先輩への異常な執着/またはぼくはいかにして心の痛みを忘れて性愛を求めるようになったか――というより、3ヶ月、2週と1日でぼくにはなにをなしえたのか 作:果肉ぬき
高校時代の憧れの先輩「雛里やよい」と偶然の再会を果たし二度の快楽を貪った会社員「風見健一」。「わたし、もうあといくらも生きていられないの」と突然告白された健一は思い悩むも、自分になにができるのかをつかみきれないまま、数日後に三度やよいのもとへと向かう。しかし、やよいは不在だと告げるやよいの妹「雛里えな」の誘惑に負けた健一は、えなの「オナニー」を手伝ってしまったのだった。
「……はぁ、はぁ……私……っ……これだけじゃ……ん……満足できないです……」
唾液の味がえなさんのものなのか自分のものなのかを判別できなくなるくらいの長いキスを終えたとき、えなさんの目元には刃物のようないつもの鋭さと惚けたようなとろみが同居していた。
吐息混じりに放たれた暖色の声が心地よい。
ぼくはこの声にどう応えればよいのだろう。
いまの自分自身の心の形をイメージすることもできなければ、えなさんの一連の言葉や行為の真意もまったく見えてこなかった。
確かなのはぼくのペニスが破裂しそうなくらいに勃起していることだけだ。
「……ちょっとついてきてください……」
ぼくが逡巡していることにしびれを切らしたのか、えなさんはぼくの手をとりすたすたとユニットバスに入っていく。ぼくが来る少し前に入浴していたのだろう。換気されきっていないむわっとした熱気が扇情的だった。
ぼくは糸の切れた操り人形のようにそこでえなさんの思いのままに丸裸にされ、脱がされた服はすべて開けっ放しの浴室のドアの向こうへ放り投げられた。
えなさんはそのまま無言でシャワーのお湯を出して自分の身体をTシャツごと一通り濡らすと、あまり身長の変わらないぼくに上目遣いをしてくる。
「きっと……こういうの好きですよね」
弄ばれているという感覚は、屈辱ではなく恍惚の波を呼び寄せた。
ベージュのロングTシャツの表面は、濡れて肌の質感と混ざっていた。
「んっ……ゃ……変態……ひぁっ……」
ぼくはTシャツごとえなさんの小さな膨らみを口に含んでいた。
えなさんの両肩を抑えている手に力が入りすぎないようにするのがつらくなってくるくらいぼくのリビドーはエネルギーの放出先を探して暴れまわっている。
「……んんっ……おち×ぽ左に曲がってますね……ぁ、んっ……オナニーのしすぎじゃないですか……」
いつもと違う右手に逆手で握られ、罵倒されながら緩やかにしごかれる。
ぼくはえなさんの右のふくらみを口で、左の膨らみを手でこねくりまわしながら、えなさんのしごきに合わせて自分でも腰を前後に振っていた。
ベルガモットと柔軟剤の香りが全力でぼくを挑発していて、すでに脳は使い物にならなくなってきていた。
「はぁ……ゃ……んっ……んぁ……まぬけな、かっこう……でも、そんな一生懸命なとこ、かわいいです……ひぁ……んっんっんっんっ……ひゃんっ! も、もうだしちゃうなんて……本当に……んっ……色狂いですね……んちゅ……ちゅ……」
ペニスを捕捉されてから暴発までは数秒だった。
粘度の高い白濁液がえなさんの右手や太もも、Tシャツに散らばり、えなさんは右手に付いたその精液を音を立てながら舐めつくした。
「その変態おち×ぽ……私のおま×こに、入れてもいいですよ……」
射精を迎えたのに一向に消沈しそうにないぼくのペニスをしばし見つめていたえなさんは、壁のほうを向いて両手をつき、濡れたTシャツに覆われた臀部を突き出してきた。
先輩との交わりがフラッシュバックする。
ぼくはそのイメージが消えるよりも早く、Tシャツの裾をめくってえなさんの膣奥にペニスを送り込んでいた。
「ん、んんんっ……!」
マシュマロのような弾力を備えたえなさんのお尻をしっかりつかみ、緩やかに抽送を始める。膣襞のひとつひとつに手招きされているような感覚に陥る。
「え、えなさんに包まれてます……」
「き、気安く名前で、ぁぁぁ……よ、呼ばないで、ひゃんっ……ください、んんっ」
お互いをファーストネームで呼び合うこと以上のことをしているはずではないかと疑問に思ったけれど、いまは罵られたことに反応してぼくのペニスが脈動したことのほうが大事だった。もっと罵られたかった。
「で、でもっ、えなさんはっ、えなさんですっ」
「んんんっ……そっ……そういうことではっ……はぁ、はぁ……ないっ、んんぁ、……ですっ……」
自制心という言葉の意味なんてものは精巣の彼方に消え去っていた。もはや自分がなにを考えているのか、わけがわからなかった。
「えなさんっ……えなさんっ……もっと速くっ、動いてもいいですかっ……」
「んひゃぁっ……ぁ、ぁ、ぁ、ぁ……ふ、ふざけてるんっ、ですっ、か……ゃっ、はぁ、はぁ……んっ、も、もうっじゅうぶん速いっですっ……ぁぁ、ぁぁ、ぁぁぁあああ、ひんっ……んっんっんっんっ」
ドアは開け放たれているのに、肌と肌が弾けあう音は重要的に響き続けている。
「ぼくっ……ばかになりそうですっ……」
えなさんの蜜壺からは愛液がだらしなく漏れ出ていて、ぼくはそれを飲み尽くしたい衝動に駆られたけれど、それ以上にこの恥液をもっともっと溢れさせたいという情動のほうが大きかった。
「ば、ばかがうつって……んっ、んっ――私までっ、おかしくなり……ひゃん……そう、ん……ですっ……ゃ、んっ……」
えなさんの語調の揺れが愛らしくて、その淫らで混沌とした情念の動きにぼくはさらに堕ちていった。
えなさんのおっぱいを後ろからつかみ、腰の動きと連動するように左右の突起も弄ぶ。
「んんっ、んっ、ち、乳首っ……までっ……んんんっ――おま×こも、変態おち×ぽに、ずぽっ……ずぽずぽ、されてっ――はぁ、はぁ……漏れちゃいそうっ、ですっ……」
弾け飛んだ理性の欠片も見当たらないくらいにこの悦楽のさらに向こう側へ行ければと願いながら、ぼくはよだれを垂らしているえなさんの口を塞いだ状態でお互いの再びのオーガズムに向けて緩急入り混ぜたピストンの連鎖を打ち込んだ。
「んんっ――こ、これいけないですっ……ん、ん……おま×ことおち×ぽ……はぁ、はぁ……こんなに求め、あって……んちゅ……ひゃんっ、ぁ……わ、私イっちゃいますっ……変態おち×ぽの、虜になって……んっ、き、きちゃうっ、っ……きゃんっ……んっ、ん、ん、ぁ、ぁ、ぁ……んっ、んっ、んっ、ん、んんんんんん~っ!」
膣奥でぶちまけられたぼくの精液はふたりの結合部から溢れ出て、えなさんの濃い黄色の恥水と混ざり合いえなさんの生脚を汚していた。
萎れきっていないペニスとえなさんの膣壁が密着している感覚に浸りながら、言葉も発さず動き出さないでいるえなさんを後ろから強く抱きしめるのと、先輩がまだ帰ってきていないことにほっとする自分がいることに気づくのは、ほとんど同じタイミングだった。