※この作品はR-18です。

社畜冒険者の異世界変態記   作:ぐうたら怪人Z

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④ 『全能』のエゼルミア

 

 

 

 後日談――次の日の話を後日談扱いするのはいい加減如何なものか?

 

「……言いましたけど!

 壊れてもいいって言いましたけど!」

 

 ローラさんはとてもご立腹だった。

 私と彼女は今、お店のカウンターにいる。

 

「もう、夕方ですよっ!?

 あれから、一日中、ずっとっ!!」

 

 彼女の勢いは止まらない。

 

 前述したとおり、現在は日が変わっている。

 始めたのは昨日の昼過ぎだったわけで、都合24時間以上経っているわけだ。

 

 ……誤解して欲しくないのだが、ずっと彼女を貪り続けていたわけでは無い。

 明け方過ぎ位にローラさんが何の反応も示さなくなって……えー、そこから1時間位……いや、2時間?……3……まあ、4時間程度ヤッたらすぐに彼女を解放したのだ。

 その甲斐あって、日が暮れる前に彼女は目を覚ましたわけで。

 

「本当に、本当に壊そうとしましたよねっ!?

 一切、私の身体のこと気遣ってくれなかったですよねっ!?」

 

 涙目になって、ローラさん。

 ……怒っている顔、意外と可愛らしいな、彼女は。

 

 ちなみに今日、迷宮探索はお休みである。

 別段ローラさんとのプレイが理由では無く、最初から今日はお休みの予定だったのだ。

 その旨、陽葵さんにもちゃんと伝えてある。

 

 ともあれ、私はなんとか弁解を試みる。

 

「いや、ほら、なんだかんだ言ってローラさんは壊れなかったじゃないですか。

 だから、結果オーライということで」

 

「な、何の悪意も無い笑顔でそんなことを……!?」

 

 ローラさんが驚愕に目を見開く。

 そんな驚かれるようなことを言っただろうか?

 

 彼女は大きくため息をついてから、

 

「……あんなこと言った手前、クロダさんにどんなことされてももう文句は言いませんけど……官憲の方への言い訳はちゃんと考えておいて下さいね?」

 

 大分物騒なことを口にした。

 

「そ、そんなまさか。

 本当に壊れるまでヤるわけが無いじゃないですか」

 

 いくら私だってそこまでは――たぶん。

 

「嘘、嘘です。

 私、走馬燈を見ました。

 死んだお父さんやお母さん……と、あの人、も一緒に、川の向こうで手を振ってました」

 

 臨死体験とは、随分とレアな体験をしたものである。

 ……笑いごとでは無いか。

 

「……私、もうすぐあの人達のところへ逝くんですね。

 クロダさん、私が壊れたとしても、私のこと忘れないでいてくれますか…?」

 

 悲しそうに私を見るローラさん。

 

「だ、大丈夫ですって!

 人間、そう簡単に壊れたりしないものですよっ!」

 

 ……似たような台詞を前にも言ったな。

 その時とは状況が大分異なるが。

 

「………でも、これからも昨日みたいなことするんでしょう?」

 

「それは……まぁ」

 

 存分に楽しもうと思ったら、あれ位はヤッておきたいところである。

 あれだけやっても、ローラさんは大丈夫(?)だということも分かったわけだし。

 

「うふふふふ……クロダさん、壊れた私の相手も、偶にはしてくれると嬉しいです」

 

「ちょっ、ローラさん!

 笑顔が、笑顔が壊れてますよ!?」

 

 本気で肝が冷えるからそういうことは止めて下さい。

 ……うん、少しは女性のことも考えてプレイした方がいいのかも。

 

 「ごめん下さいませ」

 

 そんな会話をしていると、店の入り口の方から声が聞こえる。

 どうやら、お客が来たようだ。

 

 挨拶と共に入ってきたのは――

 

「あら、初めての方ですか?」

 

「ええ、そうですわ。

 こちらのお店が良い品を揃えていると聞きまして」

 

 ―――――――あ?

 

「っっっっっっ!!?」

 

 私は、叫び声を上げようとするのを必死に抑える。

 

 いや、待て、待て待て待て待て、おかしい、おかしい。

 なんで、なんで今、この女がここに居る?

 

「――え!?」

 

「どうかなさいました?」

 

「ご、ごめんなさい、私、エルフの方を間近で見るのは初めてだったもので」

 

「あら、そうでしたの。

 ふふふ、ウィンガストでもエルフは珍しいのかしら?」

 

「はい、ほとんどいらっしゃらないと思います」

 

 私の内心をよそに、ローラさんと女性が会話している。

 

 今、彼女が述べたように、女性はエルフであった。

 その証拠に、女性の耳は尖り、肌はシルクよりも白く、背は私と同程度に高い――何より、容貌が恐ろしい程整っている。

 スーパーロングヘアのプラチナブロンドと相まって、神秘的な雰囲気すら纏っていた。

 

 だが、そんなことは問題ではない。

 そんなこと、何の問題でもないのだ。

 

「…………?」

 

「今度はどうされました?」

 

「いえ……あの、すみません。

 失礼を承知で教えて欲しいのですが、私、前に貴女にお会いしたことがありましたか?

 ……なんだか、初めて会った気がしないのですが」

 

「あら、そうでしたの?

 それでしたら――」

 

 その女性は、私の方をちらりと見てから、

 

「そちらの殿方に聞いてみればよろしいのでは?」

 

 私の方に話を振ってきた。

 

 ……ひょっとしたら。

 ひょっとしたら、この女性は偶然ローラさんの店に来ただけかもしれない、という淡い希望を持っていたのだが。

 そんな希望は儚くも崩れ去った。

 

「――はい?

 クロダさん、この方がどなたか知っているんですか?」

 

 女性につられて、ローラさんも私の方を見る――すると。

 

「えっ!? ちょっと、どうしたんですか、その顔――!?」

 

「――え?

 ああ、これは、すみません」

 

 言われてから気づいた。

 私はかなり強張った顔をしていたらしい。

 

「ふふ、ふふふふふ。

 そんなに緊張なさらないで?

 ほら、ワタクシのことを、このご婦人に説明してあげて下さいな」

 

 面白そうに笑いながら、その女性は言う。

 

「やっぱり、クロダさんこの方をご存じなんですか。

 …………どちらで知り合ったんでしょう」

 

 ローラさんの台詞は後半、少し剣呑な響きを持っていたが。

 残念ながら、それに対して冷や汗を流す余裕は、今の私には無かった。

 

「……ローラさん、この女性は――」

 

 唇が震えてしまうのを何とか押し留める。

 だが、声がかすれるのまでは隠せなかった。

 

「――この、女性は……五勇者の一人、『全能』のエゼルミアさん……です」

 

「はい?

 ……あの、クロダさん、そういう冗談は――」

 

 この世界の住人にとってみれば、あんまりな内容の返答に、顔をしかめるローラさん。

 しかしその直後、

 

「ピンポンピンポーン。

 ふふふ、ふふ、正解ですわ」

 

 当の本人から、それを肯定されたのだった。

 

「―――え」

 

 ローラさんが硬直する。

 こんな状況で無ければ、珍しい反応をする彼女を楽しめたのだが。

 

「はい、ご紹介を受けた通り、エゼルミアと申しますわ。

 この町には何度か訪れたことがありましたから、その時に見かけたのではないかしら」

 

 彼女は――エゼルミアさんは金色に輝く金属製のカードを見せながら、自己紹介をした。

 このカードこそ、彼女が五勇者であることを示す証拠。

 世界で5つしかない、五勇者の身分を証明するアイテムだ。

 

「―――えぇぇえええええええっ!!?」

 

 遅れて、ローラさんが大声を上げる。

 今日の彼女は、今まで見たことのない表情を色々と出してくれる。

 

「す、すす、すみません、こんなお店にご足労頂くだなんてっ!

 あの、ご連絡下さればすぐにアイテムをお届けしますから――」

 

「ふふふ、畏まらないで下さいな。

 ワタクシ、そういうのは趣味じゃありませんの。

 ……ああ、そうですわ、今度は貴女のことを教えて頂けないかしら?」

 

「は、はい。

 ローラ・リヴェリと申します。

 この魔法店で店主を務めておりまして――」

 

「ふふ、ふふふ、お若いのに立派ですわ。

 一人でお店を経営するのは、何かと大変でしょう?」

 

「いえ、そ、そんなことは――」

 

「ご謙遜なさらなくても。

 お店の様子を見れば、しっかりと手入れが行き届いているのが分かりますわ」

 

「こ、光栄ですっ!」

 

「それで――」

 

 エゼルミアさんは、再び私の方を見る。

 

「今度は貴方のことを教えて頂けませんかしら」

 

「……それは、必要なことですか?」

 

 エゼルミアさんに私のことを言いたくないというよりも――

 彼女は既に私のことなど知っているのではないか、という疑念が私を支配していた。

 

「勿論ですわ。

 教えて下さらないと、ワタクシ、貴方のことを何とお呼びすればいいかも分かりませんもの」

 

 エゼルミアさんが念を押してきた。

 ローラさんも、説明を躊躇う私を訝しんでいるようだ。

 

 ――確かに、こんなことで悩んでも詮無きことか。

 

「…………黒田です。

 黒田、誠一と申します」

 

「クロダ・セイイチさんですか」

 

 エゼルミアさんは私の名前を繰り返した後、

 

 

「――キョウヤさんとお呼びしてもよろしいかしら?」

 

 

 ……………。

 

「え、え?」

 

 いきなりなエゼルミアさんの発言に、ローラさんが戸惑いの声をもらす。

 

「黒田誠一だと申し上げたはずですが?」

 

「ふふふ、ふふ、そうでしたわね」

 

 何が面白いのか、エゼルミアさんは笑みを深めた。

 

「でも困りましたわね、貴方がキョウヤさんで無いとしたら――」

 

「……無いとしたら?」

 

 私は彼女の言葉を聞き返す。

 エゼルミアさんはなおも笑いながら、

 

「貴方、死んでしまうかも」

 

 次の瞬間、エゼルミアさんの手から光が溢れだし―――

 

 

 

 ――私の目の前で、ローラさんのお店が燃えていた。

 

「――――え。え、え……?」

 

 私の腕の中で、事態について来れていないローラさんがただひたすら当惑している。

 いきなり五勇者が現れて、突然自分の家を破壊されたのだ。

 この状況を理解しろというのが、まず無理な話だろう。

 

「ふふ、ふふふふ、お見事ですわ」

 

 私の目の前には、エゼルミアさんが立っている。

 他人の家を壊しておきながら、その顔には一片のやましさも無い。

 

「あの一瞬で、ここまで移動しますとは。

<瞬間移動(テレポート)>も<神速(オーバークロック)>も使わずに、一体どういうカラクリなのかしら?」

 

 ……私達は今、店の前の通りに居る。

 エゼルミアさんが何らかのスキルを発動したと同時に、ローラさんを抱えて店を飛び出したのだ。

 

「ワタクシとしては、そちらの女性を助けたことも、高ポイントですわよ。

 勇者たるもの、無辜の民を放ってはおけませんものね」

 

 その無辜の民の財産をたった今破壊した人が、どの口で言うか。

 

「……私は勇者などではありませんがね」

 

「ふふ、ふふふ、そうなのかしら?

 まあ、そういうことにしておいて差し上げます」

 

 私の軽口を適当に流すエゼルミアさん。

 こちらにとってもどうでもいい話なので、流されたことに異論はない。

 

 次いで私は、流されては困る話題を口にした。

 

「――それで」

 

「それで?」

 

 息を深く吸ってから、告げる。

 

「それで、この惨事を如何様に治めるおつもりで?」

 

「そうですわね……ふふふ、当事者の抹消、なんていかがかしら?」

 

「…………そうですか」

 

 冗談であったとしても、そのような台詞を口に出すか。

 ならば、相応の態度をとって臨まねばならないだろう。

 

「ローラさん、少し離れていて下さい。

 危ないですから」

 

「――え、クロダさん?

 私、これ、どういうことなのか……?」

 

 未だに頭が追いつかないのだろう……疑問符を浮かべるばかりで、ローラさんは動いてくれない。

 仕方なく、私は軽く“跳んで”、彼女から10m程の所に着地する。

 そして自然体に構え、

 

「……ふぅぅううううううう――」

 

『息吹』を行い、精神を集中させていく。

 

「クロダさん、何を……?」

 

 見たことがない私の仕草に、目を白黒するローラさん。

 まあ、こんな私の姿を知っているのは、ウィンガストでもアンナさん位しか居ないわけだが。

 

「………風、が?」

 

 周辺の変化に、ローラさんが呟いた。

 今、私を中心にして、風が巻き起こっている。

 

 その風は段々と強さを増し、そして――

 

「ふふふ、ふふふふ、お待ちになって、クロダさん」

 

 エゼルミアさんの言葉によって、待ったがかけられた。

 彼女は両手を上にあげて、

 

「参りました、降参ですわ」

 

 自らの負けを宣言する。

 ……その口調にも表情にも、余裕がありありと伺えるが。

 

「キョウヤさんとまともに戦って、ワタクシが勝てるとは思えませんからね?」

 

 ――言ってくれる。

 だが、彼女に戦う意思が無いのは、確かなようだ。

 

 私は周囲に吹かせていた風を止め、エゼルミアさんに問いかける。

 

「では、この件に関してどうケジメをつけて頂けるのでしょう?」

 

「そうですわね――こんなのは如何かしら?」

 

 エゼルミアさんが右腕を軽く上げる。

 すると――

 

「……なっ!?」

 

「……嘘っ!?」

 

 ローラさんだけでなく、私まで目を見張ってしまった。

 壊れ、燃え上がっていたローラさんのお店が、時間を逆回ししたように直っていく。

 ――ものの数秒で、お店は元の姿を取り戻した。

 

「ふふ、ふふふふ、ごめんなさいね。悪戯が過ぎました」

 

「……あ、え、悪戯、ですか?」

 

 おかしそうに笑うエゼルミアさんに、呆然としたまま反応するローラさん。

 

「ちょっとした幻術ですわ。

 その証拠に――ほら、周りの人達はまるで騒いでいませんでしょう?」

 

「そ、そういえば…」

 

 なるほど、確かに誰も騒いでいない。

 お店の事が幻だったとしても――私がローラさんを抱えて店を飛び出したのは事実であるはずなのに。

 通行人は誰も気に留めていない。

 

「……た、性質が悪い冗談ですよ、エゼルミア様。

 寿命が縮むかと思いました…」

 

 私は現在進行形で寿命が縮む思いだ。

 

 ――つまり、エゼルミアさんはローラさんのお店を一瞬で壊した上で、やはりものの数瞬で元に戻したということ、なのだろう。

 しかも、周辺の人々に私達のことを不可知にさせたうえで。

 ……何のスキルを、どのように使用したのか、見当もつかない。

 

「本当にごめんなさい、ローラさん。

 今手持ちが無いのですけれど、後で迷惑料を届けさせますわ」

 

「いえ、そんな――」

 

「要らない、なんて言わないで下さいな。

 迷惑をかけてしまったのは事実なのですから」

 

 そこでエゼルミアさんは私に向き直る。

 

「クロダさん」

 

「……なんでしょうか」

 

 警戒しながら、私は答えた。

 

「近々、魔族達が動き出します。

 努々、油断なさらぬように」

 

「……何故そのようなことを私に?」

 

「勇者は魔族と戦うものでございましょう?」

 

 まだ言うか、この人は。

 改めて否定しようと口を開く。

 

「私は――」

 

「勇者では無い、と。

 そうですわね、でも、似たようなものじゃないかしら?」

 

 ――先手を打たれた。

 私が何も言えないでいると、エゼルミアさんはさらに畳みかけてくる。

 

「それでは、ワタクシはお暇させて頂きますわね。

 信じてもらえないかもしれませんが、こう見えて忙しい身ですのよ?

 ……ふふ、ふふふふ、クロダさん、次は同志として相見える――といいですわね」

 

 エゼルミアさんは優雅にお辞儀をする。

 

「それでは、お二人とも、御機嫌よう」

 

 そう言い残し、姿を消した。

 おそらく、<瞬間移動>のスキルを使用したのだろう。

 

「…………」

 

 彼女が消えた虚空を、私はしらばく見つめ続ける。

 ――とうとう、知られてしまった。

 これから私はどう動くべきか。

 

「……クロダさん」

 

 ローラさんが声をかけてくる。

 気づけば、彼女は私のすぐ側にまで近寄っていた。

 

「……今のって、何だったんですか。

 エゼルミア様と、どういう関係なんですか」

 

 不安そうな口調で、矢継ぎ早に質問してくる。

 

「……クロダさん、貴方は一体何者なんですか?」

 

 ――どう、応えるべきか。

 

「ローラさん、いずれ、必ず説明します。

 今は、その疑問を胸に収めておいては頂けませんか」

 

 悩んだ私は、結局、現状維持の選択をしてしまった。

 こんなのばかりだな、私は。

 このような返答で、ローラさんが納得するわけもないのに。

 

 ……だが彼女は私の予想とは違い、こう言ってきた。

 

「……あの、クロダさん。

 私の前からいなくならないって約束してくれましたよね?」

 

「――はい」

 

「約束、守ってもらえますか」

 

「勿論です。

 その約束を違えるつもりはありません」

 

 ローラさんは表情を和らげ、

 

「……なら、いいです、我慢します。

 いつか、必ず教えて下さいね、クロダさんのこと」

 

 納得して貰えたわけでは無いだろうが、私の考えを尊重してくれるようだ。

 ……その判断に、感謝を。

 

「……ありがとうございます。

 時が来れば、必ず真っ先に説明いたしますので」

 

 ローラさんに頭を下げる。

 そして、彼女のお尻に手を伸ばし、そのまま揉んでみた。

 

「………はれ?」

 

 ローラさんが変な声を出した。

 

 実はローラさん、私に抱きかかえられたり、私が起こした風に吹かれたりで、ドレスが捲り上がって実にセクシーな格好になっている。

 あと、いちいち描写しなかったがエゼルミアさんも大胆なスリットが入った、身体のラインがかなり浮き出る服装をしており、まるでモデルのような彼女のスタイルを私はずっと見続けていたのだ。

 もうさっきから私の股間は興奮しっぱなしである。

 

 今回の件では私もまだ頭が混乱しているんで、ここはひとつ、彼女を抱いて心を平静にしようと思う。

 

「あんっ……ちょっと、クロダさんっ!?……あぅう……急に何を!?」

 

「いえ、心を落ち着かせるためにローラさんを抱こうと思いましてね」

 

「こ、この流れでですかっ!?……あ、ああっ……」

 

 片方の手で彼女のお尻を揉み、もう片方で彼女の胸を弄る。

 服越しに伝わってくる肢体の柔らかさが実に良い。

 

「さ、さっきまで格好良かったのにっ!……ん、んんんっ……

 凄く格好良かったのにっ!……あぁあっあぁぁああんっ」

 

 私は彼女のうなじに舌を這わせながら聞いてみる。

 

「……では、今は駄目ですか?」

 

 その質問に、彼女は顔を赤くしながらふいっとそっぽ向いて。

 

「……私の身体はクロダさんの好きなようにしていいって、言ったばかりじゃないですか」

 

 小さな声で、そう答えてくれた。

 ……どうやら、OKということらしい。

 

 私は再び彼女を抱え、店の奥へと運んだのだった。

 

 

 こうして、今日もまた彼女のお店には、絶えず女性の喘ぎ声が響く。

 

 

 後日談 完

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