■夜
日は既に落ち、辺りはもう暗く。
ウィンガストの街は、街灯に照らされている。
そんな時刻に、細い裏道を歩く二つの影。
「……よし、こっちだ」
1人は、ジャン。
そしてもう1人は――
「……おいジャン、本当にあってるんだろうな。
どんどん灯りから遠ざかってくけど」
「大丈夫だって」
“同行者”からの問いかけに、ジャンは軽く手を振りながら答える。
――もう1人は、昼にギルドで出遭った少年、室坂陽葵だ。
(……少年?)
一瞬、頭に疑問符を浮かべてしまう。
それもそのはず、陽葵の外見は完璧に美少女なのだから。
しかも、ただの美少女ではなく――絶世の美少女だ。
ショートカットに切られたブロンズヘアーはサラサラで、彼が動くと流れるように靡く。
少し切れ長な碧い瞳は美しさと可愛らしさを両立しており、潤った瑞々しい唇は男ならだれでも口づけをしたくなるだろう。
そしてそんな極上のパーツが完璧な調和をもって彼の顔を形成している。
……某国の姫だとでも言われれば、誰もが納得するはずだ。
女神が転生した姿だったとしても、ジャンは信じる。
(しかも顔だけじゃねぇんだよな)
陽葵はその肢体も素晴らしかった。
Tシャツから出る腕――その肌は染み一つなく、きめ細やか。
ショートパンツからスラリと伸びる脚はすべすべとした柔肌で、女性特有の色気をむんむんと放っている。
そして何より、きゅっと引き締まった腰のくびれから続く、お尻だ。
今はパンツに包まれているその尻は、完璧な丸みを描き出し、見る者を魅了してやまない。
(無駄肉ついてるって感じは全然ないのに、なんでこんな柔らかそうな身体してんだ?)
ついつい疑問が湧いて出てしまう。
理想的な筋肉は極上の柔軟さを持つというが、陽葵はまさにそれだ。
もっとも、彼の身体に男のように筋肉がついた場所など一つも無いのだけれども。
それ程、陽葵の肢体は女として完璧だった。
――まあ流石に胸は無いのだが。
(……でも、綺麗な乳首だった)
以前の飲み会で見た、陽葵の胸を思い出す。
膨らみこそ無いものの、彼の胸にある突起は薄い桜色をした実に美しいモノであった。
美貧乳とでもいうか――あれはあれで、男の欲情を誘ってくれる。
(たまんねぇよな、こいつ)
ねっとりとした視線で陽葵を見る。
ただ見ているだけだというのに、ジャンの股間は既に滾っていた。
「……お、ここだぜ、陽葵」
「ついたか」
ジャンが目の保養を行いながら歩いていると、程なく目的地に到着した。
ここは路地の行き止まり。
前方と左右を壁に囲まれた、正真正銘の袋小路である。
どうして彼らはここに来たのか?
「えーと、目の前のこの建物が公衆浴場なんだな?」
「ああ、そうだ」
陽葵の確認に、ジャンは頷く。
そう、目の前にある建物は公衆浴場。
水道が備えられているウィンガストといえど、自宅に風呂を持つ住人はそう多くない。
そういう人達のほとんどが、この公衆浴場を利用している。
この時間帯、この施設は多くの人で賑わっていることだろう。
「それで――あるんだろうな、本当に?」
「焦るなよ、すぐ見せるさ」
そわそわする陽葵を手で制し、ジャンはその袋小路に無造作に置かれている大量の箱をどかし始めた。
幾つか動かしたところで、彼の顔が光に照らし出される。
壁から光が漏れているのだ。
「こ、これが――」
「ああ。
女湯の覗き穴だ」
鷹揚に頷きながら、ジャンは告げた。
……いや、そんな御大層な代物では決してないのだが。
この“穴”は、ジャンを含めた何人かの馬鹿――もとい“同志”達が共有している、秘密の覗きスポットである。
いちいち説明の必要すら無いような気もするが、つまりこの壁の向こう側は公衆浴場の女湯であり、この穴からそこが一望できる、とそういうことだ。
「こ、これで、女の子の身体が見放題――!?」
「そういうことさ」
ジャンはニヒルに笑う。
格好をつける場面では断じて無い。
中をチラリと覗いてみれば――
(おお、いるいる!)
――至近に見ることはできないものの、そこからは様々な女性の裸が確認できた。
大きい人、小さい人、ツンとした円錐型、丸いお椀型、様々だ。
……まあ、中にはお年寄りもいるが。
「み、見てもいいのか」
「ああ、いいぞ。
俺とヒナタの仲じゃないか。
たんまり見ろ」
「――じゃ、じゃあ、遠慮なく」
音を立てないようにジャンに近づくと、そっと穴をのぞき込む陽葵。
「うわぁぁ……ほ、本当だ……!」
声が少し震えていた。
中の光景に、感動を覚えているようだ。
結局のところ、この2人はこの覗きを目的としてこの場に来たのである。
より正確には、覗きをダシにしてジャンが陽葵を連れ出したのだ。
……最初にあった時、ジャンとコナーにアレやコレやされてしまった陽葵は、ジャンに対して距離をとっていたのである。
それでもほいほい着いてきてしまった辺り――
(――こいつも男ってことなんだなぁ)
超絶美少女な外見だというのに、こういう助平心を持っていることに違和感を感じてしまう。
はっきり言って、浴場に居る女性の誰よりも陽葵は可愛い。
比べること自体がおこがましいとすら思ってしまう。
(こんなのより、鏡の自分の裸見た方がよっぽど興奮するんじゃないか?)
そんなことすら考えてしまう。
(まあ、毎日見てると慣れちまうもんなのかね?
ヒナタの身体なんて、俺はどんだけ見ても飽きる気しねぇけど)
――などと、十分に“美少女”へカテゴライズされる
「おおー……すげぇっ! すげぇっ!」
一方で陽葵は食い入るように穴の中を見続けていた。
(……凄いのはお前だよ)
ジャンは陽葵を――彼の下半身を見つめながらそう思った。
“穴”は中腰ほどの高さにある。
そんな“穴”を、陽葵は前のめりに屈んで覗き込んでいる。
すると、陽葵の尻は彼の後ろに立つジャンの方へ突き出される形になるわけで。
「うぉおおおー……おぉぉおおおー……」
興奮しているのか、陽葵は無意識に身体を動かしている。
ショートパンツに覆われた尻が――淫猥さをまるで隠せないでいる尻が、ジャンの目の前でふりふりと揺れていた。
むちっとした太ももも、その色気をより際立たせている。
(た、たまんねぇ)
今すぐこのエロい尻にむしゃぶりつきたい、この尻に自分の剛直を突き入れたい、そんな衝動がジャンを襲う。
(ダメだ! まだダメだ!
もっと逃げられない状況にしてからじゃねぇと!!)
歯を強く噛みしめて、何とかそれを振り払うジャン。
いや、より確実に実行するために我慢しているだけなので、振り払っているわけでは無いか。
「あー、あの人おっぱいおっきいなぁ。
こっちの人はお尻が……むふふふ」
(お前の尻よりエッチな尻なんて、有りはしないだろうけどな!)
左右に動く陽葵の丸い尻を見ながら、つっこみを入れるジャン。
(……そろそろ行くか)
そう決心すると、ジャンは後ろから陽葵へと覆いかぶさった。
陽葵の肢体のしなやかな感触が、ジャンの全身に伝わってきた。
「な、何すんだよ!?」
「静かにしろって。
俺だって女湯見たいんだよ。
いいじゃないか、一緒に鑑賞会と洒落こもうぜ」
驚いて叫び声をあげる陽葵を静め、それっぽい理由を口にする。
“穴”はそれなりの大きさがあるため、頑張れば2人で覗けなくもない。
……ジャンに女湯を見るつもりなど、毛頭なかったが。
「で、でもなぁ」
「いいだろ、ここを教えたのは俺だぜ?
男子トークといこうじゃないか」
「……む、むぅ。
まあ、別にいいけどさ」
不満そうではあるものの、一緒に覗くことを陽葵は了承した。
(よっしゃ!!)
心の中で喝采を上げるジャン。
「……で、どうよ。
陽葵はどの子が好みなんだ?」
「そ、そうだな。
あの右奥で身体を洗ってる子とか」
「ああ、あの茶髪の子?
確かに、いい身体してるよなぁ」
どことなく、夕方に遭ったウェイトレスに似ている。
(陽葵はああいう女が好みなわけか――
いや、俺も嫌いじゃないけどさ)
今度、黒の焔亭につれていってあのウェイトレスに会わせてあげるのもいいかもしれない。
勿論、見返りは頂くつもりだが。
そんな未来予想図を思い描きながら、ジャンは股間を陽葵の尻に擦りつけた。
「おわっ!?
お、おいジャン、変なの当たってんぞ!」
(当ててんだよ)
胸中で本音を吐露しつつ、ジャンは弁解する。
「仕方ないだろ、自然現象だ、自然現象!
こんな状況で男がおっ勃たないわけがないだろうが」
「ま、まあ、そうだけどさ」
陽葵は一応納得したらしい。
それを確認したジャンは、再び股間で――己のイチモツで陽葵を擦り出す。
(うぉおお!
ヒナタの尻!!
ヒナタの尻、なんじゃこりゃあ!
俺のちんこを押し返してくるじゃねぇか!!)
互いに服を着ているのがもどかしいものの、ジャンの肉棒は陽葵の尻の弾力を確かに感じていた。
固いわけでは無い。
押せばモノが沈み込む程柔らかいのに、程よい反発も起こるという――柔軟さとハリの良さが同居した感触。
ただでさえ経験のないジャンには、この心地良さをどう表現すればいいか分からなかった。
そして。
「んっ……ふぅっ……」
陽葵の口から、甘い吐息が漏れた。
(やっぱりな、思った通りだ)
陽葵が敏感体質であることは、最初の日に確認済みである。
こうして尻を突いてやれば、感じ始めると思ったのだ。
ジャンはもっと露骨に腰を突き出し始めた。
「……んっ……あふっ……ん、くっ……んぅっ……」
陽葵は声を噛み殺しているが、これだけの至近距離では無駄なこと。
性別を超越した可愛らしい声が醸し出す色気に、ジャンの股間はかつてない程固くなっていった。
(挿れてぇ。
こいつのけつに、俺のちんこをぶち込みてぇ)
ムラムラとした気持ちが止めどなく溢れ出る。
もう挿入してしまおうか、と考えたところで、
「はぁっ……はぁっ……お、おい、ジャン。
そんなに、我慢できないっつうのなら……はぁっ……向こうで勝手に処理してろよ……ん、んん……」
呼吸を乱しながらも陽葵が抗議してきた。
(まだ流されねぇか)
反抗する力があるかどうかは別として、少なくともこのまま流されまいとする意志は残っているようだ。
ならば――と、ジャンは陽葵に話しかける。
「いやあ、悪い悪い。
女の身体なんて久しぶりに見たから興奮しちまってさ。
でもよ――」
ここでジャンは陽葵の股間に手を伸ばした。
ショートパンツの中に滑り込ませ――そこにある男の象徴を握りしめる。
「――ヒナタだってこんなにちんこ勃ててるじゃないか」
「んなっ――!
お、お前、何を急にっ!……んっ」
ジャンの手の中には、勃起した陽葵のペニスがあった。
自分のモノよりも一回りは小さいソレをジャンは扱き始める。
「うあっ!……ま、待てよっ! 何いきなり弄ってやがんだ――ああっ!?」
陽葵の喘ぎが隠し切れなくなってきた。
明確に、ジャンの扱きで感じている。
(しかし、女みたいに悶えるよな、ヒナタ)
普通、男はいくら気持ち良くてもこんな声は出さない。
彼は性感の部分でも雌なのだろう。
そう納得すると、ジャンは陽葵の言葉に返事をする。
「手伝いだよ、手伝い。
覗く姿勢のままじゃちんこ扱きにくいだろ?」
「い、いらねぇよ、そんなの――あっ!
ん、んんっ! あ、あぁぁああっ!」
陽葵が身を捩り出す。
ジャンの手から逃れようとするが、空いている手で抱き着き、それを妨げた。
「遠慮すんなよ!
めっちゃ気持ち良さそうにヨガってるじゃないか、お前!」
「そんなこと――んぅううっ! あっああっあっあっああっ!
ジャン! 止めろって! あっあっあっあっあっあぁああっ!」
手の中で、男性器がピクピクと震えるのが分かる。
陽葵のモノだと思えば、この男性器すら愛おしく感じられた。
ジャンは扱く動きを速める。
「んぅううううっ! ま、待って! ほんと、待てよっ!!
あ、ああぁぁあああっ! あっあああっ! そんなに激しくされると――」
「激しくされると!?
されると、どうなるんだ、ヒナタ!?」
「――される、と……あああっ!?
あ、あぁぁあああああっ!!」
あらん限りの力で陽葵の性器を扱く。
彼の肢体がどんどん強張っていくのが感じ取れた。
(そろそろイクんだな?
イキそうなんだな、ヒナタ!)
陽葵を絶頂させるべく、ジャンは手を動かし続ける。
「だ、め――あ、あぁあああっ!
やばい、い、イっちゃう……ああっ! あっあっあっあっ!」
もう陽葵は、女風呂を覗いていない。
そんな余裕、もう彼には無いのだ。
「イケっ! イっちまえ、ヒナタ!
俺の手で思いっきり射精するんだよぉっ!!」
「あ、あっ! あっ! あっ! あっ! ああっ!
あぁぁああああああっ!!!!」
次の瞬間、陽葵が身体を弓なりに反らした。
そのまま、何度もビクビクと痙攣する。
少しおいてから、陽葵のパンツの中に突っ込んだジャンの手に温かい感触が広がっていく。
(……ヒナタの精子か)
ショートパンツから手を取り出すと、それは陽葵の精液に塗れていた。
紛れもなく、室坂陽葵は絶頂を迎えたのだ。
「……はぁっはぁっ……はぁっはぁっ……」
陽葵の荒い息が聞こえる。
呼吸に合わせて身体が揺れているが、それ以外の動きをまるで見せない。
射精の快感で意識が飛びかけているのか。
(……それじゃ、やるか)
本願を果たすべく、ジャンは自分のイチモツをズボンから取り出した。
イルマとの約束を断ってまで時間を割いたのだ、この機会に何としてでも最後まで行きたい。
(ヒナタのパンツも脱がしてっと。
――おおっ!
生で見るとまたすげぇ迫力だな、こいつのけつ!!)
産まれたままの状態になっている陽葵の下半身に、ジャンは感動すら覚えていた。
美しい。
とにかく美しい。
見ただけでむしゃぶりつきたくなる、柔軟で丸い尻。
理想の雌尻がそこにあった。
……股間に変なモノもついているが、この美しさの前では些末事である。
いや寧ろ、ソレを含めて完成された美観とすら言える。
(おお、そそる穴してんな、おい)
尻の割れ目を開くと、やはり綺麗な尻穴が姿を現す。
色付きといい、形といい、まるでまんこのような卑猥さがある。
(へへへ、この穴ひくついてやがる。
早く欲しいんだな、俺のちんこが!)
自分の都合のいいように解釈するジャン。
だが確かに陽葵の穴は、“棒”を欲しがっているかのようにヒクヒクと動いていた。
「今すぐくれてやるぜ、ヒナタ」
彼の後ろの穴へと狙いを定め、腰を推し進めた。
陽葵のアナルへ、ジャンの肉棒が一気に突き挿れられる。
「んぉっ!? お、おぉぉおおぉぉおおっ!!!?」
それまで息も絶え絶えだった陽葵の口から、大きな嬌声が発せられた。
と、同時に。
「うぉおおおっ!?」
ジャンもまた、その感触に驚きの声をあげてしまった。
(あったけぇし、すげぇぐにぐに締め付けてきやがる!
これがヒナタのケツ穴か!!)
陽葵の腸壁は、膣と見紛うばかりにジャンの息子を締めだしたのだ。
初めて感じる快感に、ぶるっと震える。
(こんな、こんな気持ちいいものなのかよ、アナルってのは!?)
本来、尻の穴はただの排泄器官に過ぎない。
男を気持ちよくさせる機能など持ち合わせているわけがない――はずなのだが。
陽葵は、“ココ”もまた特製品だったのだ。
その余りの気持ち良さに、ジャンの腰は勝手に動き出していた。
「おっおっおっおっおっ!
おお、おぉおおっ! お、おっおっおっおっおっ!!」
腰を前後にピストンする度に、陽葵の口からは艶声が零れていく。
そして陽葵の声に合わせて、ジャンの男根は刺激を受けて行った。
(気持ちいい! 気持ちいい!! 気持ちいい!!!
こんなん、もう腰止めらんねぇよっ!!!)
もっと強い快感を、もっと大きな快楽を。
ジャンの動きは勢いを増していく。
「おぉおおおおっ!!
ああっああっああっああっ!! んぁぁああああっ!!」
「ヒナタっ! ヒナタぁっ!!
最高だぞ、お前の穴っ!!」
喘ぐ陽葵へ、思わず声をかけるジャン。
それ程に彼とのセックスは最高だった。
(これで、俺も童貞卒業だ!)
いや流石にそれは違うだろうけれど。
ジャンが陽葵のアナルを味わっていると、多少意識を取り戻したのか、陽葵が意味のある言葉を紡ぎ出した。
「おおっ! おぉおっ!?
ジャン、お前、こんな――んぁあああっ!!
ああ、こんな、お前、何やってんだよっ!
あ、あぁあああっ!!」
「ナニって、お前のアナルにちんこをぶち込んでんだよ!!
ヒナタばっか気持ちよくなってずるいだろ!
俺だって気持ち良くなりてぇよ!!」
「おっ! おっ! おっ! おぉおっ!
だ、だったら、オレも手でやってやるから――あぁあああっ!!?
待って! ジャン! 一回! 止まって! うぁあああああっ!!」
「いいだろ別に!
減るもんでもねぇし!!
それにヒナタだって随分気持ち良さそうにヨガってるじゃないか!!
滅茶苦茶締め付けてくるぞ、お前の尻穴!!」
「そ、そんな、の――あっあっあっあっあっあっ!
んぉおおっ! お、おぉおおおおっ!!!」
抗おうとする陽葵を、イチモツで黙らせるジャン。
「どうだよ! 男のちんこには勝てねぇだろ!?
お前は女なんだからなぁ!!」
「あぅ、あぁああっ! ち、違う――んぅううううっ!!
オレは、男だって……おっ! おっ! おっ! おっ! おっ!」
「男がちんこ突っ込まれて喘ぐわけねぇだろ!!
お前は女なんだ! 雌なんだよ!
雌なら雌らしく、男を気持ちよくさせやがれ!!」
「そん、な――あぁあああああっ!
あっ! あっ! あっ! あっ! ああああっ!!」
ジャンはもう、自分でも何を言っているのか分からないでいた。
イチモツから伝わってくる快楽が思考を歪ませてくるのだ。
もっとも、それは陽葵も同様であったが。
「あ、うぅぅ!? わ、分かった――んぁあっ! あああああっ!
オレ、女でいいからっ! あっ! あぁあっ!
女でいいから、止めてぇえええっ!!」
「うるせぇ! 女だったら愚図愚図言わずに男を楽しませろ!!
おら、イケっ! メスイキしろ、ヒナタ!!」
トドメとばかりに、ジャンは腰を激しく陽葵の尻に打ち付けた。
ジャン自身、陽葵の直腸による締め付けで、もう射精する寸前であった。
そして――
「……っ!!
イクぞっ! 俺もイクぞっ!!
俺の精液をたっぷり味わいやがれ!!」
「ひ、あ――――あ、あぁぁぁああああああああっ!!!!」
――2人は同時に絶頂するのだった。
「――あっ――か、はっ――あ、あっ――」
目を見開き、口をパクパクとさせる陽葵。
イった快感に、その身をガクガクと痙攣させていた。
「おおお、搾られる……!
ヒナタのけつ穴が、俺の精子を搾ってきやがる……!!」
ジャンもまた、射精の快楽を味わっていた。
陽葵の腸壁がうねり、彼の精液を最後の一滴まで吸い上げているのだ。
「――あ、あ、あ――あっうっ――――――あ」
ひとしきり精液を陽葵の中へ放った直後。
陽葵の肢体からは力が抜け、そのまま前へ倒れ伏せる。
「……はぁーっ……はぁーっ……はぁーっ……はぁーっ……」
うつ伏せになった陽葵は、大きく呼吸を繰り返す。
その瞳からは光が消え――完全に気をやっているようだ。
ジャンはそんな陽葵の頭を軽く撫でながら、
「……最高だったぜ、ヒナタ。
またヤろうな」
清々しい気分で、そう告げるのだった。
■深夜
もう夜も大分更けた。
「あーー、気持ち良かったーー」
宿の自室に戻ってきたジャンは、ベッドに飛び込んで一息つく。
あれから意識が朦朧としている陽葵をどうにかこうにか彼の住む家へと運び、こうして帰ってきたわけである。
「今日はついてたな。
俺の
エロくて美人なウェイトレスさんのいる店を開拓でき、その上とうとう念願だった陽葵とのセックスが叶ったのだ。
罪悪感をおして、イルマとの約束を破った甲斐があったというものである。
(……どさくさでヒナタの家の場所も分かったしな。
これからいつでもあいつに会えるわけだ)
そんなことを考えて、いやらしく顔を歪ませるジャン。
(今日の感触だと、多少抵抗されても穴ほじってやれば大人しくなるみたいだし。
ふっふっふっふっふ、楽しくなって来たぜ!)
これからの明るい未来予想図を頭に描きながら、ジャンは布団の中へと潜り込む。
なんだかんだで疲れたのだろう、あっという間に眠気が彼を襲った。
――と。
「――あんっあんっああっあぁああんっ!――あっ!――ああぁぁあああっ!」
隣の部屋から、女の喘ぎ声が聞こえてきた。
(なんだよ、こんな真夜中によろしくやってんのか)
どうやら隣の部屋の住人はお楽しみの真っ最中らしい。
しかしそれを聞いても、今朝コナーの部屋を覗き見た時のような感情は湧いてこなかった。
(俺も大人になったってことか)
寧ろ優越感すら感じる。
彼は極上の美少女(♂)を抱いたばかりなのだから。
隣の部屋の声はなおも終わらない。
「――あっああっ――あんな奴――もうどうでもいいですっ――あぁああっ!
――あなたの、あなたのちんぽの方が――あぁぁあああっ!」
(あーあー、なんだ、不倫か何かか?)
どうも隣のカップル、ちょっと訳アリの様だ。
察するに、今まで付き合っていたのとは別の男に抱かれている、といったところか。
(振られちゃった女の元カレさん、ご愁傷様!)
顔も知らない哀れな男に、心の中で軽く手を合わせる。
そうこうしている内に――
「――あー、眠……」
ジャンは微睡みに落ちて行ったのだった。
彼が、もう少し注意深く聞けば分かったはずだ。
「――あっあっあっあっあっあっ!――すごい、深いぃっ!」
この喘ぎ声が、自分の良く知っている少女――今日、夕飯の約束をしていた
「――はい――気持ちいいですっ――あっあっあっあっあぁあんっ!
―――もっと、もっとして下さいっ!―――――“クロダ”っ!!」
或いは。
この日、裏でナニが行われたのか気付かずにすんだことこそ。
ジャンの最大の幸運なのかもしれない。
第十八話 完