒で拡張するという行為にも、どこか嗜虐心をくすぐるものがあった。
それ故、ヴィルは深く頷いてから、
「いや、そこはしっかり一から手順を追ってやっていこうよ」
「ヴィル!?」
あっさり期待が裏切られ、目を見開く聖女。
彼女の申し出を拒んだ理由はただ一つ。
なんかエロ分野で嫌がる姿を見せるエルミアが、凄く新鮮だったから――それだけだ。
「ほらほら、先生もこう言ってることですし、観念して下さいよー」
「う、くっ――」
一瞬悔しそうな顔をしたかと思えば、するすると下着を脱ぎ始める。
そして丸出しになったお尻を、くいっとこちらへ突き出した。
思いの外素直に従ってくれたようだ。
……さしものエルミアも、ヴィルの言葉に逆らう気は無い、ということなのだろう。
「ふっふっふぅ、ようやく曝してくれましたねー?」
一方でイーファはというと、反抗の気概を無くした性女に対し、手に持った“注射器”をわきわきと握りながらにじり寄って行く。
「――って、ちょっと待て。
イーファ、君はソレをどこから持ってきた?」
ソレとはすなわち、浣腸用注射器のことだ。
「こんなこともあろうかと用意してたんですよ――お爺ちゃんが」
「……そうか」
しかし今は、尻穴案件が先決である。
「安心して下さいね。
この注射器の先端は極細タイプ――例えエルミアさんのキツキツアナルでもすんなり挿入できるはずなんで」
テキパキとシリンジ内に水を注入しつつ、イーファが話しかける。
対するエルミアは目を瞑り呼吸を整え、少しでも身体をリラックスさせているようであった。
(あれ? でもこういうのって、本来俺がやるべきなのでは?)
自分がただの傍観者になっていることに気付くが、待ったをかける時間は無く。
「行きますよー!」
「……は、うっ」
注射器の注入口がエルミアの菊門に挿さった。
「――くっ――あっ――はっ――あっ――あっあっ――」
聖女の身体が細かく震える。
イーファは
……しばしして。
「注入完了です♪」
清々しい笑顔で額を拭うイーファ。
「ふーっ……ふーっ……ふーっ……ふーっ……」
対し、エルミアは浅い呼吸を繰り返していた。
腹部が内側から圧迫されていることが原因だろう。
そんな彼女に対し、
「じゃあ、今度は出す番ですね。
さささ、ヤっちゃって下さい、エルミアさん!」
「……私、イーファに恨まれるようなことをしましたでしょうか?」
切羽詰まっているせいか、口調が聖女になっている。
その言葉に魔女は笑顔で、
「やですねぇ、そんな恨むだなんて――」
「そ、そうですよね?」
「――掃いて捨てる程」
「え」
「冗談ですよ」
一瞬、目が笑ってなかった。
「で、では済ませてきますので、少々厠へ――」
深く追求するのが怖くなったのか、そそくさとこの場を退散しようとするエルミア。
しかし――
「何言ってるんですかエルミアさん、
「え?」
――イーファに引き留められた。
聖女は本気で慌てた顔になり、
「冗談ですよね?」
「冗談じゃないです」
「え?」
2人が真顔になった。
それにしてもこの魔女、今日は絶好調である。
……事が済んだ後、自分がどうなってしまうかは、きっと考えていない。
「大丈夫だ、エルミア」
「ヴィル――!」
青年が助け船を出すと、少女は顔を輝かせた。
その笑顔にこちらも一つ頷き、
「周りが汚れないよう、ちゃんとタライを用意してある」
「あ、あぁぁああああっ!?」
そして、絶望。
聖女には最初から逃げ場などなかったのである。
――結果を言うと、エルミアは
「次はいよいよアナル拡張ですねー」
「ふふ、ふふふふ、ここまで来たらなんでも来いって感じ」
涙を溜めつつ、完全に据わり切った瞳のエルミアである。
ヴィル達の目の前で排泄したことにより、彼女の何かが吹っ切れたらしい。
「じゃあ先生、ヤっちゃって下さい」
「よしきた」
イーファに促されるまま、エルミアの後ろに立つ。
なんだか今日はこの少女にいい様に扱われているような気がするが――まあ、気にする程のことでもない。
「……ヴィル、お願い」
少し不安げな面持ちで振り向くエルミア。
同時に、四つん這いとなって尻をこちらへ差し出してくる。
(なんというか――こう、
尻肉の割れ目から顔を覗かせた、可愛らしい“蕾”の姿に加え。
姿普段見慣れない聖女の表情に、ヴィルの欲情は掻き立てられていた。
今すぐエルミアを犯したくなる衝動を必死に抑え、彼女の尻に手を近づける。
「――んっ」
人差し指で菊門をつつくと、少女が少し身じろぎした。
実際に触ってみた感触は――
(うーむ、これは手強そうだ)
――昨夜と変わらず、門は固く閉ざされている。
指一本挿れるのも難しい。
浣腸による腸内洗浄は、残念ながらほとんど意味が無かったようだ――もともと、期待していた訳でもないが。
(ゆっくりと解していくしかないな)
アナル開発教本(提供:イーファ、持ち主:エゴール)を読んで得た知識を頭で反芻しながら、指を動かす。
菊門の皺一つ一つをゆっくりとなぞり、閉ざされた穴をそっと指先で押す。
「――あ、う、くっ」
エルミアの口から苦悶の声。
いつも聞いている嬌声とは違い、そこに艶っぽさは欠片も無い。
ただただ、苦しみを我慢する声色だ。
(丁寧に――細心の注意を払ってやらなくては)
無理やりこじ開けようとすると、容易に傷がついてしまう。
そして直腸は仮にも内臓であるが故、傷つくととても痛い。
本当に痛い。
大きい方を催した際、悶絶してトイレから立ち上がれなくなる程である。
しかもそれが数日にわたって続くのだ。
もう勘弁して欲しい。
(ん? いや、なんで体験談みたいになってるんだ?)
あくまでモノの例えである。
ヴィルはより滑りやすくするため尻へ水を垂らし、さらに肛門周辺を揉み解し続けた。
「は、あ、あ、うっ」
それでもエルミアの括約筋は強敵であった。
本来の役割を徹底している。
ここはモノを入れる穴ではないという、強い自己主張が感じられた。
「エルミア、もう少し力を抜くことはできないか?」
「す、すいません、意識してはいるのですが……」
少女としても、精一杯努力はしているらしいが、それでこの有様となると――
(無意識で筋肉が相当に強張っているんだな。
昨夜ように無理をすると、筋を痛めてしまう)
根気よく続けるしかない――が。
しばらくの時間続けてみても、なかなか成果が得られなかった。
状況に思う所あったか、これまで沈黙していたエルミアが口を開く。
「こ、こうなったら、もう強引に挿入してみるのは如何でしょうか。
出来た傷は治癒魔法で治せば良い訳ですから……」
「それは駄目だ。
俺が、そんなことしたくない」
ヴィルの魔法をもってすれば、例え四肢が引き千切れたとしても元通りにすることができる。
とにもかくにも一度無理やりこじ開けてしまえば、治療後もその“門”は開きやすくなるかもしれない。
しかし傷を治せるからといって、人を傷をつけることに呵責が産まれない訳でも無い。
ましてや相手が最愛の
ヴィルにはエルミアを傷付けてまでアナルセックスをするつもりは皆無なのである。
(と、言ったものの――)
事態に進展がないのも事実である。
エルミアのアナル適性は皆無に近かった。
処女喪失した時すら平然としていたというのに、世の中分からないものだ。
(これ、今日一日じゃ終わらないんじゃないか?)
そんな思いすら去来する。
ここまで来ると、身体的な問題ではなく精神的な問題のようにも思うのだ。
となると、もっとリラックスできる状況にエルミアを置く必要がある。
だがこの小屋ような狭苦しい場所で、それは難しい。
とはいえ、
(……まあ、切り上げるにしてももう少し様子を見てもいいか?)
大きな声では言えないが、この状況自体はかなり好ましい。
あのエルミアが“不安げな顔”でセックスに臨む姿は、生々しい艶やかさに満ち溢れていた。
(大丈夫か? なんだか歪んでいないか、俺?)
なんだかよろしくない気もする。
人として大分危うい道に足を踏み込んでいるような――そんな予感。
(よし、こういう思考は止めよう。はいはい、止め止め)
さくっと切り替え、目の前に集中――要するに、目の前のお尻に集中する。
魅惑の曲線を描いた、プリンッとハリのあるそのお尻に。
(それはそれで――どうなんだ?)
どちらにせよ情欲が湧き上がるのは仕方のない事であった。
さておき。
アレコレ考えている間も、ヴィルは指は休めていない。
ただ、事態はまるで進展していない訳だが。
「……せめてローションが欲しいな。
もっと滑りを良くすれば、あるいは――」
水だけでは潤滑性に限界がある。
しかし、こんなところにそんなモノがある筈が無い。
「あ、それなら持ってますよー」
……ある筈があった。
イーファは軽い調子でそう言うと、荷物をごそごそと漁り、
「はい、コレです」
「でかした!」
嬉々としてそれを受け取るヴィル。
だが、ふと気になって。
「これも、エゴールが?」
「はい、こんなこともあろうかとお爺ちゃんが準備してくれていた、<スリップローション>です」
「スリップローション?」
聞いたことのない名前であった。
「ええ。
一度これを塗り込むと、どんな狭い所にも滑り込むことができるようになるんだとか。
狭い鍵穴に指を入れたりもできるんだそうですよー?」
得意げに説明するイーファは――
「……ほう」
「……へぇ」
――ヴィルとエルミアの目に剣呑な光が灯るのに、気づいていなかった。
その後。
「おっ!? おおっ!? おっ!? おっおっ!? おぉぉおおおぉおおっ!!?」
「凄いわね、本当に入っちゃった!」
尻穴に3本の“すりこぎ(結構太い)”をぶち込まれたイーファの姿がそこにあった。
これにはエルミアも感心することしきりである。
「これで問題は解決したな」
ほっと息をつくヴィル。
ほぼアナル未経験なイーファ相手ですら、
エルミアの菊門をこじ開けることも容易であろう。
……もっとも、挿入することが可能になっても、挿入された感覚が緩和される訳ではないようで。
本来の限界を超えたモノを直腸に挿れられたイーファは、その超絶な刺激に悶絶しているのだが。
(まだ製品化していないのは、これが理由なのかもしれないな)
しかし今回のケースに限れば、寧ろ都合が良い。
こうしてエルミアのアナル拡張は(本人達の努力と全く関係ない形で)完了の目途が立ち、いよいよ最後のステップ――アナルセックスに臨むこととあいなった。
……ある意味で一番の功労者とも言えるイーファがこんな目に遭う道理があったのか、というツッコミを行う者はこの場に居ない。