先輩への異常な執着/またはぼくはいかにして心の痛みを忘れて性愛を求めるようになったか――というより、3ヶ月、2週と1日でぼくにはなにをなしえたのか 作:果肉ぬき
高校時代の憧れの先輩「雛里やよい」と偶然の再会を果たし肉体関係を結ぶも、「わたし、もうあといくらも生きていられないの」というやよいの言葉をどう受け止めていいのかわからない会社員「風見健一」。それどころか、自分になにができるのかを模索していくなかでやよいの妹「雛里えな」との情事を重ねてしまう。えなの誘惑に負け、9月27日にいなくなるとされているやよいにどんな顔をして会えばいいのかわからず自暴自棄になった健一は、1ヶ月半の間ふたりと連絡も取らずだらだらとした灰色の日々を過ごしていた。しかし、そんな健一の自宅にえなが押しかけてきた。「また、したいですか?」。
部屋中に充満しているえなさんのミントの香りがぼくを思うように動けなくしていた。
仰向けになったぼくにまたがっているえなさんのパンティに覆われた淫部が、薄地のトランクスに覆われたぼくのペニスに自然と擦れている。ときおり体を倒してぼくの口内を舐めるえなさんの所作が、そうさせていた。
「わたし……お姉ちゃんから聞いてたんです、健一さんのこと……」
とろんとしたまぶたと控えめな笑顔にペニスがびくっと脈動した。結局ぼくは、やがて訪れるであろう先輩の死についての想いを記憶から追放することもできないくせに、えなさんの蠱惑的なしぐさに抗うことができなかった。これが答えであり、その答えを受け入れればぼくは楽園に行けるのかもしれなかった。
「健一さんとお姉ちゃんが再会したことではありません。健一さんとお姉ちゃんの、高校時代の話です。お姉ちゃん、気が弱そうで口数の少ない、けれど懸命に生徒会の仕事をする健一さんのこと、弟のようにかわいがってたみたいです」
蒸したパンティのぬくもりに心地よさを感じながら、同時にぼくの脳裏には先輩との夕暮れの日々が蘇ってきた。
「まあ、そんなことは私が言うまでもなく健一さん自身が一番わかっていて、だからこそ健一さんはお姉ちゃんに惚れ込んでいるのかもしれませんが」
みんなと帰るのが苦手で、もう少し整理してから帰りますと塞ぎがちだったぼくに付き合って残ってくれた先輩。作業なんてそんなに残っているわけでもないから、当然すぐに終わって先輩と慣れない雑談を重ねた。こんなふうな人になれたら毎日がどんなにきらめいて見えるだろうと羨望の念を抱きながら。
「もったいぶるほど肩透かしを食らってしまうかもしれないので簡潔に言いますけど、私、そんな話を聞いていて、お姉ちゃんのもっていた生徒会の集合写真でしか見たことがない健一さんに恋したんです」
思わず射精しそうになった。顔から火が噴き出しそうな錯覚に陥る。えなさんはぼくのトランクスをずり下げてからまたがりなおすと、ぼくのそれぞれの手を、指を絡めて握ってきた。
「まだ小学校の5年生でした。それからいままで、同級生や周りの男子たちはどいつもこいつも馬鹿ばかりで、私の健一さんへの想いの灯火が途絶えることはありませんでした。会ったこともない健一さんの声を、身体を思い浮かべて、何度もおま×こを慰めたんですよ」
ぼくの指に絡まっているえなさんの指に力がこもり、えなさんの腰がかすかに前後に揺れだす。湿りけを帯びた股布に襲われる刺激に、鼻息が荒くなるのを抑えることなどできなかった。
「だから、あの朝……はぁ、はぁ……だらしない格好で寝ているお姉ちゃんと、書き置きの準備をしている健一さんを見たとき……っ……ずっと想ってた健一さんだって、一発でわかった驚きと嬉しさと同時に……っ、はぁ、はぁ……大きな悔しさもありました……んっ……」
えなさんの告白にのぼせた吐息が混ざりだし股間の疼きに我を忘れだしたぼくは、思わずえなさんの揺れに合わせて自分の腰を揺らせ始めた。えなさんの口元が、明確に堕淫の道を辿りだしたぼくの所作を嘲り愛でるような形へと変わる。
「だから、奪ってやろうと思ったんです……はぁ、はぁ……んっ……お姉ちゃんなんて……優しいだけで……健一さんのことなんて、真剣に想ってない……でも、私は違いますっ……ゃ……んっ……はぁ、はぁ……いつも、なにかに耐えてるような……ぁ……気難しげなその表情も……こうやって……ん、ん……年下のパンティなんかで……ん……ごりごりされて、だらしなく、口開けてる、先輩も……ぜんぶ、抱きしめたい、ん、です……んっ……んっ……」
コットンとえなさんの淫肉が融合したような水けまじりの感触に溺れていく感覚は、濃度の高い硫酸よりも強烈で淫猥な刺激でぼくの心と体を溶かしていた。
「えなさんっ……ぼくっ、もう……っ……」
「お姉ちゃんなんて……んっ……いつ現れるかも、わからないし……いつまで、いるかも……はぁ、はぁ……わからないんです……」
「えなさんっ……えなさんのおま×こがっ……」
ぼくらの動きはどちらからともなく速く、大振りになっていた。
精の迸りの兆しがこみ上げてくる。
えなさんの先輩に対する酷い言葉に違和感を抱くこともなかった。
「イって、くださいっ……はぁ、はぁ……私ので……ゃ……ぁ……おち×ぽっ、ぶるぶるっ……んっ、んっんっ……狂わせて、くださいっ……」
「えなさんっ……えなさんっ……」
「健一さんっ……気持ちいい、ですかっ……んっ、はぁ……出してくださいっ、えっちなお汁……ん、ん、ん、ん……はぁ、はぁ……ぁ、んっ……ゃんっ――」
記憶が瞬間的に欠落したかのようなトリップ感覚が容赦なくぼくを襲った。
えなさんはぼくの射精直前にぼくの腰の動きが一瞬止まったのを察知し、放出されたすべての精液を手で受け止め、舐めつくしていた。
「健一さん……もう思い悩むのはやめて……私と一緒に楽しみましょう?」