※この作品はR-18です。

たいまにん   作:どくいも

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せんとう

さて、【対魔忍】と聞けば皆さんはどのような連想をするだろう?

名前だけ聞くと魔と対峙する忍者でかっこよく聞こえる。

能力だけ聞けば、魔を討つものにふさわしいと思うだろう。

行った功績の結果だけを聞けば、国を魔から守るにふさわしい業績と言えなくもないかもしれない。

 

しかし、実際そんな印象を持っている人は少ないであろう。

なぜなら……

 

 

「んほぉぉぉぉぉぉ♡♡らめぇぇぇぇ♡♡」

 

「オークチンポが子宮にキスしてるのほおおぉぉぉぉ♡♡♡」

 

 

また対魔忍殿がアヘられておるぞ!!

しかも、新米からベテランまでである。

リーダーで対魔忍の中で最強のアサギ様ならそんなことはない?

馬鹿野郎!!そいつが一番の堕ち要因だ!!20から始まり30過ぎてもなおアヘ顔晒す!

レズから輪姦異種姦かかわらず、穴という穴を、穴でない乳首ですら経験開発済み!!

その有り余る体力すべてを使って、東京キングダム中の老若男女人外含めすべての肉便器になったレジェンドだ!!

流石対魔忍!鍛えてるだけあって便器としての耐久度が違うぜ!!

やっぱり対魔忍は性処理には最適だな!今日も一日即墜ち頑張るぞい!

 

と、もちろんこれは偏見に満ちた感想であり、偏りのある意見であることは認めよう。

きっとこの世界でも、頑張って探せば有能でアヘったことのない対魔忍や純愛を貫く対魔忍、処女童貞なほのぼのカップルの対魔忍がいてもおかしくはないだろう。

 

……が、それでなお、自分の中の対魔忍の印象は【即墜ち2コマ】から変化することはない。

なぜなら自分が初めてこの東京キングダムで出会った対魔忍はすでに自分が一瞬で殲滅できる程度の相手にニコニコアヘ顔調教中だったからだ。

なお、その時はなり行きで助けたもののその対魔忍の精神が肉便器から元に戻ることはなかった。

その後も東京キングダムで過ごしていく中で見かける対魔忍はどれもこれも死んでいるか、アヘってるかのどちらか。

そもそも娼館で嬢のプロフィールに平然と元対魔忍とか書いてあったりするのだ。

それでどうして、そんな対魔忍を信用できようか?

内心、ここからの脱出に対魔忍の手を借りればいいのでは?一般人の自分なら無事に接触さえできれば彼らが保護してくれ、そのまま帰ることができるのでは?

なんて期待していただけに、出会う対魔忍すべてがアヘ顔晒していて役に立たないという事実にかなり落胆したのはいまだ記憶に新しい。

 

そして今現在、この東京キングダムに来て初めてまともに会話できそうな対魔忍と遭遇できたわけだが……

 

 

「……!!くらえ!!」

 

 

掛け声とともに手に握ったゴミに力を籠める。

すると、【ゴミを木に変える能力】が発動し、手にあったそれは矢のような速度で、しかも三つ又に別れて別々の方向から相手へと襲い掛かる。

その速度、威力、間違いなくここ東京キングダムに来てから最高の一撃であった。

普通のオーク相手ならば、何をされたか気付く前に死んでいるだろう。

 

 

「……無駄です」

 

 

が、相手はただものではなかった。

七瀬舞と名乗ったその対魔忍がそっと手を前にかざすと、彼女の周りに無数の六角形の薄い緑に輝く物が覆いつくす。

分厚いコンクリートの壁ですら貫く樹木による刺突を、舞の周りに漂う厚さ1ミリもないそれがあっさりと受けとめた。

頭上後方側面、おおよそ隙がありそうな方向すべてから攻撃したつもりだが、どうやら効果がなさそうだ。

 

 

「お返しです」

 

 

そう言うと彼女は彼女の体のいたる部分から、白く細長いものがうねうねと伸びてくる。

 

 

「……!!」

 

 

その白い鞭のようなものは一斉にこちらに襲いかかる。

それのヤバさを本能で理解し、何とか寸前で躱す事に成功する。

ふと自分が元いた場所を見ると自分の予感は正しかったらしい。

対魔忍から放たれた白いそれは地面や壁、果てには周りの野次馬オーク達まで、すべてをまるでバターのようにあっさりと貫いていた。

自分のチートボディなら、ただのナイフ程度なら貫通すらせず弾くことができるが、流石にあれは無理だ。

当たったら最後、血だるまにされてしまうのが目に見えている。

 

 

「というかなんで自分を襲ってくるの!

正直、今まで果実を細々と売ってただけで、対魔忍に狙われているようなことはしてないつもりなんだけど」

 

「黙りなさい。

あなたが何と言い訳しようと、すでにこちらであなたが残虐な魔族だという証拠はつかんでいます。

大人しく私の忍術の餌食になりなさい」

 

 

残念!話が通じない!

 

 

「そもそも、自分が魔族だっていうことが間違いの人違いだ。

そもそもこのケモ耳だってつけ耳のカチューシャだし?

ほらこの通り、外れるでしょ?」

 

「……!!まさかここまで偽装が上手い魔族がいるとは!!

ここで逃がすわけにはいきません」

 

 

自分が只の無罪の人間だと証明したつもりが、むしろ攻撃が激しくなった。

これはまずい。

このままでは交渉しきる前に殺されてしまう。

そもそも、今相手にしている対魔忍の強さがかなりガチだ。

この東京キングダムに来てしばらくたつが、ここまでまともに苦戦したのは初めてである。

いや、この世界に生まれて初めて生命の危機を感じているといったほうが正しいだろう。

だれだよ!対魔忍=アヘ顔即墜ち2コマなんて言ったやつ!!俺だよ!

この謎の万能殺戮兵器を見て同じことが言えるのかよ!!

 

 

「確かに単純な物理攻撃が無意味だということはわかった。

なら、熱と風の二重奏ならばどうかな!」

 

 

ちょいと自分の別のチートを使い、懐から1本の武器を取り出す。

こんな時のために買っておいてよかった、米連製ロケットランチャー(1本5万3400円)!!

この汎用現代兵器から繰り出される爆発と熱風は、果たしてそのうすっぺらい防御壁ごときでどうにかできるかな?

 

 

「その程度の熱量では、私の結界はひびもできません」

 

 

ですよね~。

そもそもこの程度でどうにかできるなら、オークでも倒せるだろう。

やっぱり、米連製の安もんじゃあかんかったか。

 

 

「私の忍術、紙気(しき)は紙。

だからといって、対魔粒子を吹き込んだ紙は、攻防自在にして変幻自在。

鉄壁の盾にもなれば破壊の兵器にもなります。

もちろんこの紙気の結界の前では、熱や酸、果てには炎さえも傷一つ付けることはできません。

逃げるだけ無駄です、おとなしく紙の染みになりなさい」

 

 

ご丁寧にわざわざ能力を説明してくれるのは自信の表れか、はたまたは別の策略があるのか。

さて、状況を整理してみよう。

今自分が戦闘でまともに使える能力(制御できる意味で)は【ゴミを木に変える能力】だけ。

非戦闘系で今役に立ちそうなのは2つほどだがそれも別に直接相手を傷つけられるものではない。

身体能力は互角‥‥いや、体の使い方的な意味でやや向こうの方が上。

こちらに向こうの紙気の守りを突破できるほどの威力のある攻撃方法はない。

 

 

「(あれ?これ、詰んでない?)」

 

 

何とか相手の攻撃自体は躱せ続けているが、それも時間の問題であろう。

身体能力がほぼ互角で、こちらに有効打が無ければ、粘っても向こうが勝つだけである。

 

 

「もう二度と対魔忍のことを奴隷娼婦予備軍って呼ばないから許して!!」

 

「殺します」

 

 

駄目らしい。

ならば仕方ない、せめて逃げ切れる程度には頑張るか。

それに既にこの状況を打開するために必要な分の情報は集め終わった。

口元に手を当て、舞の紙気カッターを躱しながら、静かにもう一つのチートを発動させるのであった。

 

 

 

 

 

 

「(厄介な相手ですね‥‥)」

 

一方、キーを追い立てる側の対魔忍、七瀬舞。

その一方的な展開を繰り広る反面、彼女は明らかに自分が苦戦していると感じていた。

 

 

「(確かに、身体能力はほぼ互角で能力相性はこちらが有利。

しかも、明らかにあの魔族は戦闘行為そのものに慣れてない様子。

なれば、すぐに決着がついてもおかしくないのですが‥‥)」

 

 

しかし、その舞の的確な分析に反し、未だ標的の魔族は一度も致命傷を受けていなかった。

理由はいくつかある。

例えば、相手が周りの人々を盾にするかのように逃げ回っていること。

標的の外見が人間のそれとほとんど変わらず、それに何故か対魔粒子による魔族的反応を感知できない事。

そもそも相手が逃げに徹しているなど様々な理由が挙げられた。

 

 

「(そもそも事前情報では、相手は植物操作の能力持ちだと聞いてましたが‥‥明らかに別の能力も複数所持してますね)」

 

 

そして、また目の前の魔族がその懐から質量保存の法則を無視して多数の火器をとり出し放ってくる。

それに合わせて、攻撃を一旦止め紙気による結界を再構築する。

銃弾の嵐が止み、離されてしまった距離を詰めるよう、舞は紙気手裏剣による牽制を放つが、まるでそれは先読みされたかのように躱されてしまった。

 

 

「(全く、面倒な任務です)」

 

 

以上の情報や状態を省みて、舞は今の自分の任務をそう評価した。

確かに相手は只の力だけのボンクラ魔族とは一線を画すだろう。

慢心もしてなく、能力を複数所持しており、厄介なことこの上ない。

でも、それだけだ。

相手は自分を倒せず、こちらは相手を一方的になぶることができる。

これが純然たる事実だ。

 

 

「(おそらくこれは、相性の問題でしょうね。

私以外の防御力の低い同胞なら、案外苦戦してしまうかもしれません。

なればこそ、確実にここで仕留めることにしましょう。)」

 

 

そう舞は決心し取り敢えず、見逃しだけはしないように勤めるのであった。

ん?元一般人とか言う相手側の訴え?

一般人が不思議能力を使うわけがないだろ!いい加減にしろ!!

 

 

「……ようやく、観念しましたか」

 

 

そして場面は移り変わり、そこは東京キングダムの端っこ。

今は使われていないとある廃ビルに戦場は移っていた。

 

 

「ここなら、もうあなたが盾にできる民衆も逃げ道すらありません。

……今降参するなら、せめて苦痛もなく殺してあげますよ?」

 

 

舞がそう宣言するが、当然それは無視される。

 

 

「追い詰めた?

……ちがうね、こっちが誘導したんだよ!

【ゴミを木に変える能力】フルパワー!!」

 

 

標的の魔族がそう叫ぶと彼女の指の間から今まで以上の樹木による奔流が舞に向かって襲う。

その量、圧力はまさに津波のごとし、フロア全体を覆いつくすかのように樹木が成長し始めた。

 

 

「……はぁ、この程度ですか」

 

 

が、それも結局無意味、舞の忍術の前にはあまりにもそれは無力であった。

範囲が広くとも威力を上げようとも、そもそも対魔粒子でコーティングされた紙気と、能力で生み出したとはいえただの樹木とでは強度の次元が違うのだ。

舞もここに誘い出されるかのように追跡させられたので、多少の罠は覚悟していた。

しかし、まさかこの程度のお粗末な考えだったとは、拍子抜けもいいところだ。

 

 

「……でもまあ、それならそれでいいです。

そのまま、死んでしまいなさ……!!」

 

 

舞が結界を張りつつその隙間から相手に狙い打ちしようとした途端、突如頭上から強い衝撃が襲ってきた。

当然頭上も結界で守っているので傷つくことはなかったが、それでも今の衝撃は明らかに樹木によるそれとは違う。

思わず攻撃の手を止め。頭上を確認すると、そこには巨大な岩があった。

 

 

「建物の中なのに落石?

……!!いえ、これは!!」

 

 

そうして舞は気が付く。

樹木の濁流のあまりの振動と範囲の大きさによって気づかなかったが、今この建物は轟音を上げて、大振動を起こしている。

先ほどの岩だけではない、大小さまざまな瓦礫やガラス片、廃材が自らに向かって降り注いでくる!

まさかこれは……!!

 

 

「ま、まさか!!あなた、自爆して道連れにするつもりですか!!」

 

 

そう、今現在舞たちがいる廃ビルが現在進行形で崩れているのだ!

おそらく、目の前にいる魔族がこのビルの中に誘い込んだのは、ここを倒壊させ、対魔忍である自分を瓦礫に埋もれさせ、紙気の結界ごと圧殺するつもりなのであろう。

確かにそれはいいアイディアかもしれない。

自分の紙気の結界は無敵の守りではあるが、その持続力という点では必ずしもそうではない。

対魔忍も人間である以上、術の維持には限界があるのと考えるのは自然の流れであろう。

 

 

「(ですが甘いです、私の紙気による結界は耐圧はもちろん、持続力も抜群です。

おそらくは、私の結界が瞬発的なものだと思い、ビルの倒壊で圧殺するつもりでしょうが、それは無意味です。

安易な考えで自滅の道に走った、あなた自身の浅はかさを呪いなさい!!)」

 

 

そうして、舞とキーはその倒壊する廃ビルの中で完全に倒壊するまで、その中に残り続けたのであった。

 

 

「ふう、やっとおさまりましたか」

 

 

瓦礫に埋もれながらも、それを紙気の結界で自身の周りをすっぽり覆い、ビルの倒壊を耐えきった舞。

どうやらなかなかに大きいビルであったようで、結界の周りを瓦礫が埋め尽くしていた。

が、これくらいなら紙気結界を少し変形させれば、あっさりとこの岩盤を突き破り、脱出することができるであろう。

それにおそらく自分の標的は、建物が完全に倒壊するぎりぎりまで、こちらへの攻撃の手を止めていなかった。

なれば、あいつは己の身すら守る暇なくこの建物の倒壊に巻き込まれたはずだ。

 

 

「……初めはどうなるかと思いましたが、終わってみればあっけないものですね」

 

 

そうして舞は自身の勝利を確信した。

そもそも対魔忍の中でも優れた腕を持つ自分が、あんな戦い慣れてない魔族に負けるわけがないのだ。

なれば、あとはこのあの魔族の置き土産であるこの倒壊した建物から脱出するだけだ。

 

 

「やはり、瓦礫を押しのけて脱出するとなると、ドリルですかね?」

 

 

そんな風に対魔忍七瀬舞は、任務は完了したものとして、それよりもどのようにここから脱出するかに頭を働かせ始めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

……だから舞は気づかなかったのであろう。

彼女の足元に、不自然に1本の小さな木がコンクリートを突き破って生えていたという事実に。

そして、さらにはその周囲に自分のものでない紙が複数枚無造作に落ちているという事実に。

 

 




やめて!

対魔忍特有の慢心で、チート主人公に隙をつかれたら

奴隷娼婦と魂がつながっている対魔忍じゃ一瞬でアヘ顔ダブルピースしちゃう!


お願い、堕ちないで七瀬!


あんたが今ここで倒れたら、アサギさんや学友との約束はどうなっちゃうの?

勝機はまだ残ってる! ここで油断さえしなければ、任務達成することができるんだから!




次回「七瀬舞 堕つ」
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