※この作品はR-18です。

楽園は消えた   作:EKAWARI

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 ばんははろ、EKAWARIです。
 えー、まどマギ、叛逆BDに夢中になるあまりこっちすっぽかしててすみません。
 というわけで、今度こそ楽園は失われたIF分岐ルートは今回で完結です。
 まあ、8割がエロシーンで占められた今回の回なわけですが、ひょっとすると、あれ? これ今回の話が一番エロシーンえろく書けてね? とか思いましたとさ。まる。
 そんな感じですが、どうぞ。
 PS、次回はしーたんがもしも清い体のまま育ってたら? パロやります。


楽園は失われた1話分岐ストーリー後編

 

 

 イタチは長く形の良い指を傷だらけの小さな体に沿わしながら、口づけを落とした。

 続いて肩胛骨にも接吻し、サラシの下で窮屈に収まっていた大ぶりの胸にも指を沿わし、結び目も見つけシュルシュルとサラシも外す。

 柔らかく張りのある豊かなおっぱいが外気に触れ、フルリと揺れる様が愛くるしくて、そっと指は沿わしたまま、痛くないよう力を込めず彼女の反応を見ながら両胸に指を沈めた。

「……ッん」

 その微かな刺激にビクリと、肩を揺らしながらシスイが思わずと言わんばかりの声を漏らす。

「……ぅ、あ……っ」

 優しく、優しく、触れるか触れないかといったラインで右胸全体に指を這わしつつ、左胸のピンク色をした突起を緩く抓みあげながら背中の傷に舌を這わす。唾液をたっぷりと絡めて、まるで癒そうとするかのようにイタチの舌が丹念に傷口を1つ1つ舐めていく。それが酷く痛痒く、もどかしくて、けれどどこか倒錯的で、ゾクゾクと下腹の奥のほうから感じたくもない感覚が沸き上がってくる事を、シスイは止める事が出来なかった。

「はぁ……あ、ぅっぁ」

 肌が粟立ち、ピンク色をした乳首が益々充血した色を帯びて、イタチの指に弄ばれるがままにプクリと勃ちあがる。左右で異なる指の動きと、情熱的でさえある舌の動きに、酷く性感を呼び覚まされて、このまま体中を掻き回されてグチャグチャにされたいような、噛みつかれ血潮さえも啜り尽くされたいような凶悪な欲望が脳裏を横切り、女の息が荒がり、切なささえ感じさせる甘やかな声を漏らした。

「ァ、は、ンぁ……あ、ア!」

 ……嗚呼、こんな風に優しくされるのではなく、乱暴に揉みしだかれ、突っ込まれ、無茶苦茶に掻き回されたい。

(……なんで)

 イタチに触れられる度、ビクビクと体を揺らしながらも、どうしてそんなことを思ってしまったのか、シスイにはわからなくて困惑する。そもそも男と寝たい願望自体無かった筈なのに。

 けれど、そう思う間にもイタチの愛撫は続いていて、青年の形の良い舌が自分の胸の上を縦横無尽に這い回り、遂には強い刺激を避けられていた右胸の突起に巻き付ついて、その口腔に含まれれば、たまらず「ひゃぅ」と上擦った声を漏らして、ビクリと体を揺らしながらシスイは目の前の体に片手でしがみついた。

 それに気をよくしたのか、柔らかく標準より一回り大きなバストに対するイタチの愛撫が更に続ていく。

「は……ぁ、ふ……ぅう、あっ、ん」

 プクリと膨らんだピンク色の先端に赤い舌が絡みつき、次に痛くない程度の力を込めた真っ白な形良い歯が乳首を上下の歯で挟むようにし押し当て、摩る。

「あ、ん……ふ、ぅく」

 それから先端部分を飴を舐めるように舌の上で転がしていき、強く吸い付いたかと思えば、サラシの痕がついている赤く痛々しい胸をたっぷりの唾液と共に暖かい口腔で順繰りに舐っていく。

「あぅ、あッ、あ、ひ、……ぁっ」

 それが恐ろしく気持ちが良くて、暖かい口腔でネットリと素肌を包まれるのがあまりに善すぎて、ゾゾゾッと背筋を快楽が走り抜けていく感覚を、いやいやをするように頭を左右に振ることでシスイは逃がそうとした。

 しかし、それぐらいで今更しっかり其の身で感じている悦楽をどうにか出来るものでもなく、女の口からは甘やかな嬌声ばかりがひっきりなしに漏れていく。

「ん……ふっ、ぁ、はぁ、ふ……」

 その声を出来るだけ一生懸命噛み殺しながらもシスイは、どこか不慣れでぎこちないながらも酷く感じている自身の反応に困惑を覚えていた。

 まるでこれではわけもわからないままに初夜を迎え、覚えさせられたばかりの快楽に縋る処女の生娘のようではないか。

 自分で望んだわけではないとはいえ、男と寝るのはこれが初めてではない。どころか、かつては嫌というほど陵辱され尽くした経験もある。アブノーマルプレイに至っては弊害が後に出るくらいには受けたものだ。なのに、一体なんだというのだ、この反応は。

 そう考える彼女はなんとなくイタチでさえ察し始めていた元凶に気付いては居なかった。正確には自分は女の紛い物であるという意識が彼女にそれを気付かせることはなかった。

 

 そもそも性愛関係に置いてシスイは潔癖といっていいような思想の持ち主である。

 肉体関係とは両想いの男女の間でこそ発生するべきものであり、結婚相手や恋人以外の相手と肉体関係を持つ事は不道徳であるし、褒められた行為ではない。浮気や二股など言語道断だし、そういう背徳感に燃えるような嗜好も持ち合わせてはいない。

 性的欲求を満たすためだけの付き合いに対する憧れや願望もなく、寧ろそういったものは「自らの欲求に走るなど、まるで盛りのついた獣じゃないか」と嫌悪さえ覚えていた。

 また付き合っている相手がいるのなら、身も心も結ばれたいと思うが故に肉体関係を持つことは自然な流れではあるが、婚前交渉をするのなら避妊はキチンとするべきであり、ゴムは必須だ。

 相手の親御さんに顔向け出来ない事はするべきではない。結婚もしてないくせに中出しなど無責任だし、互いに性病にも気をつけるべきだ。夜の営みに置いて男女は対等であるべきなのだから、婚前交渉に置ける責任はどちらにもある。故に双方が努力するのは当然のことであり、相手を本当に想うのなら性欲に負けて責任の取れない行動をするな。

 強姦などは言語道断、溜まってんならテメエでマス掻いてろ、ただ突っ込みたいだけならオナホでも買っとけ、親と女は泣かせんな、とまあ……それが男だった時代からの根本的な彼女のセックスに対する考えである。

 とはいえ、流石に自分のような考えが少数派であることくらいは知っていたので、他人にまで自分のその思考を押しつけることは基本的になかったが。

 そしてある意味に置いてはシスイは非常に我慢強い性分の持ち主だった。

 本能のままに他者と寝るは畜生の如き行いであると、人間の理性と忍耐力を信じ、性的欲求を理性でもって強く戒める潔癖性を持ち合わせていた。

 それは前世からの習い性でもあったが、それでも前世では必要最低限のオナニーくらいなら、エロ本やAV片手にどうでもいい女や、惚れていた相手の妄想を肴に済ませていたことを思えば、現世で女に転生憑依したことによってシスイの潔癖主義は拍車がかかったといえるだろう。

 そもそも今の彼女は、性同一性障害状態になっている弊害で、自分の肉体を直視出来ないという有様である……つまり、性的欲求が沸き上がったとしても、女としての欲と向き合うのが恐ろしくて自慰など出来やしなかった。

 しかし彼女はその身に男を知ってしまった。

 体に快楽を覚えさせられ、体中あちこちを弄り回され尻穴まで開発されて、碌に知りもしない男達相手に女としての悦びを肉体に植え付けられてしまった。だが、根が潔癖である彼女はそれに心まで順応することは出来なかった。

 だからこそシスイは、自分に沸き上がる性的衝動を無いものとして扱うようになったのである。そもそも自分を玩具としていた男達は、彼女の肉体が欲求を持て余しだすようになるよりも早く呼びつけ、その熱を散らしていたわけでもあり、オナニーをする必要性自体彼女が覚えることはなかったといっていい。

 しかし、そんな出来事ももう過去のものとなり、9年前あの男達はイタチの手によって捕まり、シスイは里を出て、それから誰とも肉体関係を持つこともなく過ごしてきた。

 其れはある意味当然でもあった。

 シスイは精神的に同性といえる男と寝る行為自体に精神的な嫌悪を感じていたのだから、わざわざ自分から己の嫌う行為をしたいとは思わない。それに元々、体だけの関係や売春などといった行為はシスイの嫌う最たるものの1つだったし、快楽至上主義にはなりたくもなかった。

 しかし、彼女の体は男の味と女の悦びを知っている。そのせいもあったのだろう、里を抜けて以来時折酷く抗いがたいような疼きと火照りが度々シスイの身を襲うようになった。

 今すぐねじ伏せられ、火照る体内に熱く滾るチンコを突っ込まれ、グチャグチャに掻き回され前後不覚になるまで犯されたいと、そんなシスイの心理状態と相反するような願望は1人の夜にこそ訪れた。しかし彼女は性的欲求からきたそれらの衝動を、肉棒を欲しがって熱を昂ぶらせている己の体を慰めることさえ放棄し、全部気のせいであると、そう時には幻術を使ってまで自分に暗示をかけることでねじ伏せてきたのである。

 つまり、言うならばこれはそのツケだった。

 その快楽を知っていながら9年間碌に慰めもせず、本人も認識せぬうちに溜めに溜めた女としての性的欲求が、久方の情交を前に歯止めも効かず溢れていたのだった。

 

「ぅ、あ、ひ……ひゃああ!」

 チュウチュウと音を立て、ピンク色の突起を吸い上げられた衝動に、ビクンビクンと一際大きく背中をのけぞらせて、シスイは呆気なく胸だけで絶頂に達した。それに伴い、プシャッとそんな音と共に股ぐらからは無色微臭の潮を吹き出し、ヒクヒクと余韻の強く残る体を持て余しながら荒い息を吐きだす。

「は……ァ、はぁ、は……」

 だらしなく半開きになった唇と、トロリと潤んだ黒い眼、紅潮した頬に、ぐったりと気怠げに火照りを持て余している体、自分の唾液でぬらぬら光る紅梅色の乳首に大ぶりの乳房。甘く漏れる呼吸と、血の臭いに混じって仄かに香る彼女の体臭。

 そんなシスイの無防備な姿にイタチは暫し見とれると、その唇に自分の口を合わせ、彼女の小さな舌を自分の口腔内へと招き入れた。

「ふ……んん……ァ! ィタ……ぁ、は……ふ……む、んッ」

 それを自分の舌に包み込んで、時間をかけて舐め啜り、吸い上げつつ幾度も角度を変え口付けを続けると、呼吸の合間に女の甘やかな声が漏れ聞こえ、それとクチュクチュと唾液が絡まって奏でる水音だけが聴覚を支配していく。

「……ふ、ぁ、あ、ンん……ふ、は」

 熱と色気を帯びた甘やかな響きは、それだけでズボンの下に収まっている青年の下半身を昂ぶらせていく。その声がもっと聞きたくて、長く時間をかけた口づけから彼女を解放すると、イタチはシスイの耳の中に自分の舌を這わし、その小さな穴を自身の赤い舌でグリグリと抉り、嬲った。

「はぁ、やっ……ひ、ぁ、あ!」

 自分の耳の内部から響くピチャピチャとした濡れた音と生暖かく柔らかな舌の感触に、ゾクゾクと背筋に快楽を走らせながら、思わずといった風情でシスイは右手で自分の口を塞ぐ。

「ん…………んんっ! ……ふ、ぁ……ッ、あ」

 けれど、そんなもので快楽を逃すことなど出来ず、くぐもった声は益々色を帯びて響くばかりだ。そうして舌で耳を攻める一方で、イタチの右手がシスイが着用していたボロボロの黒ズボンへとかかり、左手で彼女の体を抱き締め少し浮かせたまま、素早くそれを脱がせる。

 それから手早く右手人差し指で、触れるか触れないかといったくらいの力でシスイの秘所へと指を沿わせれば、パンツ越しでありながら、そこはしとどに濡れており、イタチの指をじわりと愛液で湿らせていった。

 そんなふうに濡れてグチャグチャになって張り付いたままの彼女の下着を、脱がしもせずイタチはパンツ越しのままヴァギナへと舌を這わしていく。

「ヤッ、ぁ、あ……ひっ、あ!」

 ネットリと包み込まれるような、思ったよりも強かった刺激に、電流が背を走ったような錯覚を覚え、シスイは思わずビクビクと体を揺らしながら、青年の細く綺麗な黒髪を掴んだ。

 それらは無意識の行動であったが、思わず掴んだイタチのストレートヘアーはサラサラと指の間を逃れて艶めいていることから、一瞬我に返り、彼女は戸惑った。

 自分は何をしているんだ。こんな綺麗なものを自分の汚い手で触って良いはずがない、なんて思考がシスイの脳裏を掠め、彼女は一旦掴んだイタチの髪から自身の指を離そうとする。が、続いて与えられた刺激に耐えられず、再び青年の髪を掴み直すこととなる結果だけで終わった。

「ひゃう……! ぁ、あ、ヤダッ、馬鹿、そんなとこ、舐めんな、ぁ」

 下着越しにイタチの舌がシスイの震える赤い果実を舐めしゃぶる。たっぷりと唾液をつけてパンツごしでもわかるように丁寧にクリトリスの形に添わせるようにイタチの舌が動いていく。布がこすれて、舌が生暖かくて、敏感な場所を優しく舐められるのが気持ちよすぎて、おかしくなりそうだった。

「ぅ……あ、ダメ……ひっ、ァ、ヤダ」

 その際に立つピチュクチュと奏でる舐め音も耳を犯していくかのように、酷く淫靡な気分をシスイへともたらすばかりで、聴覚と触覚両方で与えられる快楽に体中が粟立ち、力が入らなくなっていく。

「あ、ぅ……ひ、は、ハァ……ふ……うぅ……」

 そうしてイタチの舌が愛らしく震える陰核だけでなく、ひくつく女陰(ほと)まで舐め尽くした頃には、もうシスイには自分の体を支える力さえ抜けきってしまっていた。

「はぁ、はぁ、は…………ん……ッ」

 甘く荒い息を漏らす彼女の体を素早く脱いだ自分の外套の上に横たえて、イタチは自分の唾液で濡れそぼる彼女の下着も脱がせた。愛液を滴らせ、露わになったひくつく紅梅色のヴァギナの上には、もう剃ってはいないのか9年前には無かった黒い陰毛が青々と茂っている。

 それがあの頃との違いを示しているようで、イタチは愛おしげにそこに口付けを落とすと、シスイの両足を自分の肩にかけ、今度は直接彼女の秘所を守る花びらにも接吻をした。

「っひ、ぁッ、んぁ」

 イタチの息が当たった事で感じたのか、ビクビクと体を痙攣させながら甘やかな女の声が漏れる。その声を耳で楽しみながら、香りを嗅げばヒクヒクと揺れるシスイの其所は男を待ち望んでいるように雌の芳香を放っていた。それが早く挿入れて欲しいと強請っているかのようで、先ほどから想い人の痴態を前にズボンの中で存在を主張していた一物が喉を鳴らすような錯覚を覚える。

 けれど、そのことは一旦自分の中で押し込めて、先に確認しておきたかったことを確認するため、イタチは形の良い自身の2本の指を口腔に含んで、充分に唾液で濡らすと、それを彼女の菊門へと宛がった。

「ッぁ!? や、ぁ……あッヤダァ」

 そこは柔らかいと同時に固く閉じていた。

 ……シスイがバックバージンも失っていることは知っている。寧ろ彼女が性的被害にあっていた時代に犯人から押収した資料写真から判断すれば、ひょっとするとヴァギナでの経験よりもアナルの経験のほうが多いくらいではないかというほどには、かつては日常的にケツを犯されていたらしかった。

 しかし……9年前、初めて彼女を抱いたあの日、濡らしもしていなかったイタチの指を容易に飲み込んだ尻穴は、濡らしていて尚すんなりとは入らなかった。

 日常的に自分で慰めたり、他者と寝ているのであれば、もっと簡単に指の2本くらいは飲み込んだはずだ。

 シスイの以前抱いた時とは違う、快楽に敏感で感度こそ良いが、どことなく不慣れでぎこちないような様子から推測していたが、これは当たりということだろうか。

 つまり、あれから……木の葉を出奔した日から、シスイは己の貞操を守って生きてきたのだと。

 

 ……過去の事件はなかったことには出来ない。シスイの純潔は理不尽な暴力によって奪われ、脅され、3年にわたり男の味を覚え込まされ、其の体は開発された。

 けれど、そんなもの自分の意志でないのなら事故のようなものだ。

 少なくとも、真相を知っていて尚そのことについて責める気などイタチにはなかった。

 大切なのは、今とこれからだ。 

 そしてイタチは男を知っている体であることは仕方ないにしても、それでもシスイが非処女を理由に容易く股を開く女になってしまっているとは思いたくはなかった。本音をいうなら自分以外の人間に肌を許して欲しくないし、そうであって欲しい。

 だが、彼は彼女にそんなことを強要出来る立場にはなかった。

 そもそも今のシスイとイタチの関係は追う者と追われる者であり、婚約者という名目は解除されたも同然である。少なくともイタチはシスイの恋人ではないし、彼もかつて彼女を傷つけた者の1人だ。

 だから、たとえシスイがイタチの知らぬ男と関係があったとしても、文句を言える立場でもないだろうとも彼は思っている。だから不愉快だけど彼女がこの9年の間に別の男に身を委ねていたことがあったとしても仕方ないことだと思っていた。

 だが、こうしてシスイが誰にも肌を許さずに生きてきたことをいざ知ると、ある種の悦びがジワジワと胸の奥から這い上がってくる。

 自分のかつての印象通り、シスイは自分の意志で容易く他者に股を開くような女ではなかった。

 そのことが証明されたのが嬉しかった。

 例え最初の男が自分でなかったとしても、それでも最後の男が自分であればいいと、もう他の男には触らせたくないと、沸き上がる独占欲と愛おしさの中、そう思った。

「……シスイ」

 名を呼び、自分に身を委ねている人の小さな背中を抱き締め、愛おしげに首元に口付けを落とす。

「イタチ……?」

 その今までにない感慨が含まれているような声に困惑しながらシスイが名を呼べば、イタチはその耳元に「……お前を愛している」とそう本日三度目の……クールと称される彼に似合わぬ愛の言葉を放って、自分の着ていた衣装に手をかけた。

 月明かりの下で、イタチの均衡の取れた無駄のない痩身が浮かぶ。華やかささえ感じさせる優美な立ち姿は一流の役者も裸体で逃げ出しそうな程に艶やかであった。睫が長く細面の中性的な面立ちも相俟って、それは性別を感じさせぬ美を放っていたが、しかしそれでも想い人の痴態に煽られそそり立った一物が、彼が芸術品でもなんでもなく、生きた人間であり欲情もすれば勃起もする男であることを強く主張していた。

「……シスイ」

 酷く熱っぽい声で女の名を呼ぶ。

 それは普段冷静沈着を絵に描いたようなイタチが放ったものとは思えぬほど、男の色香を帯びていて、ゾクリと本能的な震えがシスイの背に走り抜け、腰に響いた。

「シスイ」

 低く擦れた声で名を呼ぶ。それが今から入れるの合図だと気付くのと、愛液を滴らせる膣口に青年のペニスが宛がわれるのは同時だった。

「イタ…………チ、っ」

 9年ぶりに味わう、笠を張ったカリ首がトロトロに蕩けた女性器の中へと侵入していく感覚。それが身悶えるほどに気持ちよくて、シスイは一瞬息を詰めて、青年の名を呼んだ。太く硬い亀頭冠が敏感な入り口の肉を擦って侵入していくのが下腹の奥に響いて失禁しそうなほどにイイ。

 そんな彼女の反応を見て、このまま全部入れても問題ないと判断したのだろう、イタチはくびれ部分まで内部に収まったのを機に、それまでのゆっくりとした動きから一転、一気に奥までペニスを押し込んだ。

「ひアッ……ふ、ぁあああーーーッ!」

 パチュンと、子宮口を叩かんばかりの激しい突き上げを前に、思わずあられもない声を上げてシスイは達する。

「……っ」

 その反動でキュウウと元より久しぶりで窮屈だった膣が勢いよく締まり、イタチの一物を痛いほどに締め上げる。

「はア、ゥ、あ……は、ぁ、あ」

 けれどそうして締めつける事で余計内部に収まったイタチのペニスを意識し、感じてしまったのだろう。シスイは荒い息を吐きながらビクビクと体を揺らしつつ、キュウキュウと青年の魔羅を暖かく柔らかな肉の襞で締め付けていく。

 9年ぶりの想い人の内部は、昔と変わらず……いや、昔よりも気持ちが良くて、本能のままに突き上げさっさと射精してしまいたくなる。だが、イタチがそれを選ぶ事はない。

「んん……ふ、ぅ、は……ぁ、はぁ」

 本能は今すぐ目の前の体を蹂躙しろと語りかけていたが、それでもイタチは無理に動こうとはせず、久しぶりの性感の数々を前に意識を飛ばしかけていた彼女の自我が戻ってくるのを待ってから、ゆるやかに動き始めた。

「ひっ、ぁ、アッ……んん、あっ! ……は、ぁア」

 その狭く心地よい女陰(ほと)の感触を味わうように、単純な抜き差しではなく、上下左右に腰を揺らしながら、シスイの反応が顕著なところを中心にペニスを宛がい、擦り上げた。

「はっぅ……あ!? ヤッ……ひんっァ……ふぁ」

 すると女もつられるように腰を揺らめかせ、無意識にか、熱くヌルヌルの内壁で緩急をつけてイタチの一物をキュウキュウと締め上げ、貪欲に奥に奥にと飲み込んでいく。

「あ、あ、ぁ、あァ」

 イイところを何度も叩かれ擦られ、揺さぶられて、律動に快楽に頬を赤く染め上げながら、そうして繋がりはじめて10分を越えた頃には涙を流しつつ、彼女は縋るようにイタチの背に右手を回した。

「ャ、あう……ひ、ぁ、あ」

 自分に縋り付きながら泣き、自分のモノを受け入れながら善がり喘ぐ。そんな様が可愛らしく愛おしくて、イタチは再び彼女の唇に深く幾度も角度を変えながら口付けを贈る。

「ふ……ん……んん……ぁ、は……ふ……んぅ」

 クチュクチュと粘着質な水音と、1つに繋がった下半身からパンパンと肉を叩くような音が響く。

「は……ぁ、ふ……ん、あ」

 そんな音達とシスイの喘ぎ声をBGMに、イタチは空いた右手で彼女の平均より大きく豊かな胸に手を伸ばし、口付けはそのままに敏感で柔らかなそこを揉みしだいた。

「あ、ぁふ……んんっ! ……ふ、はァ」

 小さな舌を吸い上げ、プクリと膨らんでいるピンク色の突起を胸で抓みながら、入り口を少し下った当たりをグリッとペニスで刺激すると、シスイは甘かった声を一層甘くくぐもらせながら、ギュウギュウとイタチのペニスを締め付け、より奥へと誘い込んだ。

 散々煽られた上にもたらさせた性感を前に限界も近い。

 だからイタチは、ラストスパートとばかりに腰の動きを早め、彼女の体勢をひっくり返すように変え、シスイの小柄な体をすっぽりとその腕の中に収めながら「出すぞ」そう声をかけ、一旦入り口限界まで引き抜いてから、最奥まで突き込んだ。

「あ、ぅ……ぃひ、あああーーーァア!」

 ドクドクと勢いよく精子がシスイの子宮口を叩き這い回る。その熱に追い打ちをかけられたように、シスイもまた本日三度目の絶頂へと押し上げられ、勢いよくプシャっと潮を噴き上げ、意識を数秒飛ばした。

 その様に独占欲と、男としての支配欲が満たされていく。

 自分の腕の中で痙攣を繰り返し、背中をのけぞらしながらヒクヒクと揺れる体に愛おしさを覚え、イタチは彼女の右手に自分の指を絡ませながら、その髪に鼻を埋め思う。

 

 ―――――嗚呼……やっと、捕まえた、と。

 触れたと思っても、この手はいつもすり抜けるばかりだった。

 それをどれだけ苦く思っていただろうか。

 彼女を抱くのはこれが初めてではない。

 けれど、あの時のことは半分は黒歴史のようなものだ。

 暗い嫉妬と悲しみばかりで、喜びなど沸き上がりはしなかった。

 こんな風に、1つになれた悦びなどどこにもありはしなかった。

 今は違った。

 届きそうで届かなかった存在に初めて手が届いた気がした。

 

 いとおしい。

 かなしい。

 いじらしい。

 あいくるしい。

 のぞましい。

 よろこばしい。

 そばにいてほしい。

 もう、離したくない。

 そんな気持ちを込めて、未だ絶頂と中出しの余韻に浸っているシスイの体をイタチは抱き締めた。

 足りなかった。

 言葉でなど足りなかった。

 伝えたりなかった。

 

 ――――――側に居る。オレがお前を守る。だから、もうどこにも行くな。

 

 願いをかけて口付けを落とす。

 そしてそれまでの年月を取り戻すように、夜明けになるまでイタチはシスイを抱き続けた。

 

 

 * * *

 

 

 ―――――それでも朝は来るのだ。

 

 ゆっくりと覚醒していく意識を前に、シスイは初め自分がどうなっているのか理解が出来なかった。

(……? あれ……オレ一体……)

 目覚めて早々、体中に9年ぶりに味わう種類のけだるさと、泣きすぎた故の痛みを瞼に覚えて、シスイは一体昨夜はなにがあったのか思い出せず数瞬呆け、困惑した。

 しかし、何も身に纏っていない故の肌寒さに見下ろせば、情事の痕がありありと残っている自身の体と、自分の腰に手を回して眠っているイタチの裸体が見えて、そこから一気に昨日何があったのか思いだし、彼女はぽつりと呟いた。

「嗚呼、そっか。オレはイタチと……」

 苦々しく震える声は其の先を紡ぐことは出来なかった。

 耳に残り響くのは、「愛している」とそう語りかけてきた男の声だった。

 そう、男、だ。

 かつて誰より愛した子供は最早子供ではなく、力強い手と体温の「男」だった。

 そろりと指を伸ばす。

 綺麗な面差しだった。秀麗で整っていて、目鼻立ちも通っている中性的な涼しげな美貌。しかし目尻の下に刻まれた深い皺が年齢に似合わぬ渋みを醸し出していて、細い首元に浮かんだのど仏や、一見華奢に見えるが無駄な肉のない引き締まった体つきが、目の前の相手の性別が男である事を主張していた。

 男に適切な表現ではないだろうが、それでも、綺麗だと思う。

 それは見た目よりも中身が、立ち振る舞いが、在り方が、魂こそが綺麗なのだと。

 だから、伸ばした手がイタチに触れることを躊躇した。

 こんな汚い手で触れていいものではないだろうと、そう思ったから。

 やがてそっと自分の腰に回されていたイタチの手を外し、立ち上がり、素肌の上に外套だけ纏いながら彼女は言った。

「……ごめんな、イタチ。オレも、お前とは違う意味だけど、お前の事が好きだったよ」

「どこに行く気だ」

 その言葉に不穏なものを感じたのだろう、イタチはその両目を開けて、写輪眼の赤を目に宿しながらそう訊ねた。

(なんだ……やっぱり起きてたのか)

 別に意外でもなんでもない。イタチならば、自分が目覚めた気配を感じれば目を覚ますだろうことくらい予測の範囲内だった。

 でも、本当は目覚めていてほしくはなかった。

 けれど、今更だ。

 痛む資格はもうない。

 だから、シスイは曖昧に「さぁな」そう答えて、フワリ、まるで春の木漏れ日のように微笑んで言った。

「ただ、お前の届かないトコロ」

 その声と同時に幻術を発動させる。

「……ッ!」

 幻術を振り払い、イタチは構えをとる。

 僅か0,5秒のタイムラグ。だが、それだけで充分だった。瞬身の異名のままに彼女の姿はその時には既に消えていた。

「……!」

 ダンッ。

 そんな音を立て、もどかしい気持ちと苛立ちを表すようにイタチは地面を叩く。

(届いたと思った)

 だが、それはこちらの思い込みであったと、そう言う気なのか。

 何故いつだってこの手はお前をすり抜ける。

 イタチの一番好きな微笑みを湛えて『ただ、お前の届かないトコロ』そう答えたあの姿、先などないモノ特有の気配。酷い女だった。

 なんて、酷く、自分勝手。

(オレに与えてから、奪う気なのか) 

 あんまりではないのか、それは。

 お前を離したくないと、そう思っているのに―――――。

 そんな逸る気持ちを胸に、イタチは駆けた。

 

 

 * * *

 

 

「はぁ……はぁ、はぁ……」

 ……あれから一体どれくらいの距離を走っただろうか。

 残量チャクラもつい先ほど消えた。もう幻術1つ展開出来やしないだろう。

 でもそのおかげか、漸く目的地にはついたらしい。

 そう思いながら朝の事を回想する。

「あ……は、どうしよう……」

 顔を右手で思わず押さえながらポツリと呟く。

「右目……全部終わったらあいつにやるって約束してたのに……約束破っちゃった……」

 ボロリと肉眼である右目から涙がこぼれ落ちる。

 本当はこの目をイタチにあげたかった。

 だけど、それは無理だとシスイは思っている。

 悟ってしまったのだ、昨日イタチに「愛している」とそう告げられた時に。

 嗚呼、こいつは自分を殺す気などないのだな、と。

 イタチに目を渡したい。あげたい。

 この目も命も、火影になってほしいと望んだあいつにこそ捧げたかった。

 だけど、もう無理だ。

 もしもこの目を渡していたら、それこそ自分はあいつの元から逃げ切れることは出来なかった。

 だから、渡す事は出来ない。

 約束は果たされない。

 なら、その罪も抱えたまま自分はいくべきだろう。

 

 碌に動かない木偶のような体を持て余しながら、それでも眼下に潜む赤へと視線を落とす。

 ゴトゴトと轟音を奏でながら燃えさかる炎の泉。灼熱のマグマが、獲物が飛び込むのを今か今かと待ち構えている。

 ……本当は割腹したかった。

 既に自分にはもうオビトも、大蛇丸も倒すような力もチャンスもなく、それは自分の手で第四次忍界大戦を起きる可能性を摘み取ることが出来ない事を意味する。

 いつか、イタチに第四次忍界大戦など起きない未来を贈るとそう誓ったのに、その誓いを己は果たせなかったのだ。なら、腹を裂いて詫びるしかないだろう。

 けれど、こんな貧相な体では腹を切る事さえままならない。

 だから自然の裁きを受ける事こそが、醜い自分には相応しいだろう。

 そう思った。

 イタチに抱かれたのは最後だったから。

 あいつが愛していると、そう言ったから。

 積年の想いを遂げさせてやりたかった。

 それが却って残酷なことだとしってても、それでも他の方法をシスイは知らなかった。

 それでも叶うならば……。

「幸せになってくれよ」

 そう思って微笑う。

 

「シスイ!」

 ―――――嗚呼、どうしてだろう、幻聴が聞こえる。

 大好きなイタチの声。

 でもきっとこれは、己の願望が作り出した幻なのだろう。イタチがこんな場所にいるわけがないのだから。そう思ってシスイは其の身を火山の火口の中へと投じた。

 

 届かない。

 間に合わない。

 一度は届いたと思った想い人の体は灼熱のマグマに飲み込まれ、消えた。

 

 

 完

 

 

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