※この作品はR-18です。

純情魔王の寝取られ勇者観察日記 ~間男死すべし、慈悲は無い~   作:ぐうたら怪人Z

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後編

 

 

 

 村をあげての宴会も終わり、周囲に静けさが戻る。

 皆が寝静まった中、セリムはダンの家に向けた歩いていった。

 

「――――」

 

 勇者は、自分の兄貴分から何を貰えるのか、少しわくわくしながら道を進んでいる。

 

『……到着しましたね』

 

 案外ボロい家だなぁ。

 高価なアイテムの線は消えたか?

 

『いや、そう見せかけて実は、ということもありえますよ』

 

 ま、見てればすぐ分かろう。

 

「――――」

 

 セリムがダンの家の扉をノックする。

 すると、中からダンの声が聞こえた。

 

「……おっ! セリムか!

 鍵は開いてるから、入って来いよ!」

 

「―――」

 

 彼の声に頷き、セリムはドアを開ける。

 ダンの家に入ると、そこには――

 

「よっ!

 遅かったな、セリム!

 待ち侘びてたぜ!」

 

 笑顔で話しかけてくるダンの姿と。

 

「あっ! あっ! ああっ! あっ! あぁあああっ!!」

 

 裸になってダンとまぐわうアリアの姿があった。

 

 ――――って、え!?

 

「あぅっ! ああっ! あっ! あああっ! あぁああんっ!!」

 

「ちょっと待ってろ、今こいつ一回イカしちまうから!」

 

 セリムが居ようとお構いなしに、腰を振るダン。

 そしてダンが動く度に喘ぎ声をあげるアリア。

 昼に見たおさげはほどかれ、長い髪を振り乱していた。

 

『……どうなってるんですか!? どうなってるんですか、魔王様!?』

 

 吾輩が知るかぁっ!!

 

「―――!?」

 

 セリムもまた、余りの光景に動揺を隠せない。

 何をするでもなく、ただ棒立ちになっている。

 

「おしっ、イクぞ、アリア!」

 

「あっ! ああっ! あぁぁぁあああああっ!!」

 

 ダンが腰を叩きつけると同時に、アリアがひときわ高い声を出す。

 ……ぜ、絶頂した、のか?

 

「――ふぅ、いい汗かいたぁ」

 

 額を拭きながらアリアから離れるダン。

 彼のペニスがアリアの膣口から抜かれると、そこからは白い液体がだらだら流れ出る。

 

「――、――――」

 

「ん、何やってるのかって?

 セックスだよ、セックス。

 見りゃ分かんだろ?」

 

 震える声で尋ねるセリムに、ダンは軽く答えた。

 

「順番が逆になっちまったな!

 こいつがお前にやりたいものさ!

 ほら、お前こいつのこと結構気に入ってただろ?

 旅に出る前に、味わわせてやろうと思ってな!」

 

「――――、――――」

 

「ん? 何時からって……何時だったかな?

 ガキの頃からヤってたから、もう覚えてねぇや」

 

 言うと、ダンはへばっているアリアにもう一度跨り、彼女のまんこへと性器を突き入れた。

 

「ああぁぁああっ! あっ! ああっ! あうっ! あんっ! あ、あぁぁあっ!!」

 

 ダンのピストン運動で嬌声を零すアリア。

 

「どうよ、手慣れたもんだろ?

 ここまで仕込むのに苦労したんだぜ?

 ……ほら、アリア!

 お前もセリムになんか言ってやれって!」

 

「あっ! あっ! あっ! あっ! あっ!!」

 

 ダンは腰を動かしながら、アリアを促す。

 彼女は喘ぎ声をどうにか抑えつつ、セリムへと話しかけた。

 

「……ごめん、ごめんね、セリム……あっ! あんっ!……

 ……ずっと、言いたかったんだけど……あうっ! んんぅううっ!……

 ……あたし、あたしね――こいつの“モノ”にされちゃってたの♪」

 

 恍惚とした表情で、アリアはそう告げる。

 

 ――いや、ちょっと待った。

 おかしい、これはおかしい!

 あの展開から、どうしてこうなる!?

 

『……い、田舎って、進んでるんですね?』

 

 “進んでる”で済む話かぁ!!

 アリア、あいつセリムに惚れてただろ!?

 恋する乙女の顔だっただろ!!

 あの時の会話はなんだったんだ!!

 

「――――」

 

 セリムは、未だに一歩も動けず。

 ただ、2人を姿を凝視するだけ。

 ……視線を外すことすら、できないでいた。

 

「ま、そういうことだ。

 ……大分使い込んじまったから、きつきつまんこってのには程遠いが――」

 

「あ、あぁああんっ♪」

 

 ダンが腰を押し込むと、嬉しそうに喘ぐアリア。

 

「ほれこの通り、感度はなかなかのもんだし、締まりもまあまあだぜ?

 勇者の旅立ちに贈るには、ちっと貧相なもんだけどさ――受け取ってくれよ」

 

 言い終わると同時に、ダンはアリアの身体を無造作にセリムの方へ放り出した。

 無様に倒れるアリア。

 

「……ん、あぁぁああ……

 ねぇ、セリムぅ……ダンもこう言ってるし……あんたのちんぽ、あたしにちょうだーい?」

 

 だというのに、彼女の口から吐かれたのはダンへの恨み言ではなく、淫猥な誘惑。

 最初に見た、気の強い彼女の姿は、もうどこにもなく。

 そこに居たのは、快楽に堕ちた一匹の雌犬だった。

 

「――――!? ――――!!!!」

 

 勇者セリムは、ガクガクと震えだす。

 そして。

 

「――――!!!!」

 

 彼らへと背を向け、走り去っていった。

 そんなセリムを見た二人は、

 

「おいおい、ここまでお膳立てさせといて逃げちまうのかよ。

 だっせぇな……あんなのが勇者なのか?」

 

「……ねぇ、ダン。

 そんなことより、続き、早くぅ……」

 

「へっ、仕方ないな。

 ……ほら、よっ!!」

 

「ああっ! あぁぁああああああんっ!!」

 

 彼のことなど気にも留めず、“行為”を再開させる。

 

 ――吾輩は、そこで水晶の映像を止めた。

 

 

 

 ――――――――

 

 

 

「いや、酷い奴もいたもんですな。

 あんなに親しげだった勇者に、あそこまでの仕打ちをするとは…!」

 

 …………。

 

「勇者、大分ショックだったようですね。

 信じていた二人に裏切られたわけだから、無理もありませんが」

 

 …………。

 

「明日出立するというのに、勇者は大丈夫でしょうか?

 ああ、いや、大丈夫じゃない方が我々にとっては都合良い、のですが……」

 

 …………。

 

「――あの、魔王様?」

 

 ……側近。

 

「は、はい」

 

 吾輩、少し“出かけて”くる。

 

「!! ――分かりました。お気をつけて」

 

 

 

 ――――――――

 

 

 

「あっ! あっ! あっ! あっ! ああっ!」

 

「おい、アリア!

 股緩んでるぞ! もっと締めろよ!

 俺が気持ちよくなれないだろうが!!」

 

「ご、ごめんっ……あうっ! んんっ! んぁああっ!!」

 

 部屋には、男女の声が響いている。

 ダンとアリアだ。

 

「よしっ、いいぞいいぞ!

 イク、からなっ!」

 

「ああぁあっ! あぁぁぁああああああっ!!」

 

 何度目かの射精を終え、ダンはアリアをベッドに置くと、椅子に座る。

 

「ふぃー……明日からセリムが居なくなっちまうのか。

 へへ、安心しろよ、お前が居ない間、セリナさんは俺が守ってやるからな。

 ――あっちの方の“世話”も、きっちりやってやるけど」

 

 下卑た笑みを浮かべるダン。

 こんな奴を一瞬でも兄貴らしいと認めてしまった自分が嫌になる。

 

「んー、セリムの見送りもしなくちゃならないし、そろそろ寝るかー。

 おい、アリア、何で大の字に寝そべってんだよ!

 端っこ寄れ! 俺が眠れないだろうが!!」

 

「ご、ごめんなさい……」

 

 アリアへと怒鳴りつけるダン。

 いそいそと彼女はベッドの端に移動する。

 

 ……そろそろ、“出る”か。

 

「んん? あ、あれ、なんか急に寒気が――」

 

「……ね、ねえダン、あれ、あれ見てっ!

 影が、影が動いてる……?」

 

「な、なんだ? なんなんだよ?」

 

 部屋の中の“影”がぐにゃぐにゃと変容する。

 それは次第に一つに集まっていき――黒い球体を形づくる。

 

「え、え、え、なに、なんなの……?」

 

「お、俺が知るかっ!

 ま、まさか、魔物――」

 

 ダンは正解を口にした。

 もっとも、魔物は魔物でも、吾輩は魔物の中の王――魔王であるわけだが。

 

 “球体”がさらに歪み、吾輩の身体を形作っていく。

 

「う、うそ、ホントに、魔物……」

 

「じょ、冗談だろ、なんでこんなところに――ひっ!?」

 

 吾輩に一睨みされて、ダンが情けない悲鳴をあげた。

 

「あ、あんた一体、何者よ……?」

 

 吾輩は“口を開いた”。

 

『何者?

 吾輩を知らぬのか。

 ――魔王だよ』

 

「――え?」

 

「ば、ば、ば、バカいうな!

 ま、魔王なんてそんな――」

 

『信じる必要はない。

 証拠を出してやるつもりもない。

 お前達がどう思おうと、これから起こることには何の影響も無いのだから』

 

 ダンの方を見て、告げる。

 

『――なぁ、そこの男。

 吾輩の問いに答えろ、正直にな』

 

「ひ、ひぃいいっ!?」

 

『悲鳴を上げろとは一言も言っていないが?』

 

「あ、うぅ……」

 

 男は手で口を塞ぎ、漏れそうになった悲鳴を無理やり押し止める。

 

『お前は、何故セリムに“あんなこと”をした?』

 

「……あ、“あんなこと”?

 何を言ってるのか――ぎゃあああああっ!?」

 

 吾輩が軽く手を“振るう”と、その余波でダンの身体が吹き飛ぶ。

 

『全てを説明せねば分からぬほどの愚者か、お前は。

 少しは自分で考えたらどうだ』

 

「あ、ああ、ああぁぁ……」

 

 ダンの顔が恐怖で引きつる。

 

『もう一度聞くぞ。

 ――何故、“あんなこと”をした?』

 

「う、あ、ああ……あ、あいつに、村を出る前に、いい思いをさせてあげようと――」

 

『嘘をつけ!!』

 

「ひぃいいいいっ!!?」

 

 私に一喝に、家が揺れる。

 ダンは――隣にいるアリアも――身を強張らせた。

 

『セリムがその女のことをどう想っていたか――知らんとは言わせん。

 それを分かっていながら、彼の想いを何故踏みにじった!?』

 

「ち、違う……本当に、俺は、あいつのことを考えて――」

 

『ほう、そうか』

 

 吾輩を掌を上に向けて広げる。

 すると、空中に映像が浮かび上がる。

 

「! せ、セリナさん……!?」

 

 ダンが思わず口走る。

 そう、その映像の中には、自宅で眠るセリナの姿があった。

 では今から奴の姉――確かセリナと言ったな――をお前の前で犯してやろう。

 

『では、この女を今から犯してやるとしよう。

 ……“飽きたら”お前にも貸してやるさ』

 

「や、やめろ、てめぇ!――――あ」

 

 自分の失言に気付くダン。

 吾輩はニンマリと嗤う。

 

『――他人の想い人を自分が犯すのはいいが、自分の想い人を他人に犯されるのは嫌、か?

 おいおい、先程の吐いた言葉とは随分と違う言動だなぁ?』

 

「あ、ああ……あぁああぁ……」

 

『何故、“あんなこと”をした?』

 

「あ、う、あ……う、羨ましかったんだ……

 セリナさんの一番近くに居られて、一番の愛を貰って……その上、勇者としてちやほやされてるあいつが……!

 ……だ、だから腹いせに、この女を!

 あいつが、アリアと一緒にいるのを見るたびに、笑えたんだ!

 お前がどんなに頑張っても、そいつは既に俺の“モノ”なんだと、優越感に浸れたんだ!!」

 

『奴に、罪悪感は抱かなかったのか?』

 

「ど、どうせ、これから幾らでも“いい思い”すんだろ!

 あいつは勇者様なんだからな!!

 最初にちょっとした“挫折”を味わわせてやった方が、あいつのためにもなるってもんだ!!」

 

 堰を切ったように喋り出すダン。

 それに対して反応したのは、しかし吾輩ではなかった。

 

「だ、ダン、あんたそんなこと考えてたの!?

 セリムのこと、弟みたいに思ってるって――」

 

「うっせぇよ、アバズレが!!

 お前だってあいつの想いに気付いてたのに俺に抱かれ続けたんだろうが!!

 俺のちんこを選んだんだろうが!!

 人のことをどうこう言えた立場かよっ!!」

 

『黙れ、屑がっ!!!』

 

 吾輩が吠えると、また家が軋む。

 今度は壁のあちこちにヒビが入り、天井の一部が崩れた。

 

 言い争っていた二人は、完全に沈黙した。

 

『とうとう本性を出しおったな、塵虫め。

 お前のような醜悪さの持ち主、吾輩もそう目にしたことは無い。

 魔物とて、もっと分別を弁えておるわ!』

 

「……は、はひっ……」

 

 今の叫びで恐怖を思い出したのか、ダンの顔はまた恐怖で支配された。

 

『さて、今からお前を殺すわけだが――』

 

「――え、え?」

 

 吾輩の宣言に、呆けた声を出すダン。

 

『――なんだ、まさか“魔王”を目の前にして、生きて帰れるなどと思ったのか?』

 

「……あ、ああ……ゆ、許して下さい……すみませんっ、反省していますっ、助けて下さいっ……!」

 

『魔王に助けを願ってどうする……?

 お前達人間が助けを求めるのは、“勇者”だろうが?

 お前がずっと蔑み続けた、“勇者”だろうが!!』

 

「ひっ! あ、あぁぁああああ……

 せ、セリム、助け――」

 

『今更遅いわぁ!!

 お前の声が聞こえたところで、奴がお前を助けると思ったか!?』

 

「ああああああっ!! 嫌だ!! 死ぬのは嫌だぁっ!!

 セリムっ! セリムぅっ!!

 お前勇者だろ! 勇者なんだろ!!

 魔王が目の前にいるんだよっ!!

 助けろよ! 助けてぇええええっ!!!」

 

『――死ね』

 

 吾輩は、手から魔力の波動を撃ち出す。

 それを浴びたダンは、足元から徐々に石へと変わっていった。

 

「あ、ああ……やだぁ、死にたくない、死にたくない……

 助けてぇ……セリムぅ……助けて下さいぃ……」

 

 哀れな程に泣き喚きながら、ダンは石像へと変わった。

 実に情けない顔をした、滑稽な石像だ。

 

『……ふんっ』

 

 吾輩は石像を掴み、ぽいっと床に投げ落とす。

 その衝撃で、ダンであった石は砕け散った。

 ……これで、神の奇跡があろうともこの男が蘇るようなことは無い。

 

『――女』

 

「……え?

 ああ、いやぁああああっ!?」

 

 ダンに浴びせたものを同じ波動を、アリアにもかける。

 だが、彼女の身体には何の変化も無い。

 ……今はまだ。

 

『お前には、この男と同じ“呪い”をかけた。

 今から一年後、お前は石になって死ぬ』

 

「……や、いやぁ……」

 

 目に涙を浮かべるアリア。

 それを憐れんでやる気は、一切湧いてこないが。

 

『ただし、その呪いはある条件で解除できる』

 

「――え?」

 

 女の目に、一片の希望が灯る。

 吾輩は、アリアにその条件を教えてやることにした。

 

『その条件とはな。

 お前が、勇者と――セリムと結ばれることだよ』

 

「……!?

 そ、そんな……」

 

 アリアの顔が絶望に染まった。

 “あんなこと”をしておいて、勇者が彼女に振り向く?

 そんなことがあるわけが無い。

 

 それを知っているからこそ。

 つまりは、“自分がどれだけセリムに酷いことをしたのか”認識しているからこそ、彼女は絶望したのだ。

 

 ……屑共が。

 

『――ああ、そうそう。

 魔王(吾輩)が現れたことを除いて――今夜起きたことを誰かに知られれば、その時点でお前は死ぬぞ』

 

 勇者はお人好しだったからな。

 呪いのことを知れば、敢えてこの女に靡くこともあるかもしれん。

 吾輩はその可能性をきっちり潰しておいた。

 

『では、せいぜい足掻いてみるのだな』

 

 その言って、吾輩は姿を消し去った。

 後には、砕けた石像と、恐怖と絶望で放心した女が残るのみ。

 

 

 

 ――――――――

 

 

 

 “旅立ちの前日に起こった悲劇。

 魔王自身の手によって、親しい人間が殺害されるという事件。

 これが勇者セリムにいか程の衝撃を与えたか――余人には推し量ることすらできない。

 

 だが、魔王には誤算があった。

 セリムは親しき者の死を、鋼のような精神力で乗り越えたのだ。

 いや、魔王を倒す決意をより一層固めたと言ってもいい。

 その証拠に、村を発つ彼の足取りには何の迷いも無かったという。

 

 おお、勇者に栄光あれ!

 これこそが、魔王討伐を為した偉大なる勇者セリムの冒険、その第一歩であった”

 

 

 

 後世の歴史家 ネトラ・レーダ・メイヨウ 著

「勇者セリムの冒険」より

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