ぷろろーぐ
宝の持ち腐れという言葉は知っているだろうか?
優れた才や道具があるのにそれを使おうとしないこと。
そして、その言葉は自分によく当てはまった。
確かに自分は無数の優れた才能や能力を持っていた。
自分には前世があり、一度死んでこの世界に生まれ変わる時に神から直接色々もらったのだ。
「好きなだけ持って行っていいよ」というとても無造作な感じで。
だから、自分は生まれながらにこの世界に住む多くの持たざる者と比べて恵まれていることはわかっていた。
……しかし、自分はそれらを使って何かしようという気にはなれなかった。
理由は簡単だ。
だって自分が生まれたのはごく普通の日本だったからだ。
天性の肉体?ああ、風邪薬いらずだ。
スタンド能力?両手がふさがっているときに便利だね
無敵の古武術!おう!もし突然暴漢に襲われても安心だな!
……とまぁ、おおむねこんな感じである。
別に能力なんてものはあれば便利だが、なくても生きていけるのである。
もともと自分に英雄願望もないし、仮にあったとしてもそのために能力を使い、また研磨するほどの情熱はない。
むしろ下手に能力なんて使うと、世間をにぎわせ一気に異物扱いになってしまうのが目に見えている。
さらに言えば、自分がもらった能力というのは、その多くは鍛えなきゃ使いこなせるようにならないものばかり。
その上、適当にもらい過ぎたせいでそもそも自分が何の能力をどのくらい持っているかなんてはっきりとは覚えていないのだ。
けどまぁこれでいいのだ。
チート転生なんて、ゲームの2周目をやる気持ちでほどほどに楽しむのが一番だ。
できるだけ家族を悲しませずに、なおかつ周りにいる魂年齢が1周り下の同学年の青春を邪魔しないようにする。
部活や学業も勉強せずともいい点を取れるので、無理に満点を狙う必要はない。
平穏無事無病息災。
将来の夢はとくにはないけど、しいていうなら一度は世界旅行してみたい。
だから、その金を稼げるくらいにはいい仕事に就きたいなぁ。
……なんて、油断していたからいけなかったのだろう。
ある日の少し夜遅くの帰り道。
突然の不審者集団からの薬&ずた袋でドン!
正直、このテトロドトキシンすら無効化するチートボディに効く薬があったことに驚きつつ、袋に包まれせっせとどこかに運ばれたのだ。
この時はまだ帰りが遅くなりそうだとか、薬が抜けるのはまだかなとかそんな楽観的なことを考えていた。
しかし、現実はもっとやばかった。
「お~~っくっくっく!これはイキのいいメスだ!
種付けし甲斐がありそうだ!」
「ま~ぞっくっく!
こちらの刷り込み式魔界洗脳調教マシンの準備はできている。
空き次第、順次拉致してきた女どもを機械に入れるぞ」
「んほぉぉぉぉぉぉぉ♪♪らめぇぇぇぇぇ♪♪
おチンポ様奴隷になっちゃうぅぅぅぅ♪♪
対魔忍なのにぃぃぃぃぃぃ♡♡♡」
なんと、この世界はただの普通の現代日本ではなかったのだ。
一歩足を踏み外せば、感度3000倍に改造される。
少し裏路地へ入れば、精液が媚薬とかいう頭おかしいオークとか言うエロゲ生物がいる。
それは町中でも油断できず、シーンさえあれば電車や駅前、はてにはテレビカメラの前という状況ですら人外とのエロイベント及びリンカーン大会がスタートする!
そんなエロダークサイバーパンク抜きゲな【対魔忍世界】だったのだ!!
「フャッキュ―!!!滅びろ!!エロゲ的物質&生物どもめぇぇぇえええ!!!」
「「「「ぎゃああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」」」
「いかん、いかん、思わずやり過ぎてしまった」
というわけで、昨日までただの平凡な日本に生まれたと思ったら、実はそこは抜きゲ的エロゲ世界で更に言えば自分はその世界にTS転生してしまったとか言う、おおよそヤバいフラグを複数おったててしまった慢心系チート女学生主人公です、どうぞよろしく。
「て、てめぇ……ま、まさかその力……
おまえ、対魔忍か!!」
「そんなわけあるか、あほが」
「んぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
人をいきなり脳筋ガバガバ国営デリヘル集団と一緒にしないでいただきたい!
そんな思いを胸にしながら、現在は拉致られた見知らぬ場所で破壊活動に奮励中。
自分の持つチートの中でも比較的、使用頻度が高くとりあえず自爆しない程度には使いこなせる【ゴミを木に変える能力】で無双している最中だ。
「馬鹿め!隙ありぃぃぃぃ!!」
張り巡らされた樹木の影からオークが飛び出してくるが、わざわざしゃべりながら奇襲してくれるのだ。
遠慮なく先端を杭状にした樹木で貫かせてもらった。
当然襲ってくる連中の多くは人外であり魔族である。
が、その中には人間も存在した。
そして、こんな場所にいる連中は当然男である以上レイパーであり(何を言ってるかわからないと思うがこれがデフォルトなのだ)容赦なくこちらを性的肉体的両方の意味で襲おうとしてくる。
なので反撃をしてしまった。
そう、私は地味にこの世界に来てから初めての殺人をしてしまったわけだ。
「……けど、血を流してくれないと実感がわかねぇ……」
しかしそこは流石、腐ってもサイバーパンクな世界。
今しがた自分が力加減を誤って殺してしまったレイパーは幸か不幸かサイボーグだった。
なので、胴体に穴をあけても血の1滴も流さなかった。
自分が初めて直接この手で殺人を犯してしまったというのに、まるで実感がわかないという何ともおかしな状態である。
なお、下の物までサイバーであった、おえっ!
「この、劣等種族がァァぁぁぁ!!!」
「なら、チンポ突っ込むために、拉致してんじゃねぇぇぇ!!」
コウモリのような羽を生やし、角と牙を生やした人型の化け物である魔族が、股間を勃起させながらこちらに向かって襲い掛かってきた。
が、勃起するのも一緒なら、ミンチにされたら死ぬのはオークも魔族も人間も一緒である。
容赦なくこの魔族も、前の奴ら同様に壁の染みにさせてもらった。
全く、この世界の雄どもは誰もかれもが性欲旺盛すぎて困る。
下を見ればショタから手のひらサイズの魔蟲、上を見ればじじぃから1000歳以上の吸血鬼まで。
ふたなりのことを考えれば、老若男女すべからく精子脳とはまさに肉食系男子の楽園である。
なお、【寝取られの対魔忍】達郎は除くとする。
「……で、結局ここはどこだよ」
粗方、自分を拉致したオーク集団を滅し終わったところで状況を整理する。
残念なことに、オークの死体と自分の能力で作った樹木が邪魔で捜索しにくい。
それでも、生き残ったアヘ顔さらし中の調教済み女奴隷達に状況を尋ねるくらいなら、このごちゃごちゃになった部屋の書類を集めて情報整理をした方がましというものだ。
「お願い入れてぇぇぇぇ♡♡♡」
「どうかオーク様……私にお情けを!お情けを!」
洗脳ヘッドギアをかぶせられた無数の調教中女性の嬌声をBGMに散らされた紙やノートパソコンを復旧させる。
書類は丁寧に5ケ国語(日本語、英語、中国語、魔界語、異界語)で書かれており、ノートPCも電脳チートでちょちょいっとロックを解除する。
……どうやらここは表世界の女性を拉致し、洗脳調教、そして娼館や好きもの魔族に格安で売りつけるといった奴隷商で生計を立てている小組織のようだ。
周りに見える無数の謎の機械や手術道具で奴隷に無数のオプションをつける親切丁寧な対応。
お客様を第一にをスローガンに運営していたとのこと。
とても素晴らしい心構えだ、それが人売りでなく、かつ自分を巻き込まなければどれだけ賛同できたことか。
「ぶひょ!……おえ、ぐえぇぇぇぇぇ!!!」
「……っは!なんで私はここに……いやぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ちんぽぉ♡♡ちんぽぉ♡♡」
流石に洗脳装置につなぎっぱなしはかわいそうなので無数の洗脳装置につながれた女性を解放しつつ、外に出る。
嫌な予感がしつつ、地下にあったそこから、地上への階段へ足を進めていく。
そして外に出て、その目に映っていたのは……
無数の荒れ果てた道。
道を歩く魔族や人外。
無視される銃刀法。
サイボーグや機械兵といった自分の常識をはるかに超えるオーバーテクノロジー。
魔法、呪術、忍術。
そして……
「対魔忍は決して、屈しな……んほぉぉぉぉぉ♡♡」
「ぶへへへへ!
いくら対魔忍といえど、この超強力濃縮3000倍オークの精液媚薬の前では腰砕けみたいだな!」
「お~っくっくっく!
よくも俺たちをたっぷり傷つけてくれたな!
野郎ども!2度と足腰が立たなくなるまでやっちまうぞ!」
突如平然と町端で行われる対魔忍と魔族の対決。
そして、決着及び、そこから始まる輪姦ショー。
その光景を誰一人として止めようとせず、むしろ混ざりに行く男達。
そして、自分は確信する
「まさか、ここがあの噂の魔都『東京キングダム』っすか……」
おぼろげな知識と先ほど手に入れた情報かそれを示す。
東京湾に建設された人工島。
かつて政府によって開発され、その後中止。
それをよからぬ集団によって目をつけられた場所。
この世界の日本の闇社会に中心にして、アジア最大の娼館都市。
その実態は人ならざる者たちが人の世に進出するための拠点の一つ。
魔界へのポータルが開き、人外化け物たちがはびこる島。
それがここ、東京キングダムなのである。
「……とりあえず、ここでも日本円使えるといいんだけど」
突然の展開と、先の見えない絶望感に打ちひしがれつつ何とか歩みを進めるのであった。
……願わくば、自身が対魔忍な目にあわされないことを祈りつつ。
対魔忍のSSが増えてくれる祈願に
対魔忍軸が多いけど、それ以外が増えてくれないので
なお、続けるかどうかは反響次第です