「ひっどーいっ!
ひっどーいっ!!
ボクがせっかくクロダ君の退院祝いにスタンバってたっていうのにー!!」
改めて玄関を開けると、そこには半泣きの美少女――エレナさんが居た。
「クロダ君が入院してる間、この家をしっかり維持してきたのは誰だと思ってるの!?
来る日も来る日も掃除して、部屋の隅々までピカピカにしたっていうのにー!!」
「いえ、入院といっても数日程度で――」
「誰だと思ってるの!?」
「――申し訳ありませんでした」
エレナさんは大層お冠だった。
男とはこういう時、無力なもの。
私は深々と頭を下げる。
しかし。
「無茶を言うな、エレナ。
そんな破廉恥な姿でいきなり出てくれば、驚きもするだろう」
女の涙は男に対して効果抜群だが、同じ女性には効かないのであった。
美咲さんがエレナさんの服装について指摘する。
破廉恥などと形容された通り、今のエレナさんはなかなか露出の高い格好をしていた。
具体的には、下着エプロン。
ショーツとブラの上にエプロンを羽織っただけの服装だった。
白と青のストライプが入った、お揃いの下着が可愛らしい。
黒髪を後ろで束ねた、幼い顔つきの彼女によくマッチしている。
コンパクトグラマーな彼女のおっぱいが立派な谷間を作り、プリッとハリのあるお尻がふりふり揺れる様子をよく鑑賞できる姿だ。
「――おおおおっ!?」
「あんたは見ないのっ!」
後ろで目を輝かせていた陽葵さんを、リアさんが引っ叩いた。
例え、限りなく美少女に近い彼であろうと、男であれば目を惹きつけられるに違いない。
しかし、何故下着エプロンなのだろう。
こういうのの定番は、裸エプロンではなかろうか。
「だって、下着つけてた方がクロダ君萌えるでしょー?」
「――うっ!?」
痛いところを突かれた。
そうかもしれない。
裸は裸でいいものだが、そこに服を加えることで魅力は増大すると――私は考えてしまっている。
全裸セックスより着衣セックス。
私の秘めた趣向をこうも容易く見抜くとは!
「……薄々分かってはいましたけれど」
「そういえば、服着てヤってることの方が多かったような――」
ローラさんとリアさんが同意してきた。
おやおや、案外皆さん、ご承知していらしゃる?
「――そ、そうだったのか?
いやしかし今日のスーツは一張羅だからあんまり皺付けたくないし……」
美咲さんは隣で頬を赤く染めてもじもじしている。
何ということだろう。
超可愛い。
スゴイ。
今すぐ抱きしめたい。
「っていきなり抱き着くな、お前は!!」
本能に従ったら触れるより先に蹴られた。
もんどりうって倒れる私。
何故だ。
今のはOKサインではなかったのか。
「もー、クロダ君ってば、欲情したならボクを襲えばいいのにー」
「エレナもっ! 誠一を誘惑するんじゃないっ!!」
色っぽく身体をくねらせるエレナさんを、美咲さんが りつける。
「えー、なんでー?
ボク、クロダ君の愛人だよ?
セックスフレンドだよ?
ミサキだって認めてくれたじゃん」
「――う、ぐ。
た、確かに、認めたような記憶があるような気は朧げにするが!
だからって四六時中いつでもヤるのを許可してはいないぞ!」
エレナさんとの愛人関係は美咲さんも承知済みだったようだ。
まあ、そうなのだろうと察してはいたが。
「けちー! ミサキのけちー!
ボクの身体を好き勝手弄っておいて、利用価値が無くなったらすぐポイするだなんて!!
この悪女っ!!」
「人聞きの悪いこと言うな!!
誠一とのアレコレを認めてやった段階で、こっちとしてはかなりの譲歩をしたんだからな!?
お前以外の女なら、そうそう譲らんぞ、こんなこと!!」
「だったら今日くらいいいでしょー?
ボク、もう一週間近くクロダ君とのセックスお預けにされてるんだから。
久々に、いっぱい愛されたいの♪」
「私は一年以上我慢してるんだよっ!!」
なるほど。
美咲さんは、欲求不満であったか。
それならば――
「あの、何でしたら、今すぐにでも――」
「お前は口を挟むなっ!!」
「えー」
私のことで口論しているはずなのに、私に発言権は無いのですか。
こちらはさくっと無視して美咲さんはエレナさんへ向き直り、
「とにかくっ!!
まずはその見っとも無い格好を直して来い!!
まったく、あんな恥ずかしい真似、よくやれたもんだ」
「――できないんですか?」
「――え?」
ここまで沈黙していたローラさんが割って入ってきた。
「できないんですか、キョウヤ様?
恥ずかしいからって、この程度のことも?
クロダさんの恋人なのに?」
「な、なにを――?」
彼女の迫力に、美咲さんが一歩下がる。
「ねえ、クロダさん。
好きですよね?
エレナさんがしている、こういう格好。
とても、そそられてしまってますよね?」
「え? あ、はい――まあ」
次いで、こっちにも迫る。
その勢いに、つい首を縦に振ってしまった。
いや、事実ではあるのだが。
「ほら、クロダさんはあの挨拶を望んでいるんですよ?
なのに、恋人を
「ぬ、ぬ、ぬ」
煽っている。
美咲さんを、煽っている。
お二人のどちらも、初めて見る顔をしている。
「――お前は、どうなんだ。
できるのか!?
あの、無意味に恥ずかしい行為ができるというのか!?」
「当たり前じゃないですか。
やってみせますよ」
と、いうわけで。
私達は、改めて自宅の前に立つ。
ローラさんに代わりエレナさんがメンバーに加わっていた。
外へ出るにあたってエプロン姿では流石にまずいということで、ブラウスとミニスカートという彼女定番の姿に着替えている。
「……では、開けます」
一度、そう宣言してから、私は玄関の扉を開けた。
そこには――
「お帰りなさいませ、クロダさん♪
ご飯にします?
お風呂にします?
それとも、わ・た――」
バタンッ。
ドアを閉めた。
「ちょっと、クロダさんっ!?
別に扉を閉めるところまで踏襲しなくてもいいんですよっ!?」
向こうからローラさんの声。
……そういえばそうだった。
つい、条件反射的に手が動いたのだ。
「どうですか、見事にやってみせましたよ?」
「――よ、よくもまあ。
羞恥心を親の腹にでも忘れてきたのか」
「クロダさんを想えばこそです!」
勝ち誇ったローラさんに、負け惜しみを言う(本人に言ったら殺されそうだ)美咲さん。
勝敗は、彼女達の表情を見れば明らかだった。
「――ほほぅ」
そして私は小さく感嘆の息を吐く。
無論、ローラさんの格好に対してだった。
彼女、きっちりエレナさんと同じ服装にして下さったのだ。
つまり、今ローラさんは下着とエプロンしか纏っていない。
豊満な彼女の肢体が、惜しげもなく披露されている。
今日も下着は白。
短いエプロンから見える太ももが堪らない。
「――おおおおおっ!!」
「見るなっつーに!」
後ろではやはり陽葵さんが、結構本気の勢いでリアさんにどつかれていた。
こうなってくると、彼のエプロン姿も拝見してみたいところではあるが。
そうしてる内にも、ローラさんと美咲さんの戦い(?)は続き、
「所詮、キョウヤ様の言う恋人とは、その程度の関係だったのですね」
「い、言ってくれたな!?」
「ええ、言いましたとも」
「私だって、やろうと思えばそれくらい――!」
「――できるんですか?」
「……で、できるわぁっ!!
ちょっと待ってろ!!」
私の家のへと駆けこんでいく美咲さん。
おやおや。
とても興味深いことになってきましたよ?
三度、玄関の前である。
面子は美咲さんとローラさんが入れ替わり。
やはりTPOを考え、下着エプロンは止めている。
「すぅー……はぁー……」
高まり過ぎた鼓動を抑えるため、大きく深呼吸した。
これから起こるであろうことへ期待が、私を昂らせているのだ。
「……では、行きます」
表情を引き締め、いざドアを開く。
すると――
「お帰り、誠一♪
ご飯にする?
お風呂にする?
それとも、わた――」
――そこが、彼女の限界だった。
表情を凍らせたまま、見る見る間に美咲さんの顔が赤くなっていく。
顔は俯き、目に涙が溜まる。
やばい。
今すぐ抱きしめたくなる程、可愛い。
「――――っ」
パタンッ。
美咲さんは、ドアを閉めた。
カチャッ。
ついでに鍵も閉めた。
「――って、美咲さん!?
鍵を閉められると困るんですけど!!
今、鍵は美咲さんがお持ちですよね!?」
ドンドンと扉を叩く。
中からは――何の反応も無かった。
<
部屋の隅で蹲っている美咲さんを発見したのは、それから十分後のことだ。
「全然ダメじゃん」
「下着姿にすらなってませんでしたよね」
「――――う、うるさいな!
お前等変態共と変態具合を競ったのは間違ってた!!」
美咲さんは、エレナさんとローラさんに駄目だしされている。
言い返してはいるものの、形勢は圧倒的に不利。
なお、ローラさんの指摘通り、美咲さんは下着エプロンになっていなかった。
スーツの上にエプロンを羽織っただけだったのだ。
これでは彼女らに蔑まれても仕方がないというもの。
「なんか、キョウヤのイメージ変わったなー。
もっと傲岸不遜な奴だと思ってた」
「TRPG好きに悪い奴はいないんだよ」
「いや、その例えは分かんないけど」
3人を眺めて、ほのぼのと会話してる陽葵さんとローラさん。
完全に他人事だ。
――いや、他人事であるのは間違いないのだが。
「え、えーと、ですね。
とりあえず皆さん、家に到着したわけですし。
食事会でもして、楽しもうじゃないですか」
陽葵さんから提案されたことを、改めて皆さんへ打診してみる。
これで乗ってくれれば良かったのだが、エレナさんとローラさんは不満顔だ。
「あれ、クロダ君、ミサキを庇うの?」
「そうやって甘やかすからつけ上がるんですよ?」
「い、いいえっ、そういうつもりでは!?」
首をぶんぶん振る。
しかし彼女達はそれに構わず。
「いいなー、ミサキって。
何やってもクロダ君が助けてくれるんだから」
「ちょっと自分の立場に胡坐をかきすぎなのではないかと」
「一から出直してきた方がいいんじゃないのー?」
「恋人の何たるかを勉強してくるべきですね」
2人の攻勢が止まらない。
――だが。
「――ふ」
美咲さんの表情が一変した。
「お前等、人が下手に出ていれば、随分と調子に乗ってくれたな?」
「「「―――っ!?」」」
エマージェンシー! エマージェンシー!
やばい!
美咲さんがキレた!!
放つプレッシャーが尋常じゃなくなっている!
私はおろか、エレナさんやローラさんまで動けなくなっていた!
「――や、やだなぁ♪
ボクはミサキのためを思って、ね♪
クロダ君とミサキの仲が、円滑に進むように――」
「あっ、裏切りましたねっ!?」
突如媚びだしたエレナさん。
しかし、時既に遅し。
「――くく、くくくくく。
“地獄”というものを見せてやる」
「あーーーーーっ!?」
「いやーーーーーーっ!?」
「――さて。
食事の準備を始めるか」
「……そうですね」
全てが終わり。
つい先刻のことなど何も知らぬとばかりに、平静な態度で美咲さんは言い放った。
「――うう、うううう。
怖かったよぅ、怖かったよぅ」
「人間て、こんな簡単に空を飛べたんですね……
初めて知りました……」
大分離れたところで、お仕置きを受けた2人は青い顔をしている。
一応、身体は無事である。
――美咲さんは、
“死んでなければ治せる”とは、彼女の弁だ。
一方、美咲さんは台所を見渡してから、
「食材はエレナが揃えたようだな。
……しかし、何で一品も調理してないんだ?」
「――うううう、料理しながら後ろからクロダ君にガバッて襲われるシチュエーションをやってみたかんだよぅ」
「お前、それ病気だぞ、頭の」
冷たい口調でばっさりエレナさんを切り捨てる。
その後、美咲さんは陽葵さんとリアさんの方を向いて、
「何はともあれ。
一応君達は“お客”になるわけだからな。
私が料理を作ってやるから、少し待っていろ」
「え、境谷が!?」
「あんた、料理できるの!?」
「できるに決まってるだろう!?
私にかかれば炊事洗濯家事掃除、何だって完璧にこなせるとも。
まあ、他人に料理を振る舞ってやる気は早々起きないがな。
今日は特別大サービスだ」
彼らの疑いに、胸を張って答える美咲さん。
ワイシャツに包まれた大きな胸が強調されるポーズであり、非常に良いものだと思う。
と、そこへ――
「――納得いきませんね」
料理に取り掛かろうとする彼女だが、そこへ待ったをかける人が居た。
「えっ!?」
「もう復活したの、ローラさん!?」
陽葵さん達の驚きも御尤も。
美咲さんの調理を止めたのは、ついさっきまで震えていたローラさんだった。
「キョウヤ様は“こちらの世界”、随分とお久しぶりのはずです。
ウィンガストには、『でんしれんじ』や『おーぶんれんじ』と言った便利な製品は無いのですよ?
トーキョー暮らしの長い貴女に、ここで料理ができますでしょうか?」
電子レンジとオーブンレンジのことか?
アンナさん辺りから存在を聞いたことがあるのだろうか。
「……毎度毎度つっかかってくるな、ローラ。
別にいいだろう、料理くらい」
「ええ、私だって、ただキョウヤ様が料理をするだけであればこうは申しません。
でも――私を“客”扱いするというなら、黙っていられませんよ!!」
くわっと目を開くローラさん。
「ああっ!! もうっ!! 面倒臭いな、お前っ!!」
「面倒で結構です!
ほら、キョウヤ様はリビングへどうぞ!
私がしっかり“御持て成し”をしますから!!」
「ここは誠一の家で、引いては
客はお前の方で、持て成されるのもお前の方なんだって!!
あ、こら、キッチンに入ってくるな!!」
「“お客様”であるキョウヤ様は、ゆっくりしていて下さい!!
お料理は私がしておきますから!!」
「あ、言うに事欠いて私を“客”と言い切ったな!?
それを言ったら戦争だろがっ!!」
「戦争上等ですよ!!
私は絶対に屈しませんから!!」
「その不屈のタフネスは違う所で発揮させろバカっ!!」
わーわーきゃーきゃーと。
2人の争いは、収まる気配を見せない。
…………とりあえず。
紆余曲折の末、食事会の料理はローラさんと美咲さんとで作る運びとなった。
それから。
「<赤外放射>!」
「な、なんですか、そのスキル?」
「ふん、このスキルによって食材全体を均一に温めることができるのだ」
「それって反則っ!?
ていうか、結局『でんしれんじ』使ってるようなものじゃないですか!!」
「五月蠅い!!
器具の不足はスキルで補えばよかろうなのだ!!」
調理している最中だというのに、2人はやたらと騒々しかった。
「――でもなんだかんだテキパキ動いてるな、境谷」
「言うだけあって、ちゃんと料理できるのね」
陽葵さんとリアさんは、リビングでまったりとくつろぎモード。
お茶を飲みながら台所の様子を面白そうに楽しんでいる。
……私はどうしようか。
一応、この家の主は私であるわけで。
女性二人に働かせて自分だけふんぞり返っているのはまずい気がする。
しかし今のキッチンへ手伝いに行くのは生命保健の危機だ。
とすれば――
「――ねーねー」
服の袖を引っ張られた。
振り返ると私の後ろにエレナさんの姿。
美咲さんの“お仕置き”から、ようやく回復したようだ。
「どうしました?」
「…………」
何か用があるのかと尋ねてみるも、エレナさんは黙ったまま。
どうしたのだろうか?
疑問に思ったその時。
「―――っ!?」
私の股間を、“何か”が当たる感触。
驚いて下を見たが、何も見当たらない。
だが、股間が触られている感覚は未だに持続していた。
これはまさか――
「――んふふふふ」
もう一度エレナさんの顔を見ると、にんまりとした小悪魔な笑顔。
……なるほど、そういうことか。
遅ればせながら事態を理解できた。
彼女は今、<念動>を使っているのだ。
触れることなく、物を動かすことができる初級スキル。
それを用いて私のイチモツを擦っているということである。
コツを掴んできたのか、エレナさんの<念動>は私の愚息を上手い具合に扱き出した。
竿の根元から天辺までを丁寧に擦りあげている。
スキルでこんなことをされるのは、初めての体験だ。
その新鮮な刺激に、股間が反応を始めてしまう。
「――んー、おっきくなってきちゃったねー?」
からかうように、そして他の人達には聞こえないように、小さく笑うエレナさん。
ぬう、そちらがその気ならば。
「――あ、んっ」
エレナさんの口から喘ぎが漏れた。
今度は私が<念動>で彼女の股間を刺激してやったのだ。
「――ん、ん――は、あっ――」
艶めかしい吐息。
太ももをもじもじとする様子が愛らしい。
「――あっ――あ、あ、あぅっ――」
形勢は逆転した。
元より、こういうことには私の方に一日の長がある。
エレナさんの<念動>も継続はしているが――私の責めで集中が途切れがちなのだろう、大分たどたどしい。
「――はぅっ――あっあっ――すごい、これ――ああぁぁ――」
とうとう瞳を閉ざし、股への刺激に感じ入るエレナさん。
舌でゆっくりと唇を舐める仕草が、実にエロティック。
彼女のショーツにも――<屈折視>を用いて覗いていのだ――うっすらと染みができ始めていた。
「――あっ――あ、う――気持ちいい――ああっ――んぅ――」
美咲さん達が台所で騒いでいる中、エレナさんは喘ぎ続ける。
バレないように声を殺しながら。
「――ん、ふ――ね、ねぇ、クロダ君――」
「はい?」
彼女からの呼びかけに返事をするが、
「―――――」
それ以上、何も言ってこない。
ただ一度、ドアの方へと視線を移す動作を取る。
これが意味することは――
「……あ、ちょっとお手洗い借りるねー」
直後、エレナさんは自然体を装って部屋から出て行った。
となれば、すべきことは一つ。
数分時間を置き、私も一言断ってからリビングを退出する。
さて、エレナさんはどちらへ向かったか。
トイレ――は違うだろう。
あそこは人が来やすい。
この家で、まず人の来ない場所と言えば――
「――お待たせしました」
ドアを開けると、目的の人物が確認できた。
ここは、倉庫だ。
昼であっても薄暗く、基本的に人の立ち入りは無い。
今日、ここに居るメンバーで倉庫に入ったことがある人は、エレナさん以外に居ないはず。
私の姿に気付くと、向こうも足早に近づいてくる。
その勢いのまま、彼女は私に抱き着いてきた。
「――んんっ――ん、ちゅっ――ぺろっ――ん、んんっ――」
首に腕を回し、私の首元を舐め出すエレナさん。
暖かく、ぬるっとした感触がこそばゆい。
互いの身長差を補うため、背伸びもしているのも意地らしくて良い。
私もまた彼女の身体を抱きかかえると、エレナさんの顔へ舌を伸ばす。
「――はむっ――んっ――れろれろっ――ん、ちゅ――ちゅっちゅっ――」
すぐ、私の舌に彼女が食いついてきた。
互いの舌が絡み合い、唾液が混ざり合う。
とても繊細で、滑らかな舌触りだ。
「――ん、ちゅ、ちゅ、ちゅ――んぅううっ――あふっ――んんっ――――ん」
舌の味わいを十分堪能し尽くしてから、私達は顔を離す。
「ね、早くしよっ!
もう、ボク、待てないよ!」
発情した雌そのものの顔で、エレアさんが告げる。
用意がいいことにブラウスのボタンは外され、ブラもずらしてある。
サイズこそ小さめだが、丸々と美しく実った彼女のおっぱいが、すぐそこにあった。
私はソレに吸い付く。
「――あっ――はぁんっ!」
耳にはエレナさんの喘ぎ声。
口にはハリの良い胸の弾力。
「――あっあっ!――もっと、もっと強くっ――あっあっああっ――!」
彼女の要望に答え、乳首を前歯でカリッと噛んでやる。
跡が残る程の強さで、だ。
「あっ――あぁあああっ!!
いっつ――あっ――あっあっあっあっ!――イイっ――イイよっ!――あ、あ、あ、あ、あ!」
調子に乗って、私は顎へさらに力を加えた。
「あぁああああああっ!!?
ちょっとっ!? ダメっ!! 痛いっ!! 痛いってばっ!?
んくぅううううっ!!? ボクの乳首、千切れちゃうよっ!!?」
待ったが入るが、お構いなしだ。
エレナさんの胸の突起へ、ぐいぐいと歯を食い込ませる。
「あひぃいいいいいいっ!!?
いっいっいっいっいっいっ!?
待ってっ! 待ってっ!! 待ってぇええっ!!
ほ、ホントに、取れちゃうぅううっ!!
あぁああああああああっ!!!」
感極まった声で鳴くエレナさん。
そろそろいいか。
私は歯の咬合を止める。
「――あっ!?
――はぁっ――はぁっ――はぁっ――はぁっ――
――も、もう、酷いよ、クロダ君」
本当に痛かったのだろう。
彼女の目から涙が流れていた。
「では、もう止めますか?」
「んー、なんか今日は意地悪だー。
こんなんで止めるわけないでしょ?」
エレナさんはミニスカートの裾を捲り、
「見えるでしょ、ボクのおまんこ、もうぐちょぐちょなの。
クロダ君の棒挿れてくれないと、収まんないよ」
言った通り、先程出来た“染み”はショーツの股部分全体へ広がっていた。
濡れた縞パンはエレナさんの股間へ張り付き、彼女の女性器を浮き彫りにしている。
「それでは――おねだりをしてみて下さい」
「おねだり?」
「ええ。
私のモノが欲しいのでしょう?
ならば、相応の態度を取って頂かないと」
「色々注文してくるねー。
仕方がないなぁ、クロダ君ってば」
不平を口にしつつも、顔は面白そうに笑っている。
エレナさんは一旦私から離れると、スカートを完全に捲り、お尻をこちらへ突き出すようなポーズを取った。
「――お願い、クロダ君。
ボクのまんこ、めちゃくちゃにしてぇ?」
お尻を艶めかしく振りながら、私を誘惑するエレナさん。
小柄だがスタイルの良い彼女は、お尻の曲線もまた綺麗で色っぽかった。
それでいて、幼さを感じさせるストライプ柄のショーツが、背徳感も演出している。
「――ええ、いいですよ」
私は一つ頷くと、背後からエレナさんに覆いかぶさり、ズボンからイチモツを取り出す。
彼女の腰をがっしると掴み、ショーツをずらして露わになった尻の谷間へ愚息を添えると――
――“後ろの穴”目掛けて、一気に挿入した。
「――おぉおおおおおおおっ!!?」
予想と異なる刺激に、けたたましい嬌声が上がる。
「――ち、ちがっ! クロダ君、そっち、違う穴ぁっ!?
おっおおっおっおっおっ! お、お、お、お、お、お!!」
「おや、そうでしたか?
しかし、こちらでも問題はないでしょう?」
ここまでの行為で、アナルの方にも愛液は伝っていたようで。
思ったよりすんなりと彼女の菊門は私を受け入れてくれた。
なので、小気味よくピストンを開始する。
「おっおっおっおっおっおっ!?
やだぁっ!! クロダ君っ!!
まんこっ!! まんこがいいのぉっ!!
おっ! おおっ! おっ! おおおっ!!
ボク、まんこをほじって欲しいのにぃっ!!
お、お、お、お、おぉおおっ!!」
「そう言う割に、随分と気持ち良さそうですね」
エレナさんが感じている証拠に、アナルはキツく私を咥えこんで離さない。
腰を動かすたびに強く扱かれ、快感が股間に走った。
「だ、だってぇっ!
こっちはこっちで――あっあっあっあっあっあっ――イイんだもんっ!
で、でもぉっ――おっおぅっおっおおっおぉおおっ――まんこの方が、もっと好きなのっ!!」
「むう、なんとも贅沢なことです」
やれやれ、と頭を振る。
いや、彼女の気持ちはよく分かっているのだ。
だから――ちゃんと、膣の方も弄ってやる。
「――ん、おっ!!?」
エレナさんの声が変わった。
「お、おぉおおおおおっ!!?
な、に、コレっ!!?
ボクのまんこ、急に、動いてっ!?
あぁあああああああああっ!!!」
彼女が激しく悶える。
それもそのはず。
今、彼女の女性器は私の<念動>によって“外側から”刺激を受けている。
エレナさんのお望み通り、膣を滅茶苦茶にしてやった。
これまで体験したことも無い快感を受けているはずだ。
<念動>は知覚した物体にしか効果を及ぼさない。
これまで散々肢体を弄った彼女に対してだからこそできる使い方である。
ついでに、膣だけでなく子宮の方にも干渉してみよう。
「おほぉおおおおおおおっ!!?
あっ!! あっ!! あっ!! ああっ!!
子宮、がっ!! 震えて、るっ!?
あっ!! あっ!! あっ!! あっ!!
どう、なって――あぁああああああっ!!!!」
ビクビクと痙攣を始める彼女。
菊穴もきつく締まり、剛直が痛い程絞められた。
無論、そうなっても私は腰を前後に動かすのだが。
「おぁぁああああああああっ!!!
イクっ!! もうイクっ!! ボク、こんなの耐えらんないっ!!
イクっ!! イクっ!! イクっ!!
イクぅぅうううううううううううううっ!!!!」
プシャアアッと、勢いよくエレナさんの股間から透明な液体が噴いた。
同時に、彼女の身体が力なくへたり込む。
その動きで、後ろの穴からイチモツが抜けてしまった。
――あっという間に絶頂へ達したようだ。
「はぁっはぁっはぁっはぁっはぁっはぁっ」
荒く、細かい呼吸。
絶大な快感による影響が、焦点が定まっていない。
股からは愛液が垂れ流しになっている。
そんなエレナさんに、私は告げた。
「――まだ私は射精できていないのですが。
続けても、いいですか?」
「――っ!?」
息を飲む音が聞こえる。
彼女は、ガクガクと身体を震わせて
「――い、いいよぉ、クロダ君♪
でも、今度はちゃんとまんこにハメてね?」
私が挿れやすい所にまで尻を持ってきて、再度おねだりするエレナさん。
「よろしいのですか。
当然、先程のように外側からも膣を弄りますが」
「う――うんっ! うんっ!!
ヤって!! ヤっちゃって!!
ボクのまんこ、壊してもいいからっ!!
いっぱい、ズボズボしてぇっ♪」
「――わかりました」
そうまで言うなら是非もない。
私は膣へとイチモツを突っ込み――<念動>を起動した。
「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”っ!!!!?」
獣のような声がエレナさんの口から発せられる。
「ほ、本当に来たぁああああああっ!!!?
あ”っあ”っあ”っあ”っあ”っ!!!
犯されてるっ!! 外と中から、同時に犯されちゃってるっ!!!?」
愚息が膣肉に締め付けられ――その上から、<念動>によって圧される。
堪らない快楽だった。
欲しいところに、自分で刺激を加えられるのだから。
……まあ、取りようによっては自慰をしているようにも見えなくはない。
さしずめ、今のエレナさんは
「おあああああああああっ!!!!
イクっ!! またイクっ!! またイ”グのぉおおおおおっ!!!!」
彼女の足が大きく揺れた。
バランスを崩しそうになるものの、私が腰をきっちりホールドしているため、倒れることは無い。
「あ”あ”あ”あ”あ”っ!!?
イグッ!! イグッ!! イグぅぅうううううっ!!!」
再び大きく身体を震わせる。
「あ”っ!! あ”っ!! あ”っ!! あ”っ!!
イグの止まらない”ぃぃいいいいっ!!
またイグっ!! またイグっ!! あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”っ!!!」
エレナさんは連続絶頂しているようだ。
膣からは愛液が滝のように流れ、床に水たまりを作っている。
全身から力が抜けたかと思えば、次の瞬間には痙攣を起こす。
これを、何度も繰り返していた。
「――そろそろ、私もイキますよ」
そんな有様を見せつけられ、昂らないわけが無い。
膣と<念動>による圧迫もあって、私の股間は射精寸前である。
「あ”っ!! あ”っ!! あ”っ!! イグっ!! イグっ!! イグっ!!!」
しかし、私の声はエレナさんに届いていないようだ。
意識が残っているかも怪しいのだから、仕方ない。
私は腰の動きを速めていく。
「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ッ!!!
お”お”お”お”お”お”お”お”お”お”お”お”お”お”お”お”ッ!!!!」
いつものエレナさんからは想像つかない、とてつもない雄叫び。
彼女はもう、そんな声を出すことしかできないのだ。
そして、私も限界へ到達する。
「――ぐっ、イクっ!!」
「お”お”お”お”お”お”お”お”お”お”お”お”っ!!!!!」
エレナさんの奥へ、白い精を解き放った。
――果たして、そのことに彼女が気づいているのかどうか。
「お”お”お”お”お”――――――――お」
<念動>を解除すると、エレナさんの動きは止まった。
うんともすんとも言わない。
失神している。
目は開いたままで――しかし、輝きは失っていた。
「おおっと?」
股からは、黄色い液体も流れてくる。
解放感から失禁もしてしまったようだ。
そうなっても、エレナさんはピクリとも動かない。
「――――と、とりあえず、脈は正常ですね」
取り急ぎ、エレナさんの安否を確認。
全くの無反応であるものの、生命活動は問題なく行っている模様。
「これは、アレですね、やりすぎですね」
実のところ、かなり肝が冷えていた。
微動だにしないエレナさんは、一見、死んでいる様にすら見えてしまう有様なのだ。
この現場を誰かに見られれば、強姦罪どころか殺人罪を適用されかねない。
<念動>を使った
――我ながら、酷い言い訳だ。
「た、確か、倉庫には取り置きのポーションが」
気休めかもしれないが、体力回復のポーションを彼女に飲ませる。
口に流し込んでも上手く飲み込んでくれないが――多少は、体内へ入ったはず。
「……掃除と看病しながら、意識が戻るのを待ちますか」
自身にそう言い聞かせ。
エレナさんを床へ横たえると、私は雑巾片手に床拭きを始めるのだった。
第二十六話③へ続く