先輩への異常な執着/またはぼくはいかにして心の痛みを忘れて性愛を求めるようになったか――というより、3ヶ月、2週と1日でぼくにはなにをなしえたのか 作:果肉ぬき
高校時代の憧れの先輩「雛里やよい」と偶然の再会を果たし一夜をともにした会社員「風見健一」は、同じ悦楽を求めてやよいの家へと向かい、再びやよいと身体を重ねようとしていた。
「ゃんっ……ショーツ……びしょびしょに、なってる……」
先輩のパンティはぼくの唾液とも先輩の恥液とも判別のつかない水分に満ちていて、その質量は通常の倍ほどに増えていた。搾れば雫がぽたぽたと落ちてきそうだった。
ぼくは、先輩の左膝に残るようタイトスカートとともにパンティを右脚からのみ脱がせる。
「スースー、するね……」
今度は先輩の秘部に直接口をつけた。
「ゃっ……」
先輩の身体が一瞬だけびくっと震える。
ぼくはそのまま、先輩がぼくの口にしてくれたように先輩の陰唇の周りをあますことなく舐めまわしていった。
「んん~っ……ひぅんっ……ぁ……ぃ……いい、かも……」
先輩が受け入れてくれていることがわかってほっとした。
「でも、風見くんはいいの……? まだ、ぁっ……洗ってないのに……」
まったく問題はなかった。むしろ純度の高い先輩の味を知りたかった。
「んぁ……んっ……んくっ……ん~っ、ぃ、ぁ……」
小陰唇を重点的に責めてから、ぼくは包皮から顔を覗かせているクリトリスを吸うように舐めた。
「ひゃんっ――そ、そこ……そこは……っ、んっんっ、ぁんっ、んくっ……」
先輩の跳ねる声に頭がくらくらしてくる。
「だ、だめっ、風見くん……わ、わたし、漏れちゃうかも……ぁ、きちゃうよ……んっ、んっ、んっ……ゃ、だめ~……」
先輩の尿道からは片方の手のひらに十分おさまるくらいの、わずかな聖水が放射された。ぼくは淫唇ごと包み込むようにしっかりと口をつけ、そのすべてを飲み干した。
「ぼく、もう入れたいです……」
かすかな笑みを浮かべながら頷いてくれた先輩は、何も言わないでぼくを仰向けにして膝立ちになった。
「いくね」
すでに痛いほど膨れ上がっていたぼくのペニスは、片手で淫裂をくぱぁと開いた先輩に導かれた。
「んっ……入った……」
先輩の蜜壺に包まれる愉楽は、2回目でも決して色褪せていなかった。
「先輩、動きます……」
「うん……ぁっ、んっ、あぁ……ぃ……っ……はぁ、はぁ……んっ、んっ」
10の指すべてを絡ませるように先輩と両手をつなぐ。
「この手、離さないでねっ……んっんっ、んっ……ゃ……だめっ……んっ……いいの……」
絡まっているのは手だけではない。膣襞とペニスの激しい抱擁は、目を開いているのもつらくなるくらいの快感を惹起させた。
「んっ、んっ……きもち、いいよっ……はぁ、はぁ……んっ……風見くんは……?」
先輩の愛液とぼくのカウパーが混ざり合った液体が、結合部を汚し、卑猥な音を立てている。
「狂いそうなくらい、ですっ……」
先輩もぼくも、口を閉じることができなかった。
「うれしいっ……ゃっ、ん……はぁ……ひゃんっ」
先輩の唇の端から漏れた涎が結合部に生じた恥液の泉に合流する。そのだらしない光景はぼくに理性という言葉の脆弱さを教えてくれた。
「あたまっ、あたまおかしくなりそうっ……んっ……はぁ、はぁ……も、もうなってるのかもっ、腰止まらないよっ……」
脚がつりそうになるのを堪えてぼくは先輩の子宮を目指して突き続ける。
「んっんっんっ、んっんっ……ぃ、イっちゃうかも……なんかね、ん――き、きてるの……んっ……」
先輩はぼくにしなだれかかり、キスをしてきた。
ぼくが先輩の尿を飲んだことを覚えていないのか、気にしていないのか、口内が艶めかしい動きで淫靡に蹂躙されていく。
「ぢゅる……んんっ……わたひ……もう――いっしょに、いっしょにイキたいっ」
脳も口もペニスも、すべてが蕩けて先輩と癒着しそうだった。先輩に骨抜きにされた悦楽に溺れていった。
先輩と同じ瞬間を迎えるため、手も口も離さないようにしてぼくは痙攣するかのように小刻みに抽送を繰り返した。
「ぁ、ぃ、いぃっ、これっ……んっ、んっ、んっ、んっ、んっ、んっ、ぃ、イクっ、イっちゃうっ……!」
先輩の身体は刹那硬直し、ぼくの精液は先輩のなかに解き放たれた。
手も口も秘部もつながったまま、ぼくは先輩の口から届く甘美な吐息を骨伝導で感じていた。
薬などなくても飛べることを知った。
†
セックスの余韻を享受したのち、ぼくらはそう大きくはないユニットバスで一緒にシャワーを浴びた。
これまでの鬱屈した気持ちがすべて洗い流されていくようだった。
結局自分の悩みなどこの程度のものだったのかと卑下したくなる気持ちが湧いてきたけれど、シャンプーの合間にそっと唇を重ねてきた先輩の無言の笑みに見惚れていたら、そんな気持ちすらも払拭された。なぜなら、ぼくには先輩とのこの関係が、なぜか世界中のどの恋人たちよりも崇高で清純で唯一のカタチに思えたから。
けれど、先輩がふと放った言葉は、その唯一性を補強すると同時にそれが泡沫のような危うさのうえに成り立っているのだと突きつけてきた。
「わたし、もうあといくらも生きていられないの」